※この作品はR-18です。

IZUMO2〜鬼畜ショタ性記〜   作:イズモ

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お待たせいたしました。

誤字報告の方はありがとうございました!


神の娘・佐久夜番堕ち編 12

『シャアァァァっ!!』

 

「いぶき! そっちに行ったわよ!」

 

「任せてぇな、なっちゃん! はぁぁぁ!!」

 

 いぶきの気合いが籠った一閃と共に、襲い掛かって来た大きな蛇が開けていた口から胴体に至るまで真っ二つになった。

 蛇は地面に落ちる前に勾玉へと変わるが、倒したいぶきは回収を後回しにしてなずなと共に周囲の警戒をすぐに行なう。

 それが正しいと言うように、木々の間から今度は複数の糸がいぶきとなずなに護られているリンドに向かって伸びて来た。

 

「させないわ! 呪法ファイヤ!!」

 

 伸びて来た糸はリンドに届く前に割り込んだなずなが放った炎によって焼き消された。

 

「もう一つおまけや! 呪法グラシエイション!!」

 

 なずなに続くようにいぶきが巫女服に付けている『水魂』を輝かせると共により上位の呪法が発動し、糸を放った一体の大蜘蛛を凍り付かせた。

 それだけで効果は終わらず、凍り付いた大蜘蛛を中心に放射状に氷河が伸びていき、周囲に居た他の複数の大蜘蛛を刺し貫いて行く。本来ならば其処で効果が終わり、氷河が砕ける筈だが、敢えていぶきは更に霊力を送る事で氷河を伸ばして、即席の氷の壁を形成させて維持していく。

 

「これで暫らくは持つでなっちゃん!」

 

「良くやったわ! いぶき!」

 

 氷の防壁が出来た事になずなは一息吐く。

 だが、ほんの僅かな休みも与えないと言うように、氷の壁の向こう側から破砕音のような音が聞こえて来る。

 

「っ!? もう次が来たみたいや」

 

「分かってた事でしょう」

 

 いぶきとなずなはそれぞれ剣と薙刀を構え直して、目を閉じて精神を集中させているリンドを前後に挟むように護る。

 前の層で言った通り、リンドは『道祖』による移動を終えた後、即座に『夢を紡ぐ力』を発動させて三層目の何処かにある『道祖』と連れ去られた佐久夜とその犯人である『成り代わり(ドッペルゲンガー)』の捜索を行なっていた。

 当然ながら『道祖』だけを見つければ良いと言う訳ではない。層を隅々まで探索し、連れ去られた佐久夜を見つけなければならない。だが、それは新たに敷かれた試練への干渉を意味している。

 リンドの『夢を紡ぐ力』を使った干渉は試練に対する不正行為。その代償に防衛目的の為に出現している悪霊の影が次から次へと襲い掛かって来た。

 そして今は氷の壁に一際大きな蜘蛛の影が映り、大きな足を使って壁を破壊している様子が見える。

 

(一年前の私だったら、こんな状況になるなら止めていたし、諦めていたわね)

 

 今にも氷の防壁を破壊して襲い掛かって来そうな大蜘蛛とその他の悪霊の影を目にしながらも、なずなは慌てることなく手に握る薙刀に霊力を送りながら横に並び立ついぶきに視線を向ける。

 心得ていると言うようにいぶきも無言で手に構えている剣に霊力を送る。するとなずなの薙刀からは雷が迸り、いぶきの剣からは水が湧き出て刀身を覆う。

 同時に一際巨大な大蜘蛛がその長く鋭い爪を持った脚で氷の壁を破壊した。

 

『シャアァァァッ!!』

 

「雷光!!」

 

「激流閃!!」

 

 咆哮と共に通常の大蜘蛛よりも更に三回りは大きな体格を持った巨大蜘蛛が破壊した氷の壁の向こう側から、通常の大蜘蛛を含め、他にも野犬やキノコの化け物など複数の種類の悪霊を模した影が襲い掛かって来る。

 だが、それに対して既に迎撃の準備を終えていたなずなは雷光を薙刀から放ち、いぶきは激しい水撃を一閃と共に放った。

 二人の攻撃は先に入り込んでいた悪霊の影達だけではなく、その先にいた巨大蜘蛛も呑み込み、後には勾玉が地面に落ちていた。

 

「……ご苦労様、なずな、いぶき」

 

 集中して層の探索を行なっていたリンドの目が開いた。

 

「おかげでこの層の探索を終える事が出来たよ」

 

 そう告げるリンドの額からは汗が流れ、僅かに呼吸も乱れている。

 明らかに疲弊している証拠だった。流石のリンドも、ネノクニの中で最大の霊脈を用いて敷かれた試練への干渉は体力も霊力も大きく消費させられた。アマテラスの時と違い、広範囲である事と試練の内容への明確な干渉だったので、寄り力を使わざるをえなかったのだ。

 いぶきとなずなはすぐさま『奇魂』を嵌めて、自身の霊力を渡そうとするが、リンドはそれを手で制する。

 

「霊力は送らなくて良いよ」

 

 まだリンド達がいるのは三層目。

 推測では十層近く空間が存在している可能性がある以上、戦えるいぶきとなずなを疲弊させる訳には行かない。

 既に目標は次の層に移動している事が判明した。次の層も探索しなければならないのだから、いぶきとなずなには少しでも消費を抑えて貰わなければならない。

 尤もそれだけではない。リンドが顔を上に向けて見れば、空は青空ではなく茜色に染まり始めていた。

 

「だけど……もうそろそろ日が沈む頃合いか」

 

 朝早くに出立したが、一層目の『帰還術』が施された罠を踏まないように移動したために時間が掛かり、二層目も『道祖』の探索で時間が掛かってしまった。

 

「どないしはります、ご主人様?」

 

「夜を徹して佐久夜様と『成り代わり(ドッペルゲンガー)』達を追いますか?」

 

 自分達はそれでも構わないといぶきとなずなは意思を示す。

 しかし、リンドは二人に向かって首を横にふった。

 

「確かに急いで後を追いたいけど、夜となればこれまで以上に警戒しながら進まないといけなくなる」

 

 術で明かりを発生させる事は出来るが、それでも夜の森を見通せる範囲は限られている。

 木々や草も障害物となる上に、呪法が施された罠まであるのだ。その上に悪霊の影や獣なども襲い掛かって来る。

 連れ去られた佐久夜の事が心配でも、後を追う自分達にも危険を伴う為、リンドはすぐに判断を下せなかった。

 

「それに夜の闇は『成り代わり(ドッペルゲンガー)』にとって有利だ。あいつらには『影化』って言う力もあって、影に成り済ませて潜めるんだ。この状態になっていると、僕の風でも察知できない」

 

 風の力はあくまで潜んでいても実体があるからこそ察知できる。

 だが、影には実体などない。故にリンドの探知を掻い潜ることが出来てしまう。

 

(今思えばあの猪の影に『成り代わり(ドッペルゲンガー)』が潜んでいたのかも知れない。そして佐久夜が対処した一瞬の隙に、影に入り込んだ……いや、戻(・)っ(・)た(・)と言うべきか)

 

 脳裏に浮かぶのは、森に入る直前に罠にかかった佐久夜の影の異様な揺らめき。

 

(アレは佐久夜の影に自分の一部を潜ませて繋がりを残していたんだ……本当に僕もまだまだだ……でも、今は後悔よりもすべき事がある)

 

 リンドの目が未だ残るいぶきが発生させた氷河の影に向けられる。

 その視線に気がついたいぶきとなずなは、即座に『精霊武具』を構えた。

 

「出て来なよ。さっきの探索でお前が近くに潜んでいるのは気付いているんだから」

 

『……流石ですね』

 

 応じるようにリンド達が見つめた先の影が立ち上がり、次に其処に立っていたのは茶色の長い髪に翡翠の瞳の整った顔立ちをした美女。いぶきと同様に巫女服の上からでも分かる胸部を持った女性が微笑みながら姿を現した。

 リンド、いぶき、なずなはその相手の事を知っている。里では巫女見習いの者達の育成をする役割を持ち、葉子の次に年上の雌犬巫女。そして探索任務の時に纏め役を担当していた者。

 

「護や勇の『成り代わり(ドッペルゲンガー)』がいたんだから、やっぱりあの人の『成り代わり(ドッペルゲンガー)』も居るわよね」

 

「『舞歌』さんの『成り代わり(ドッペルゲンガー)』やね、アンタは」

 

『その通りよ、いぶきちゃん、なずなちゃん』

 

 現れた『舞歌』は肯定するように微笑んだ。

 その笑みはいぶきとなずなが知る舞歌本人から向けられていた微笑みと変わらないように見える。だが、護や勇のようにこの場に舞歌本人が居る筈がなく、目の前にいる相手は『成り代わり(ドッペルゲンガー)』以外に在り得ない。

 その『舞歌』の周囲を囲むように蔦や木の枝が虚空から出現し、逃がさないと言うように風の結界まで張り巡らせる。

 それを行なったリンドは無表情で冷徹な視線を、『舞歌』に向けながら問う。

 

「さっさとお前の仲間が攫った佐久夜のところに案内しろ」

 

『残念ですが、それは出来ません。私達は現在の主である『弓』様より、出来るだけ時間を稼げと命じられています。その命令を叶える為に人質は有効ですし、何よりも『夢を紡ぐ力』の持ち主であり現在のネノクニの神の娘である佐久夜様が此方の手元にいるのですから……この身程度では賄えません』

 

「っ……」

 

 『舞歌』の指摘にリンドは険しい顔を浮かべるしかなかった。

 今すぐに『舞歌』を攻撃して倒す事は容易い。だが、『成り代わり(ドッペルゲンガー)』は通常の悪霊でも、今森の中に発生している悪霊の影や魔物類ではない。

 『式』となっている存在なのだ。『式』となった悪霊や魔物を消滅させる為には、存在が刻まれている札を消滅させるしかない。無論、一度倒せば復活までには時間は必要だが、本体である札が消滅しない限り蘇る事は出来る。言うなれば疑似的な不死を得ている存在なのだ。

 此処で『舞歌』を消滅させても本体である札が存在している限り、何れ蘇る事が出来る。ましてや貴重な情報源。

 これが佐久夜を浚った『成り代わり(ドッペルゲンガー)』だったのならば、容赦なくリンドも攻撃していたが、『舞歌』は最初から三層目の担当を担っていたので佐久夜を浚った者達から連絡を受けて行動しているだけに過ぎない。

 戦うつもりは無いと言うように武器も出現させず、ただその場に立っているだけ。自身の身などどうなっても構わないと言う忠誠と献身を『舞歌』は示していた。

 

『それと『弓』様より連絡がありまして、貴方様のご息女である青蘭様に社の繋がりを返されたとの事です。勿論、此方にはお連れしていませんからご安心して下さい』

 

『っ!?』

 

 告げられた内容にリンドだけではなく、いぶきとなずなも目を見開いた。

 出来るだけ青龍の社がある洞窟に急ごうとしていたのは、次代の四聖である青蘭が社との繋がりを失った事で不安定になって暴走を恐れていたからこそ。

 その恐れが無くなったという事は……。

 

「……要求があるんだろう?」

 

 『成り代わり(ドッペルゲンガー)』達の目的が交渉である事をリンドは察した。

 急がなければならなかった理由を無くし、大切な番と定めている佐久夜を浚われてしまった以上、『舞歌』を倒しても意味がない。そして『成り代わり(ドッペルゲンガー)』達も、主がリンドの先祖である『弓』である以上、積極的に害する必要はない。序でに言えば、武具の差の問題があるので戦っても勝てない事を既に察していた。故に交渉によって時間を得ると言う目的に手段を切り替えたのだ。

 自分達が知る悪霊と違い、理性と知性を兼ね備えた『成り代わり(ドッペルゲンガー)』と言う存在にいぶきとなずなは戸惑うが、その事を知っているリンドは要求の内容を聞くと言うように頷く。

 

『此方の要求は三つです。先ず一つ目は三日間、この試練の空間の中で過ごして貰う事です。白虎様の社以上に、青龍様の社で行なうべき事が多いので』

 

「……その行なう内容はどんな内容なのか言って貰わないと判断できないね」

 

 自身の先祖ならばと甘い考えは持たずにリンドは問い質す。

 寧ろ、三日も時間を与えてしまえば、その間に更なる取り返しのつかない事が起きてしまう可能性が高い。

 その考えが正しいと言うように『成り代わり(ドッペルゲンガー)』が説明する。

 

『分かっています。先ずはサヨ様より与えられた術式が、『黄泉平坂』の封印術式に定着するのが三日後となるからです。この追加の術式が完全に定着すれば、例え社を解放されても一年は術式が維持されます」

 

「何んやて!? そないな事になったら!?」

 

「一年もカグツチ様や兵達が里に戻って来れない!?」

 

 『黄泉平坂』を出兵していたカグツチ達ごと封印しただけではなく、封印維持まで行なわれようとしている事実を知りいぶきとなずなは焦る。

 

『でも、いぶきちゃん、なずなちゃん。この一年の封印は貴女達にとっても良い事なのよ。一年間、里の余計な男達とカグツチ様が居ないとなれば、貴女達は問題なく其方の御方の子を孕む事が出来るのだから』

 

『っ♥』

 

 指摘されたいぶきとなずなは思わず自身の腹部を片手で押さえた。

 

(なるほど……もう一人のサヨご先祖様の目的の一端はソレか)

 

 リンド側にいる理性の部分の小夜は、子作りに関してはリンドの意思を尊重している。

 だが、暴走している側のサヨは一刻も早く一族の子を増やせと言外にリンドに伝えて来た。

 

(カグツチ様や他の兵達が居なくなれば、アマテラス、佐久夜に加え雌犬巫女達を里で孕ませても問題はない……それに加え……)

 

 ニッコリとリンドの視線の先で『舞歌』が微笑んだ。

 

(『成り代わり(ドッペルゲンガー)』を里に一番近い青龍の社に配置したのは、そう言う事か)

 

 『成り代わり(ドッペルゲンガー)』がいれば、代行役としてこれ以上にない適任。

 ネノクニでは悪霊に分類される『成り代わり(ドッペルゲンガー)』を扱う事にアマテラスならば拒絶を示すだろうが、今のアマテラスはリンドに忠誠を誓っている。

 リンドが命じれば、『成り代わり(ドッペルゲンガー)』達を里内に入れる事は問題なく、孕ませた雌犬巫女の代役を行なわせる事も出来るのだ。

 

「待ちなさい。貴女達は『悪霊』でしょう? 幾ら仕えているからって、人間に味方をするつもりなの?」

 

『人間に味方しているつもりはないわよ、なずなちゃん。私達はあくまで其方に居られる御方と同じ一族の血を引く方々に仕えているの。他にも私達は元々アシハラノクニで発生した存在。此方のネノクニの悪霊の長に仕える気なんてないから安心して……それに、人間が居なくなると私達のような存在は困るのよ』

 

 その名の通り、『成り代わり(ドッペルゲンガー)』は本質的に他者の存在が必要となる。

 影状態の時は移動しか行えず、憑りつく対象が居なければ本来の力が発揮できない。加えて言えば、人に憑りつく味と言うものを知っている『成り代わり(ドッペルゲンガー)』にとっては、知性の低い存在に成り代わるのはしたくないのだ。

 つまり、幾らアシハラノクニ側で発生した負の側面側である『成り代わり(ドッペルゲンガー)』にとってもヒミコ達の行なおうとしている事は迷惑なのだ。

 

『それに長年私達はかの一族に仕えて来たのよ。主従関係はあっても、とても良好な関係でいられて忠誠心もあったわ。だから、サヨ様達の命令に従ってるの』

 

(確かに『成り代わり(ドッペルゲンガー)』は先代の当主である母様も他の式達より重用していた)

 

 里入りする婿や嫁の相手に『成り代わり(ドッペルゲンガー)』は成り代わり、時が経てば不慮の事故や戦いの中で戦死と言う形でいなくなるようにしていた。

 無論、その間の里入りする者が居なくなっても問題がないようにその里には恩恵を与える。序でに言えば知性や理性も、他の式達よりも強いので『成り代わり(ドッペルゲンガー)』達はリンドの一族の配下として正式に認められていた。

 

「……どちらにしてもその要求は、いや、術式が安定するのは受け入れるしか無いようだね。その術式、青龍の社だけじゃなくて他の社でも行なわれてるんだろう?」

 

『っ!?』

 

 リンドの指摘を聞いたいぶきとなずなは、ハッとしたように顔を見合わせた。

 『黄泉平坂』に行なわれた封印は、四聖の社の全ての霊脈を用いて行われる大儀式封印。当然、青龍の社だけではなく他の玄武、白虎、朱雀の社でも同様の術式が封印式に刻まれている筈。

 もしも一ヵ所だけ術式が刻まれずに終わってしまえば、霊脈に乱れが生じかねないのだ。

 

「つまり、一つ目の要求は警告って事だね」

 

『流石はサヨ様もお認めになられた麒麟児。この『舞歌』の記憶でも分かっていましたが、本当に素晴らしき御方』

 

「世辞は良いよ。サヨご先祖様には負けているんだから……苦手だからと言って連絡を取らな過ぎたのは不味かったって後悔してるよ」

 

『サヨ様は一族の『第二の祖』で在らせられますから……では、次の要求ですが、此度の件が終わり『弓』様と何らかの決着がついた後も、私ども『成り代わり(ドッペルゲンガー)』がこの地の防衛を行なう事をお認め下さい』

 

「……良いよ。お前達は元々一族の配下だった式達だからね……ヒミコ達も四聖の社の位置を把握している筈だから、何処か攻めて来る……戦力としてあてにするよ」

 

 佐久夜を浚った事に怒りは覚えても、その原因が自身のミスである事を分かっているが故に、リンドは『成り代わり(ドッペルゲンガー)』の存在を受け入れた。

 リンドの背後にいるいぶきとなずなは、悪霊が配下になる事に思うところがあるような顔をするが、社の防衛を自分達だけで行なう事は不可能だという事も分かっているので主の判断に従うと言うように頷く。

 

『では、最後の三つ目の要求となります……現在のネノクニの神の娘である佐久夜様をこの三日間で貴方様の番に正式に堕として、他の方々のように一族へ正式に迎え入れて下さい』

 

 ゆっくりと『舞歌』の『成り代わり(ドッペルゲンガー)』は、リンドに向かって頭を下げて最後の要求を告げたのだった。

 

 

「私の『成り代わり(ドッペルゲンガー)』!?」

 

 いまだあられもない姿で拘束されたまま、佐久夜は自身の影から立ち上がるようにして姿を見せた『成り代わり(ドッペルゲンガー)』を険しい瞳をしながら叫んだ。

 それに対して巫女服を着て、今は佐久夜自身も身に付けていない髪飾りまで模倣している『成り代わり(ドッペルゲンガー)』は自らの身を確かめるように見回す。

 

『……やっぱり駄目……姿も霊力も技術もちゃんと得ているのに、一番欲しい『夢を紡ぐ力』だけは得られてない』

 

「なっ!?」

 

 聞き逃すことが出来ない『成り代わり(ドッペルゲンガー)』の目的に佐久夜は声を上げた。

 『夢を紡ぐ力』は悪霊との戦いでは有用だが、それと同時に理を歪める力も秘めている。故に無闇に使ってはならないと母親であるアマテラスからも言われている力。自らの身に宿るその『夢を紡ぐ力』が目的だと言われた佐久夜は、拘束から逃れようと身体を動かそうとするが……。

 

「っ!? な、何で!?」

 

 先ほどまでは動かす事が出来た筈なのに、佐久夜の身体は本人の意思ではピクリとも動かす事が出来なくなっていた。

 困惑する佐久夜に影から現れた『成り代わり(ドッペルゲンガー)』は、自らが着ている緋袴の裾を上げながら口を開く。

 

『残念だけど、もう貴女の身体は私の思うがままにしか動かないよ。だって、貴女の影と私は一つになっているんだから』

 

 その証拠だと言うように持ち上げた緋袴から露わになった『成り代わり(ドッペルゲンガー)』の両足は、足の部分が佐久夜の影と一つになっていた。

 

『これが私達、『成り代わり(ドッペルゲンガー)』の模倣以外での力。対象の影に憑りついて感覚や肉体を操ったりする力だよ。だから、こんな事も出来る』

 

「んっ!」

 

 急に下半身から伝わって来た感覚に、佐久夜は眉を顰めて下半身に力を込めてその感覚に抗う。

 

「いっ……いやぁっ……なんで急に……」

 

『急にじゃないよ。皆と離れたのはソレをする為だったでしょう? 貴女を浚って来てからもうかなり時間が経ってこの拠点の外は夜になってるから、我慢は身体に悪いからシちゃいなよ』

 

「い、いやぁっ!」

 

 自分と同じ顔で平然と笑みを浮かべながら恥を晒せと言う『成り代わり(ドッペルゲンガー)』の言葉を拒絶するように、佐久夜は声を上げた。

 だが、その反応は『成り代わり(ドッペルゲンガー)』を喜ばせるものでしかない。佐久夜を姿形だけではなく、『夢を紡ぐ力』以外の全てを模倣しているとは言え、根幹ではやはり別存在。

 佐久夜本人ならば浮かべないような嗜虐に満ちた笑みで口元を歪ませながら言葉を発する。

 

『恥ずかしがることないよ、だって、私が里に侵入して貴女の影に憑りついて暫らくは一緒にいたんだから。貴女の記憶もちゃんとあるし……何よりもオマンコもグチョグチョに濡れてるんだから』

 

「っ!?」

 

 指摘された佐久夜は顔を真っ赤に染めて、改めて拘束されている自身の肢体を見てみた。

 紅潮している肌から浮かんだ汗で濡れる胸の頂点では乳首は限界まで突起し、ヒクヒクと左右に開いて膣肉を晒している秘裂から淫靡な液が零れて濡れ切っていた。

 一糸纏わぬ裸で腋も何もかも曝け出すように拘束されているばかりか、卑猥な反応を示していやらしく発情している姿まで見られている事に佐久夜は顔を背けようとするが、やはり自分の意思では首を動かす事も出来なかった。それどころかまざまざと発情している自分の肢体を見つめさせられる。

 

『言っておくけど、発情に関しては私は何もしてないからね。貴女があ(・)の(・)御(・)方(・)を夢の中でも想って疼いていたからだよ。おかげで私も……』

 

 シュルっと『成り代わり(ドッペルゲンガー)』が白衣をはだけさせてみれば、豊満な乳房がまろび出た。

 柔らかく揺れる魅力的な乳房の頂点では、触れてもいないのに桜色の乳首が硬く勃起していた。そんな乳房を強調するように『成り代わり(ドッペルゲンガー)』は強調するように下から掬い上げるように乳房を持ち上げながら、佐久夜に見せつけるように突き出す。

 

『ほら、見て♥ 貴女が発情してるから繋がっている私もこんなに発情してるんだよ♥』

 

「い、いやっ!」

 

 自分と同じ姿と声でいやらしい事を行ない出した『成り代わり(ドッペルゲンガー)』から目を背ける為に佐久夜は目を閉じた。

 

『フフッ♥』

 

 『成り代わり(ドッペルゲンガー)』は目を閉じる佐久夜に笑みを向けながら、晒している胸で顔を挟んだ。

 

『見たくないんだったら、こうしてあげるね♥ オッパイで貴女の顔を挟んであげる♥』

 

「や、やめて!?」

 

『遠慮しないで良いよ♥ 自分のオッパイに挟まれる感覚なんて普通は感じられないんだから♥ たっぷり味わって良いよ♥』

 

「そんなの知りたく……っ♥ だ、だめ、おっぱい、乳首弄らないでっ」

 

『貴女の乳首は弄ってないよ♥ 弄ってるのは私の乳首♥ はぁんっ♥ 乳首弄るの気持ち良いよぉ♥』

 

「わ、私の声でそんなこと……ああんっ♥」

 

 佐久夜は視界を覆う胸の感触と深い谷間から立ち昇る雌香を嗅がされながら、触れられてもいないのに乳首から伝わって来る快感に戸惑う。

 『成り代わり(ドッペルゲンガー)』は乳首を扱きながら押し付けている胸を上下させながら言葉を掛ける。

 

『んはぁぁっ♥ 覚えてる? 貴女、二度目にあの御方と同衾した時、眠っているあの御方の事をこうしてオッパイの谷間に挟んだよね♥』

 

「っっ!?」

 

『朝起きた時に裸を見られて、『お、お姉ちゃんは寝相が悪くて裸になっちゃうっ!』なんて誤魔化して、次からは一緒に裸で寝ようなんて言ったりもして……本当は自分で慰めている時に、うっかりあの御方の寝間着をずらして立派なチンポを見てしまって、チンポを見ながら自慰に溺れていたんだよね♥』

 

「や、止めて! 言わないで!?」

 

 恥ずかしい過去を次々と暴露され、佐久夜は悲鳴を上げる。

 だが、そんな佐久夜に追い打ちを掛けるように左右から別の女性の声がそれぞれ聞こえて来る。

 

『まぁ、佐久夜様ったら、あの御方にそんないやらしい事をされていたんですか?』

 

『神の娘とは言っても、あの御方の雄としての魅力の前では雌という事だな』

 

「っ!? 護! 勇!?」

 

 聞こえて来たのは、既に出会った『護』と『勇』の『成り代わり(ドッペルゲンガー)』の声。

 視界は未だ『佐久夜』の胸に挟まれて見えないが、何時の間にか其処にいる気配を感じる事が出来た。そして『護』と『勇』は佐久夜の汗ばむ腋の下に伸ばした舌を這わせる。

 

『ぺちゃっ♥ れろれろ♥』

 

『じゅるっ♥ ちゅっぷ♥ ちゅぱっ♥』

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁ――――っ♥♥」

 

 腋の下と言う感じやすい箇所を舌で舐め回され、更には発情して感度が上がっている肌を撫で回されると共に走る快感に佐久夜は悲鳴を上げた。

 だが、幾ら悲鳴を上げても『成り代わり(ドッペルゲンガー)』達の愛撫は止まらない。

 

『フフッ、確り耐えてね、私♥ でないとどんどん『私』の支配が進んで間接的に『夢を紡ぐ力』を使えるようになるから』

 

 言いながら『佐久夜』は愛液で濡れる緋袴を落として、晒した秘部に手を伸ばすのだった。




次回も『成り代わり(ドッペルゲンガー)』達による責め嬲りが続き、そして佐久夜にとって想像もしていない相手も責めに加わります。

因みに『成り代わり(ドッペルゲンガー)』達は、リンドがルール違反の方法をとって、それを防衛できるいぶきとなずなも居る事でこれは戦っても無理と判断。でも、時間を稼がないといけないので交渉に方針を変更。
ちゃんと『弓』からも許可を貰っています。『弓』との戦闘後ではなく、戦闘前に佐久夜を番に堕とします。

アマテラス、佐久夜、琴乃の妊娠について。

  • 琴乃が堕ちた段階で孕ませる
  • 四聖の社全て攻略後に孕ませる
  • サヨ関連終了後に孕ませる
  • イザナミも加え、四人そろって孕ませる
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