※この作品はR-18です。

IZUMO2〜鬼畜ショタ性記〜   作:イズモ

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今話より金髪お嬢様こと倉島渚編の始まりとなります。

感想、お気に入り、アンケートありがとうございました!



渚編 1

 リンド達が白虎の社に到着する頃。

 アマテラス達が暮らす場所からある程度距離を置いた場所に陣を敷いたヒミコ軍は、里を護る為に出て来たカグツチの軍と此処数日の間、小競り合いを繰り返していた。

 今のところは戦況が大きく動く事はなく、互いに相手の出方を様子見ている状況。

 

(それで良いのです。アマテラスとカグツチが動けない状況を作る事こそ何よりも重要なのですから)

 

 悪霊の長であるヒミコは、自分達の目論見通りに事が運んでいる事に安堵する。

 ヒミコ達の本当の目的は、カグツチ達を自分達に引き付ける事。その間に信頼する麒麟、オオナムジ、ミナカタの三人と精鋭の悪霊達が動き、四聖獣の社に潜む者達を手にする事だ。

 

(青龍、玄武、白虎、そして朱雀……貴女達には申し訳なく思います)

 

 自身がヨモツオオカミに取り込まれた後に、ネノクニの守護神となった大陸から共に渡って来た苦楽を共にした者達。

 仲間とは最早言えない。ヒミコはネノクニに渡った時から彼女達を偽って来たのだから。

 そして今では明確な敵対者。

 

(今だ私達の事は知られていないでしょうが、知られても彼女達は私の理想には手を貸す事はないでしょう)

 

 ネノクニを護り人々の味方をする四聖獣達と、ヒミコの理想は最早交じり合う事はない。

 そして自らの理想を止める事は出来ないヒミコは、嘗て苦楽を共にした者達とも戦う覚悟はもう出来ている。

 

(許しは請いません。その魂はどうか新たな世界で幸福に)

 

 せめてその願いだけでもとヒミコが祈っていると、外が騒がしくなり、配下の悪霊が慌てて天幕内に声を掛けて来た。

 

『ヒ、ヒミコ様! 麟様がお戻りになられました!』

 

(流石は麟ですね。やはり彼女が一番最初に戻って来ましたか)

 

 満足そうにヒミコは頷いた。

 事前に目標を捕らえた場合、即座に戻って来れるようにミナカタ、オオナムジ、麒麟には転移用の術を保持させている。因みにリンドに捕らえられた時に麒麟がその術を使えなかったのは、気を喰われる快感に術の発動どころではなかったからである。

 先ずは一つ目とヒミコは立ち上がろうとするが、悪霊の報告では吉報ではなかった。

 

『で、ですが! 麟様はかなり疲弊しております!!』

 

「麟が疲弊!? すぐに参ります!」

 

 白虎の社に赴いていた筈の麒麟の窮状に、ヒミコは急いで麒麟の下に向かった。

 辿り着いてみると、片膝を着き息を乱している麒麟の姿があった。

 

「ヒ、ヒミコ様……一大事です」

 

「麟!? 一体何があったのですか!?」

 

 明らかに疲弊した麒麟の姿に、ヒミコも火急の事態だと悟る。

 ネノクニ最強の精霊である麒麟が追い込まれるほどの事態。一体何が起きたのかとヒミコが疑問に思っていると、麒麟は片膝を着きながら報告する。

 

「い、生き残りが! かの一族の生き残りがアマテラス達の下に身を寄せております!」

 

「なっ!? ま、まさか!?」

 

 麒麟の報告にヒミコを含めて場は騒然となった。

 ヒミコ軍が此処まで追い込まれる事になった元凶。世界の理を整える役割を担う精霊と交わりしかの一族。

 決して生き残りを出さないように手を尽くして滅ぼしたはず。なのに生き残りがいた。

 しかも、アマテラス達の下に身を寄せている。最悪としか言えない報告が届いた瞬間、地面が爆裂したような激しい破砕音がヒミコ軍の陣地内に轟いた。

 

「何事です!?」

 

 明らかな異常事態にヒミコや集まっていた悪霊達が騒然となる。

 すると、負傷を負った悪霊が慌ててやって来た。

 

『ご、ご報告します! 我が軍の一部が一撃で葬られました! 同時にカグツチ軍が進攻を開始!』

 

「葬られた!? まさか、アマテラスまで戦場に!?」

 

『い、いえ、アマテラスではありません! 突然地面が隆起したとしか』

 

(っ!? 麟の報告の通りなら!! かの一族の生き残りがまさか他にも!? では、敵はアマテラスとカグツチだけではないというのですか!?)

 

 ……ミツケタ。

 

「っ!?」

 

「ヒミコ様!!」

 

 ギィンっと金属音が鳴り響き、ヒミコに襲い掛かろうとしていた凶刃が麒麟の手に寄って防がれる。

 驚く悪霊達の前に、フワリと刀を手に持った着物を着た美少女-ツクヨミ-が宙に浮かんだ。

 

「ふふっ、初めましてヒミコ。息子が世話になったわね」

 

「精霊ツクヨミ!?」

 

 自らの陣に乗り込んで来たツクヨミの姿に、ヒミコは険しい顔を浮かべながら構える。

 

「何故貴女が? 貴女は子を為した後にその力を失い、最早戦えぬ身の筈」

 

「ええ、そうだったわ。でも、それは昔の話。今の私は……全力で戦えるわよ」

 

 ツクヨミの全身から膨大な力が溢れかえる。

 ヒミコと麒麟を除いた悪霊達は、その力に脅えて後退りした。悪霊達は本能で悟った。

 ツクヨミには決して自分達では勝てないと言う事を。

 だが、逆にツクヨミの力を感じたことで冷静になったヒミコは、感心したように頷く。

 

「……確かにその力……嘗てヨモツオオカミの下でスサノオ様と双璧を為したという話に偽りはないようですね」

 

「ふんっ、そのスサノオは自分が殺したから私では勝てないとでも言うつもり?」

 

「っ」

 

 ツクヨミの指摘にヒミコの顔が無表情になり、全身から膨大な呪力が溢れる。

 以前よりも弱体化しているとは言え、その膨大な力がツクヨミに牙を向かんとしていた。だが、向けられているツクヨミは冷静にヒミコの力を推し量る。

 

(アマテラスとカグツチ、そして私の三人がかりならば確実に勝てるわね)

 

 以前のヒミコは四聖獣四人に加え、アマテラスとカグツチの六人がかりで漸く互角と言えるほどの相手だった。

 だが、今のヒミコにはそれほどの力はないことを確信し、ツクヨミは切り札の一つを切る。

 

「大した力ね。じゃあ、此方も一つ奥の手を使わせて貰うわ」

 

「奥の手ですか。どのような手で在ろうと、貴女一人では私には勝てません」

 

「じゃあ、これを見ても同じ事が言えるのかしら?」

 

 瞬時にツクヨミは印を組み上げ、両手を合わせる。

 そして両手が離れると共に、一振りの確りとした拵えの刀がツクヨミの前に出現した。

 

「っ!? それは!? まさか!?」

 

 刀から溢れ出る霊力を感知したヒミコは、ツクヨミに対する怒りを忘れるほどに動揺した。

 そんなにヒミコに対してツクヨミは鞘から刃を引き抜いて構える。

 

「大地を司る精霊が子孫達の為に残した一刀。同じ土属性の私とは相性が良いから、使わせて貰うわ。この刀も子孫を殺した奴にお礼がしたくて仕方がないみたいだしね」

 

(あの一族のみが所有している精霊が鍛えた神具!? まさか!? 私達が戦いの後に探した遺産は、全てアマテラス達の下に渡っていると言うのですか!?)

 

 戦いの前提を全て揺るがしかねない状況に、ヒミコも冷静ではいられなかった。

 

(かの一族の生き残りだけではなく、戦えない筈のツクヨミの復活。そして遺産まで渡っているとすれば……アレも!?)

 

 ヒミコが最も恐れるのは、かの一族の最大の秘宝である世界の理を整える力を秘めた宝珠。

 アシハラノクニとネノクニを再び一つに繋げると言う事は、現在の世界の理を整える宝珠にとっては世界を乱すと言う他ならないのだから、当然ヒミコの理想の障害。

 

(生き残りがいるとすれば、あの宝珠を使用する事も出来る筈。そうなれば、私の理想が叶わなくなってしまう)

 

 自らの理想を叶える障害が増えたことにヒミコは苛立ちを覚えながら、先ずはツクヨミだと言うように術を発動させようとする。

 しかし、その前に麒麟が宙に浮かび上がり、ツクヨミに向かって構えを取った。

 

「皆の者! ヒミコ様をお連れてして下がりなさい!」

 

「麟っ!?」

 

「ヒミコ様。任務に失敗した汚名を晴らす事にはなりませんが、此処はお任せ下さい」

 

「ですが!?」

 

「軍の一部が崩壊しているのです。ツクヨミだけではなく、カグツチ達もかの一族の武具を装備している可能性があります。遠からず此方にやって来るかも知れないのですから、どうか此処は御下がり下さい」

 

「……分かりました。後を頼みます」

 

 自らを護ろうとする麒麟を信じて、ヒミコは他の悪霊達を引き連れて下がる。

 その後ろ姿を申し訳なさそうに麒麟が見ている事に気付かずに。そして逆にツクヨミは作戦が上手く行った事に口元を隠しながら微笑む。

 

(狙い通りね。此処でヒミコを討つのは、こっちも困るのよね)

 

 今回の戦には、ヒミコ軍の双璧と言える将であるミナカタと軍師であるオオナムジがいない。

 此処でヒミコを討伐した場合、間違いなくミナカタとオオナムジは弔い合戦をし掛けて来る。そうなると、少々ツクヨミ達にとっても不味い。

 

(もうすぐ冬の時期に戦争継続なんてさせられたら、こっちが不利になるわ)

 

 守るべき者達がいる以上、戦いに関しては終わった後の事も考えなければならない。

 この場にミナカタとオオナムジが居ない上に、冬の時期の戦争継続が難しい以上、ヒミコの討伐は来年まで待つしかないのだ。

 これに関してはカグツチとアマテラスも同意し、他の軍師達もツクヨミの意見に賛同を示している。

 

(それに……フフッ、良くやったわ、リンド、青龍)

 

 ツクヨミは既に、リンドから渡されて隠し持っている専用の『宝貝』によって知っている。

 対峙している麒麟が既に純粋なヒミコの味方とは言えないと言う事を。その証拠に、麒麟本人も無意識だが下腹部を庇うように右手を当てていた。

 

(申し訳ありません、ヒミコ様。ですが、何があっても貴女の目的は叶えてはならないのです……そのお心が壊れない為にも)

 

 麒麟はリンドと『真の契りの儀式』を結び、その身は子を宿して虜となったが、ヒミコへの忠誠心は失っていなかった。

 だが、その忠誠の方向は大きく変わっていた。『ヒミコの心を護る為に、ヒミコの理想を阻む』と言う方向に変わってしまっている。

 麒麟は下腹部に右手を添えながら、ツクヨミに向かって構える。

 

(リンド様はこうすれば、ツクヨミが察してくれると言っていましたが)

 

「ふふっ、始めましょうか、麒麟。悪いけど、時間稼ぎ(・・・・)に付き合って貰うわよ」

 

「っ! ……時間など稼がせませんよ、ツクヨミ。ヒミコ様の為、貴女には白虎同様に戦えなくしてあげましょう!」

 

 麒麟は宣言すると共にツクヨミに向かって重力弾を撃ち出し、ツクヨミは構えた刀の刃から重力刃を振り抜き、此処に土属性の最高位の精霊同士の戦いが始まったのだった。

 

 

「全く、ヒカルの奴ったら! ほんと頭にくる!」

 

 普通の舗装された道ではなく、帰り道に使っている獣道を歩きながら綺麗な金色の髪をツインテールにしている出雲学園の制服を着た美少女-『倉島渚』-は幼い頃からの喧嘩友達で在り、ライバルである青年-『塔馬ヒカル』-に対して愚痴を溢していた。

 『倉島渚』。有名な倉島財閥の娘であり、出雲学園ではフェンシング部の部長も務めている少女。制服の上からでも分かる程にスタイルは良く、出るところは出て引っ込むところは引っ込んでいる。

 背も女性にしては高い方で、ミニスカートから見える太腿は鍛えられていながらもほっそりとして無駄な肉はついていない。

 そんな彼女は学園から家に帰るまでの近道である森の中を歩く。何時もと変わらない道。

 あの時(・・・)のように森から出られないなんてことはない。

 

「ん? ……あの時(・・・)?」

 

 何故か一瞬自身の思考にノイズのようなものが、渚は走ったような気がする。

 

「……気のせいよね? この森は歩き慣れているんだから」

 

 周囲の木々を見回しながら何故か不安を感じた渚は、少し足早に前に進む。

 前に進むと何事もなく、渚は自身と家族が暮らしている大きな屋敷へと辿り着いた。

 

(何だ、ちゃんと着いたじゃない。何で不安なんて感じたんだろう? ……まっ、いっか)

 

 疑問に思いながらも、すぐにどうでも良い事だと思い直した渚は何時ものように家で暮らしている住み込みのお手伝いさんを呼び鈴で鳴らして呼び、家の扉を開けて貰う。

 

「お帰りなさいませ、渚お嬢様」

 

 扉が開いて、出迎えてくれたお手伝いさんである使用人用の給仕服を着て頭に白のカチューシャを付けた『淡色系の肩まで届く髪の美女』に渚は挨拶をされた。

 毎日出迎えてくれている相手。なのに。

 

(何でだろう? 良く知っている人なのに、何だか違和感があるような?)

 

『私の名は■■……卑しき■■どもの手に堕ちたこの身、助けて頂き感謝します』

 

(っ!? な、何今の?)

 

 一瞬、渚の脳裏に宙に浮かんで蒼い鱗のようなチャイナドレスを着た美女の姿が浮かんだ。

 目の前にいる女性に瓜二つな容姿と顔をしている。混乱するように渚が顔を横に振るうと、女性は首を傾げて質問する。

 

「どうかなされましたか?」

 

「ううん!? 何でもないの!? 何でも!」

 

「でしたら良いのですが」

 

 渚の目の前で美女は優しく微笑む。その笑みに思わず渚は見惚れそうになってしまうが、すぐに冷静に立ち戻って使用人(・・・)である美女に質問する。

 

「青龍(・・)。お父さんとお母さんは?」

 

「旦那様と奥様でしたら、今日は仕事が立て込んでしまったらしく、本日はお戻りになられないとの事です」

 

「そっか。まあ、今は忙しい時期だからね」

 

 倉島財閥は日本で最後の財閥と言われるほどに大きい。その関係で仕事も忙しく、両親が家を留守にしてしまうこともある。渚にとって当然な事だった。

 寂しいとは感じても、両親と家に誇りを持っている渚は余り気にしない。それに自分はもう高校生。それに母はどんなに仕事が忙しくても、家にいる時は必ず、毎日朝早くに起きてお弁当を作ってくれて……。

 

「アレ?」

 

 渚は何か違和感のような物を感じた。確かに母は仕事が忙しくても、お弁当を作ってくれる。

 

(だけど、それを……あの時(・・・)は思い出せなかったのに? ……あの時(・・・)?)

 

 ノイズが渚の頭を揺さぶる。

 

「渚お嬢様?」

 

「っ!? ……ううん。何でもないの」

 

 何か大切な事があったような気がしたが、声を掛けられたことで渚の脳裏からは疑問はあっさりと消え去った。

 

「……もう少しと言うところですね」

 

 渚の様子を見ていた青龍は、頭を振っている渚に意味深な視線を向けながら小声で呟いた。

 しかし、渚は青龍の様子に気付いた様子はなく、渚は青龍に質問する。

 

「ところで彼(・)は?」

 

 この家には今、渚と住み込みで働いている使用人の他に、もう一人別の相手がいる。

 まだ幼い少年で、両親の友人の子供らしく、ちょっと仕事の関係で実の両親が一月ほど海外に行くことになってしまい、渚の家で預かることになった。

 

(もう何日も一緒に暮らしているから、どうしているのか分かっているけど、一応ね)

 

「リンド(・・・)様でしたら、もうお帰りになって夕食までお部屋勉強すると言っておりました」

 

「そう……じゃあ、あたしは彼に挨拶して来るから」

 

 渚はそう言って青龍から離れて、彼がいる部屋に向かう。

 

「何かありましたら、すぐにお呼び下さい」

 

 青龍は微笑み、廊下を歩いて去っていく渚の背に、頭を下げながら告げた。

 それを耳にしながら廊下を進み、目的の部屋の前に辿り着くと、渚はノックした。

 

 コンコンッ!

 

「はい、どうぞ」

 

「ただいま!」

 

 明るい声で渚は挨拶しながら部屋の中に入る。

 すると、部屋の中で机に座っていた少年-リンドが微笑みながら振り返る。

 

「あっ、渚さん。お帰りなさい。すみません、お出迎えが出来なくて」

 

「ううん。良いのよ。勉強していたんでしょう?」

 

「はい。ですが、丁度終わったところです」

 

「そっか」

 

 気安いように二人は会話をする。

 因みに渚がリンドに勉強を教える事はない。残念ながら渚は、文武両道ではなく、頑張っているのには違いないのだが、勉強が苦手なのだ。

 

「だったら、ちょっと聞いて貰って良い?ヒカルの奴ったらね……」

 

 部屋に置かれているベットに渚は腰掛けながら、制服姿のまま今日在った事をリンドに話した。

 

「……それでね。あたしが綾香さんの科学の授業を受けている時にね。ヒカルの奴ったらあたしの後頭部に紙飛行機をぶつけてきたのよ! もう頭にきちゃう!」

 

「それはまた……ツチ様は若い頃は……」

 

「ん? どうかしたの?」

 

「いえ……何でもありません」

 

「だったら良いけど」

 

 少し腑に落ちないものを感じながらも渚は、それ以上質問しなかった。

 ゆっくりと渚は部屋に掛けられている時計に目を向ける。

 

(夕食まではまだ時間があるわね……明日こそヒカルをぎゃっふんと言わせる為にも、勝負(・・)して鍛えないとね)

 

 そう決めた渚は座っていたベットから立ち上がる。

 

「リンド君。夕食前に一勝負しましょう」

 

「勝負ですか? ……良いですけど、渚さん。先ずは昨日の負けた分の罰げーむですよ」

 

「あっ……」

 

 ハッとしたように渚は昨夜の勝負で負けてしまった事を思い出した。

 

(そうだった。昨日の夜の勝負であたしはリンド君に負けてその後、疲れて一緒に寝ちゃったから罰ゲームはまだだったのよね)

 

 思い出した渚は頷き、リンドに顔を向ける。

 

「そうだったわね。じゃあ、先ずは罰ゲームからにしましょう」

 

「では、此方を」

 

 リンドは机の中からトランプのように四角に縁どられたカードの束を取り出した。

 渚は差し出されたカードの束を受け取って、自身の手でシャッフルする。

 カードの裏には渚とリンドがそれぞれ考えた罰ゲームの内容が書かれていて、勝負で負けた方が一枚引いてその内容がどんなものだろうと必ず実行しなければならない。

 

(恥ずかしい内容のカードもあるけど、それぐらいのスリルがないとね)

 

 今回はどんなカードを引いてしまうのかと、少しワクワクしながら渚は良くシャッフルし終えた後に一番上のカードを引く。

 

「今回はっと……ええっ!?」

 

「どうしました、渚さん?」

 

 カードに書かれた内容に驚いている渚に、リンドは微笑みながら質問した。

 渚は慌てて、リンドに見られないように背中に手を回してカードを隠す。

 

「え~と、そのね。カードを引き直しても良いかな?」

 

 困ったように笑いながら渚はリンドに質問した。

 その質問にリンドは変わらずに微笑みながら渚に告げる。

 

「僕は別に構いませんけど、カードの引き直しを要求した場合、勝負の時にハンデを相手に与えるって決まりを、渚さんが(・・・・)決めましたよね」

 

「あっ……」

 

(そうだ。私が決めたのよね)

 

 子供とは言え勝負の世界の厳しさを教えようと、渚が(・・)最初のルール決めで提案したのだ。

 

(不味いわよね。リンド君。日に日に上手くなっているから、口と手(・・・)が両方使えないと負けちゃうかも知れない。他にカードの引き直しは『通算で三度』までって決まりもあたしが決めたんだし。もう二回あたしは引き直しをしている。今度のが三回目。そうなるとカードの束の中から好きなカードを、リンド君に四回目の罰ゲームで使用されちゃう。それを拒否する事は家の名誉を傷付けることに繋がるんだから駄目よ!)

 

 子供との他愛無い遊びにも関わらず、自分で決めたルールなのだから無しとは言えないと渚は認識(・・)している。

 やがて悩んだ末に渚は、背後に隠したカードを頬を赤く染めながらリンドに向かって差し出した。

 

「ば、罰の内容は『胸と秘所を晒して、相手に見られながら自慰をして絶頂する』よ!」

 

「じゃあ、始めましょう。夕食まで時間がありませんからね」

 

「そ、そうね……夕食前に終わらせましょう」

 

(勝負どころじゃなくなっちゃったわね。でも、リンド君だって罰ゲームはちゃんとこなしているんだから、あたしも年上としてちゃんとしないとね)

 

 覚悟を決めた渚はベットの方に歩いて行き、先ず最初に穿いている制服のミニスカートのホックを外して床に落とし、白いショーツに包まれた臀部を晒した。

 服越しでもわかる胸元の膨らみに、程良く肉付いた美しい身体の曲線。プライドが高く、気の強い顔が羞恥で真っ赤になっている事と合わさり、リンドの目が渚の肢体に釘付けになる。

 

(うぅ……こうして服を脱いでいるところをジッと見られているとやっぱり恥ずかしい。そりゃ、勝負の時はお互いに裸でいる(・・・・)のが当たり前だけど、それは勝負だから……)

 

 羞恥心から手が震え、渚は制服のブレザーのボタンが上手く外せずにいる。

 その様子を見ていたリンドは、テーブルの中から小型のビデオカメラを取り出して操作しながら話しかける。

 

「フフッ、渚さん。どうしたんですか? 今更胸と秘所を見せるぐらい平気じゃないですか。精神的な強さを鍛える為に、僕と勝負している時は何時も大胆なのに」

 

「そ、それとこれとは……その……違うと言うか」

 

「やっぱり自慰したくなるような興奮するものが必要ですよね」

 

「あっ! だ、駄目!」

 

 リンドが手に持っているビデオカメラに気付いた渚は、慌てて止めようとするが、構わずにリンドは再生のマークが書かれているボタンを押した。

 すると、開いた液晶画面に映像が映りだした。

 

『くっ! ま、負けないわよ! 私は倉島一族の跡取り娘なんだから!』

 

(き、昨日の勝負の時の私……)

 

 画面に映った自身の姿に、渚は羞恥で更に顔が真っ赤になった。

 何故ならば画面に映った渚は、この部屋のベットの上で一糸纏わぬ生まれたままの姿が曝け出して横になっていた。真っ白な素肌も。形の綺麗な美乳も。魅惑的な臀部も。そして髪の色と同じ淫毛に彩られている秘所も全て曝け出している。

 その渚の上にはリンドがまたいでいて、顔の位置は丁度渚の性器の辺りにあった。互いの性器を舐め合える体勢。アシハラノクニでいうシックスナインの体勢を取っているリンドと渚の姿がカメラの画面に映っていた。

 

『渚さん。今日は下で良いんですか?』

 

『ええ、良いわよ。その前は私が上だったんだから、今日は下で構わないわよ』

 

 画面に映る渚は気丈な声を上げながら、自身の目の前で揺れている黒々とした剛棒に向かって顔を近づけて戸惑う事無く口に咥えた。

 

『んちゅっ♥ あむ、れろっ♥ きょ、今日の勝負は私が勝つんだから!』

 

『くっ! 流石ですね。でも、僕も負けませんよ』

 

『ああっ♥ そ、そこは♥』

 

 画面の中のリンドがヒクヒクと震えている秘所を舌で舐め始めると、渚は堪らず声を上げてしまった。

 

(……厭らしい顔……私あんな顔をしていたの?)

 

 何時の間にか画面に映る自身が善がり鳴く姿をジッと渚は見つめ、気が付けば息を荒くしながら制服のブレザーを開けていた。

 開け終えるとブレザーも床に落とし、そのまま興奮で濡れ始めていたショーツに指を掛けて屈んで脱いでいく。ショーツも脱ぎ終えて、渚は立ちながらリンドに愛液で濡れだしている秘所が見えるように両足を僅かに広げた。

 更にブレザーの下に着ていた黒のシャツの端を口に咥え、画面に映っている昨夜の渚同様に細くくびれた腰付きも露わになった。その上の白のブラジャーに包まれた見事な美乳も曝け出し、シャツを落とさないように口に力を込めながら背中に手を回してブラジャーのホックを外し、桜色の乳首が起っている双丘もリンドの視界に映す。

 

『あっ♥ んぁぁぁ――っ♥ 嫌ぁ! ぜ、絶対に今日は勝つんだから♥』

 

「んんっ♥ んくぅっ♥ んふっ―っ♥」

 

 画面の中で気丈に振舞いながらも、痴態を隠せない自身の姿に触発されるように渚は右手で胸を揉みしだき、左手でグチョグチョと濡れた音を出しながら秘所を弄り回す。

 

「んぅっ♥ んんっ――っ♥ んっんんっ♥」

 

(わ、私は倉島一族の跡取りなのに、こ、子供のリンド君の前でこんな恥ずかしい事をしてるなんて♥)

 

 くぐもった喘ぎ声を上げながら、渚は発情して熱を帯びた視線をリンドに向ける。

 リンドは渚の痴態に対して微笑みながら、心に深く刻まれるような声音で語り掛ける。

 

「良いんですよ、渚さん。僕に(・・)だけは幾ら恥ずかしい姿や弱音を晒しても。だって僕と渚さんは……『婚約者(・・・)』なんですから」

 

(婚約……者? あたしとリンド君が?)

 

 告げられた事実に一瞬、渚は自慰の手を止めてしまった。

 

 ……じゅぼっ! じゅぼぼっ! じゅぶんっ!

 

 だが、すぐに躊躇いが消えたように渚はより激しく手動かして自慰を再開した。

 

(んっ♥ そうだ。私とリンド君は婚約者同士だったのよね♥ なら恥ずかしい姿を見せても構わないわよ♥)

 

「くふぅ――っ♥ ふ―っ♥ ん、ふぅ―っ♥ ぅん―っ♥」

 

 リンドが自身の婚約者だと認識した渚は、躊躇いを捨てたと言うように割れ目に指も入れて出し入れし出した。

 零れた愛液が床に染みを作り、太腿が濡れるのも構わずに渚は絶頂に向かって突き進んでいく。

 そしてビデオカメラの画面に映る昨夜の渚が限界だと示すように咥えていた剛棒から口を放して顔を仰け反らせた瞬間。

 

『んぁっ♥ だ、駄目♥ 来ないでっ、来ちゃう♥ 来ちゃう♥ ダメぇ♥ イクッ、イクゥゥ――っ♥』

 

「んんっ♥ んんんんんぅぅぅ――っ♥」

 

 映像の中の渚と現在の渚が、同時に絶頂に達した。

 リンドの目の前で自慰で達した渚は、絶頂で蕩けた顔をしながら、零れた愛液で染みが出来てしまった床に座り込む。

 そのまま椅子に座っている年下の婚約者である少年に何かを期待するような視線を、渚は我知らずに向けてしまう。

 

(フフッ、漸く此処までボロボロだった渚さんの心を回復させて、僕と言う存在を刻めた)

 

 手に持っていたビデオカメラの停止ボタンを押して、渚が絶頂するのに少し遅れて剛棒から噴出した大量の白濁液を顔に浴びせられて悔しそうにしながらも何処か恍惚した様子でいる渚が映っているところで止める。

 そのままテーブルにビデオカメラを置き、床に座り込んでいる渚の前に移動しながらリンドは思い出す。

 今、自身と青龍(・・・・・)が侵入している『渚の精神世界』に入り込んだ経緯を。




次回からは白虎の社の攻略に入ります。

アマテラス、佐久夜、琴乃の妊娠について。

  • 琴乃が堕ちた段階で孕ませる
  • 四聖の社全て攻略後に孕ませる
  • サヨ関連終了後に孕ませる
  • イザナミも加え、四人そろって孕ませる
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