※この作品はR-18です。

IZUMO2〜鬼畜ショタ性記〜   作:イズモ

17 / 174
遂に琴乃に悲劇が襲い掛かります。
そしてちょっぴりだけ主人公以外のエロを入れました。

感想、評価、お気に入り本当にありがとうございました!

琴乃編の終わりも近いので、アンケートの現在報告をいたします。
蔓編(15票)
美由紀編(34票)
アマテラス編2(49票)
琴乃編2(39票)
となっています。
アマテラス編はほぼ確定ですが、その後の話が美由紀編と琴乃編で争っている状況となっています。


琴乃編 7

 アマテラス達が暮らす里から遠く離れた場所にある小さな湖。

 霊力に満ちて、月明かりに照らされる湖に薄絹一枚だけを着た長い銀色の髪の少女が祈りを捧げるように両手を合わせながら湖に身を沈めていた。

 しかし、すぐに閉じていた目を驚愕で見開く。

 

(こ、これは!? 何故!? 以前よりもハッキリと私とアシハラノクニから少女との間に結ばれた縁から、『スサノオ』様の気配が感じられる!?)

 

 少女-悪霊軍の長であるヒミコ-は、つい先日前までと違う結果に驚くしかなかった。

 自身の縁を用いてネノクニからアシハラノクニにいる『スサノオ』の転生体を呼べなくなったヒミコは、新たに呪いを掛けてアシハラノクニから呼び寄せた琴乃の縁を利用し、『スサノオ』の転生体の召喚に手を伸ばしていた。

 だが、所詮は他人の縁を利用するという遠回しな手段。

 如何に卓越した技術と技量を持っているヒミコとは言え、琴乃にある望む縁である『スサノオ』の転生体との縁を手繰るのは容易ではなかった。

 しかし、何故か今、ヒミコはハッキリと琴乃と結ばれている『スサノオ』の転生体の縁を感じ取る事が出来ていた。まるで色が違う絡まっていた二本の糸の片方が外れたかのように。

 

(……理由は分かりませんが、この機会を逃す訳にはいきません!)

 

 ヒミコ達には余裕が無い。

 『世界の理を守護する一族』との激戦を乗り越えたとはいえ、その戦いで受けた代償の回復の目途は立たず、敵対しているアマテラスとカグツチに自分達が弱体化している事を知られないように無理やり兵を動かして戦う日々。

 その間に何とか力を回復しようと霊地を襲い、其処に流れる霊脈からヒミコは力を得ていた。

 だが、簡単に力を取り戻せる訳では無い。かの一族との戦いの前に宿していたヒミコの力が大き過ぎる為に、回復にはどうやっても時間が掛かってしまう。

 だからこその救世主の召喚。

 

(世界をあるべき姿に戻す為に……『スサノオ』様。どうかそのお力をお貸しください)

 

「聞こえますか……? お力をお貸し下さい……『スサノオ』様……」

 

 悲しみに満ちた声でヒミコは願う。世界を本来あるべき姿に戻す為に、自らの手で葬り、アシハラノクニへと転生した想い人へと。その心の奥底で愛しい相手の子を宿せる未来を願う。

 ヒミコは気がついていなかった。

 まるで二つの糸が絡まっていたように辿るのが困難だったはずの『スサノオ』に関わる筈の縁。

 その片方が消えた意味を。そして……自らの子宮の内に宿っている小さな卵子が待ち望んでいる者が、『スサノオ』ではない事に。

 

 

 リンドと約束を新たにした次の日。

 名目上とは言え、巫女見習いの立場にいる琴乃は、午前の巫女修行を終えた休憩の合間に、『宝貝』から連絡が届き、妹(・)と他愛無い話をしていた。

 

『へぇ~、やっぱりガスも水道も本当に無いんだ。電気も無いから夜も暗いんでしょう? 私、そっちで生活出来なさそう』

 

「う~ん。確かに明日香にはこっちでの生活は難しいかも知れないわね」

 

 『宝貝』から聞こえる妹の声に、琴乃は苦笑しながら同意した。

 ネノクニにはアシハラノクニでは当たり前に使っている電気もガスも存在しない。夜は基本的に真っ暗。

 月明かりと星空の明かりか、或いは松明の明かりか術による灯しかない。

 

「でも、慣れてくれば暮らせるものよ、私も火打石で薪に火を付けられるようになったの」

 

『ひ、火打石って……お姉ちゃんが原始生活に馴染んで来てる』

 

 心配と不安が入り混じった声が『宝貝』から響いた。

 声の主の名は『白鳥明日香』。綾香の2人目の娘で、琴乃の妹。

 琴乃がどうやっても短期間ではネノクニから戻って来れないと確信した綾香は、一つの決断をした。

 即ち、夫ともう一人の娘である明日香にネノクニの事を教える事を綾香は決めたのだ。

 

『いきなりお母さんが、『琴乃はネノクニと言う世界にいるの』なんて私とお父さんに言って来た時は、心配の余りおかしくなったのかと思っちゃったよ』

 

「それは仕方がないわよ。私だって佐久夜さんに最初に教えて貰った時は、困惑したもの」

 

『それでね。お母さんが桃花さんって言う精霊さんがすぐ横にいるなんて言い出した時は、もう私もお父さんも今すぐ病院に連れて行こうとしたんだけどね……お母さんの横にフッと女の人が現れて、『ご紹介に預かりました、精霊の桃花と申します』って名乗られた時は、私もお父さんも思わず大声を上げたんだよ』

 

「そ、それは驚くわよね。私も別の精霊のツクヨミさんがいきなり、目の前で消えた時は驚いたから」

 

 論より証拠を綾香は夫と明日香に示し、ただの貝殻にしか見えない『宝貝』から行方不明の琴乃の声が聞こえたとなれば、最早信じるしか明日香達にはなかった。

 そして綾香は桃花と共に2人に琴乃に起きた出来事を説明し……結局綾香の夫と明日香は事実だと受け入れた。

 琴乃がネノクニにいて帰れない現状に居る事。帰る為には、アシハラノクニの何処かにある琴乃に呪いを施した呪具を見つけ出して破壊するしかないという事を。

 流石に嘗てネノクニでの悪霊との戦いを経験した綾香はともかく、一般人の綾香の夫と明日香には、実は今はネノクニは悪霊との戦時下にある事までは話していない。琴乃も父親と妹を心配させたくないので黙っている。

 

『……でも、そっちの夜空って凄い綺麗なんでしょう?』

 

「ええ、満天の星空なんて初めて見られたわ」

 

『良いなぁ。私も一度ぐらい見てみたいなぁ~』

 

「明日香ったら……」

 

『あっ! ……ごめんなさい、お姉ちゃん。お姉ちゃんだってそっちに行きたくて行った訳じゃないのに。私もお母さんと一緒に呪具って言うのを探して……』

 

「駄目よっ!?」

 

『っ!?』

 

 思わず大声を上げた琴乃に、『宝貝』の向こうにいる明日香は驚いた。大声を上げた琴乃も不味いと思って、誤魔化す様に口を開く。

 

「ほ、ほら。明日香は呪具の扱い方なんて分からないでしょう。昔ネノクニに来た事があるお母さんに任せておいた方が良いと思うの。それに明日香は今年受験なんだから、そっちを頑張らないとね」

 

『……う、うん。そうだよね』

 

(ごめんなさい、明日香)

 

 心配してくれている妹の気持ちは嬉しいが、この件に深く関わって欲しくないと琴乃は思っていた。

 

(だって、私をこっちに送った悪霊の手の者に明日香が出会ったら危ないもの)

 

 嘗て悪霊と戦っていたという母親である綾香ならば、琴乃は不安に思っても信じる事が出来る。

 だが、明日香はただの中学三年生。里と言う安全な場所にいるが、それでも琴乃は忘れてはいなかった。

 最初に悪霊に襲われた時の出来事を。

 他にも悪霊との戦いに赴いた兵士達が負傷して帰って来るのだって、この二ヶ月以上の間、何度も見ている。護身用に渡された勾玉が嵌められる腕輪に『和玉』を嵌めて、負傷者の治療をした事だってある。

 

(悪霊は本当に危険な存在なの。明日香を、そんな危険な相手に会わせたくない)

 

 出来る事ならば悪霊の手の者が潜んでいる可能性が高い出雲学園の受験を辞めて欲しいとさえ、琴乃は思うようになっていた。

 

(でも、流石に其処まで言ったら気付かれてしまうかも知れない。お母さんも内緒にしているみたいだし)

 

 父と妹に出来るだけ心配を掛けたくない琴乃は、秘密にしている事がある事に罪悪感を感じるが、それ以上に抱く危機感から隠すことにしていた。

 このまま今の話題を続けるのは止めようと思ったところで、明日香も同じように考えていたのか別の話題を出して来た。

 

『そうそう! 実はね。剛お兄ちゃんの婚約者の人と会ったんだよ!』

 

「剛さんに婚約者? 本当なの、それは?」

 

 想い人である猛との付き合いで知り合った剛に、婚約者がいたという話を琴乃は聞いた事がなかった。

 

『剛お兄ちゃんは、『親が勝手に決めた相手だ』って言ってたけど、婚約者の人の方は剛お兄ちゃんの事を本当に好きみたいだったよ』

 

「まあっ」

 

 自分がいない間に起きていた変化に、琴乃は驚いた。

 其処でフッと気になった事が思い浮かび、何気ない気持ちで明日香に質問する。

 

「そう言えば六介さんと猛さんは元気にしてる?」

 

 剛の話題が出た事で、家族に近い形で交流していた老人と想い人である猛の事を琴乃は質問した。

 アシハラノクニにいた頃は毎朝食事を作りに行き、洗濯をしたり、夕食の準備も琴乃はしていた。休日に赴いては家の掃除も行なっていた。

 そんな日々を懐かしく思いながら明日香の返答を待つ。

 

『っ……』

 

「? ……明日香?」

 

『だ、大丈夫だよ! お兄ちゃんとお爺ちゃんのお世話は私とお母さんがしてるから! この前だって私が朝起きないお兄ちゃんをボディプレスで起こしたし!』

 

「そ、そう。お母さん。朝が弱いのに」

 

『お姉ちゃんの分まで頑張ってるんだよ! じゃ、じゃあ、私部活があるから! またね! お姉ちゃん!』

 

「……明日香?」

 

 通信が切れた『宝貝』を、複雑そうに琴乃は見つめる。

 明らかに明日香の様子はおかしかった。反応的に猛の話題を出したくないという様子である事を察知し、琴乃は深く憂いを帯びた顔をする。

 

(もしかして猛さんに何かあったんじゃ?)

 

 だとすれば明日香の反応にも納得出来る。

 思えば綾香と連絡が取れるようになってから、猛の近況を聞くのを忘れていた。知れば会いたいという気持ちが抑えきれなくなると、琴乃自身が危惧していたからだ。

 アシハラノクニに行けるツクヨミと桃花に個人的な事を頼む申し訳なさもあったので、これまでは我慢して来れた。だが、今の明日香の様子で琴乃の抑えていた気持ちが溢れ出す。

 

(猛さん! 会いたい! それが無理でもこの目で顔を見たい!)

 

「あっ! 琴乃さん! 見つけた!」

 

 走る音と共に、リンドの手を掴んだ佐久夜がやって来た。

 

「さ、佐久夜様! そんなに手を引っ張らないで下さい!」

 

「……りんどぉ~」

 

 不機嫌そうに佐久夜はリンドを睨みつけた。

 その視線に思わずリンドはたじろくが、流石にアマテラスの配下の巫女達もいる場所で、何時も通りの口調で話したりすれば怒られてしまう。

 恐る恐る周囲を見回して、琴乃と佐久夜以外誰もいないの確認する。そして巫女達の姿がない事を確認すると、佐久夜に謝る。

 

「佐久夜お姉ちゃん。許してよ。流石にアマテラス様のお屋敷で従者としての対応をしなかったら、僕が佐久夜お姉ちゃんの従者見習いを辞めさせられるかも知れないんだよ」

 

「そ、それは……そうだけど……私だって意地悪したい訳じゃなくて」

 

 リンドの言い分は佐久夜も理解出来る。

 いや、寧ろリンドの言い分の方が立場的に正しいのだ。佐久夜もその事は理解しているのだが……最近めっきりヤれる回数が減ってしまった事で欲求不満が溜まっていた。

 それと言うのも琴乃がリンドの家に住むようになってしまったので、泊まりさえすれば誰にも気づかれずにする事が出来た場所で出来なくなってしまった。肉欲と子作りに夢中になっている佐久夜でも、流石に琴乃に行為中の姿や声を見られたり聞かれるのは嫌だったのだ。

 尤も実を言えばリンドの家に泊まり行った時は、琴乃が眠った後に密かに野外で最近はしているのだが、やはりやる回数自体は減っている。因みに同じような不満を持つ筈の桃花と安定期に入った蔓は、リンドが夜な夜な琴乃を深い眠りの内に落として目覚めないようにしているのを知っているので、琴乃の身体の開発をリンドが終えた後に入り込み、そのまましてるので佐久夜と違って全然欲求不満を抱えていなかったりする。

 寧ろこれまで佐久夜に負けていた回数を取り戻すどころか、上回る勢いで2人は激しくリンドとしていた。

 

(フフッ、昨日は蔓だったな。琴乃お姉さんは思ってもいないだろうね。今着ているその服は、僕の子種と蔓の愛液と潮でぐちゃぐちゃに濡らしたんだよ)

 

 呆然と此方を見て来ている琴乃を横目で見ながら、リンドは内心で昨晩の蔓との情事を思い出す。

 しかし、その事実をおくびに出す事なく演技を続けて不満そうにしながらもリンドの言い分の方が正しいと認めた様子の佐久夜に声を掛ける。

 

「え~と、じゃあ、佐久夜様で良いよね?」

 

「……う、うん」

 

「それじゃあ佐久夜様。琴乃様(・)にアマテラス様のご用件をお伝えしなければなりません」

 

(……えっ?)

 

 一瞬琴乃の胸にズキリと痛みのようなものが走った。

 

(……今のは何? リンド君に他人行儀で呼ばれたから? でも……佐久夜さんだってそうなんだし……特別扱いは駄目よね)

 

 そう内心で琴乃は自身を納得させるが……何故か痛みは少し残ったままだった。

 逆に自分だけではないと知った佐久夜は、複雑そうな顔をしながらも頷く。

 

「そうだった。琴乃さん。実はお母さんから琴乃さんの事を呼んでくるように頼まれたの」

 

「アマテラスさんが私を? ……分かりました」

 

「それじゃあ行こう」

 

 佐久夜に促されて琴乃は、アマテラスがいる部屋に向かって一緒に歩き出す。

 その先に望んでいた願いが叶いながら、結果が最悪となる未来が待っている事を知らずに。

 

 

「お待ちしていました、琴乃さん」

 

 佐久夜に連れて来られて訪れた執務室には、主であるアマテラスの他にカグツチ、ツクヨミの姿もあった。

 促されて琴乃は用意されていた席に座り、佐久夜はアマテラス達の隣へと、琴乃の背後にある従者の席に座る。

 

「あ、あの、それで何かあったんですか?」

 

「ええ……実は多くの制限がありますが、琴乃さんがアシハラノクニの様子を見る事が出来る術が見つかりました」

 

「ほ、本当ですか!?」

 

「本当なの!? お母さん!?」

 

 琴乃だけではなく、聞かされていなかったのか佐久夜も驚く。

 そして琴乃の背後に座るリンドも声にこそ出さないが、驚いた顔をして目を見開いていた。その様子を見たアマテラスとカグツチは、リンドが意図して起きた出来事ではないと知って安堵する。

 

(どうやら巻物が読めた事にリンドは関わっていないようですね。そうだとしたら一体何が切っ掛けに?)

 

(アマテラスから聞かされた急に巻物が読めるようになった可能性は、琴乃ちゃんと暮らしているリンドが望んだからだと思っていたが、そう言う訳じゃないようだ。無意識と言う可能性もあり得なくはないが、それだったらもっと前から一緒に暮らす琴乃ちゃんを気遣って巻物は反応していた筈だ。リンドは優しい子だからな)

 

 アマテラスとカグツチの2人は、揃って巻物が一つだけだとしても急に読めた理由からリンドの可能性を除外した。

 

(全く……本当に演技が上手い事)

 

 一方、この場で唯一リンドの本性を知っているツクヨミは表面上は澄ました顔をしながら内心で呆れていた。

 明らかに巻物が読めるようになったのにはリンドの意思が関わっている。とは言え、ツクヨミはその事をアマテラスとカグツチに言うつもりはない。

 寧ろこの件を利用出来る策を考える。

 

(巻物を読めるようにする事が出来るなら、隠す事も当然出来るわよね。ニニギの復活は、ヒミコを倒すかリンドがニニギと戦えるようになるまで出来ないけど、他にも面白そうな術は在りそうね)

 

 仮にも母親ならば息子の復活を望むところだが、今のツクヨミには『真の契りの儀式』を結ぶ前と違って時間が有り余るほどある。

 寧ろニニギの性格の問題を考慮すれば、このまま封印されていた方が良いと軍師として冷徹な判断を下していた。

 

(悪いわね、ニニギ。暫らくは封印されたままでいなさい。せいぜい頭を冷やす事ね。代わりにヒミコには私がお礼をしてあげるわ)

 

 ヒミコ軍はまだ知らない。

 嘗てネノクニを震撼させた邪神ヨモツオオカミが認めし軍師。精霊でありながら悪霊としての側面も取り戻したツクヨミが、完全復活した事を。

 

「あ、あの! 本当にあっちの世界の様子を見る事が出来るんですか!?」

 

「間違いありません。午前中の内に術を巫女の1人で試してみたところ、確かに彼女はアシハラノクニを見る事が出来ました」

 

「ああっ!」

 

 アマテラスの断言に、琴乃の両目に喜びの涙が浮かんだ。

 

「やったね、琴乃さん!」

 

「はい! 佐久夜さん!」

 

「おめでとうございます」

 

 佐久夜とリンドも、我が事のように喜んでいた。

 そして琴乃達が落ち着くと、詳細に関してアマテラスは語りだす。

 

「術の名は『降霊の術』と言います。この術は対象とした相手の霊体を、アシハラノクニに送ります」

 

「えーと、つまり」

 

「琴乃ちゃんに分かりやすく説明すると、君は一時的に幽霊になってアシハラノクニに行くことになるんだ」

 

「ええっ!? ゆ、幽霊って私が!?」

 

「はい。この術は『反魂の術』の下位に位置する術のようです」

 

 『降霊の術』。

 それは『反魂の術』と言うより確実なアシハラノクニへと渡れる術があるが故に、ネノクニから失われた術。

 何せ極めて数が少ないとは言え、『反魂の術』を扱える一人の術師がいるだけで、ネノクニとアシハラノクニへの行き来が可能なのだから、ただアシハラノクニを見に行けるだけの『降霊の術』が失われるのは必然だった。

 しかも幽霊と言う事は、普通の人には見る事は出来ないし、物に触れる事も出来ない。

 だが、『反魂の術』と違い、この術は『死者でいる事を強制する』呪いを掛けられている琴乃にも使える術なのだ。

 

「この術はあくまで死者としてアシハラノクニを見るので、琴乃さんに掛けられている呪いの影響を受ける事はないでしょう」

 

「じゃあ、私はあっちの世界に行けるんですね!?」

 

「霊体なので、霊力に目覚めている綾香さんにしか琴乃さんの姿は見えませんし、話す事も出来ませんが」

 

「構いません! その術を私に使って下さい!」

 

 迷いなく琴乃はアマテラスに頼んだ。

 多くの不便はあるとしても、母親である綾香とは確実に会話出来るし、何よりも直接想い人である猛の姿も見られる。ならば、琴乃に迷いはなかった。

 

(琴乃ちゃん。嬉しそうだなあ。まっ、俺もあっちの皆の顔を見たいと思ったからな)

 

 『宝貝』が綾香の手に渡った事で、アマテラスとカグツチは嘗ての仲間達と限定的に会話できるようなった。

 そうなれば、カグツチがどうしても話をしたいと思ってしまう相手が一人いる。

 

(……美由紀)

 

 急な形で永遠に離れ離れになることになってしまった妹、『塔馬美由紀』。

 今は結婚して『逢須美由紀』となっている。アマテラスと共に生きる決意をした事にカグツチは後悔はない。

 だが、複雑な状況に置かれていた美由紀を放置して居なくなった事への後悔は残っている。

 しかし、残念ながら『降霊の術』はカグツチの願いを叶える術ではなかった。

 

(『この術は神に効果を発揮する事はない。我らイザナギとイザヨイの再会を諦めん。無念なり』。巻物に最後にはそう書かれていた……そうだよな。そんな旨い話があったら、母さんがヨモツオオカミになる事なんてなかったよな)

 

 ネノクニで死者として定められているのは、其処で生きている命たち。

 そしてネノクニを支える役目を持っている神は、死者の分類から精霊同様外れた存在。死者にしか効果がない『降霊の術』が効力を発揮することは無いのだ。

 

(それでも母さんと爺ちゃんを再会させようとしてくれていた人達がいただけでも、少し救われた気分だ)

 

 悲劇の運命に落ちた母と父に、少しでも救いを与えようとしてくれていた人達がいた事に僅かなカグツチは喜びを感じ、その末裔であるリンドは必ず護ると誓う。

 その間に状況は進み、琴乃は部屋に用意されていた布団の上に横になるように指示を出される。

 

「あ、あの、これで本当に良いんですか?」

 

「ええ、この術を使用している間、ネノクニにある琴乃さんの身体は意識がなくなります。その為に横になっていた方が良いのです。それと『宝貝』を渡して下さい」

 

「あっ、はい」

 

 琴乃は服の中から『宝貝』を取り出し、アマテラスに手渡した。

 それをアマテラスはカグツチに渡す。

 

「貴方。綾香さんに連絡を頼みます。いきなり霊体の琴乃さんが現れたら、流石に綾香さんも驚くでしょうから」

 

「ああっ、そうだな」

 

 指示されたカグツチは、すぐさま綾香と連絡を取り出す。

 

(お母さんも流石に驚くよね)

 

 幾ら何事にもおおらかで動じる事が少ない母とは言え、娘がいきなり半透明な姿で現れたら驚く。

 其処で琴乃はある事に気がつき、慌ててアマテラスに質問する。

 

「あ、あの!? アマテラスさん……その服とかは?」

 

「フフッ、大丈夫ですよ。今着ている琴乃さんの服をそのまま纏った状態でいますから」

 

 ホッと琴乃は安堵の息を吐く。

 幾ら親子とは言え、流石に裸での対面は恥ずかしかった。久々ならば尚更だ。

 

(……裸)

 

 アマテラスが佐久夜とツクヨミ、そしてリンドに手伝って貰って準備を進める中、琴乃は幼いながらも真剣に頑張っているリンドに目を向ける。

 渋々とか嫌々やっている様子ではなく、寧ろ積極的にリンドはアマテラス達の手伝いをしていた。形は違っても母親に会わせたいという気持ちを琴乃は感じ取り、琴乃は微笑む。

 

(ありがとう、リンド君……今日の演奏は最高の気分で弾けそう……それにマッサージもとても気持ち良くなりそう♥)

 

 全てを晒した裸でマッサージをする事に羞恥心はあっても、琴乃には拒否するという感情はなかった。寧ろ最高の気分で行なわれるマッサージへの期待で胸が熱くなって高揚感さえ感じていた。

 琴乃は気がついていなかった。本当に自身の身体が欲しているものが、リンドが施しているマッサージの先に在るモノだという事を。

 そして、遂に術の行使の準備が全て終わった。

 

「では、琴乃さん。今からアシハラノクニでの時間で二時間後に、貴女の霊体は此方に戻って来ます。良いですね?」

 

「はい、お願いします」

 

「では行きます……ハァッ!!」

 

 次の瞬間、琴乃は強烈な勢いで自身の身体が浮かび上がったように感じた。

 浮かぶ。浮かぶ。決して止まる事無く、琴乃の意識は浮上していく。世界の隔たりを超えて、生と死の境目さえも超えて、琴乃の意識は生者の世界アシハラノクニへとたどり着いた。

 

『此処は? 私の部屋?』

 

 浮上が終わったと思った時、琴乃は自分が懐かしささえ感じる自分の部屋にいる事に気がついた。

 

「……こ、琴乃」

 

『っ!? ……お母さん?』

 

 振り返ってみると、其処には今にも泣きそうな顔をした銀色の髪の女性-『白鳥綾香』-が立っていた。

 娘の姿と声に我慢できなくなったのか、両目から涙を流して綾香は琴乃に向かって行く。

 

「琴乃~!」

 

『お母さん!!』

 

 琴乃も嬉しくて思わず駆け寄って来る母を抱き締めようとして、スルッと綾香の身体は琴乃をすり抜けた。

 

「あらっ?」

 

 ドサッと音を立てて綾香は床に倒れた。

 

『お、お母さん! 大丈夫!!』

 

 慌てて琴乃は綾香を抱き起そうとするが、伸ばした手は綾香の身体をすり抜ける。

 

『あっ……』

 

 アマテラスに言われていた事を琴乃は思い出す。

 今の琴乃は霊体。即ちアシハラノクニで俗に言う幽霊。綾香のように霊力に目覚めている人間でなければ、見る事も出来ない不確かな存在。

 その事実を思い出した琴乃は暗い顔をして俯くが、そんな琴乃に綾香は朗らかな声で話しかける。

 

「失敗、失敗。ヒカルちゃんに注意されていたのにごめんね~、琴乃~」

 

『ううん、良いの……お母さん……ただいま、お母さん』

 

「おかえり、琴乃」

 

 優しい母の眼差しと言葉に、琴乃は涙が零れ出す。

 綾香は、そんな琴乃を触れられないながらも優しく抱き締めた。

 

「そっかぁ~。ヒカルちゃんとアマテラスちゃんからも聞いていたけど、一緒に暮らしている子とは仲良く出来てるのね」

 

『うん。リンド君って言うんだけど、あっちでの生活で何も分からない私を良く助けてくれるの。時々泊まりに来る佐久夜さんも助けてくれるから、安心してお母さん』

 

「二ヶ月もいたらそっちの生活に馴染んじゃうわよねぇ~。お母さんも戻って来た最初の頃は本当に大変だったわ~」

 

『お母さん。本当に悪霊と戦っていたんだ?』

 

「うん。必要に迫られてだったけどね。この前も久々にツクヨミさんと渚ちゃんと一緒に戦う事になったのよぉ~」

 

『だ、大丈夫だったの!?』

 

「ツクヨミさんが持って来てくれた道具のおかげでね……でも、肝心の琴乃に掛けられている呪いの呪具は見つかっていないの。ごめんね、琴乃」

 

『うんうん。私もあっちで生活していて、本当に大変だって事は分かってるから』

 

 寧ろ母である綾香を危険な目に合わせるかもしれない事に申し訳なさを感じていた。

 幾ら嘗てネノクニを救った英雄の1人とは言え、今では主婦で絵本作家を綾香はしている。ツクヨミと桃花、そして蔓はアシハラノクニで長期間活動できないので、結局どうやっても事は長期戦になる様相を呈していた。

 

(アマテラスちゃんが万が一の為に、ネノクニに明日香が来ないように護符を用意してくれたけど、ネノクニの詳しい話なんて出来ないから)

 

 姉想いの明日香の事である。

 もし全ての事情をすれば、自分もネノクニに行きたいと言い出しかねないと綾香は危惧していた。嘗て仲間の1人がネノクニに残されているかも知れないと知った時に、また向かう決意をした自身のように。

 とは言え、琴乃を余り不安にさせない為に綾香は別の話題を切り出す。

 

「でも、その服。似合ってるわね~」

 

『あっちで貰った服なんだけど、そう言って貰えて良かった』

 

 アマテラスの言っていた通り、琴乃はちゃんとネノクニの服を着ている状態だった。その事に内心で安堵しながら、今度は琴乃から話題を切り出す。

 

『そう言えば、お母さん達はネノクニに来た時に服をどうしてたの?』

 

「一度目の時は、アマテラスちゃんの里で過ごす時は服を借りて、旅している時だけ元の服に戻してたの。二度目に向かった時はあっちに行く為に準備をして行ったから、着替えは大丈夫だったわ」

 

『そうなんだ』

 

 本当に色々あったんだと思いながら、琴乃はフッと部屋の時計を見てみる。

 久々の母との顔を合わせて会話が嬉しくて、何時の間にか話し込んでしまい、既に一時間以上時間が過ぎていた。

 

『お母さん。悪いんだけど……』

 

「……もう時間なのね」

 

『それもあるけど、一目猛さんの姿を見て行きたいから』

 

「猛ちゃん!?」

 

 突然綾香は大声を上げた。その様子に琴乃は訝し気な目を向けた。

 

『お母さん?』

 

「ううん! 何でもないのよぉ~! でも、猛ちゃんは確か剣道部の合宿に行っている筈だから、会うのは次の機会にね」

 

『……明日香と同じ』

 

「っ!?」

 

『猛さんに何かあったの!? お母さん!』

 

「た、猛ちゃんは……」

 

 とても言えないと言うように綾香は琴乃から視線を逸らした。

 その反応にもう我慢できなくなった琴乃は、身体を宙に浮かせる。アマテラスが教えた事ではない。

 だが、幽霊と言う存在を比喩的表現で教えていたので、出来ると琴乃が思った通りに、身体は宙を浮かんだ。

 ネノクニでの生活で健康的になった影響もあって、今の琴乃には以前にはなかった積極性が出て来ていたのだ。

 綾香はそれを見誤った。そしてその見誤りが、悲劇を呼ぶ事になる。

 

『お母さんも明日香も教えてくれないのなら、私が直接確認する!』

 

「まっ、待って! 琴乃!?」

 

 宙に浮かび壁をすり抜けて部屋を出て行った娘に、慌てて綾香は声を掛ける。だが、もう止まらないと言うように琴乃はアシハラノクニの空を飛んで行った。

 綾香は急いで服のポケットから『宝貝』を取り出して、ネノクニにいる友人達と連絡を取る。

 

「アマテラスちゃん! ヒカルちゃん! 今すぐ術を解いて琴乃をネノクニに戻して!! でないと! でないと琴乃が知ってしまうの!? 猛ちゃんに恋人(・・)が出来た事を!?」

 

 

(猛さん! 猛さん! 猛さん!)

 

 家を文字通り飛び出した琴乃の意思に従うように、空を駆ける速度は早まって行く。

 その原因は、琴乃の霊体を包み込む淡い光。即ち霊力。

 綾香の血を引く琴乃は、その身の内に霊力を宿していた。その事には勿論、アマテラス達も、そして琴乃の身体を本人が知らない内に開発していたリンドも気がついていた。

 だが、全員その力を琴乃には語らず、琴乃の霊力は眠りについていた。しかし、激しい感情に支配された事に加え、霊体状態でそれが起きた事で琴乃の霊力は目覚めてしまったのだ。

 本来ならばアマテラスが綾香の指示に従い、術を解けば琴乃は強制的にネノクニに戻る。しかし、目覚めた霊力が解除される筈の『降霊の術』を維持してしまった。

 結果、琴乃は懐かしささえも感じる『塔馬家』に辿り着く。途中、塔馬家から出て来たと思わしき老人が空を見上げてびっくり仰天していたが、琴乃は気がつかずに家の前の入口で降り立つ。

 

『猛さん!』

 

 一目だけで良い。せめて一目だけ想い人の姿を見る事が出来れば、これからのネノクニでの生活も耐えられる。

 その心に従って、琴乃は『塔馬家』に入る。霊体ゆえに鍵が閉まっていようが関係なくすり抜け、琴乃は懐かしさを感じる家の中を進んで行く。

 この時、琴乃は気付いていなかった。玄関に置いてある靴の中に、女性の物と思わしき物があった事に。そして自分がいなくなった事で、『塔馬家』の家事をする者がいなくなったにも関わらず、埃一つ無いという事実に。

 そして遂に琴乃は想い人の部屋に辿り着き、求める心に促されるまま扉をすり抜けようとして……見てしまった。

 

「ああっ、んあああぁ、駄目、です♥ ……んんっ、猛様♥ ……あああああっ♥」

 

(……えっ?)

 

 琴乃が猛の部屋に顔を覗かせて最初に聞いたのは、女性の喘ぎ声だった。

 

「凪! 気持ち良いよぉ! 凪の膣が俺のを締め付けてっ!」

 

 次に目にしたのは、ベットの上で腰を振っている裸の想い人の背。

 うっかり着替え中に入室してしまった時に見てしまった事もある。そして何故か琴乃には今、とてもその背が遠くにあるように思えた。

 良く見れば想い人である猛が、誰かを自室のベッドの上に組み敷いて身体を揺すっている。

 琴乃が呆然とその様子を眺めていると、僅かに猛の身体がズレて、組み敷いている女性の姿を目に出来た。

 

(……冬木……先生……)

 

 猛が組み敷いている相手の女性に、琴乃は見覚えがあった。

 まだ、琴乃がアシハラノクニにいた頃に、出雲学園に教育実習生としてやって来た女性。『冬木凪』が猛同様に服を全て脱いで裸身を晒して猛と情事を交わしていた。

 

「き、気持ちいぃです♥ 猛様♥」

 

「俺もだ、凪。もう何度もしてるのに……凪ともっとしたいって思ってる」

 

(……何度も?)

 

 猛の発言から、今目の前で行なわれている情事が、初めてでない事を察した琴乃は目の前が真っ暗になるような衝撃を感じた。

 しかし、霊体ゆえに霊力に目覚めていない者には見えず、また扉に背を向けている猛と組み敷かれている凪は琴乃の事にも気がつく事無く、2人は互いに腰をぶつけ合っていく。

 そして猛の腰が激しく振られ、凪の身体も震えた瞬間。

 

「猛様♥ 猛様♥ あぁぁぁぁ――っ♥」

 

「イクぞ、凪っ!」

 

 どぴゅっ! どぴゅっ! どぴゅっ!

 

 凪がイッた瞬間、猛は膣内に挿入していた肉棒を引き抜き、凪の身体に白濁液を掛けた。

 

(……少ない)

 

 心此処にあらずと言う様子で見ていた琴乃は、何故か猛が射精した精液の量を少ないと感じた。

 そのまま猛と凪は見つめ合い、深い口づけを交し合う。

 

「んっ、猛様♥ ……ちゅっ」

 

「凪……」

 

 完全に2人だけの世界に猛と凪は入って行く。

 其処に琴乃が入る場所は無かった。その事実に行きついた琴乃は後ろ向きに身体が倒れる。

 視界の先に広がったのは、アシハラノクニにいた頃に、毎朝開けて眠る猛を起こす時に開けていた扉。

 その扉に無意識に手が伸び……そしてドアノブに触れることなくすり抜けた。

 

(……あっ)

 

 何か。何か大切な者を失ってしまった。それを琴乃が理解する直前……。

 

「……琴乃ちゃん」

 

(……六介さん?)

 

 条件反射的に顔を向けてみると、家主である老人『塔馬六介』が立っていた。申し訳なさそうな顔をして、琴乃を見ていた。

 

「すまん……儂にはそれしか言えん。ネノクニに一先ず帰りなさい」

 

(えっ?)

 

 六介の言葉の意味を理解する前に、琴乃の意識は落ちていく。

 落ちる。落ちる。二度と戻れないと言うように、琴乃の意識は深い深い、地の底よりも深い場所に落ちていく。

 

「琴乃さん! 琴乃さん!」

 

「琴乃ちゃん! 確りするんだ!」

 

「琴乃さん! 目を開けて!」

 

「琴乃!」

 

「琴乃お姉さん! 起きて!」

 

 呼ばれる声を耳にした琴乃は目を開いた。

 視界の先にアマテラス、カグツチ、佐久夜、ツクヨミ、そしてリンドが心配そうにしている姿が広がった。

 

「……此処は?」

 

「はぁっ、良かった。術を解いても目を覚まさないので心配していたんです」

 

「本当に良かった」

 

「一時はどうなるかと思って……あれ? ねえ、お母さん。琴乃さんの霊力が……」

 

「っ!? 目覚めてる!?」

 

「ちょっと、琴乃! アンタ一体何があったの!?」

 

 そう簡単には目覚めない筈の琴乃の霊力が目覚めている。

 明らかな異常事態に場は騒然となる。そして……。

 

「……あぁぁ……ああああっ……」

 

「琴乃お姉さん?」

 

「琴乃さん?」

 

 リンドと佐久夜の心配する声が、琴乃には何処か遠くに聞こえていた。

 脳裏に浮かぶのは、想い人である猛と凪が情事を行なっている姿。それを意識した瞬間……。

 

「いや……いやぁ……いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 琴乃の絶望に満ち溢れた声が部屋の中に木霊した。

 もう……アシハラノクニに戻れたとしても以前のような生活は送れないのだと、琴乃は知ってしまったのだった。




補足説明いたしますと、現在ヒミコ軍は原作よりも劣勢におかれています。
アマテラスとカグツチと決戦に向かう前に、リンドの一族と最終決戦レベルの戦いをやらかしたので当たり前ですが。
因みにリンドが生き残っていることにも気づいていませんし、ツクヨミが完全復活している事にも気づいていないという涙目状態です。

ぶっちゃけゲームの都合上もありますが、スサノオと対等の位置にいたツクヨミが里に居たら猛と剛をみた瞬間に、スサノオの転生体だと気づいていたでしょう。能力もアマテラスに匹敵するどころか、イザヨイの直弟子ですからね。

そして遂に登場(多分剛や汀同様に地の文でしかない登場しない)スサノオの相手役だった楓の転生体、『冬木凪』が登場しました。
この凪ですが、実は楓の記憶を持っていません。学園編で最初の頃は記憶を取り戻していませんでしたし、2で登場した楓の精神体の事もあるので、凪は魂と力こそ楓から受け継いで転生しましたが、記憶だけはネノクニに残っている状態です。
因みに凪がネノクニに来る予定はないので、冬木凪個人として猛に惹かれて交際した関係となります。

詳細に関しては。
『冬木凪。教育実習生として出雲学園に来る』
↓
『学園で出会った猛に何故か心が惹かれる』
↓
『同時期に宿っている精霊の力が猛に呼びかけるヒミコの声を察知。記憶は無くても魂が相手の危険性を覚えているので、夢の中でヒミコの呼び声から猛を護るように立ち塞がる』
↓
『猛。夢の内容は良く覚えていないが、何故か凪に惹かれて会話を繰り返すようになる』
↓
『琴乃。仲睦まじい猛と凪を目撃。ネノクニへ』
↓
『琴乃が居なくなった事で塔馬家の家事事情が最悪か。明日香と綾香は琴乃の事が心配で手を付ける余裕がなくなる』
↓
『教育実習生を終えて大学に戻った凪だが、夢の事もあって猛の事が心配になり、塔馬家に訪れて悲惨な状況を知る(洗濯物大量。ゴミの山。溜まった埃など)』
↓
『惨状に掃除を買って出て塔馬家改善』
↓
『綾香の夫と明日香。琴乃がネノクニに居る事を知らされる』
↓
『取り敢えず無事と言う事で安心した明日香が、塔馬家に訪れると其処には炊事洗濯をしている凪の姿が』
↓
『明日香。凪がいる事情を知り、これからはと思ったところで本人部活と受験控え。母親朝弱く、しかも琴乃を呪いから解放する為に呪具探しで忙しい』
↓
『結果。姉の居場所の1つだった塔馬家が失われる。明日香と綾香。どう琴乃に話そうかと悩む』
↓
『悩んでいる内に汀の問題発生。綾香は其方に気を取られる』
↓
『猛と凪。琴乃は取り敢えず無事と言う報告に、猛一安心。どんどん親密となっていき、明日香危惧(どうしてお姉ちゃんの時じゃなくて、冬木先生の時にそんな積極的なの~!)』
↓
『夏が訪れ、来年出雲学園で教師をやるかも知れないと凪は純粋に猛と六介に報告』
↓
『凪が教師となったら付き合うのに教師と生徒と言う問題が発生すると猛危惧』
↓
『猛、凪に告白。凪、色々悩んだ末に了承。カップル誕生』
↓
『綾香。漸く汀の問題を解決して塔馬家に行ったら、カップルとなった猛と凪を目撃』
↓
『琴乃にどう説明しようと、白鳥家で総出で悩む』
↓
『リンド。純粋な善意でアマテラスに『降霊の術』を知らせる』
↓
『綾香。アマテラスからの急な報告に驚くが、二時間程度で。しかも娘の顔が見れるならと了承』
↓
『琴乃……猛と凪の情事目撃。六介にネノクニに戻される』←イマココ
と言った経緯がありました。

捏造設定。
『降霊の術』。
『反魂の術』の下位互換で、使用された相手の霊体をアシハラノクニに飛ばし、幽霊状態でアシハラノクニを見る事が出来る術。幽霊なので物体に触れたりは出来ないが、代わりに宙に浮かんで飛んだり、壁向けも普通に出来る。遥か昔にあった幽霊騒ぎは、実はネノクニから『降霊の術』で訪れて者達がいたからなのかも知れない。
死者に分類される者にしか効果は表れないので、精霊、悪霊、そして神には効果はない。

次回は遂に……です。

アマテラス、佐久夜、琴乃の妊娠について。

  • 琴乃が堕ちた段階で孕ませる
  • 四聖の社全て攻略後に孕ませる
  • サヨ関連終了後に孕ませる
  • イザナミも加え、四人そろって孕ませる
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。