※この作品はR-18です。

IZUMO2〜鬼畜ショタ性記〜   作:イズモ

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美由紀の微エロまで予告していましたが、申し訳ありません。其処までいけませんでした。しかもエロ無しです。
次回こそは微エロまで進ませるように頑張ります。

お気に入り、アンケートありがとうございました!


美由紀編 4

 ……さま………ヒカル様。

 

「……んっ……この声は?」

 

 聞き覚えのある声に惹かれて、カグツチは目を開けた。

 すると、直前までいた保健室ではなく、何とも不可思議な空間にカグツチは立っていた。

 

「此処は?」

 

『お久しぶりです、ヒカル様』

 

「その声は!?」

 

 聞こえて来た懐かしき声にカグツチは目を見開く。

 そしてカグツチの前に光が集まると共に、黒い着物を着て紅い鉢巻をした腰より長い銀色の髪の女性が現れた。

 その女性をカグツチは知っている。彼女こそ一番最初にカグツチが『契りの儀式』を交わし、弟であるスサノオと共に生きる道を選んでくれた精霊。

 

「楓さん!?」

 

『はい。こうして会える日が来るとは思っていませんでした。本来ならば私は、万が一、スサノオ様の転生体がこのネノクニに訪れた時に現れる思念体。記憶を失われているあのお方に危機を告げる為に、『私』が残した残留思念なのです』

 

「残留思念……それじゃあ、本物の楓さんはもう……」

 

「アシハラノクニに転生しているって訳ね」

 

「って、ツクヨミ!?」

 

 何時の間にか隣に立っていたツクヨミにカグツチは驚く。

 楓もツクヨミがこの場にいる事に驚く。この場所はアシハラノクニに転生する直前に、本物の楓が己を記憶を保持させた思念体を残す為に作り上げた精神世界。

 カグツチをこの世界に呼べたのは、嘗て『契りの儀式』を結んだ縁があるからこそ。対してツクヨミは、楓とは余り深い縁を持っていない。それなのに何故と楓が困惑していると、溜め息を吐きながらツクヨミが説明する。

 

「『真の契りの儀式』のおかげでしょうね。カグツチの魂に私の宝珠が宿っているから、こうして精神世界に入れたの」

 

(フフッ、つまり、絶対にさせないけど、ヒカルが誰かと再び『契りの儀式』しようとしたら邪魔出来るって訳ね)

 

 予想外の産物だが、満足げにツクヨミは腕を組んで困惑している楓を見つめる。

 

『『真の契りの儀式』? そのような儀式が存在していたのですか?』

 

「ああっ、俺達も改めて知ったんだけど……それで楓さん。スサノオの為に残されていた貴女が、どうして俺に干渉を?」

 

『……本来ならばスサノオ様の為に残されていた私ですが……途轍もない『世界の揺らぎ』が発生した影響で、この空間はもう長く保てなくなってしまったのです』

 

 言われてカグツチとツクヨミは、楓の精神世界を見回してみる。

 楓の言葉通り、精神世界には崩壊の兆しだと言うように綻びが存在していた。本来ならばその綻びは精神世界を作り上げている精霊が力を込めれば修繕できる。

 だが、カグツチ達の前に居る楓は、本物の楓が己の記憶を保持させた残留思念。修繕する為の精霊としての力は、アシハラノクニに転生した本物の楓が持っているので修繕は出来ない。同じ精霊であるツクヨミも、他の精霊が造り上げた精神世界を修繕する事は不可能。

 『迷い人』の出現が予想外の影響を及ぼしていた事を知り、カグツチは楓に向かって頭を下げる。

 

「すまない、楓さん。事情を知らなかったとはいえ、俺達は……」

 

『良いのです、ヒカル様。こうなる危険性も分かっていました……ですが、どうかアシハラノクニに転生したスサノオ様を護って欲しいのです。あの方にはもう戦いとは無縁の日常を過ごして頂きたい。しかし、スサノオ様はその身を狙われています』

 

「安心しなさい。偶然だけど、スサノオの転生体が『ヒミコ』に狙われているのは私達も知ってちゃんと手は打ったわ」

 

「ツクヨミの言う通りだ。ヒミコの干渉を受けないように、スサノオが転生した『大斗剛』君にはアマテラスが作った護符で護られている。ヒミコの干渉は……」

 

『もう1人』

 

「えっ?」

 

『スサノオ様の転生体は1人ではありません。もう1人居られるのです。スサノオ様は転生為される時に、『猛る魂』と『剛き心』。陰と陽に魂が分かたれ、2人の人間として転生されました』

 

『っ!?』

 

 告げられた事実にカグツチとツクヨミは驚愕で固まった。

 本来1つの魂から2人の人間が転生するなど在り得ない。だが、スサノオの魂はその例外を引き起こしていた。普通の転生と違い、スサノオはヒミコの魔の手が魂にまで及ぶ直前に、楓がその命と引き換えにアシハラノクニへと魂を逃した事が影響を及ぼし、2人の人間に転生するという異常事態を起きていたのだ。

 

「そうだったのね!? 漸く分かったわ! 私が剛と会った時に感じた違和感! そうよ! スサノオにしては魂の大きさが足りないのよ! スサノオはヨモツオオカミ様の息子だけあって、その魂は強大だったのに、剛はその半分ぐらいしかなかった!」

 

「じゃあ、まさか!? 剛君への妨害をしたのに、ヒミコが何もして来ないのは!?」

 

「もう1人のスサノオとの転生体を、琴乃の縁から感じているからでしょうね。複雑だった筈のスサノオへの縁が、片方への干渉を封じたとなれば、当然もう片方の転生体への干渉しやすくなっている筈だから、これ幸いと干渉を強めているんだと思うわ」

 

「……何てことだ」

 

 カグツチはまさかの事態に眩暈を覚えた。

 現実世界では別次元への美由紀の対処でも忙しいのに、此処にきて明らかになったもう1人のスサノオの転生体の存在。どちらも見過ごす事は出来ない。

 

「……事情は分かった。教えてくれてありがとう、楓さん」

 

『いえ、全てはスサノオ様の為です』

 

「変わらないわね、アンタは。流石は蜘蛛の精霊ね……それで、ヒミコの正体も話してくれるのかしら?」

 

「っ!? そうだ! 楓さん! スサノオの傍にいた貴女ならヒミコの正体も知っている筈だ! 教えてくれ!」

 

 容姿に関しては見たというリンドから聞く事が出来る。だが、肝心のその正体まで行きつけるかは分からない。

 守らなければならない大切な者達を護る為に、ヒミコの正体をカグツチは楓から聞きたかった。

 

(さて、どうしたものかしらね)

 

 対して既に正体を知っているツクヨミは、此処でヒミコの正体をカグツチが知るメリットとデメリットを考えていた。

 信用と信頼を得ているリンドの言葉ならば、間違いなくカグツチ達は信じる。其処に加えて楓からの情報も加われば、最早疑われる事はない。

 

(問題があるとすれば……四聖獣達ね)

 

 今はまだ知らないが、盟約が破られていると知れば四聖獣達はカグツチ達と、正確に言えばリンドと距離を取らざる得ない。そうなると宝珠からの指示を果たせなくなってリンドが困る。

 

(桃花と蔓は内心で大喜びしそうだけど)

 

 新たに女性が増える事を危惧している桃花と蔓が、大喜びする光景がツクヨミの脳裏に浮かぶ。

 

(……まっ、どちらにしても此処で邪魔をするのはヒカルに不審に思われかねないし。取り敢えず四聖獣達に報告する時に、私が割り込めば良いでしょう)

 

 リンドには悪いがカグツチに不審を抱かれるのを嫌ったツクヨミは沈黙を選んだ。

 

『……分かりました。今はヒミコと名乗られているあの御方の本当の名は『徐福』。嘗て四聖獣様方が仕えていた御方こそ、今はヒミコと名乗っている悪霊の長なのです』

 

「なっ!? 何だって!?」

 

 信じられない事実にカグツチは驚愕で固まった。

 

『ご安心下さい。四聖獣様達もこの事実は知らない筈です』

 

「でしょうね……知ってたら今頃話してくれているでしょうし。ヒミコは頑なに姿を見せないようにしているのも、四聖獣達に正体がバレないようにしているからなのかも知れないわね」

 

(これは完全に盟約を破ってるわね。四聖獣達にはご愁傷様としか言えないわ)

 

 宝珠からの情報だけではなく、こうして楓からもヒミコの正体が『徐福』だと告げられた。

 四聖獣達はどうやっても、言い訳が出来ないと溜め息をツクヨミは吐く。対してカグツチは驚愕の余り固まっていたが、楓が嘘をつくはずがないと考えて情報を吟味する。

 

「……もしかして四聖獣の皆が不意を突かれて霊地を枯らされたのは」

 

「ええ、ヒミコが四聖獣達の行動を予測したからと考えるべきでしょうね……で、そのヒミコがスサノオに執着しているのはもしかして……」

 

『はい、徐福様はスサノオ様に想いを寄せておられました……しかし、スサノオ様が徐福様の協力を拒み、争い合う事になってしまったのです』

 

「それで自分で殺しておいて、アシハラノクニに転生した2人のスサノオの転生体を狙っている訳ね」

 

(スサノオもとんでもない女に惚れられたものね……もう1人は誰かまだ分からないけど、少なくとも剛は乗せられてしまいそうじゃないのよ)

 

 失敗していたら、スサノオの転生体が敵に回っていた事実にツクヨミは震える。

 『真の契りの儀式』をカグツチと結んだ事で力を取り戻した今ならともかく、力を取り戻す前のツクヨミではどうやっても足手纏い。

 そしてヒミコがか一族を優先して狙っていなければ、カグツチ達は拮抗した戦いを続けるしかなかった。

 とは言え、逆にかの一族を放置しておいてヒミコの狙いがバレたら間違いなくカグツチ達にかの一族は協力していた。ヨモツオオカミと違い、ヒミコを相手にかの一族が力を振るう事に何の問題もないのだから。

 

「最後に聞くけど、ヒミコの容姿はどんな姿なの?」

 

『徐福様のご容姿は、長い銀色の髪に緋色の瞳が特徴的な少女です』

 

「少女って……いや、白虎の事もあるからおかしくはないか」

 

 予想外のヒミコの容姿にカグツチは驚くが、すぐに受け入れた。

 ネノクニでは余り見た目は関係ないと言う事を、彼はもう知っているからだ。

 

『では、そろそろ』

 

 伝える事は終わったと言うように、楓の身体が光り出す。慌ててカグツチは声を掛けようとするが、安心させるように楓は微笑む。

 

『ご安心下さい、ヒカル様。私はもう死んでいる身。アシハラノクニに転生した私の一部に還るだけです』

 

「それじゃあ楓。もしアシハラノクニに転生したアンタが記憶を取り戻したら、『白鳥綾香』に会いに行きなさい。其処に連絡用の『宝貝』があるわ。それと私達も、もう1人のスサノオの転生体をちゃんと探すから安心しなさい」

 

「ああっ、ツクヨミの言う通りだ……楓さん。伝えてくれてありがとう」

 

『ヒカル様、ツクヨミ様、どうか宜しくお願いします……また何時か』

 

 微笑みながら楓は光の粒子へと変わり、直後に精神世界は崩壊してカグツチとツクヨミは現実世界へと戻ったのだった。

 

 

(いやっ! 止めて! そっちに行きたくない!?)

 

 混沌とした道を歩かされながら、美由紀は声の無い叫びを上げ続けていた。

 本能的に彼女は察していたのだ。自らが歩いている場所が、決して戻れない場所へと続く道だと言う事を。

 だが、幾ら心の中で泣き叫んでも、大切な人に願っても美由紀の足が止まる事はなかった。

 

(……お爺ちゃん……七海ちゃん……綾香さん……留美ちゃん……お兄ちゃん)

 

 心は疲弊し、決して許されないことをしてしまった人達の顔が美由紀の脳裏に浮かび、最後の抵抗だと示すように両目から悲しみの涙だけは溢す。

 どのぐらいの時間歩かされたのか美由紀にも判別できなくなった頃に、混沌とした道の先でソレを見てしまった。

 

(……ああっ、出雲学園っ!?)

 

 もう遠い昔のように思えるようになった祖父が理事長を務め、兄と共に通っていた学園を見た瞬間、美由紀は初めて己の身体を操る意思と同調して走り出してしまった。

 向かう先に在ったのは、自身が知っている場所。その喜びに打ち震えて美由紀は己に宿っている悪霊が嗤っている事に気が付かずに、自力ではどうやっても戻れない別次元の世界に飛び込んだ。

 

(……お兄ちゃん?)

 

 いきなり襲い掛かって来た男を条件反射で投げ飛ばし、相手の顔を見て、美由紀はすぐに違和感を感じながらも己が大切に想う兄だと察した。

 声を掛けようと思ったが、声は出ずに、地中から襲い掛かって来た鋭い無数の蔦を迎撃している内に兄との距離は離れてしまった。

 

(何で? 何かおかしい。お兄ちゃん、助けて)

 

 声なき声で助けを呼びながら、美由紀は出雲学園を見せられ続けていた。そしてその時に一つの声が耳に届いてしまった。

 

『お父さん!?』

 

(っ!? ……嘘……お父さんって)

 

 声の主である少女が父と呼んでいるのは、兄と思わしき男性。そして少女に良く似た女性が一緒にいる事も美由紀は気付いてしまい。

 

(いやああああああっ!?)

 

 ずっと恐れていた事。1人の男性として好きになってしまった兄が、自分以外の女性と結ばれているばかりか、子供までいる。その事実に美由紀の心は耐えきれず……己に宿った悪霊の声に耳を傾けてしまう。

 

(ソウダ……モウ貴様ノ兄ハ、別ノ女ト結バレタ)

 

(いや、いやいやいや!? そんなの嫌っ!? だってそれが嫌だったから私は、あんなことをしたのに!? それなのに!?)

 

(ナラバ、殺セ!! 己ヲ否定スル者ヲ殺スノダ!)

 

 その声に精神が疲弊していた美由紀は逆らえなかった。

 再び襲い掛かって来た兄を背負い投げで投げ飛ばし、何故か驚愕で固まっている見覚えのない2人の女性の間を、自分でも信じられない速さで駆け抜け、その先にいた、兄を父と呼んだ女の子に襲い掛かった。

 祖父から教わった古武術も使い、全力で殴り掛かった瞬間、女の子を護るように1人の少年が飛び出して来た。

 

(駄目っ!?)

 

 正気に返り、慌てて美由紀は拳を止めようとするが、既に時遅く。

 大切な兄から貰ったグローブ越しに、女の子を護る為に飛び出した少年の右腕をへし折る感触と音が。

 

「いやああああああっ!?」

 

 悲鳴を上げながら美由紀はベットから起き上がり、頭を抱えた。そんな美由紀に横合いから心配に満ちた声が届く。

 

「美由紀! どうした!?」

 

「ああっ……わ、私……私……」

 

 己の両手を見つめながら、美由紀は身体をワナワナと震わせる。大切な祖父から教えて貰った古武術を、自分よりも幼い相手に振るい、その骨をへし折った。

 その事実に涙を流す美由紀に、横から安心させるように優し気な声が響く。

 

「……落ち着くんだ、美由紀。もうお前を操っていた悪霊はいない」

 

「……お兄ちゃん?」

 

 今更ながらに聞こえて来る声に振り向いてみると、其処には美由紀を安心させるように微笑むカグツチがいた。

 だが、カグツチの顔を見た美由紀は困惑する。目の前にいるのは、間違いなく兄として、そしてそれ以上の感情を抱いてしまった大切な人。

 しかし……明らかに自身が知る『塔馬ヒカル』よりも歳を経た容姿をしている。見慣れる服装もしているので、尚更に美由紀は困惑してカグツチに問いかける。

 

「ほ、本当に……お兄ちゃんなの?」

 

「っ! ……ああっ、俺は『塔馬ヒカル』だ」

 

「で、でも!? 私が知ってるお兄ちゃんよりも」

 

「歳を取っているって言いたいのは分かる……美由紀。一先ずは落ち着いて話を聞かせてくれ……先ずお前に何があったんだ」

 

 優しく宥めながらカグツチは美由紀に問いかけた。

 

(この美由紀は恐らく、別次元の俺と和解出来ていない。今は自分が知る『塔馬ヒカル』の容姿と俺との違いに困惑しているから感情が高ぶらずに済んでいるようだが……)

 

 カグツチの脳裏に二度目にネノクニに来て再会した美由紀とのやり取りが浮かぶ。

 

(間違いなく暴走するよな。特に俺がこっちの美由紀と別れる選択を選んで、アマテラスを選んだ事が知れたら……想像もしたくもないぞ。ただでさえツクヨミの見立てだと、美由紀自身の潜在能力は解放されたままのようだし)

 

 『迷い人』の特性の一つである『憑依した相手の潜在能力解放』。

 加えて別次元からやって来る時に渡る道の影響もあって、美由紀本人は気付いていないがその力は四聖獣に匹敵する力を保持したまま。

 癇癪を起こして暴れられたら、その瞬間に大惨事が起きる。

 幸いにも美由紀も異常事態である事を察してくれているのか、癇癪を起こす様子はなく俯きながら口を開く。

 

「……お兄ちゃんと学園で喧嘩した後、私は家に帰ったの」

 

「ああっ、覚えてる。走るお前の背に『授業はどうするんだよ!?』って呼びかけたんだよな」

 

 カグツチからすれば懐かしさを感じてしまう思い出。

 最も美由紀に認識からすれば、数週間前ぐらいの認識。

 

「……それで家に帰って自分の部屋に閉じこもっていた筈なのに……気が付いたら荒野にいたの」

 

(俺がネノクニに来た影響か)

 

 アシハラノクニで生活していたカグツチだが、アマテラスの呼びかけと母であるイザヨイの願いに寄ってネノクニに来る事が決まっていた。

 だが、それはカグツチだけではなかった。イザヨイはカグツチをアシハラノクニに送る時に自らに仕えていた神官達の子供達を一緒にアシハラノクニに送ったのだ。

 子供達の数は4人。全員『救世主』となるカグツチを支える役割を担っていたので、四聖獣に匹敵する可能性を秘めた器を持っていた。その4人の内の1人が、カグツチの妹として共に育った『美由紀』。

 カグツチがネノクニに呼び出される時に美由紀を含めた4人も、ネノクニに来るようにされていた。しかし、この時一つの出来事が起きてしまった。

 ネノクニに渡る準備がされていた場所は出雲学園。其処で過ごしていたカグツチと他の2人は同じ時間にネノクニに渡る事が出来たのだが、出雲学園の敷地から離れた場所から呼び出された美由紀ともう一人は、カグツチよりも早くネノクニに来ていたのだ。

 

(ほんの僅かな距離だった渚は1日で済んだけど……学園から離れ過ぎていた美由紀は……半年以上も前にネノクニに来ていたんだよな)

 

 しかも血に術が刻まれているので、抗う事は出来ないとアマテラスとツクヨミから告げられている。

 実は綾香の娘である琴乃にもこの術の名残りが血に残っていて、美由紀や渚と違い出雲学園から離れていれば大丈夫なのだが、出雲学園に居る時にネノクニへの道が開いてしまったら、流れる血に刻まれた術が発動してネノクニに来てしまう事が判明している。

 この事実からもう1人の綾香の娘である明日香と渚の娘である汀にも、アマテラスが作った護符が入っているお守りが持たされている。

 

「……それでとにかく知っている場所はないか探そうと思って、荒野を歩き続けたの」

 

(その辺りはあの『迷い人』の言っていた通りか)

 

「……結局歩いても荒野ばかり続いて……もう駄目って倒れたの」

 

(俺達の世界だったらスサノオが美由紀を見つけてくれたけど……この美由紀は……っ)

 

 無意識にカグツチは手を強く握り締める。

 これまでの話で、倒した悪霊である『迷い人』の言葉に偽りがないことがハッキリと分かったからだ。

 

「……倒れた後に声が聞こえたの……私はその声を聞いてから身体の自由が無くなって……変な道を歩かされて……その先に出雲学園が在って……ああっ……お兄ちゃんを……」

 

(不味い!?)

 

 『迷い人』に身体を操られていた時も美由紀に意識が在った事にカグツチは気が付く。

 慌てて話を終わらせようとするが、その前に美由紀の手がカグツチの服を掴む。

 

「ど、どう言う事なの!? ねえ、お兄ちゃんを『お父さん』って呼んだあの女の子は誰なの!?」

 

「そ、それは……」

 

「答えられないの!? 何がどうなっているの!? 私に何が起きたの!? 教えてよ、お兄ちゃん!?」

 

「っ……落ち着いてくれ、美由紀。ちゃんと話す……此処は俺達が育った世界じゃないんだ。そしてお前は………この世界の……美由紀じゃない」

 

「……何を……言ってるの? 私は『塔馬美由紀』!? 『塔馬六介』の孫娘で、『塔馬ヒカル』の妹だよ!?」

 

「ああっ、それは間違っていない。お前は確かに美由紀だ……別次元の美由紀なんだ」

 

 そしてカグツチは苦渋に滲んだ顔をして語りだす。『塔馬美由紀』に襲い掛かってしまった悲劇を。




今回の話で以前後書きで書いた楓の記憶の部分も、アシハラノクニに転生した凪に還りました。
悩みましたが、そろそろ猛の方の対処をしたかったので。
そして遂にヒミコの正体がカグツチ達に露見しましたが、四聖獣達には『宝貝』を渡していないので連絡できません。伝えられそうなツクヨミ、桃花、蔓は全員リンド側なので正体がバレても問題なしです。

後今更ですが、美由紀の着ている服が旧出雲学園の制服なのは、現在のアシハラノクニでも手に入り難いからです。
他には美由紀の力はゲームで言えばレベル100ですが、勾玉を使った呪法が全く成長していないのでそっちから責められると結構弱いというアンバランスな状態です。

次回は里まで戻って美由紀の微エロと琴乃との軽いエロをやりたいと思います。
琴乃とのエロが終わったら美由紀との処女喪失までのお仕置きエッチを本格的にやります。

アマテラス、佐久夜、琴乃の妊娠について。

  • 琴乃が堕ちた段階で孕ませる
  • 四聖の社全て攻略後に孕ませる
  • サヨ関連終了後に孕ませる
  • イザナミも加え、四人そろって孕ませる
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