IZUMO2〜鬼畜ショタ性記〜 作:イズモ
最初の楽器演奏で戸惑う琴乃を期待していた方々には申し訳ありません。
感想、評価、お気に入り本当にありがとうございました!
月日は流れ、琴乃がネノクニにやって来てから二ヶ月以上経過した。
季節は夏になり、強い日差しが空から降り注いでいる。しかし、未だアシハラノクニにいる悪霊の手の者は見つからず、アマテラス達は歯痒い思いを抱いていた。
だが、何も進展がない訳ではなかった。『宝貝』をアシハラノクニに送った事で、アマテラスとカグツチは限定的ながら嘗ての仲間達と会話出来るようになり、緊急時と判断した事によって嘗ての仲間と交流もある桃花とツクヨミが直接アシハラノクニに赴くようになった。
その事によって悪霊の『救世主』かも知れない人物の特定に至った。と言うのもアマテラスとカグツチの嘗ての仲間の1人である『倉島渚』が、2人と連絡が取れるならこれ幸いにと娘に発生していた問題を相談し、その対処に当たったツクヨミが偶然にも出会ったのだ。
嘗て共に邪神ヨモツオオカミに仕えていた悪霊の将である『スサノオ』の転生体、『
しかも渚の娘である『
李花の世話がある桃花や妊娠している蔓は手を貸せず、そもそも精霊としての格が低い事もあって、2人はアシハラノクニで戦闘出来ない。
おかげでツクヨミは綾香と渚の2人と共に問題を対処するという苦労を味わわされた。この件の裏でツクヨミは、リンドにとある要求をしている。
最終的には汀に起きていた問題は解決し、スサノオの転生体である『大斗剛』には汀を通じてアマテラスが作成した護符を渡すことによってヒミコの干渉が及ばないように対処した。
一つの問題は解決したが、肝心の琴乃の帰還は今だ叶わずにいる。
しかし、此方でも予想しなかった副産物が発生していた。ネノクニの自然あふれる環境が良かったのか。病弱で身体が弱かった筈の琴乃がどんどん健康体に成っていったのだ。
これには『宝貝』で知らされた母親の綾香も心から驚いた。健康体になったおかげで、琴乃は音楽以外にも巫女修行に手が出せるようになり、徐々に里の者達からも受け入れられるようになってきていた。
琴乃本人も帰れない事に不安は感じているが、ネノクニでの生活を支えてくれているアマテラス、カグツチ、佐久夜、そして何よりも一緒に生活してくれているリンドに感謝し、徐々にネノクニでの生活を受け入れるようになっていた。
そして今日も……
「んふーっ……♥ んーっ……♥ んんーっ♥」
背中を優しく撫でてくるリンドの小さな手の感触に、琴乃はくぐもった声を上げた。
(ああぁっ♥ リンド君が撫でてくれる場所が気持ち良いの♥ とても暖かくて身体がポカポカして来るわ♥)
最初に肩から始まり、次に最近では農作業をやるようになりながらもシミ一つない背中を撫でていく。
途中、厚手の白い下着の部分だけは撫でずに手を放す。
(あんっ♥ ……でも、下着は外せないから……仕方がないわ)
一時でも背中に広がっていた暖かさが離れた事を、琴乃は内心で残念がった。
リンドから服を全部脱いだ方が効率が良いと言う事は教えられている。だが、元々引っ込み思案な性格をしている琴乃には、幾ら相手が幼いとはいえ男の子の前で身体を全て晒すのは恥ずかしかった。
今の下着姿だって本当は恥ずかしくて仕方がなかった。それを我慢する事が出来ているのは、リンドのマッサージが効果があって、心身を癒すほどに気持ち良いのと
(本当にリンド君のマッサージは気持ちいいわ♥ でも、本当に気持ち良いのは……)
「そろそろ本番行くよ、琴乃お姉さん」
「ええっ♥ して頂戴、リンド君♥」
了承を得た瞬間、リンドは琴乃の背にうつ伏せになるように乗り、そのまま戸惑う事無く琴乃の胸の下着の下から手を入れて胸を揉み出した。
「あぁぁぁぁぁぁぁ――っ♥」
柔らかな巨乳が、下着の内側に入り込んで来たリンドの両手によって、それぞれ揉み出されていく。
子供の体格とは言え、背に乗られ、しかも布団の上にうつ伏せになっていた琴乃は逃げる事も出来ずに胸を弄ばれる。
弾力が良いのか、リンドの指を弾こうと双丘は反発を返してくるが、その感触が琴乃に快感を与えていく。
琴乃自身も知らない所で開発されていた双丘は、流し込まれている霊力と気と合わせて感度を引き上げられ、余りの快感に喘ぎ声を抑えられなかった。
「あんっ♥ あっあっあっあっ♥ んあぁぁっ♥」
(気持ち良い♥ とても気持ち良いの♥ リンド君の手が私の胸を弄る度に、気持ちよくてどうにかなりそう♥)
明らかにマッサージの範疇を超えているにも関わらず、琴乃は綺麗な声で喘ぎ続ける。
リンドがマッサージを施す時にする行為は、全てマッサージの範疇と
「あっ♥ あっ♥ あはぁぁぁっ♥ ひぁっ♥」
布団の間で潰されながらも自己主張して立ち始めていた乳首に、指を引っ掛けられた琴乃は少し甲高い喘ぎ声を洩らした。
(乳首も♥ 乳首もマッサージしてリンド君♥)
最早胸愛撫にしか見えないにも関わらず、あくまでマッサージと認識している琴乃は僅かに強請るように後ろ目を向けた。
琴乃の気持ちが通じたのか、リンドは器用に挟まれながらも指を動かして、先ずは乳首の周りの乳輪を撫で、最後にピンと立っていた乳首を指で挟んでコリコリと動かす。
「あぁぁぁ――っ♥ ひぁぁぁ――っ♥」
胸で一番感じるところを同時に攻められた琴乃は、顔を仰け反らせた。
同時に履いている下の下着がぐっしょりと濡れたように内側から染みが広がっていく。
琴乃が快感の余り胸だけで絶頂した事を悟ったリンドは、内心でほくそ笑みながら、開発具合に満足そうに頷く。
無論、此処までの快感を与えられるのはリンドのみ。他の者が幾ら琴乃の胸を愛撫しても、欲求不満が募るだけ。
この二ヶ月以上の間に、琴乃の胸はリンドでしか満足できないように本人も認識できない内に開発し尽くされてしまった。
「はぁっ、はぁっ……はぁぁぁっ……気持ちよかった。ありがとう、リンド君♥」
背中からリンドが下りるのを感じた琴乃は、我知らずに熱っぽい視線を向けながらお礼を告げた。
そしてそのまま今度は仰向けの姿勢になって、無防備な姿勢で寝そべる。火照った身体には赤みが差し、絶頂した事で熱い吐息が口から洩れ、下着に包まれた豊かな胸が上下している。
「次は下をお願いね♥」
「うん。何時も通り声は上げても、喋っちゃ駄目だからね?」
「……ええっ、分かってるわ」
喋った時に待っている事を想像したのか、琴乃の顔がカアーっと赤くなる。
(でも、仕方がないわよね……喋ったらせっかくマッサージをしてくれているリンド君の邪魔をする事になるんだから。それにこれは約束事でもあるし)
おかしい認識だが、琴乃にとってはそれが
ゆっくりと身体を寄せてくるリンドを期待の眼差しで琴乃は見つめる、そして迷う事無く、ぐっしょりと濡れている琴乃の下の下着の中に右手を入れて愛液を垂れ流し続けている秘裂に指を入れる。
じゅっず……
「っ!? あひぃぃっ♥」
秘裂の中に割り入った指は、膣口に入り、そのまま蠢く肉壁を撫でまわしていく。
その快感に琴乃は顔を後ろ向きに仰け反らせる。膣内に侵入しているリンドの指が、更に愛液で濡れるのも構わずに琴乃の膣内を慣れた動きで蹂躙していく。
「ああっ♥ あ、あぁ……♥ んっ♥ あぁぁぁぁっ♥」
膣壁を蹂躙して快感を与えていく指の動きに、琴乃は大きな声で喘ぎ叫んだ。
思わず身体を動かしてしまいそうだが、密着しているリンドが琴乃の動きを封じる。既に濡れ切っていた琴乃の秘所は、更なる快感を与えてくれると知っているリンドの指を受け入れ、膣壁から愛液を垂れ流す事で奥へ奥へと誘う。
既に吸水力の許容量を容易く超えた下着は、厚手の為に透けることは無いが、ぐっしょりと濡れ切り下着の役割を果たす事が出来なくなっていた。更に愛液の染みは下の布団にまで広がっていく。
くちゃっくちゅくちゅっ……じゅぽじゅっぽ……
「あはぁぁぁぁっ♥ ふぁっ♥ ひぅぅぅぅ――っ♥」
(凄い♥ 凄いの♥ リンド君の指が私のあそこマッサージする度に、意識が飛びそう♥)
最早数える必要がないぐらいに、膣内のマッサージを受けて来た琴乃は、快感を享受して喘ぐ。
其処には最早二ヶ月以上前にアシハラノクニにいた頃の清楚な少女の姿はなく、快楽に目覚めて少女から女、いや雌と羽化しかけている琴乃がいた。
口元には淫靡な笑みが浮かび、両手は快感に耐えるように強く握り締められ、足の指先も丸まって行く。
胸の方も厚手の下着に覆われているのも関わらず、隠れている乳首が居場所を知らせるように下着を盛り上げて自己主張していた。
身体を密着させて、琴乃の綺麗な肌に舌を這わせていたリンドは這わせるのを止めると、ニッコリと笑って告げる。
「琴乃お姉さん。二本目そろそろ行くよ」
「っ!? んんっ!」
マッサージ中は喘いでも、言葉を発してはいけないと認識している琴乃は首を横に振った。
リンドのマッサージは気持ち良すぎる。少し止まって欲しいと声なき声で琴乃は訴える。
しかし、琴乃の
「二本じゃなくて三本? 欲張りだなあ、琴乃お姉さん」
(ち、ちが……っ!?)
じゅっず……ぐぼぐぼっ……じゅずぅっ!
「っあ、んあああああああああ――――っ♥」
琴乃の願いを無視していきなり二本も膣内に指が入り込み、三本の指が膣内を蹂躙する。
既に充分過ぎるほど解されていた膣口は、容易くリンドの指を受け入れた。膣口に入った三本の指は、快感を感じる場所は把握していると言うように琴乃の膣壁の中でも敏感な場所で撫でまわしていく。
「あ゛♥ ああぁぁっ♥ んあぁぁぁぁっ」
一番敏感な場所やその次に敏感な場所を撫でられた琴乃の腰が震える。
しかし、意地でも言葉だけは口にしないと言うように嬌声を上げる。その頑張りに応えるように親指を動かして、下着に隠れて見えないが包皮から飛び出している肉芽を撫でる。
「っ!? ……イックっ♥ イッちゃうぅぅぅぅぅぅ――――っ♥」
ぷしゃぁぁあ――――っ!!
最後の最後で琴乃は叫び、下着の下で秘裂から潮が噴き出した。
噴き出した潮は逃げ場のないリンドの手を熱く濡らし、最早下着としての意味をなさなくなっていた布をぐっちょりと濡らす。
腰を痙攣させるように琴乃は揺らし、意識は絶頂した衝撃で遠退いて真っ白になった。
潮が治まると共にリンドは下着の中から手を引き抜く。引き抜く時に白い粘性の液体が付いていて、琴乃が本気で感じていた事を示唆していた。
手に付いたそれをリンドは味わうように舐める。
(フフッ、やっぱり佐久夜お姉ちゃんにも、桃花にも、蔓にも負けない味だ。その内直に味合わせて貰うよ)
その日も近い事を確信しながら、リンドは絶頂の衝撃から今だ立ち直れずにいる琴乃に声を掛ける。
「……琴乃お姉ちゃん。マッサージ終わったよ」
「……あっ……あ、ありがとう、リンド君……とても気持ち良かったわ……でも……」
声を掛けられて意識を取り戻した琴乃は、恥ずかしそうに寝ながら横を向いた。
(最後の最後で言葉を出しちゃうなんて……でも……年上として約束は守らないといけないわ)
相手は子供。だからこそ約束した事を守る事を教えなければと
(こ、こんなに濡れてるなんて!? ……幾らリンド君のマッサージが気持ち良いからって、濡れ過ぎよ! 私の馬鹿!?)
羞恥で顔を真っ赤にしながらも、琴乃はリンドに背を向けながら下の下着を脱ぐ。
綺麗なお尻がリンドの目の前に広がり、琴乃が羞恥を感じているのか小刻みに震えている。その姿にリンドの股の間に立つ肉棒が、極上の雌の美尻を前にして血管を浮かせていきり立つ。
早く琴乃に挿入したいとリンドの雄の本能が叫ぶが……。
(まだ駄目だ)
雄の本能をリンドの理性が抑える。
既に二ヶ月以上の開発と認識操作で、琴乃の身体はリンドでしか快楽を得られないほどになっている。だが、その心には相変わらず、『猛』がいる。
悔しい事だが、リンドも琴乃が楽しく『猛』の事を話している内容を聞いてそう簡単に心を奪えないと認めざる得なかった。それほどまでに『八木猛』と言う人間は、琴乃の人生に強い影響を及ぼしている。
残念ながら現時点では琴乃の処女と心を奪う事は出来ないと、リンドも認めるしかなかった。
(まっ、諦めないけどね)
とは言っても、琴乃と言う極上の美少女を諦めるという選択肢はリンドにはなかった。
琴乃の身体は以前とは比べものにならないほどに健康的になり、今ならばネノクニの自然あふれる道も歩けるほどの体力も付いている。元気な赤子も産む事だって出来る。
それに逆を言えば、『猛』と言う心の支えが無くなった時に、琴乃の心はリンドに傾く。ならば今後も根強く頑張れば良い。
誓いを新たに固めるリンドの前で、琴乃は胸の下着も外し、顔を羞恥で真っ赤にしながら振りかえる。だが、やはり恥ずかしさが勝るのかいまだ乳首が立っている胸を右腕で、内ももを合わせながら愛液が流れ出している秘所を左手で隠す。
「リ、リンド君……次からは……」
「琴乃お姉さん」
「あっ」
リンドの視線が胸を隠している右腕と、秘所を隠している左手に向けられている事に琴乃は気がつく。
そして嘘をつくのかとリンドの瞳が語っているのを悟り、琴乃は心の中で想い人に謝る。
(猛さん。これはリンド君の約束を守る為なの……マッサージの最中に、言葉を発したらリンド君の頼みを一つきかないといけないの)
最初は明日の朝食を作って欲しいとかの他愛無い頼みだった。
しかし、徐々に内容は卑猥になっていき、琴乃が下着姿でリンドのマッサージを受けるようになったのも半月前に頼まれたからだ。
(し、仕方ないのよ! リンド君のマッサージって本当に気持ち良くて、効果があるから!)
実際、マッサージを受けるようになってから
其処まで効果があるマッサージや薬は、アシハラノクニにもなかった。だから、琴乃は拒否出来ない。
幼いながらも真摯に琴乃の助けになろうとしているリンドの頼みを、琴乃は拒否できない。そして昨日のマッサージでも声を上げてしまった時に、リンドに頼まれたのは……。
『今までのマッサージで琴乃お姉さんが声を上げてたのは、マッサージの効率が悪かったせいかもしれない。だから、次のマッサージの時にも声を上げる事に成ったら、その次からは裸でするようにして欲しいんだ。その時には僕に琴乃お姉さんの綺麗な身体を魅せながら約束してね。勿論明日声を出さなかったら、この頼みは無しで良いよ』
そう言われてしまえば、琴乃に断る事は出来なかった。
(言葉を話した私がいけないのよ……それに年上の私が嘘をつくなんていけない事だから)
覚悟を決めた琴乃は恥ずかしさで顔を真っ赤に染めながらも、乳首が立っている乳房を張るように身体を前に突き出す。そのまま合わせていた両足を少しずつ開いていく。
自身がこれから幼い少年に全てを晒すことになると姿を想像して、琴乃は恥ずかしさの余り目を閉じてしまう。だが、止まるという選択肢はないと言うように両足は徐々に開き続ける。
そして一定の間隔で開いたところで、琴乃は胸と秘所を隠していた両手を退かし、そのまま後ろ手に回して一糸纏わぬ肢体の全てを晒した。
恥ずかしさからか小刻みに震えている美しい曲線を描く豊満な乳房も。スラリとしたくびれた腰も。
愛撫を受けて、白い本気汁でぐっしょりと陰毛と共に濡れている秘裂も。その秘裂の頂点で包皮から飛び出して堅くなっている小さな肉芽も全て晒しながら琴乃は宣誓する。
「つ、次からのリンド君とのマッサージでは、裸でする事をや、約束するわね」
「うん。約束だよ、琴乃お姉さん」
目を閉じながら聞こえて来たリンドの無邪気な声に、琴乃はこれで良いのだと認識する。
……恥ずかしさでキツく目を閉じているが故に、琴乃は気付けなかった。何時の間にか座っていた筈のリンドが立ち上がり、琴乃の目の前に立っていて女殺しの剛棒をいきり立たせている。
その剛棒から発せられる雄の臭いに誘われるように、自らの秘裂が愛液を更に流している事も、そして惹かれるように膣奥の子宮が降り始めている事にも琴乃は気付いていなかった。
(こんな綺麗で淫靡な姿を晒してくれた琴乃お姉さんには、お礼をしないとね。生命力も充分に高まったし……
この時、リンドは心からの善意で琴乃に家族の顔が見れる喜びの笑顔を浮かべて貰う為に、一つの指示をアマテラスの下にある宝珠に飛ばした。
それがまさか、まだ暫らく掛かると思った琴乃の心を手に入れる一端になるとは夢にも思っていなかったのだった。
「……ふぅー……」
夜遅く、アマテラスは自身の執務室で横に置いた沢山の巻物を開いては閉じ、開いては閉じと同じ作業を繰り返していた。
「……やっぱり読めませんね」
アマテラスが今調べている沢山の巻物は、リンドが提供してくれた財産の中にあった物。
『精霊が人と子を為す方法と注意事項』と書かれた巻物を始めとして、幾つかの巻物は読む事が出来たが、それでも大半の巻物は未だ読めず仕舞い。読めないのならば放置しておけば良いように思えるが、仮にも巻物は『世界の理を守護していた一族』の隠し財産の中に含まれていた物。
間違いなく、かの一族の秘術が記されている筈だとアマテラスは確信していた。
「読めない理由は、術が使われているからですものね」
「……姉さん」
聞こえて来た姉の声にアマテラスが入口の方に顔を向けてみると、扉を背にして顔を赤く染めて汗で濡れている寝間着を着たツクヨミがいた。
その姿に、姉が何をしていたのかをアマテラスは察し、胸の内で微かに嫉妬の炎が燃えるが……。
(……仕方ないのよ。姉さんは一時消滅に向かっていたのを持ち直した病み上がりだったのに、力が弱っているとは言え、『ヤマタノオロチ』の意思と戦ってくれたんですもの……だから仕方ないの)
姉であるツクヨミが人知れずに消滅の道を歩んでいると知った時、アマテラスは地面が崩れるようなショックを受けた。
『精霊が人と子を為す方法と注意事項』と書かれた巻物には、ツクヨミが危険な状態にあると知らせるような内容が書かれていた。アマテラスと、そしてカグツチがツクヨミを問い詰めたところで、その身を薄くさせながら崩れ落ちるように倒れた。
すぐさま巻物に書かれていた『真の契りの儀式』を、カグツチがツクヨミと結ぶ事で消滅は免れる事が出来た。
(あの人に聞いたら、行為の後に姉さんとの契りの証である宝珠が出現して……あの人の胸に入った……『真の契りの儀式』が実在しているという何よりの証拠)
『契りの儀式』の上位互換が存在しているなど、アマテラスも知らなかった。
夫であるカグツチは掛け替えのない伴侶だが、同時に姉であるツクヨミもアマテラスは捨てられない。奇跡的に精霊として残ってくれた姉をどうして見捨てられるのか。
故に自らの嫉妬心を理屈でアマテラスは納得させる。そんなアマテラスを、何時の間にか背後に移動していたツクヨミが優しく抱き締める。
「アマテラス……カグツチのこと……本当にごめんなさい」
「……姉さん」
「本当だったら、いけない事なのに……身体が安定するまではどうしても必要なの」
巻物には、不完全な『真の契りの儀式』が行なわれた精霊が、改めて『真の契りの儀式』を結んだとしても、一定期間、契約者の気を分けて貰わなければ存在が安定しないと記されていた。
その期間は消滅が近づけば近づくほどに、長く必要になる。
そしてツクヨミは消滅寸前まで行っていた事で、その分だけ長い期間カグツチの気を分けて貰わなければならないとアマテラスとカグツチは認識していた。
「安心しなさい。カグツチは私を抱いていても、貴女一筋よ」
「……ごめんなさい、姉さん」
自分の身が危ういのに気遣ってくれる姉の優しさを感じながら、アマテラスは身体に回されているツクヨミの手に触れた。
(ええ、ヒカルは今は貴女を愛してる。でも、必ず私を愛させてみせるわ)
背後から抱き締められているが故に、アマテラスは気付かなかった。
ツクヨミが口元に浮かべている笑みが、嘗て邪神ヨモツオオカミに仕えていた頃の邪悪な笑みである事に。
(フフッ、実は私の安定にヒカルに抱かれる必要があるなんて事が、嘘だと知ったら……貴女はどう思うのかしら、アマテラス)
『精霊が人と子を為す方法と注意事項』と書かれた巻物の中身は、大半が事実。だが、一部嘘を付け加え、『真の契りの儀式』が齎す精霊への悪影響の部分が書かれていなかった。
全ては女の情念に目覚めてしまったツクヨミが、愛しい相手であるカグツチと睦事をする為。その為に契約を交わしたリンドが用意した策だった。
(アマテラスは見た目に反して嫉妬深い面も持っている。また、ニニギの妊娠の時みたいに天の岩戸に引き込まれるのは困るわ)
妹の性格を知っているツクヨミは、リンドの策を受け入れた。
カグツチを傷つけないというツクヨミにとっての絶対さえ守りさえすれば、リンドは最高の共犯者だった。
ゆっくりとツクヨミは抱き締めていたアマテラスから手を放し、何時もの妹を案ずる姉の顔をしながら問いかける。
「それで……こんな夜遅くまで調べ物をしていたみたいだけど、またあの坊やの一族の巻物調べ?」
「ええ……もしかしたらこの巻物の中に琴乃さんの呪いを解く方法。或いは『反魂の術』以外にネノクニからアシハラノクニに干渉する術がないかと思ったのですが」
「どちらにしても読めないんじゃ分からないわよね」
流石は『世界の理を守護する一族』と言うべきか、財産の中に混じっていた巻物の全てに特殊な術が施されて内容を読めないようにされていた。
正確に言えば何かが書かれているのは分かるのだが、その内容を認識できないという術が巻物に施されている。
アマテラス達が読めた巻物は、アマテラス達の里に伝わる術と同じ物や件の『精霊が人と子を為す方法と注意事項』のみ。尤もそれとて……。
「私達の里の秘術が、外部から持ち込まれた巻物に記されていた時には、眩暈がしました」
『反魂の術』を始めとした里の秘伝とされる術が、全てリンドの一族の巻物の中に記されていたと知った時は、流石のアマテラスも冷静でいられなかった。
秘伝は外部に漏れていないからこそ秘伝として扱われるものなのだから。
「本当にとんでもない一族よね……(まっ、その一族の生き残りの坊やがやっている事を知っている私からすれば、当然だと思うけどね)」
リンドの本性を知るツクヨミは表面上驚いた様子を見せながらも、内心では驚く事はなかった。
とは言え、余りこの話題は出すべきではないと思っているツクヨミは、別の話題に切り替える。
「……それにしても、まさか『スサノオ』の転生体とアシハラノクニで会うなんて思わなかったわ。しかもその婚約者が渚の娘で、『ヤマタノオロチ』の転生体とか。本当に何の冗談よ」
「ええ……私もあの人も姉さんから話を聞いた時は驚いて言葉もありませんでした」
『スサノオ』に『ヤマタノオロチ』。どちらもアマテラス達に縁がある相手。
特に『スサノオ』は、カグツチの弟でもある存在なだけに驚愕するしかなかった。汀の母親である渚にしても、昔戦った『ヤマタノオロチ』が自身の娘として転生していたと知った時は、大口を開けて固まっていた。
「しかし……本当なんですか? 『スサノオ』の転生した少年。『大斗剛』君がヒミコらしき呼び声を聞いていたと言うのは?」
「本人が言うにはね。琴乃がこっちに来る一ヵ月くらい前に夢の中で誰かが呼んでいて、その呼び声の方に行こうとすると、巨大な鱗に覆われた尾が身体に巻きついて来て『イカセナイ、イカセナイ、タケシハ、ボクノモノ』って言う悪夢を見ていたそうよ」
まごう事なき悪夢だった。
おかげでアシハラノクニで高名な霊媒師と渚が娘の汀に紹介する時に、悪夢で悩んでいた剛にもツクヨミは相談された。それが切っ掛けでツクヨミは剛が嘗ての同僚である『スサノオ』の転生体だと知り、彼こそがヒミコが呼ぼうとしている悪霊の『救世主』だと確信する事が出来た。
『スサノオ』は強大な力を持っていた悪霊の将。ヒミコに敗れてアシハラノクニに転生してしまったが、ネノクニに来れば急成長するのは間違いなかった。
「ちょっと鬱屈した者を抱えている子のようだったから、こっちに来て周りから『救世主』だって囃し立てられたら、あっさりと戦ってしまいそうな危うい子だったわね。まっ、そんな鬱屈した感情を抱えている事を汀に教えておいたから、今頃は悩みなんか抱えている暇もないぐらいに汀に振り回されてるわよ」
「姉さん……」
悪戯が成功したと言うように微笑む姉の姿に、アマテラスは溜め息を吐く。
「……ただね」
「何かまだ?」
「剛は間違いなく『スサノオ』の転生体よ。元同僚の私が見間違える訳がないんだけど……何だか『スサノオ』にしては弱い? 低い? ……ごめんなさい、表現するのがちょっと難しいわね」
『大斗剛』は間違いなく『スサノオ』の転生体。
だが、付き合いがそれなりにあったツクヨミは違和感のようなものを感じていた。魂は間違いなく『スサノオ』。なのに、どうしてか違和感を感じる。
アマテラスもツクヨミの感じている違和感に関して考える。
「……もしかして、『スサノオ』が持っていた力がヒミコに奪われているのが原因なのでは?」
「……そうなのかしらね。まっ、とにかく貴女が製作した護符と汀が傍に居れば、あの坊やがネノクニに来る事はないわ……琴乃には言えないけどね」
「……ええっ」
何故琴乃がヒミコに寄ってネノクニに呼ばれたのか、アマテラスとツクヨミは既に察していた。
琴乃は『スサノオ』の転生体である剛を呼ぶ為に、ネノクニに呼ばれたのだ。それとなくアマテラスが食事の席の話題で、琴乃に付き合いがあった男性を尋ねたところ、剛の名前が出て来た。
琴乃と剛には縁がある。その縁をヒミコは利用しようとしているのではないかと、アマテラス達は察していた。尤もこんな話は琴乃には出来ない。何れアシハラノクニに戻る時に、琴乃と剛の関係に亀裂を作りたくないからだ。
今日はこれで最後にしようと巻物の1つを手に取り、アマテラスは開く。
「っ!? こ、これは!?」
「どうしたの、アマテラス? その巻物が何か……っ!?」
最後にアマテラスが手に取った巻物。
本来読めない筈の巻物を、アマテラスと後ろから覗いたツクヨミは読む事が出来た。
『死者が生者の世界を覗く術。名を『降霊の術』』
広げられた巻物の最初の文には、そう刻まれていたのだった。
と言う訳で『スサノオ』の転生体の片割れの1人である剛がネノクニに来る事はなくなりました。
彼はこれから親公認の汀に振り回されながらイチャイチャする幸せライフを送ります。
因みにアマテラス達はもう1人のスサノオの転生体がいる事をまだ知りません。これはスサノオが通常の転生ではなく、楓の力で転生した事で2人に分かれた事を知らないからです。まぁ、通常同一人物が2人に分かれて転生するとかはあり得ないでしょうから。
そして学園編が始まる事無く、汀の問題が解決。
経緯としては。
『リンドの一族とヒミコ達が争った時に、ヒミコが宿していた『ヤマタノオロチ』の力の一部が解放』
↓
『転生体である汀に解放された力が宿る』
↓
『学園編時ほどではないが、力が高まり不安を感じた汀は母の渚と剛の父に直談判し、剛の住んでいる屋敷に居候』
↓
『ヒミコの干渉が開始。しかし、すぐ傍に汀が居た為に干渉妨害。剛、オロチの尾に縛られる悪夢を見る日々』
↓
『琴乃ネノクニへ。その後綾香経由でアマテラス達と連絡が取れる事を知った渚が汀の事で相談』
↓
『アマテラスに頼まれて渋々ツクヨミ、アシハラノクニに来訪。高名な霊媒師と偽って汀と接触。『ヤマタノオロチ』の転生体と発覚』
↓
『このままでは汀の命が危ないとツクヨミ断言。対処として原作のやり方で汀の精神に渚と綾香と共に侵入』
↓
『精神世界と言う事で何故か渚と綾香がネノクニ時代の全盛期の力を取り戻す。(影でリンドがツクヨミに一族の道具を渡して支援)』
↓
『汀救助完了。見舞いに来た剛とツクヨミ接触。スサノオの転生体と発覚』
↓
『汀を助けた高名な霊媒師として悪夢の件を剛がツクヨミに相談。アマテラス達に事情を説明し、護符を手渡す(剛。ネノクニ来訪フラグ消失)』
↓
『他にも剛の抱えているものを相談と言う形でツクヨミは聞き出し、全部汀に暴露。(剛、猛との対立フラグ消失)。後はお幸せにとさっさとツクヨミはネノクニに帰還。カグツチと意味深な気の分け合いを実行』
と言う経緯がありました。
最後に出た『降霊の術』の詳細に関しては次回で。
アマテラス、佐久夜、琴乃の妊娠について。
-
琴乃が堕ちた段階で孕ませる
-
四聖の社全て攻略後に孕ませる
-
サヨ関連終了後に孕ませる
-
イザナミも加え、四人そろって孕ませる