IZUMO2〜鬼畜ショタ性記〜 作:イズモ
最初からエロあり。本番はありませんが。
感想、お気に入り、アンケートありがとうございました!
里の外れにあるリンドが暮らしている家。
既に日が沈み、松明の明るさで部屋を照らさなければ闇に包まれる部屋の中で、2つの影が重なっていた。
「あッ♥ ぁあああッ♥ リンド君♥ リンドくーん♥」
くちゅくちゅっと淫靡な音が鳴るたびに、服を全て脱いで裸になっている琴乃の気持ちよさげな声が部屋の中に響き渡った。
背後から琴乃を抱きしめるように膝立ちしているリンドは、左手で琴乃の左胸を弄り回し、右手の指で股の間にある秘裂を開き、膣内を搔き乱していた。
「はぁ、はぁっ♥ きもちいいのぉ♥ ……あんっ♥ リンド君のマッサージ♥ きもち良すぎるのぉ♥ はあぁぁぁぁぁ――――っ♥」
指が届く範囲の膣内の感じる敏感な膣壁を搔き乱され、左胸も乳首を含めて弄られている琴乃は快感に乱れながら叫んだ。
琴乃の乱れぶりを満足そうに微笑みながら意地悪そうに耳元で囁く。
「全くもう。マッサージ中は喋っちゃ駄目って言うのを忘れちゃったのかな、琴乃お姉さんは?」
「ご、ごめんなさい♥ で、でも……駄目なの♥ ああっ♥ リンド君のマッサージがきもち良すぎてぇ♥ 声を押さえるのなんて無理なのぉ♥」
我慢など出来る筈がない。処女を失った事に加え、今は胸と秘所の両方を同時に弄られている。
開発された琴乃の肢体は、リンドの与える刺激を受け入れて喜び、本人の意思を無視して快楽に打ち震える。しかし、それでいて一番刺激を欲しがっている膣奥には快感を与えられずにいる。
ずっとお預けを受けているような状態に追い込まれているとも知らずにいる琴乃が、マッサージと言う愛撫を受け続けていて喋るのを我慢できる筈がないのだ。
しかし、そうと気付いていながらもリンドはマッサージと称した愛撫を続ける。
「声が出ちゃうのは、服が邪魔をしているからだと思っていたのに、実は琴乃お姉さんに堪え性がなかっただけだったんだね」
「そ、そうよ♥ だから、何時も声を出しちゃったの♥ ああっ♥ んんっ……♥」
与えられる快感に琴乃の肢体が震える。本来ならば隠さなければいけない張りのある巨乳も快感で揺れて、指を挿入されている秘所から大量の愛液が流れ出ている。
そんな琴乃が何よりも興奮を感じているのは、自身の背中に当たっている熱い肉棒の感触だった。
(ああっ……リンド君も興奮してるのね。で、でも駄目……佐久夜さんはリンド君の事が好きなんだから、リンド君の事を男性として好きでもない私が入り込む余地なんてないのよ……私が……佐久夜さんも知らないリンド君の
自分に言い聞かせるように快楽に翻弄されながらも、琴乃は内心で呟く。
琴野の何かを堪えるような顔を背後から覗き見ていたリンドは、意地悪そうに口元を笑みで歪めながら耳たぶを弱めに噛む。
「はむっ」
「あんっ♥ り、リンド君……い、いきなり何を?」
「何をって、マッサージ中なのに琴乃お姉さんが考え事をしているからだよ」
じゅぽじゅっぽ……ぐちゃっぐぢゅ……
「ああっ♥ ご、ごめんなさい♥ マッサージ中だったのよね……あ、あぁ……♥ んっ♥ あぁぁぁぁ……っ♥」
膣内の弱いところを重点的に弄りだされた琴乃は、淫靡な喘ぎ声を再び上げる。
雄を興奮させるようなその喘ぎ声に酔いしれながら、琴乃の左胸も遠慮なく揉みしだき、乳首をコスコスと扱きあげる。
「あはぁぁぁっ♥ リ、リンド君……お、お願い……左胸だけじゃなくて右胸もマッサージして欲しいの♥」
「うーん。そう言われても、僕の右手は琴乃お姉さんの下のマッサージで忙しいし。一度下のマッサージは中断して良いの?」
焦らす様に膣内で動かしていた右手を、リンドは止めて抜こうとする。
だが、抜ける前に琴乃の手がリンドの手を押しとどめた。
「い、いやっ! 抜いちゃ駄目! し、下も続けてぇ!」
羞恥で顔を真っ赤にしながらも、琴乃の口からハッキリと強請る言葉が出た。
引っ込み思案な性格をしている琴乃が見せた淫乱な積極性に、リンドは満足感を感じる。
(此処までくればもうすぐだ)
「我が儘だな、琴乃お姉さんは。じゃあ、今日も琴乃お姉さんの身体を使って
「っ……え、えぇ♥ んっ♥ 良いわよ、リンド君♥」
リンドが告げた言葉の意味を察しながらも、琴乃は淫靡な微笑みを浮かべながら了承の意を伝えた。
次の瞬間、琴乃の右胸に何処からともなく伸びて来た植物の蔦が絡みつき、ぎゅうぎゅうと強弱をつけて揉み出す。
「あぁぁぁ――っ♥」
胸に絡みついて来た蔦を嫌がる様子も見せずに、琴乃は受け入れていた。
更に植物の蔦が伸びて来て、琴乃の両手に絡みつきそのまま上へと上げる。それだけでは留まらず、琴乃の足にまで蔦は絡みついてきて、見た目に反した力強さで琴乃の足を広げる。
だが、其処までされても琴乃に嫌がる素振りはなかった。何故なら彼女は知っているのだ。
今自身に身体に絡みついて拘束するかのように動く蔦が、リンドの力に寄るものだと言う事を。
拘束が終わると共に、一端愛撫を止めたリンドは、背後から身を寄せたまま琴乃の耳に語り掛ける。
「ごめんね、琴乃お姉さん。こんな形にして」
「んぅっ♥ い、良いのよ……あん♥ わ、私がお願いした事だし、リンド君が精霊の力を使いこなせるように為にも、ひ、必要なんでしょう……ああっ♥」
右胸だけではなく左胸にも絡みついて来た蔦の感触に、琴乃は歓喜の声を上げた。
蔦に絡みつかれた柔らかな乳房は、まるで搾乳するかのように揉みしだかれ、琴乃に快感を送り続ける。
「はぁっ♥ ああっ♥ 凄く、すごくきもちいい……それに……とても暖かいの♥」
琴乃の全身に絡みついている蔦は、リンドが精霊の力を使って発生させた蔦。
その蔦から送り込まれる気に、琴乃の肢体は火照り、双丘を揉みしだかれながら人外の領域の快楽を受け入れる。
(ほ、本当に凄い……こ、こんなに気持ちいいマッサージがあるなんて♥ しかも、これで練習中だなんて……ああっ♥ ご、ごめんなさい、佐久夜さん! 私が無理やり強請ったばかりに、リンド君の精霊の力をこんな形で目覚めさせちゃうなんて、思ってもいなかったの!)
快楽に流されていた琴乃だが、リンドが精霊の力を初めて発現させた時の事を思い出して罪悪感を感じる。
佐久夜が泊まりに来ない日やリンドが家にいない日を除けば、毎日琴乃は塔馬家で朝食を作っていた時のように夕食を作りに来る。
そして……約束している
胸と秘所のマッサージを受けている最中に、先ほどのように琴乃がおねだりしてリンドが困った様子を見せた瞬間、今琴乃の肢体に絡みついている蔦が急に発生したのだ。いきなりの出来事にリンドと琴乃は戸惑った。
しかし、その蔦はリンドの意思で操れる事が分かり、一先ずは安心したが、直後にリンドは落ち込んだ。
蔦を発生させたり操れる力の正体が、己の持つ精霊の力だと分かったからだ。
本来ならば喜ぶべき事だが、発現の仕方が問題だった。明らかに琴乃の痴態を見て目覚めたとしか言えず、そんな事を佐久夜達に話す訳にいかない。
琴乃も自分が強請ったばかりに大変な目覚め方をさせてしまったと認識して、2人は精霊の力が目覚めた事を隠すようにした。そして今では……。
「んんっ、んぁ……あ、あああっ♥」
(リンド君♥ ごめんなさい! ご両親から受け継いだ力をこんな事に使わせて……で、でも足りないの♥ あ、あの時みたいにリンド君の暖かさを感じたい♥)
蔦に手足を絡めとられ、豊満な巨乳も弄ばれながら琴乃は艶めかしい喘ぎ声を上げる。
フッとすればマッサージ以上の事を強請ってしまいそうになるが……。
(そ、それだけは駄目! 佐久夜さんが悲しむのもの!)
自分と同じ悲しみを佐久夜に味合わせたくない。それが琴乃に最後の一線を護る防壁となっていた。
心身が崩れさせるような絶望と寒さを琴乃は忘れていない。アレを誰かに味合わせたくない。その気持ちが、フッとすれば口から出てしまいそうな言葉を封じていた。
(フフッ、頑張るね、琴乃お姉さん。その意思の強さ。ますます僕の子供を孕んで欲しくなるよ)
じゅぷっ……にゅぷぷぷっっ……しこしこ……
「あっ♥ んぅっ、そ、其処を♥ 其処をマッサージしちゃ駄目ぇ♥」
開いた左手の指で、包皮から出てる肉芽を挟まれ扱かれた琴乃は更に甘い声を出した。
「そう言いながらも、琴乃お姉さんの中は僕の指をぎゅうぎゅう締め付けてきてるよ。それにもう僕の手は琴乃お姉さんのお汁でびちゃびちゃだ」
「い、言わないでぇ♥ は、恥ずかしい♥ あっあぁぁ♥」
顔を真っ赤にして琴乃は首を横に振るうが、手足を動かす事はなくリンドが与える快楽を享受する。
膣と淫核を両手で弄ばれ、ぐちゃぐちゃと愛液を大量に流す。豊かな双丘は絡みついている蔦で嬲られ、琴乃を絶頂させようと激しく動き出す。
「ああぁっ♥ すごい♥ 凄いの♥ も、もう耐えられない♥ もうイク♥ イッちゃう――――っ♥」
ぷしゃぁぁあ――――っ!!
絶頂と共に琴乃の秘裂から潮が噴き出し、床を透明な液体が濡らしていく。
リンドの開発で、琴乃は完全に絶頂した時に潮を噴く体質になってしまっていた。佐久夜や桃花、蔓も噴く時はあるが、琴乃は必ず潮を噴く。
そして最近ではマッサージ中に喋っちゃ駄目と言う約束も、早々に守れなくなり、快感に乱れるようになっていた。最も約束を守れなくても、以前のように何かを要求する事はない。
(フフッ、だってこれ以上僕が琴乃お姉さんに要求するとしたら一つだからね)
愛おしそうに自身の腕の中で、絶頂の衝撃で顔を仰け反らせてピクピク震えている琴乃をリンドは抱き締める。
与えられた快感で、何時もの清楚さだけではない淫乱さも加えた顔を、今の琴乃は浮かべている。だが、それ以上先へと進もうとはしない。
幼い頃に長い間病院暮らしが多かった琴乃は、人見知りこそ『八木猛』のおかげで解消されたが、引っ込み思案で積極的に成れないところは解消されなかった。
ネノクニで過ごしている中で積極性も出て来たが、やはり元々積極的な性格な相手と比べれば劣る。
(まぁ、そのおかげで今も耐えられているようだけど)
未だ琴乃の膣内に挿ってる指は、もっと奥に来て欲しいと言ってるかのように奥へ奥へと絡みつく感触を伝えて来る。
(でも、挿入しないよ)
離れたくないと言うように締め付けてくる膣壁から指をリンドは引き抜いた。
「……んっ♥」
指を引き抜かれた感覚に琴乃の肢体が震えるが、まだ絶頂した衝撃から戻れる様子はなかった。
(フフッ、根競べだよ、琴乃お姉さん。僕が我慢出来ずに挿入したくなるか。琴乃お姉さんから強請って来るかのね)
「……リンドくん♥」
無意識の内の琴乃は名を呟いた。
その名前が自身の名だったことに、達成感を覚えながら、リンドは琴乃の柔らかな肢体を抱き締めるのだった。
「……はぁー」
アマテラスとカグツチの屋敷に帰る最中、琴乃は深い憂いに満ちた顔をしていた。
思い出すのは先ほどリンドに背後から抱き締められて、マッサージの快感に溺れて最後には絶頂してしまった自身の姿。
思い出すだけで恥ずかしくて、琴乃の顔は羞恥で真っ赤に染まる。
(私、本当になんてことを……マッサージしている時にリンド君も興奮してる事を知ってるのに……もしかしたら今頃は……)
琴乃は思わず、背後を振り返った。
無意識の内に喉をゴクリと鳴らしてしまう。
(だ、駄目よ! 何を私は考えているの!? アレは自棄を起こしていただけ!)
脳裏に浮かんでしまったのは、年齢に合わない大人顔負けのリンドの黒々とした剛棒。
処女を奪って貰って、初めてだったのにも関わらず余りの快感で絶頂して気絶してしまった己の姿。
その時の甘美な快楽と暖かさを思い出す……。
「っ!?」
いつの間にか服の下に履いている下着が濡れている感触に琴乃は気が付き、愕然とした顔をした。
(……私……最近おかしい……初めてを失った女の子って皆こうなっちゃうの?)
琴乃は気が付いていなかった。リンドに与えられる快楽は、人外の領域にまで達している。だが、肝心要の子宮はまだ本当の意味で快楽を与えられていない。本当の意味で欲求を満たされていない状態にされたその肢体が、リンドの剛棒を求めている事に琴乃は気付いていない。
トボトボと落ち込みながら琴乃は屋敷に向かって歩いていく。
リンドを興奮させずに帰る方法は簡単だ。マッサージを受けずに、夕食を作って
(どうしても演奏が終わった後に、マッサージを受けたくなっちゃう……佐久夜さんに本当に申し訳ない)
佐久夜の想い人である相手にいけない興奮をさせてしまっている事実に、琴乃は罪悪感を覚える。
本当ならば夕食を作りに行くのも控えるべきなのだが、アシハラノクニで育った琴乃には、リンドぐらいの年代の子供が1人で暮らしている事にやはり違和感を覚え。お世話になったお礼をしたいと足が向いてしまう。そして楽器演奏を始め……マッサージを頼んでしまう。
精霊の力の事もあるのに、自身がズルズルといけない方向に進んでいる事を自覚し、自己嫌悪を感じながら琴乃は屋敷に辿り着いた。
(そう言えば、今日はどうして佐久夜さんはリンド君の家に泊まりに行かなかったのかしら?)
立場と言う事もあるので、毎日ではないが佐久夜はリンドの家に泊まりに行くことが多い。
本人は出来ればそのまま住みたいと願っているのだが……そもそもリンドが暮らしている家は里外の人間が泊まる為に建てられた一種の隔離場所。
そんな場所に里長の娘である佐久夜が住むのは、少々問題があるので渋々日にちをあけて泊まるようにしていた。
今までの流れだと、今日辺りは泊まりに行ってもおかしくないのにと琴乃が疑問を覚えながら廊下を歩いていると……。
「琴乃さん。おかえりなさい」
「さ、佐久夜さん!?」
考えていた相手である佐久夜が話しかけて来た。
「あ、あれ? 私、普通に話しかけただけだよね?」
「ご、ごめんなさい。丁度佐久夜さんの事を考えていたから」
「私の事?」
「え、ええ……きょ、今日はリンド君の住んでいる家に来なかったなあって思って」
「うん。今日は明日の準備があったから、リンドの家にはいかない事にしたの」
「明日?」
琴乃は首を傾げた。何か明日はあっただろうかと考え込むが、やはり思い浮かばなかった。
そんな琴乃に佐久夜は心から嬉しそうな笑みを浮かべながら告げる。
「リンドの家に行かなかったのはね。明日から『アシハラノクニの学び舎』に行くからだよ」
「えっ?」
佐久夜が告げた事実に、琴乃は思わず疑問の声を上げてしまった。
『アシハラノクニの学び舎』と言う場所が何処なのかは、琴乃は良く知っている。出雲学園の事だ。
「あ、あの、どうして学園に?」
「うん? どうしてって、毎月行ってるよね?」
「毎月? ……あっ!?」
言われて琴乃は思い出した。
そう、佐久夜とリンドは毎月、月の中で『反魂の術』が最も使いやすい日が近づくと、出雲学園に泊まりに行く事が決まっている。低級の悪霊との戦闘訓練もあるが、琴乃のようにヒミコが新たにアシハラノクニから人を召喚する危険性を考えての事だった。
ヒミコが呼び出そうとしていると思われる『スサノオ』の転生体である大斗剛には、アマテラスが製作した護符が渡されているのでネノクニに来る事はないが、相手はヒミコ。
再び何らかの手を打ってくる可能性は充分にあり得るので、2人の修業も兼ねて出雲学園への定期的な宿泊は継続されていた。
(ああっ♥ 明日からの数日間が楽しみ♥ 初日で悪霊達なんて全部祓って、リンドとずっとスるんだから! ……あの凄い
琴乃同様に佐久夜もまた、リンドが精霊の力を扱えるようになっている事を隠していた。
無論、目覚めた経緯は睦事の最中。その時に与えられた快感を思い出した佐久夜は、琴乃が目の前にいると言うのに下着を濡らす。
(そして今回こそ……リンドの子供を妊娠する!)
佐久夜は危機感を覚えていた。
『迷い人』と言う恐ろしい悪霊の出現が近づく中、それに鼓音するかのように経緯はともかく目覚めてしまったリンドの精霊として力。
しかも、その力は植物に関するものだった。
(だから、桃花様と蔓様はリンドに惹かれてるんだ! でも、絶対にリンドは渡さないんだから!)
精霊と人が子を為す方法が存在している事が判明した今、佐久夜の中で桃花と蔓は敬うべき相手だとしても明確なライバルと認識していた。
それは桃花と蔓もだ。2人は既にリンドとの赤子を得ているが、何時リンドの婚約者と言う立場を得てもおかしくない佐久夜に対して嫉妬心を抱いている。
リンドの婚約者と言う立場は、それだけ桃花と蔓には魅力的に見えるからだ。
今のところ状況が状況な為に佐久夜を妊娠させる事が出来ないが、出来るようになったら佐久夜は間違いなく桃花と蔓よりも子供を作ろうとする。
100年周期でしか妊娠できない精霊と違って、佐久夜は神の娘でも分類的には人間。子供が為せる状況になれば、桃花と蔓が負けるのは確実だ。『一族の再興』と言う目的の為には、沢山の次世代が必要なのだから。
そしてリンドの子供を妊娠したいという欲求が強まっている佐久夜は、明日から始まる淫欲に満ちた数日間を想像して身体を震わせた。
「んっ♥」
「えっ……? 佐久夜さん?」
「な、何でもないよ!? じゃあ、私もう寝るね! 明日は早いから!」
顔を少し赤くしながら佐久夜は慌てて、自分の部屋がある方向に歩いて行った。
残された琴乃は、先ほどの佐久夜の様子を思い出す。
(……も、もしかして佐久夜さん……リ、リンド君に告白するつもりなのかしら?)
考えてみればおかしい話ではない。
リンドは確かに幼い部類に入るが、アシハラノクニの子供達や里で暮らしている子供達よりもずっと確りしている。加えて、琴乃にも知らされたが、近い内に『迷い人』と言う強大な悪霊が現れようとしている。
そして佐久夜とリンドも、『迷い人』との戦いに挑もうとしている。
物語などではよくある出来事。生死をかけた戦いに向かうのだから、これを機会に告白をと佐久夜が考えてもおかしくないと琴乃は思った。
(……そうよ……きっとそれで良いのよ……佐久夜がリンド君の事を好きなのは間違いないんだから……2人は一緒に戦いの場に行くそうだから)
親しい相手が戦いの場に向かう事に、琴乃は悲しみを感じる。
だが、このネノクニではそれが当たり前の事。以前ならば佐久夜はアマテラスとカグツチの娘として、里内で大切に扱われていたが、最近では低級ながらも悪霊退治を行なうようになった。
何よりも『迷い人』と言う悪霊は、途轍もない災厄を引き起こす悪霊。その悪霊の出現に対して、佐久夜とリンドを遊ばせている余裕は無い。特にリンドには……最悪の事態になった時にアマテラスとカグツチは『宝珠』を使わせる事まで視野に入れている。
其処までの存在なのだ。『迷い人』と言う悪霊は。
カグツチとツクヨミは出雲学園に現れる『迷い人』の対処を。佐久夜とリンドも最悪の事態に備えて出雲学園に向かい、アマテラスは里の護りを残った兵達と共に行なう。
琴乃はアマテラスと共に里に残るが、別段戦う必要はないと言われている。精々怪我をして戦いの場から戻って来た人を和玉で治療するぐらいだ。
「……この笛が役に立てれば」
琴乃は服の内側に入っていた横笛を取り出した。
手放しても、何時の間にか琴乃の手元に戻って来る不可思議な笛。その力はカグツチ達と共に『妖やかしの森』に行った時に判明している。
横笛を琴乃が吹いて音を、正確には音楽を発した時、それを聞いた悪霊達は弱まり、最終的には消滅までしてしまう。流石に中級や上級の悪霊に何処まで効果があるかは分からないが、間違いなく悪霊と言う存在を相手にするには有効な力を秘めているのだった。
だが、結局其処まででしかない。幾ら有効な力を秘めていても、戦いにおいては素人でしかない琴乃を前線に出せる筈がない。
「……私なんて結局足手まとい……佐久夜さんはリンド君に相応しいもの……」
琴乃は気が付いていなかった。自分に言い聞かせるように呟く自らの口元が、悔しさで歪んでいる事を。
早朝。日の出と共に里の人々はそれぞれ自らの役割の為に動き出していた。
そんな中で、里の入口では、背中に荷物を背負ったリンドと馬に乗った佐久夜を見送る為にアマテラス、カグツチ、琴乃が来ていた。
「では、アマテラス様、カグツチ様、琴乃様。佐久夜様と一緒に『アシハラノクニの学び舎』に行って参ります」
「フフッ、リンド。余り畏まらなくても良いのですよ」
「そうだぞ、リンド。流石に公の場では不味いが、今は勝手に俺達が見送りに来てるんだ。それに、あんまりそう言う呼び方をしてると、佐久夜が怒るからな」
「お、お父さん! そ、そんな事ないよ!」
「佐久夜。私達が知らないと思ってるのですか? 屋敷に巫女達がいる時でも、リンドに普段の呼び方を強要するのは控えなさい。こういう場ならともかく、普段はリンドの言い分の方が正しいのですからね」
「うぅ……わ、分かってるよ、お母さん」
大好きな母親に注意されて佐久夜は恥ずかしそうに顔を赤くした。
「リンド君。気を付けてね」
「は、はい……琴乃お姉さんも巫女修行の方を頑張って」
「ええ」
「ぐぬぬっ」
睦まじいやり取りをしているリンドと琴乃の姿を見て、佐久夜は苛立ちを堪えるような顔をする。
(佐久夜もやっぱりアマテラスと同じで嫉妬深いか……リンド。気をつけないと、将来苦労するぞ。頑張れ)
過去にアマテラスが嫉妬から引き起こした出来事を思い出し、カグツチは陰ながらリンドに激励を送った。
そして2人は出雲学園へと向かっていく。カグツチ、アマテラス、琴乃は見送りが終わると屋敷に戻って行くが、その途中でツクヨミが急に姿を現した。
「ツクヨミ? どうしたんだ?」
「客が来たから、貴方達を呼びに来たのよ。全く、来るんだったら来るって先に一報ぐらい入れて欲しいわよね」
「客? 姉さん。一体誰が来たんですか?」
僅かに驚いた顔をしてアマテラスは姉に聞き返した。
今日は誰かが来るという予定はなかった。それよりも何よりも今は戦時下中に加えて、『迷い人』への対処の為に色々と忙しい。なので、他の隠し里との連絡も控えるようにしている。
一体誰なのかとアマテラスが疑問に思った瞬間、何処からか幼さを感じさせる声が響く。
「それは私だ」
「この声は!?」
「白虎か!?」
アマテラスとカグツチが声でその正体を察した瞬間、ツクヨミの隣に音もなく1人の少女が姿を現した。
「……女の子?」
いきなり現れた少女に琴乃は面を食らった。
何せ相手は明らかに幼い容姿をしていて、失敗すればリンドと同じぐらいの歳にしか見えない。だが、普通の少女ではないのは明らかだった。何故なら少女の耳がある辺りから獣のようにふさふさの耳が伸びている。
その少女は、最初にアマテラス、次にカグツチ、そして最後にクールな瞳を琴乃に向けた。
「……精霊ですか?」
「いかにも。我が名は白虎。四聖獣の1人……初めましてと言うべきか、アシハラノクニの娘」
「わ、分かるんですか!?」
「うむ。お前に掛けられている呪いも分かる。『死者でいる事を強制する呪い』。厄介な呪いを受けているようだな」
「呪いの事まで……」
一瞬で自分の事を見抜いた白虎に、琴乃は目の前にいる相手が素人ながらも只者では無い事を察した。そんな琴乃にカグツチが説明する。
「琴乃ちゃん。白虎は古くからネノクニを守護する四体の守護神の一体なんだ。今も俺達の味方をしてくれて、ヒミコから霊地を護ってくれている」
「うむ。カグツチの言う通りだ……だが、今日は火急の事態を伝える為に急いできた」
「火急の事態? もしかしてヒミコ軍が動いたのか!?」
カグツチは慌てた。『迷い人』への対処で忙しい中で、本来の敵であるヒミコまで動き出したとなれば最悪の事態。だが、最悪の事態を想定するカグツチに対して白虎は首を縦に振る。
「その通りだ。幾つかの霊地がヒミコ軍と思わしき悪霊達に強襲され、その霊地が枯らされた」
「っ!? な、何てことを……霊地が枯れれば、その土地からは実りが無くなり、不毛の荒野が広がるだけになってしまうと言うのに」
「ヒミコ軍の奴ら。遂になりふり構わなくなった訳ね。まっ、それだけ追い詰められているでしょうね」
「? どう言う事だ、ツクヨミ? まるでヒミコ軍が弱体化しているのを知っていたような言い回しだが」
「それに関してはちゃんと説明するわ。他にも私達も聞きたいことが四聖獣にあるし」
「聞きたい事? それは何だ?」
訝し気な顔をして白虎はツクヨミに質問した。
質問に答えずにツクヨミはアマテラスに視線を向ける。視線の意味を悟ったアマテラスは、懐に手を入れる。
「四聖獣の1人。白虎。貴女にお聞きします。コレに関して貴女は何か知っていますか?」
「2人とも、一体なに……」
訳が分からず困惑していた白虎だが、アマテラスが懐から取り出した物を目にして固まった。
四聖獣の中でも余り表情を出さない筈の白虎が、目を見開き完全に固まってしまっていた。アマテラスの手の中で虹色の輝きを放つ宝珠を、この場にあってはならないという顔をしながら白虎は見つめ続けるのだった。
と言う訳で四聖獣の一体白虎登場です。
相性は余り良くありませんが、その分スル時は元気よく鳴いてくれるでしょう。
因みに四聖獣達はまだリンドの一族が滅んだ事を知りません。
アマテラスとカグツチが報告しなかったのは、宝珠が干渉して四聖獣達がヒミコに対してどう動くのかを見極める為に伝えないようにされていました。
アマテラス、佐久夜、琴乃の妊娠について。
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琴乃が堕ちた段階で孕ませる
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四聖の社全て攻略後に孕ませる
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サヨ関連終了後に孕ませる
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イザナミも加え、四人そろって孕ませる