※この作品はR-18です。

IZUMO2〜鬼畜ショタ性記〜   作:イズモ

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次回は遂に徹底的な本番です。
お嫁さん候補に堕とす為に徹底的にやります。


お気に入り、アンケート、ありがとうございました!


麒麟編 4

 月明かりに照らされながらリンドと麒麟は、焚火を間に挟んで対面するように落ちていた丸太に座っていた。

 精霊とまさか対面するように座ることになると思っていなかったのか、リンドは緊張してガチガチになっていた。

 その様子を麒麟は微笑ましそうに見ている。

 

(年相応の子供ですね。それに素直そうで、ミナカタとは大違い)

 

 麒麟の脳裏に血気盛んな若くしてヒミコ軍の悪霊達を束ねる将の姿が過ぎった。

 

「そ、そうですか。では、麟様は白虎様とは古いお知り合いの精霊様なのですね」

 

「ええ……もうずっと昔に別れた知り合いです」

 

 決して仲間とはもう呼べない。リンドが向かおうとしている社が祀っているその白虎を、麒麟は半殺し以上の状態に追い込み、更に暫らくは戦線復帰できないように呪詛まで施した。

 

(今は私達も追い込まれている身。敵の戦力たる白虎を此処で戦闘不能に追い込めたのは僥倖でした……最も共に連れて来た悪霊達がいれば、この少年と行動する事もなかったでしょうね)

 

 一緒に連れて来た悪霊達が生き残っていれば、そのままリンドを悪霊達に預けてヒミコの下に送っていた。

 そうならなかった事に、麒麟は安堵の息を洩らす。

 

(っ……何故私は安堵など?)

 

 自分でも意味の分からない安堵に、麒麟は首を傾げた。

 既に己の行動に関して後悔をする時は過ぎ去っている。

 

(なのに何故?)

 

 理由の分からない安堵に麒麟が考え込んでいると、馬に背負わせていた荷物からリンドは二つの竹筒を取り出す。

 

「あ、あの麟様……水ですけど、お飲みになりますか?」

 

「精霊には必要ありませんから、貴方が飲みなさい」

 

「えっ!? そうなのですか!?」

 

「何故驚くのです?」

 

「里の人達から玄武様の社に行く時は、必ず食べ物と飲み物を献上するようにと言われていたので。てっきり白虎様の社も同じで、献花用以外の花以外にも白虎様へのお供え物として食べ物と飲み物として湧水を持って来たのですが。後、朱雀様の社もそうだと聞いています」

 

(玄武!? 朱雀!?)

 

 麒麟の脳裏に紫色の髪の二人の女性の姿が浮かんだ。

 

(噂ではアシハラノクニの物に嵌まるようになってからは、軽くなったと聞いていましたが、どうやら本当だったようですね)

 

 白虎と青龍は変わらずにいたようだが、他の二人は噂通り軽くなっているのだと知って麒麟は少し頭が痛くなった。

 

「……それはお供え物として取っておきなさい……それで……今更ですが、貴方は母親と父親の慰霊の為に白虎の社に行くと言っていましたね。ご両親は何故死んだのですか?」

 

「……悪霊と戦って死んだんです」

 

(やはりそうでしたか)

 

 予想出来ていた事。今はカグツチの軍と主に戦っているヒミコ軍だが、かの一族と戦う前は方々に手を伸ばして人間達を襲っていた。

 それが今出来ないのはヒミコ軍に其処までの余力がないからだ。改めてかの一族との戦いの影響を思い知らされながら、麒麟はリンドの話を聞き入る。

 

「なるほど。貴方は里を焼かれて別の里の者達に保護されたのですね」

 

(恐らく身の内に宿している霊力を狙ったのでしょう)

 

 ネノクニの人間達は、余所者を基本的に警戒する。故に里が受け入れるのには相応の理由が必要。

 特に今はヒミコ軍と言う猛威が存在している。

 

(オオナムジが人間の孤児を育て、他の人間達の里にわざと保護させたりして隠し里の居場所を見つけたりさせていますからね)

 

 悪辣な手段だが、その有効性は麒麟も認めている。

 人間達を襲う事もヒミコの目的の一つなのだから。

 

(私達の理想に従わない者達は滅ぼすしかないのです……かの一族のように)

 

「最初は大変でしたけど、今は里の皆さんたちも僕を認めてくれるようになりました。こうして馬も用意して、一人で里の外にも出して貰えました」

 

(苦労したのでしょうね)

 

 僅かに哀れに思った麒麟だが、すぐにリンドから視線を逸らした。

 そんな資格は自分にはないと気づいたのだ。何故ならば……麒麟はリンドから里の在処を聞くつもりでいるからだ。

 

(状況から考えてアマテラス達の里とは別の里でしょう)

 

 今、ヒミコ軍が向かっている里からアマテラス達が人を出すはずがない。下手に出せば、里の位置がより正確にバレてしまうのだから。

 

(ですが、それでも見逃す理由にはならない)

 

 アマテラス達の里でないとしても、人間の里は何れ襲うべき場所である事に変わらないのだから。

 悪霊、正確に言えばヒミコの味方である麒麟が見逃す理由はない。

 

(このまま彼から里の場所も聞き出して、オオナムジに報告するとしましょう。その時には彼は死んでいるのですから、罪悪感に苦しむ事もない)

 

 麒麟は目を伏せて悪辣な行為をしようとしている自身を胸に刻む。

 

(許しは請いません。何れヒミコ様が創り上げる新たな世界で、その魂は幸せに過ごして下さい)

 

「さっ、明日も早いのですからもう寝なさい。見張りは私がしています」

 

「ありがとうございます、麟様。では、そうさせて貰います」

 

 麒麟に言われた通り、リンドは地面に無防備で横になって眠る。

 自身に信頼を向けるリンドを何れ裏切る事になる事に、麒麟の胸は微かに罪悪感から痛みを感じながらも、焚火の火をジッと見つめるのだった。

 

 

 馬の走る音が鳴り響き、その音が止まると共に麒麟は遠くに見えるこのネノクニではあり得ざる建物を見つけた。

 

「見なさい。アレが私達の目的地である白虎の社です」

 

「アレが……本当に変わった建物だ」

 

 麒麟の背にしがみ付きながらリンドは、遠くに見えるこのネノクニではあり得ない形状をした建物を見つけた。

 二人が出会ってから二日が過ぎ、丁度夕日が差し掛かる頃に漸くリンド達は白虎の社を見つけた。

 麒麟は日の位置を確認し、自分達が居る場所と白虎の社がある場所の距離を目算で推測して頷く。

 

「今日は此処までにしましょう。これから向かっても着くころには深夜となってしまいますから」

 

 精霊である麒麟は別に構わないのだが、今社には標的である目標が巣食っている。

 

(夜の暗い不慣れな場所での戦闘は危険ですからね。此処は大事を取って、明日の昼間に攻めましょう)

 

「はい、分かりました」

 

 素直にリンドは馬を降りる。

 麒麟も続いて馬を降りると、リンドは興味深そうに遠くに見えるアシハラノクニの建物と化した白虎の社を見つめる。

 

「アレがアシハラノクニの建物なんですか……立派ですね。あんなに立派な建物は初めて見ました。僕が暮らしている里でも、あんな立派な建物はなかったです」

 

「ええ、そうですね。ですが、立派だから素晴らしいとは限りません」

 

「どういう事ですか?」

 

「……アシハラノクニの人々はあのような建物を造り上げる為に、自然を破壊しています。そして死者への畏れも忘れて日々を過ごしているのです」

 

 麒麟は申し訳なさそうに、白虎の社を見ているリンドの背に声を掛ける。

 そんな世界にリンドの両親の魂を転生させてしまった一端に、自身も関わっているのだから。

 

「嘗て世界が分かたれる前の世界は、この地の人々は謙虚な心を持ち合わせていました。しかし、二つの世界に分かたれ、ネノクニでは人間と悪霊の戦いが、アシハラノクニに生きる人間達は欲望のまま隣人を貪る事しか考えていない……リンド。もし誰もが幸せになれる世界……アシハラノクニとネノクニが再び一つなり、豊かな自然と調和した生活が送れる世界が戻って来るとしたら、貴方はどうしますか?」

 

 此処でリンドがその世界を望めば。

 

(ヒミコ様にお願いして、彼を私の直属の配下にして頂きましょう)

 

 リンドは謙虚な心を持っている。僅か二日間のやり取りでそう感じた麒麟の心は、リンドをヒミコの糧ではなくオオナムジが孤児達を部下として扱っているように自らの部下にしたいと思うようになっていた。

 何故か(・・・)麒麟はそう思うようになっていた。リンドとのやり取りに心地よさのようなものを感じているのだ。

 才能は間違いなくある。下手をすれば人間だった頃の、自分以上の才能がリンドにはあると麒麟は二日間の間に悟っていた。

 だから、頷いて欲しいと麒麟はリンドの背を見つめながら願う。

 

「……豊かな自然と調和した生活が出来る世界ですか……もしその世界に僕の大切な人達が居られるなら、望みます」

 

「っ……大切な人達ですか」

 

(何故胸の痛みが?)

 

 理由の分からない痛みが走った事に、麒麟は疑問を覚えた。

 その間にリンドはゆっくりと前に足を踏み出す。

 

「でも、無理かな。うん、無理だよね。だってネノクニとあの子(・・・)はネノクニと深く繋がって産まれて来るんだから。このネノクニが崩壊したら、あの子(・・・)は産まれてすぐに消えちゃう」

 

「? リンド? 何を言っているんですか?」

 

「それは絶対に駄目だよね。うん、絶対に何が何でも護らないといけない……だって、僕は……あの子(・・・)の……だからやっぱり、『徐福(・・)』の目的は阻まないとね」

 

「っ!?」

 

 リンドが口にした名前を聞いた麒麟は驚愕の余り固まってしまった。

 これがヒミコの名を口にしたのならば、固まる事はなかった。だが、『徐福』の名は別だ。何故ならその名は、人間達が知る筈のないヒミコの本当の名なのだから。

 そして驚愕の余り、麒麟が隙を晒したのをリンドは見逃さず、白虎の社に近づくに連れて高まった受け継がれた力を解放する。

 

「呪法! 『樹界降誕』っ!!」

 

 叫ぶと共にリンドは両手を地面に押し当てた。

 次の瞬間、地面に光が走り、音もなくリンドと麒麟を、幾重にも伸ばす枝から生える葉の下に覆い隠すように光り輝く大樹が出現した。

 出雲学園の時のような規模ではないが、再び精霊としての力が高まった事で、リンドは己の精霊としての固有呪法である『樹界降誕』を発動させる事に成功したのだ。

 

「こ、この呪法は!?」

 

 リンドが使った呪法を目にした麒麟は、更なる驚愕を受けながら光り輝く大樹を見つめる。麒麟は知っているのだ。

 『樹界降誕』がいかなる呪法であるのかを。そしてその使い手はヒミコの手によって葬られた筈。なのにリンドは使った。それが意味する事は一つ。

 

(リンドはあの一族の者!? 生き残りが居たと言うのですか!?)

 

 決して生き残りを出さないように、ヒミコ軍の全勢力を持って挑み、総大将であるヒミコがその力を半分も失ってまで滅ぼしたはずの一族の生き残り。

 

(此処で殺さなければ!?)

 

 驚愕しながらも、瞬時に麒麟は冷徹な思考に立ち戻ってリンドに向かって飛び掛かる。

 既にその身は『樹界降誕』によって、様々な妨害や弱体化が圧し掛かっているが、麒麟はネノクニ最強の精霊。妨害を受けながらも、その動きは俊敏だった。

 そして何よりも麒麟は、『樹界降誕』の弱点を知っていた。

 

(この呪法は使用者には何一つ恩恵がない!)

 

 『樹界降誕』はヒミコが戦ったかの一族の女当主も使用した呪法。共に戦う相手が居てこそ、『樹界降誕』は真の力を発揮する。

 それだけではなく、麒麟は嘗て『樹界降誕』の存在を古の時代に友でありかの一族の者と夫婦になった精霊から聞いていた。

 

(己の力に溺れましたね! せめて苦しまぬように一撃で殺して上げます!)

 

 これからリンドの命を奪う事に、麒麟の胸の内で激しい痛みが起きるが、それを振り払って麒麟は飛び掛かる。

 麒麟はまだリンドを侮っていた。或いは完全に冷静に戻り切れていなかったのか、不用意にリンドに向かって飛び掛かったその代償を身をもって支払わされる。

 

「召喚……『青龍』」

 

「っ!?」

 

 突如としてリンドと麒麟の間に、激しい風が巻き起こる。

 その風の中から龍の柄が入った蒼いチャイナドレスを纏った淡色系の髪を棚引かせた美女が、嫉妬と怒りに満ちた顔をしながら姿を現した。

 

「二日ぶりですね、麒麟!!」

 

「せっ!?」

 

 この場にいきなり現れた青龍に、今度こそ麒麟は完全に言葉を失ってしまう。

 その隙を逃すことなく、リンドと別れてからの二日間の間ずっと霊地である出雲学園で力を高め続け、更に『樹界降誕』の恩恵を余すことなく受けた青龍の鋭い蹴りの一撃が麒麟の腹部に突き刺さる。

 

「はあぁぁぁぁ!!」

 

 腹部に青龍の蹴りが突き刺さった瞬間、明らかに人体に炸裂したと思えないほどの激突音が鳴り響き、宙に浮いていた麒麟は衝撃を逃がす事も出来ずに吹き飛ばされる。

 

「かはっ!!」

 

 流石に麒麟も『樹界降誕』の弱体化の影響を受けているところに、逆に強化を受けている青龍の渾身の一撃は耐えきれずに息を吐き出してしまう。

 そのまま麒麟は背後に吹き飛ばされていくが、逃さないと言うように瞬時に回り込んだ青龍が今度は背を蹴りつける。

 

「逃しません!!」

 

「がっ!?」

 

 背を蹴りつけられた麒麟は、そのまま地面に激突して倒れ伏した。

 だが、それだけで終わらせないと言うように青龍は暴風を纏いながら、急降下して倒れ伏す麒麟に最後の一撃を加える。

 

「これで終わりです!!」

 

 激突と同時に凄まじい暴風が巻き起こった。

 手を翳してその暴風を耐えていたリンドが目を開けると、巨大なクレーターが地面に広がり、その中心に麒麟の背を美脚で踏みつける青龍の姿があった。

 

「ふぅ~……一先ずは気が晴れました」

 

(お別れしてからの二日間。私よりも長く麒麟がリンド様と二人きり共に過ごしていると考える度に、嫉妬と心配でどうにかなってしまいそうでした)

 

 それは青龍だけではなく、桃花と蔓も同じだった。

 相手はヒミコの側近で、ネノクニ最強の精霊。作戦通りとは言え、何時麒麟がリンドの正体に気付く、或いは気が変わって殺されてしまうのではないかと心配し続けた。

 無論、魂の繋がりでリンドの無事は感じる事が出来たが……。

 

「フフッ、久しぶり青龍」

 

「リンド様。よくぞご無事で」

 

(やはりこうしてリンド様の無事な姿を直接見られるのは、安心できます」

 

 桃花と蔓が得られない安堵を味わいながら、青龍は麒麟を踏みつけたまま近寄って来たリンドを強く抱き締める。

 

「心配かけてごめんね。でも、おかげでヒミコ、いや、徐福の最終的な目的が分かったよ」

 

「ヒミコの目的がですか?」

 

 流石の青龍も驚いた。

 

(まさか、あの麒麟が主の目的まで口にしてしまうなんて……なるほど。やはりかの一族の者が相手では、精霊は無力と言う事なのですね)

 

 無意識に麒麟は、女としてリンドに惹かれてしまっていたのだ。

 その事実にこれから新たにライバルが増えるを考えて、青龍は思わず溜め息を吐く。その間にリンドは気絶している麒麟を地面から生やした十字型の木の枝に、自らが操る蔦を使って手足を拘束して逃げられないようにする。

 

「……うぅっ」

 

 青龍の攻撃によるダメージは深いのか、麒麟は目を覚ますことなく苦痛の呻きを洩らした。

 絶世の美女が両手を横に広げて、拘束されている姿にリンドはこれまで出会ってから浮かべなかった雄としての嗜虐心に満ちた笑みを浮かべる。

 その笑みに青龍の身体は反応し、両手で身体を抱き締めてしまう。

 

「んっ♥ ……リンド様……麒麟もすぐに孕ませるのですか?」

 

 それが一番の簡単な方法。

 だが、青龍の予想に反してリンドは首を横に振るう。

 

「フフッ、すぐには孕ませないよ。この麒麟はヒミコの側近でしょう……泣き叫ばせて徹底的に心を折ってあげるんだよ」

 

(っ……やはり、リンド様の心の奥底には怒りと憎しみが渦巻いているのですね)

 

 僅かにリンドから僅かに漏れ出た憎しみと怒りの感情に、青龍は悲し気に目を伏せた。

 『一族の再興』と言う生涯の目的と、その為に逃がして貰えたと考えているが故に、常日頃は心の奥底に封じ込められている感情。

 しかし、直接は関わっていなくても仇であるヒミコ軍に所属し、更にヒミコの側近である麒麟を前にして普段は意識しないでいられる憎しみと怒りがリンドの心の内から漏れ出ようとしていた。

 その危険性に気が付いた青龍は、自らの胸に右手を当てて、決して切れない繋がりである魂を持って自らの気持ちを送る。

 

(リンド様)

 

(旦那様)

 

(主様)

 

 青龍と同じように魂の繋がりで、リンドが怒りと憎しみを抑えきれなくなっているの感知した桃花と蔓も、出雲学園で青龍と同じく胸に手を当てて自らの気持ちを送る。

 

(((共に居ます)))

 

「……ありがとう、青龍、桃花、蔓」

 

 言葉ではなくそれ以上の感情が胸の奥から伝わって来たリンドは、自らの怒りと憎しみが薄れていくのを感じた。

 

(うん。そうだよね。もう僕は三児の父親になるんだ……いや、四児だよね)

 

 怒りと憎しみが抑えられたことで、改めてリンドは両手を広げて十字架のような形にした木の枝に拘束している麒麟に情欲の視線を向ける。

 中華服の上からでも分かる乳房からくびれ、臀部へと続く女性らしい美曲線。拘束されて伸ばされているスラリとした手足は女性らしい柔らかさを持ちながら、あらゆる無駄をそぎ落としたかのような肢体。

 麒麟と言う絶世の美女を前に、リンドの雄は強く反応しズボンの上からでもハッキリと分かるほどに股間が隆起する。

 

「さて、始めようかな……ああ、そうだ。青龍も一緒に麒麟を責めない?」

 

「私もですか?」

 

「うん。実はヒミコの最終的な目的が達成されるとね。世界的にも不味いけど、それ以上に僕らにとって不味い事……青龍と僕の子が確実に消滅するんだよ」

 

「っ!? ……ご説明を願います」

 

 自らの下腹部を右手で撫でながら、青龍は怒りが滲んだ険しい声でリンドに説明を願った。

 そしてリンドは麒麟が口にしたヒミコの最終的な目的を、青龍に話した。

 

「アシハラノクニとネノクニを再び一つに……ですか」

 

 聞き終えた青龍はヒミコの最終的な目的に、唖然とした声を出すしかなかった。

 しかし、すぐに冷静に立ち戻り、ヒミコならばあり得ると頷く。

 

(ヒミコは私達の誰よりも、アシハラノクニとネノクニが分かたれる前の地を愛していた。ヨモツオオカミから解放され、戦乱の世界となっているネノクニと変わり果てたアシハラノクニを知れば、再び二つの世界を一つに戻る事を願いたくなってしまう……ですが、もうそれは不可能なのです、ヒミコ)

 

 ネノクニの守護神の一角を担っている青龍は知っている。

 アシハラノクニとネノクニが分かたれてから2000年以上の時が経過してしまった事で、二つの世界の在り様は大きく変化し過ぎている。

 神秘を失ったアシハラノクニが、神秘に満ち溢れるネノクニが交わる事は不可能に近い。上手く行ったとしても……。

 

(アシハラノクニとネノクニの双方で甚大な被害が出てしまう……そして何よりも、私とリンド様の子は確実に消滅してしまう)

 

 生まれながらにして新たなネノクニの守護神となる役目を背負っているリンドと青龍の子。

 しかし、ネノクニが存在しなくなってしまえば、深くネノクニと繋がって生まれて来る子は共に消滅の運命を辿る。

 

(そのような事はさせません。ヒミコ! 貴女が自分の目的をどれだけ崇高な目的だと考えていようと、私は全身全霊を持って阻ませて貰います)

 

 その為に先ずはと青龍は、拘束されて意識を失っている麒麟を睨む。

 青龍の瞳には、最早麒麟を仲間だと思う意志は宿っていない。

 

(2000年前に私達を利用したのですから、今度は此方が利用させて貰います、麒麟)

 

「リンド様……始めましょう」

 

「うん。頂きます」

 

 許可を待っていたと言うように、リンドは自らの精霊としての力を使って発生させた木の枝と蔦を通して、麒麟の膨大な気に喰らいついた。

 

「っ、ん、あああああっ!」

 

 突然全身を走り抜けた甘い電流のような快感に、気絶していた麒麟の目が見開くと共に口から喘ぎ声を上がった。

 

(な、何が!? い、今のは一体!?)

 

 気絶から目覚めたばかりの麒麟は、状況が分からずに身体を動かそうとする。だが……。

 

「っ!? こ、これは!?」

 

 自らの両手が横に広げられて、十字型の形にされた木の枝に蔦で拘束されている事に気が付く。

 そんな麒麟に二日間共に居たリンドが目の前に立って微笑みながら、声を掛ける。

 

「フフッ、お目覚めですか、麒麟(・・)様」

 

「っ!? リ、リンド……それに」

 

 聞こえた声に麒麟が目を向けてみると、其処にはリンドとその横にまるで伴侶のように寄り添う青龍が立っていた。

 そして気絶する直前の事をハッキリと麒麟は思い出し、リンドと青龍を険しい視線で睨みつける。

 

「リンド……貴方は……あの一族の……」

 

「そう。生き残りですよ。ヒミコ……いや、『徐福』によって滅ぼされた『世界の理を整える役目と外敵からネノクニを護る役目を担う精霊と交わりし一族』の生き残り。それが僕です」

 

「っ!?」

 

 リンドの正体を知った麒麟の瞳は敵意に満ち溢れ、自らが持つもう一つの姿である神獣『麒麟』の姿に変じようと力を籠める。

 

「無駄ですよ」

 

「ひぁっ♥ や、あ、んんっ♥」

 

 再び全身に走り出した甘い電流に、麒麟の目尻が緩み甘い吐息を漏らしてしまう。

 

「こ、これは……んあっ♥ わ、私の気が喰われて……ふぁぁっ♥」

 

 自身を拘束している木の枝と蔦が貪欲なほどの自身の気を喰らい、別の気と交じり合っている事に麒麟は気が付く。

 四肢は拘束されているので動かせないが、感じている事を示すように腰がくねり、もどかしげに麒麟は揺らす。懸命に声を噛み殺そうとするものの、引き結ばれた唇からは隠し切れない淫熱を孕んだ甘やかな吐息が零れている。

 

「んーっ♥ んんぅーっ♥」

 

 せめて喘ぎ声だけは出さないと言うように、必死に襲い掛かって来る官能と麒麟は戦いながら唇を引き結ぶ。

 そんな麒麟にゆっくりと青龍が微笑みながら近づいて来る。

 

「麒麟。頑張っていますね。分かります。私も最初はそうでした。せめて声だけはあげないようにと。ですが、結局無駄でした」

 

「んんっ!?」

 

 青龍の手が服の上からでも分かる程のポツリと浮き出た箇所に向かっている事に気付いた麒麟は、唇を閉ざしながらくぐもった声を上げながら首を横に振るう。

 既に気を喰われ、別の気と交じり合う快感だけでも凄まじいのに性感帯である乳首に触れられたらどうなるか分からない。必死に麒麟は拒絶の意思を示すが。

 

「うふふっ。駄目ですよ」

 

 青龍は聞き入れることなく、服の上からポツリと浮かんでいる麒麟の乳首を強く捻った。

 

「ひっ! あ、あぁぁぁぁぁ――っ♥」

 

 乳首を捻りあげられた瞬間に、脳裏が真っ白になる程の快楽の衝撃が麒麟の全身を奔り抜けた。

 絶頂の衝撃から首を仰け反らせ、秘所からは大量の愛液が零れて下着と服をグッショリと濡れている。

 

「はぁっ♥ はぁっ……せ、青龍」

 

「うふふ。気持ち良かったですか、麒麟? でも、まだまだ終わりませんよ」

 

 青龍は口元に優し気な笑みではなく、妖艶な色香を感じさせる笑みを浮かべて絶頂の衝撃で荒い息を漏らしている麒麟を見つめる。

 

(ち、違う。私の知っている青龍と……それに、リンドは青龍の宝珠を所持していなかった……なのに青龍を召喚した……っ!?)

 

「ま、まさか!?」

 

 精霊を呼び出す為に必要な宝珠もなしに、精霊を召喚する方法。

 麒麟はその手段を知っていた。精霊にとって福音であり、猛毒の儀式。その儀式を終えた精霊の宝珠が、何処に宿るのかも。

 

「し、『真の契りの儀式』っ!? 青龍! まさか!?」

 

「ええ、リンド様と結びました。私の宝珠は永久にリンド様の魂と共にあります。そして」

 

 ゆっくりと青龍は自らの下腹部に両手を大切そうに当てる。

 

「此処にリンド様と私の子。次代の四聖。『青龍』となる子が宿っているのです」

 

「……次代の四聖? そ、それはどういう意味なのです? 『真の契りの儀式』で生まれる子は、半人半精の子の筈」

 

「ええ、本来ならばその通りです。ですが、私の最初の子は精霊として生まれ、私の後を継ぐ子なのです」

 

 言いながら青龍は風を操りだし、麒麟の衣服を切り裂いていく。

 

「や、やめっ!?」

 

「こうして麒麟の裸を見るのは2000年ぶりですね」

 

 風が止んだ後には、麒麟の衣服は全て切り刻まれ、一糸纏わない肢体が晒された。

 桜色の乳首を先端で尖らせた白い果実のような美乳も、無駄をそぎ落としたかのようなスラリとした手足も、そして髪の色と同じ薄い恥毛に彩られた愛液で濡れそぶる秘所も。

 自分がすべきことは終わりだと言うように青龍は横に移動し、リンドが前に出る。

 

「じゃあ、そろそろ僕と『真の契りの儀式』を結ぼうか、麒麟」

 

「くっ! 殺しなさい!! ヒミコ様への忠誠を失うぐらいのならば死んだ方がマシです!」

 

 アシハラノクニとネノクニの現状を憂いて、愛する者さえ手に掛けたヒミコ。

 そのヒミコを裏切るつもりはないと、麒麟は気高い心でリンドを睨んだ。

 

「……フフッ、良いね。歪んでいても、その気高い心は凄いよ」

 

 だが、麒麟の気高い忠誠心はリンドの雄としての嗜虐心を刺激するだけだった。

 刺激されたリンドは笑みを浮かべて、麒麟の下腹部に左手を押し当てる。それを横から見ていた青龍は、リンドが何をするつもりなのか悟り、恐怖で身体が震えた。

 

(あ、あの術を使われるのですね……そして私の時と違い……麒麟……貴女は地獄を味わう事になるでしょう)

 

「壊れないでね、麒麟。青龍を裏切った君には、最後にもう一人。ヒミコも裏切って貰うよ」

 

「ふっ、ふざけっ ん、あああああっ!」

 

 下腹部に押し当てられた手の平から施された呪の熱さに、麒麟は苦悶の声を上げて顔を仰け反らせた。

 同時に夕日が沈み、夜の闇が訪れる。長い夜の始まり。

 そして次の朝陽が昇った時、ヒミコの忠誠を誓っていた麒麟は、もうこの世に存在しないのだった。




この作品の青龍。及び四聖獣達はヒミコの目的が達せられると、産まれる子はネノクニと共に消滅してしまいます。
なので、ヒミコの目的は何があろうと全力で阻みます。

因みに此処で青龍達がリンドの感情に同意していた場合、彼女は産まれる赤ん坊を取り上げられて以前のアンケートに書いた結末を迎えていました。
次回はリンドと青龍が麒麟を泣き叫ぶまで追い込みます。

アマテラス、佐久夜、琴乃の妊娠について。

  • 琴乃が堕ちた段階で孕ませる
  • 四聖の社全て攻略後に孕ませる
  • サヨ関連終了後に孕ませる
  • イザナミも加え、四人そろって孕ませる
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