※この作品はR-18です。

IZUMO2〜鬼畜ショタ性記〜   作:イズモ

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と言う訳で桃花堕ち編です。

現在のアンケートは24日の0時に終わります。

感想、お気に入り、評価、アンケートありがとうございました!


精霊桃花・妊娠番堕ち編 後編

 少年が『妖やかしの森』にやって来てから三日が経過した。その間ずっと、片時も桃花は少年から目を離す事が無かった。

 二日目。朝日の出と共に目覚めた少年は、再び服を脱いで川に入り魚を獲って朝食を取り、それを終えると服を着て再び『妖やかしの森』の中を進んで悪霊を退治して勾玉を手に入れ、昼は森の中に生えていた食べられるキノコで昼食を取り、それを終えたらまた森の中を彷徨って悪霊退治。

 そして夕暮れ時に元居た水場に逆戻りして、落胆した様子を見せながら野宿。

 三日目も朝と昼は同じ行動を取っていたが、夕暮れ時には水場に戻る事が出来ず悪霊に襲われながら真夜中に水場に戻って疲れ切った様子で眠りについた。

 この時、簡易の悪霊払いの結界を少年は貼り忘れ、危うく低級の悪霊に襲われかけたが、近くの木々を瞬時に操った桃花が悪霊を退治した。

 

(何故私はあの少年を助けたのでしょうか?)

 

 四日目。まだ眠りから目覚めない少年を見つめながら、桃花は昨晩の自分の行動が理解出来ず困惑していた。

 少年のように『妖やかしの森』に迷い込んでくる人間は、長い時の中で数多くいた。だが、知り合いでもない人間を助けた事は無い。

 何故ならば今少年が受けているのは、精霊である桃花に認める為の試練。力及ばず、試練に打ち破れた者達も長い時の中で数多くいたというのに、桃花は少年を助けてしまった。

 どれだけ考えても疑問の答えが出ず、桃花は悩みながら今だ生い茂った草の上で眠っている少年を見つめる。

 

(……もうすぐ昼近くになるというのに……もしや!? 悪霊から毒を受けたのでは!?)

 

 自らの領域にいる悪霊の事が脳裏に過ぎり、桃花は少年の心(・)配(・)をしてしまう。

 それは桃花本人も気づく事が出来ない重大な変化。嘗てこのネノクニの救世主としてアシハラノクニから訪れたカグツチ達でさえも、桃花は冷酷に森の中を永遠に彷徨わせようとした。

 だというのに、桃花は今見ず知らずの少年を心(・)配(・)してしまっている。

 

『……うぅっ!』

 

(っ!?)

 

 ハッキリと苦しがる様子を少年が見せた瞬間、桃花は瞬時に移動した。

 試練の事など忘れ、そして自らが精霊だという事も忘れて、桃花は会った事も話した事もない少年の下に。

 

 

 音もなく倒れ伏す少年の目の前に花びらが散ったと思われた次の瞬間、裾の先に桃の花の刺繍が入っている着物と思わしき桃色の袴を穿いた腰の辺りまで届く紫色の髪の美女-桃の大樹の精霊『桃花』が姿を現した。

 桃花は倒れ伏す少年を前にすると、ゆっくりと屈み少年の肩に手を伸ばす。

 癒しを司る精霊でもある桃花は、一先ずは少年を回復させるつもりだった。だが、桃花の手が少年の肩に触れる直前、倒れ伏していた少年の小さな手が桃花の腕を掴んだ。

 

「っ!?」

 

「捕まえた」

 

 ハッキリと声が響いた瞬間、少年の気が揺らめき、桃花の気に喰らいついた。

 

「っ!? んああああああっ♥」

 

 自らの気に少年の気が喰らいついた瞬間、桃花を襲ったのは痛みではなく何故か快楽だった。

 思わず口元から出てしまった嬌声に、桃花本人も驚きながらも何とか少年の手を振り払って離れる。

 

「くっ! は、離しなさい!」

 

「おっと」

 

 離れる桃花を少年は追う事無く、ゆっくりと立ち上がった。

 その様子を見た桃花は少年が自らを誘き出す為に演技していたのだと悟り、何故か胸の内で言い表す事が出来ない痛みと悲しみを感じて感情に任せて、近くの木々を操り攻撃する。

 

「良くも!!」

 

 操られた木々は容赦なく少年のいた場所に鋭い木の枝先や太い枝の振り下ろしが行なわれた。

 

「はぁはぁはぁっ……何故私は?」

 

 容赦のない攻撃を行なった桃花だが、僅かに冷静さを取り戻したのか戸惑っていた。

 幾ら騙されたとは言え、此処まで容赦のない攻撃を年端のゆかない少年にするのは明らかにおかしい。

 

「一体何が……」

 

「フフッ、やっぱり此処に来てよかったよ」

 

「っ!? そんな!?」

 

 聞こえて来た声に慌てて桃花が顔を向けて見ると、その顔は更なる驚愕で満ちた。

 何故ならば桃花の目の前では、襲い掛かって木の枝先や太い枝が、別の木の枝に防がれて傷一つ無い少年が立っていたからだった。

 それだけではなく、少年の全身からは膨大な霊力とあり得る筈のない気配が発せられていた。

 

(これほどの霊力……人間だった頃のアマテラス様に匹敵……いえ、それ以上に彼から感じられる気配は!?)

 

「……精……霊……」

 

「正解。僕は人間と精霊の間に産まれた子供の末裔だよ」

 

「なっ!?」

 

 それはネノクニとアシハラノクニの常識を覆す事実。

 子を為せない筈の精霊が、人間と交じり合って子を為していた。その末裔が目の前の少年。

 驚くべき事実だが、桃花の驚きはそれ以外にもあった。

 

「ま、まさか……ニニギ以外にも……」

 

「ニニギ? ……へぇ~、驚いた。今のお姉さんの言葉だと、僕らの一族以外で『真の契りの儀式』を成功させた人と精霊がいるんだ」

 

「『真の契りの儀式』? それは一体なんですか?」

 

「ん?」

 

 桃花の言葉に少年は首を傾げた。

 これは互いの認識の違いが原因だった。桃花は確かに半人半精として産まれた者を知っている。だが、それは幾つもの偶然が重なった結果で起きた出来事だと思っている。

 対して少年は明確に人と精霊が子を為す方法を知っているが故の食い違い。だが、どちらにしても少年にはもうどうでもよかった。

 

「詳しい話は後で聞かせて貰うよ……それに……『真の契りの儀式』ならすぐに分かるよ。お姉さんには、僕の子を孕んで貰うんだからね」

 

「なっ!?」

 

 突然の発言に桃花は動揺して思わず固まってしまう。

 その隙を逃さないと言うように、桃花の周囲の地面から勢いよく木の枝が何本の伸びて来て襲い掛かった。

 

「くっ!?」

 

 襲い掛かって来る木の枝を、桃花は身のこなしで躱していく。

 癒しを主に司るとは言え、桃花は長い時を生きた精霊。直接攻撃は弱くても、ある程度の身のこなしは出来る。

 

(森の中に! そうすれば逃げられます!)

 

 森の木々の間に飛び込む事さえ出来れば、自らが森に張り巡らせた空間作用を利用して少年から離れる事が出来る。

 

(彼の事をアマテラス様とカグツチ様に伝えなければ!)

 

 悪霊の手先なのかは分からないが、どちらにしてもニニギ以外に精霊の血を引く人間と言うだけで見過ごす事は出来ない。

 故に桃花は急いで森の中に飛び込もうとするが……。

 

「ああ、お姉さん。忘れてるよ」

 

「っ!? あっ、あああぁぁぁぁッッ♥」

 

 突然内側に入り込んでいた少年と桃花の交じり合った気が暴れ出し、桃花は空中でその身を抱き締めて甘い嬌声を上げてしまった。

 その隙を逃さないと言うように襲い掛かって来ていた木の枝がしなりながら桃花の両腕と両足に巻き付き、空中に大の字に開かされて拘束されてしまう。

 

「しまっ!? んぐッ! んッ! ん、んん――ッ!?」

 

 太い木の枝が桃花が口が開いた瞬間に飛び込んで来て、喋る事さえも封じられてしまう。

 自らが操る木の枝に囚われた桃花の姿に、少年は嗜虐に満ちた微笑みを浮かべた。

 

「植物を司る精霊が別の植物に拘束される。此処に来たのは精霊の気配が感じたからだったけど、お姉さんと僕は最高に相性が良いよ」

 

「んくぅっ!」

 

(何を言って!? こうなれば!?)

 

 勝手な事ばかり言っている少年に、遂に我慢の限界を超えたのか桃花は女性としての姿ではなく、もう1つの精霊としての本性と呼ぶべき姿に変わらうとする。

 だが……その決断は既に遅かった。いや、最初から手遅れだったのだ。

 少年を目にしてしまった瞬間から桃花という存在は犯されてしまっていたのだ。精霊と言う存在にとって毒であり……同時に福音である少年と言う存在に。

 

「んくっ!? んん――ッ♥」

 

 本性を顕わにしようとした直前、再び体内に取り込まされてしまった少年の気と交じり合って自身の気が昂ぶり、桃花の口の隙間からくぐもった喘ぎ声が漏れ出した。

 その上、拘束しているから木の枝からも少年の気が伝わって来て一方的な気の交じり合いが桃花の体内で行なわれ出す。

 

「んぐっーっ♥ んん―っ♥ んんんんーっ♥」

 

「ああ、やっぱりお姉さんと僕の相性は最高だよ。同属性で同じ植物を司る精霊の力を持つ者……そろそろお姉さんの身体を見せて貰うよ」

 

「んんっ! んんんっ!」

 

 気に犯される快楽を感じながらも、自らに迫る鋭い切っ先の枝に気付いた桃花は必至に首を横に振って拒否しようとする。

 しかし、木の枝は止まる事無く桃花が着ている着物の胸元に押し当てられ、そのまま着物と袴をビリビリと切り裂きながら股下まで落ちた。

 はらりと地面に無残に切り裂かれた袴が落ちた後には、着物の下に隠されていた大きすぎず小さすぎない胸と、同じく袴で隠されていた愛液を溢している秘所を空中で拘束されて晒された桃花の姿があった。

 

「フフッ、お姉さん。やっぱり感じているね。お姉さんの秘所から花の香りがしてるよ」

 

「うぅぅっ……んんっ♥」

 

 年端もゆかない子供に良いように言われているばかりか、女性として隠すべき秘すべき箇所まで見られてしまった桃花の顔が羞恥で真っ赤に染まる。

 

(い、一体これは……んぁっ♥ ああっ♥)

 

 気を相手に渡すという行為は、精霊と言う存在にとって極自然に出来る行為。

 人間に力を貸す時に行なう『契りの儀式』と言う儀式が存在している事からも、ネノクニに生きる誰もが知っている常識。無論、人間よりも高位の存在である精霊を相手に『契りの儀式』を結ぶのは生半可な事では無い。

 命を賭けた死闘の果てに勝利し、精霊が結んでも構わないと心を許した時のみ、『精神世界』と言う精霊が創り出せる特殊な世界のみで性行為を行ない、互いの気を渡して交じり合わせるのが『契りの儀式』。

 精霊である桃花も、過去にカグツチと交わした事がある。

 だが、桃花は今、『精神世界』ではなく『現実世界』で少年と気を交し合っていた。一方的に。しかも、貪り喰われるように桃花の気は少年の気に喰われていく。

 しかし、喰われているのも関わらず桃花の表情は喰われ、交じり合う度に悦楽に歪むのを我慢できなかった。嘗てカグツチと交わした時に感じた『契りの儀式』での快楽など目では無いほどの比。しかも、まだ肝心の直接的な性行為はしていない。

 

(も、もしアレで私の秘所が貫かれたら)

 

 脳裏に浮かぶのは、規格外としか言えない少年の剛棒。

 もし少年が自らの剛棒を、花の匂いを発している愛液が垂れている秘裂に挿入して来たらどうなるのかと、桃花は期待なのか恐怖なのか自分でも分からず身体を震わせる。

 

「お姉さん。そんなに僕が操る木の枝は美味しい?」

 

「んっ!? んぅぅぅっ!」

 

 何時の間にか口内に入り込んでいる太い木の枝を自らの舌で無意識に舐めていた事を指摘された桃花は、羞恥で顔を真っ赤にする。

 

(な、何が……んくぅっ♥ も、もう私の全身が彼の気と交じり合って……熱い……子宮と卵巣が燃えるように熱くなっている……)

 

 全身が熱くなっている桃花だが、その中で一番熱を持っているのは女性にとって一番重要な部分である子宮と卵巣だった。

 本来子宮は精霊にとって本来の生殖と言う機能は果たせず、『契りの儀式』で契約する相手との気の交換を円滑に行なう為の器官でしかない。卵巣に至っては最早あるだけで無意味に等しいとしか桃花本人も思っていなかった。

 だが、今、その二つの器官は桃花本人と少年の気。その二つが混じり合った気に寄って活性化し本来の機能を取り戻しつつあった。

 自らに重大な変化が訪れようとしている事に桃花本人は気付かずにいると、漸く口に咥えさせられていた木の枝が離れる。

 

「あっ♥ ……はぁはぁっ♥ ……んっ♥ な、何者なのですか、アナタは?」

 

「ははっ、凄い凄い。もう全身から発情した匂いを発してるのに、気丈に僕を睨むなんてね」

 

「くっ!」

 

 指摘された事を桃花は否定できなかった。

 少年の言う通り、桃花の肢体からは甘酸っぱい雌香が発せられ、胸の頂きでは乳首が乳輪と共に隆起し、秘所からは雄を誘うように花の香りがする愛液が太腿まで濡らしてしまっている。

 綺麗な顔も真っ赤に染まり、唇からは止まる事無く熱い吐息が零れている。

 そろそろだと言うように桃花は大の字に拘束されたまま、少年の前に降ろされる。

 

「ひっ♥ い、嫌あっ! ち、近づかないで!?」

 

 それは今の桃花の最後の抗い。無意識に桃花は察してしまったのだ。

 目の前の少年にこれ以上何かをされれば、今の自分ではいられなくなってしまうと。変わる、いや変えられてしまう事に桃花は恐怖を覚えて何とか拘束から逃れようと暴れる。

 

 ……セ

 

「ごめんね、お姉さん。でも、僕も限界なんだよ」

 

 ……ナセ

 

「これ以上は抑えられないんだ。だから、今日はお姉さんに来て貰うしかなかったんだよ。一歩でも動いたら、呪縛に意識が乗っ取られて、意識のないままお姉さんを孕ませそうだったからね」

 

「なっ!? んんっ♥」

 

 少年の告白を聞いた桃花は全身を震わせた。

 それは恐怖によるものなのか、或いは……自らに子を為してくれる雄と出会うことが出来た歓喜によるものかは桃花も分からなかった。

 そして少年は桃花の顔の高さが自分の顔の高さと合うように木の枝を操り、顔を近づける。

 

「口づけってこうやるんだよね。んっ」

 

「ん、ん……んんぅっ!?」

 

 ぶしゅぅぅぅぅっ!

 

 唇を重ねられた瞬間、自分が感じたものが何だったのが、桃花は一瞬理解出来ず、理解したのは秘裂から花の香りがする潮を撒き散らした後だった。

 

(く、口づけだけで……イかされまふぃた♥)

 

「ん、んん、んぁ、ああ、んむ……ぁ、んう♥」

 

 口づけは触れ合うだけで止まらず、拒否しなければならないのに、寧ろ積極的に桃花は少年と深く舌を絡めあう。

 一瞬戸惑った様子を見せた少年だが、生来の才能と言うべきか桃花の舌の動きに合わせて自らに舌を絡め合わせていく。

 舌が絡み合う度に二人の口元から唾液が行き交う水音が鳴り響く。その中で桃花はある事実に行きついていた。

 

(もしかして……彼は行為に関しては初めてなのでは?)

 

 よくよく考えてみれば、彼はどう見ても本来ならば二次性徴も迎えていない子供。

 自身を捕らえるまでは見事だったが、口づけに関しては何処か稚拙の印象を感じた。ならば逃れる隙はあると……口づけを交わす前までの桃花ならば思ったはず。だが、今は……。

 

「んちゅっ♥ ちゅぅっ♥ ん、ふぅ……♥」

 

 積極的に桃花の方から舌を少年の口内に伸ばし、口づけのやり方を少年に教えていた。

 舌から溢れる唾液を満遍なく少年の口内に塗り込み、自らの雄なのだと示すように桃花本人も気づかずに唾液を染み込ませていく。

 やがて二人は唇を離すが、すぐにまた深い口づけを交し合い唾液が入り混じる水音を響かせる。

 

「むちゅっ♥ んちゅぅっ♥」

 

 何時の間にか積極的に口づけを行なっているのは桃花の方になっていた。

 顔はうっとりとしていながらも、妖艶さに満ちている。普段の桃花を知る者や嘗て『契りの儀式』を交わしたカグツチが目にすれば、目を見開いて驚くだろう。今の桃花の艶姿は、とても淫猥ながらも、女性としての魅力が満ち溢れているのだから。

 その様子を間近で見ていた少年は、口内の気持ち良さを感じながら交じり合った大量の唾液を桃花の口内に送った。

 桃花は大量の唾液を送られたのにも関わらず、嫌がるどころか嬉しそうに目元を緩ませてゴクリと呑み込んでしまう。

 

「っ!? あ、あぁぁぁっ……あっ、あっ」

 

 唾液を呑み込んだ瞬間、桃花は目を見開いて全身を硬直させた。

 

「フフッ、遂に来たね」

 

 桃花に何が起きているのか察した少年は、遂にその時が来たのだと察して穿いている履物の下で剛棒を滾らせる。

 だが、桃花は犯される時が近づいているにも関わらず、全身を震わせ目元からは涙が零れようとしていた。歓喜に寄って。

 少年の唾液が最後の呼び水だったのか、熱を持ち続けていた子宮はキュンキュンと発情を示すように愛液を次から次へと溢れさせ、更にあっても意味のない筈だった卵巣が……目覚めてしまった。

 桃の大樹の精霊として存在していた桃花。植物の精霊と言う事で、子供を産むという行為を知識として知っていても、本当の意味で子を作る事は永遠に出来ないはずだった。

 なのに、永遠に目覚める筈の無かった卵巣が目覚め、雌としての役目を果たせと言うように一個の卵子が卵管に飛び出した。

 

「あっ……あああぁぁぁぁッッ♥」

 

 それは歓喜。それは祝福。

 桃の大樹の精霊としてこれからも親しき者達との別れを経験し続ける筈だった生の中で、桃花と言う精霊が得た。得てしまった福音。

 

(産みたい! 産みたい! 産まなければなりません! 私の子を……私の赤子♥)

 

 脳裏に赤ん坊だった頃の佐久夜を抱くアマテラスと、同じ精霊でありながらも自らの血を分けた子であるニニギを抱くツクヨミの姿が浮かんだ。

 自分には永遠に来ない幸せ。同じ精霊であるツクヨミが、その幸せを得たと知った時に心の奥底で抱いた嫉妬。

 掴む事が出来ないと思っていた幸せが、今目の前にある。だが、卵子だけでは子供を作れない。

 このままでは奇跡の結晶が、死んでしまう。そうなった時、桃花は自分が正気で言われる自信がなかった。いや、間違いなく狂ってしまうと確信できた。

 拘束する木々を破壊しようと桃花は暴れ出す。桃花が暴れると、まだ羽織っている着物の残骸から零れ出ている胸がブルンブルンと激しく揺れ、シミ一つ無い綺麗な白い肌のお尻も激しく揺れるが、木の枝は逃がさないというように拘束し続ける。

 

「離して! 離して! 早くしないと私の子が!? 子が死んでしまう!? 早く早く! 離せえぇぇぇぇぇぇ!!」

 

「フフッ、放しても良いけど、誰と子作りをするの?」

 

「っ!? そ、それは……あっ、いや、弱くなってる……このままでは……あああああああああああっ!」

 

 幾ら頑張っても壊れない拘束に、半狂乱になって桃花は大粒の涙を溢して泣き叫ぶ。

 人間ならば排卵してから卵子は一日ほど持つ筈だが、精霊の場合はまるで世界が許さないというように急速に卵子が弱って行くのを桃花は感じた。

 桃花は直接的な戦闘力が低い代わりに、癒しと守護に秀でた精霊。故に生命の流れには敏感だった。このままではあと一時間も持たずに、奇跡の結晶が死に絶える。ならば、保護しようと呪法を使おうとするが……。

 

(む、無理です……体内で、しかもまだ生命とも言えない小さすぎる命に呪法なんて使ったら……)

 

 自らの手で奇跡の結晶が消え去ってしまう。桃花は、大粒の涙を綺麗な瞳から流しながら懇願する。

 

「いや……いやぁっ……お願いいたします……何でもいたします……『契りの儀式』無しで貴方にお使い……いえ、隷属しても構いません……だから……私の子を……」

 

「フフッ、お姉さん。何を言ってるの? お姉さんの中にいるのは、まだ子供じゃないよ」

 

「あっ……ふぅっ、くぅっ……♥」

 

 少年の小さな両手が、桃花の程よい大きさの二つの美乳にそれぞれ触れた瞬間、半狂乱になりかけていた精神が落ち着きを取り戻した。

 ゆっくりと少年は優しく指を桃花の胸を愛撫しながら、説明を開始する。

 

「落ち着いてくれたみたいだから話すね。先ずお姉さんには二つの選択を上げるね」

 

「んあ♥……選択?」

 

「そっ。選択ね。まず最初のはね。今回(・・)は諦める」

 

「っ!? ……今回?」

 

 首を勢いよく横に振ろうとして、少年の言葉の意味に気がついた桃花は、目を見開いて呟いた。

 この奇跡が一度限りの物では無いという驚愕の事実。なら苦渋の末に耐えて次の機会にと桃花の理性が働こうとする。だが、次の瞬間……。

 

「うん。確か一度精霊が排卵をして子供を作ったら、百年後ぐらいにまた産めるようになるらしいからね」

 

 桃花は目の前が真っ暗になるような衝撃を受けた。

 精霊にとって百年と言う時は、長き生の一時。だが、今の桃花にとっては永遠に感じられる時間となっていた。

 

(……百年も耐える事なんて……いえ、その百年後の機会だってあるかどうか……それよりも、何よりもこの子を諦める事なんて出来ません!)

 

 目覚めてしまった母性が、桃花に少年が告げた最初の選択を選ぶ事を許さない。

 

「それでもう一つの選択肢はね。僕と『真の契りの儀式』を交わす事だよ」

 

「はぁっ、はぁっ……し、『真の契りの儀式』?」

 

「うん。お姉さん達精霊が今している『契りの儀式』はね。お姉さん達精霊が出来るだけ悪影響を抑える為の安全なものなんだってさ。それで『真の契りの儀式』はその上位互換。精霊と人を結ばせる永劫の儀式なんだよ」

 

「っ!?」

 

 青天の霹靂と言って良い事実をあっさりと少年は告げた。逆に桃花は混乱の極みだった。

 少年の手が未だ自身の胸を弄んでいる事も、忘れてしまう事実。自身が今、どんな姿を少年の前で晒しているのかも、忘れかけるほどの驚天動地。

 

「詳しく話していたら、せっかくの卵子が無くなっちゃうから手短に言うけど、『真の契りの儀式』は『契りの儀式』のように『精神世界』で行為を行なうんじゃなくて、現実。今この場で僕とお姉さんは行為する。そしてこの儀式を完遂した後……お姉さんはもう永遠に僕以外の誰とも『契りの儀式』を交わせなくなる」

 

「……『契りの儀式』が……出来なくなる?」

 

 説明の大部分がされていないが、つまり少年と本当の『契りの儀式』を交わした場合、桃花と言う存在が大きく変質してしまうのは明らかだった。

 呆然と固まってしまっている桃花の身体が、ゆっくりと地面に下されて四肢を拘束していた木々が離れて行った。自由を取り戻したにも関わらず、桃花は抵抗する様子も逃げる素振りも見せずに下ろされたままの体勢で茫然としていた。

 そんな桃花の前で、少年は服を脱ぎ捨て体格に合わない上に明らかに規格外としか思えない剛棒を雄々しくそそり立つ姿を晒した。

 ムワッと周囲に満ちていた桃花の花の香りが、一瞬にして濃厚な雄の臭いで満たされた。

 これから『お前を犯して孕ませる』と自己主張しているのかのように、剛棒からは先走り汁が溢れ、桃花の子宮がキュンと鳴いてしまう。

 

「ああっ♥ んくっ♥」

 

 剛棒を目にした瞬間、桃花は悟ってしまった。自らの運命を。

 無意識に桃花は剛棒に向かって手を向け、その様子を見ていた少年がにこやかに問いかけた。

 

「それでお姉さん? どっちにするの?」

 

「……私の答えは……」

 

 ゆっくりと桃花は立ち上がり……辛うじて脱げずにいた着物の残骸からしなやかな手を引き抜いた。

 着物が地面に落ち、魅力的な裸体を全て晒した桃花は、地面に三つ指を着きながら少年に向かって頭を下げた。

 

「どうか私と契って下さいませ♥ この『オオカムツミの桃花』の全てを貴方様……いえ、旦那様にお捧げ致します♥」

 

 この瞬間、二千年以上の時を過ごした桃の大樹の精霊である『オオカムツミの桃花』はまだ名前も知らない少年の番へと堕ちた。

 これから行なわれる『真の契り儀式』によって、より確定的なものとなり、未来永劫に分かたれない繋がりが結ばれる事になる。

 絶世の美女が自らの番に堕ちた姿に、少年はますます興奮し、剛棒を硬く滾らせていく。

 

「うん、結ぶよ。でも、その前に確認するけど、桃花。『契りの儀式』を誰かと結んだ事があるんだよね?」

 

「っ!? そ、それは……」

 

 頭を下げたまま桃花は肢体を震わせた。その反応に『契りの儀式』を誰かと結んだ事があるのだと察し、少年の中で独占欲が湧いて来る。

 長く生きているのだから仕方のない事だと分かっていても、子供特有の独占欲的なものが少年の中で嫉妬が疼く。

 対して桃花は顔を上げられないまま身体が震えるのを押さえられなかった。一刻も早く少年の子種を子宮に注いで欲しいというのに、不興を買って儀式を無しにされてしまわないかと恐怖を覚えずにいられなかった。

 

「だ、旦那様!? 先ほど宣言した通り、これからの私の全ては旦那様のものです! で、ですから、どうか、お慈悲を!」

 

「安心して良いよ、桃花。『真の契りの儀式』は必ず結ぶからね」

 

「ああっ♥ ありがとうございます、お優しい旦那様っ♥」

 

「でも、そうだね。やっぱり桃花の何か初めては欲しいし……うん、そうだ! ねえ、桃花。これからは秘裂の事はオマンコ。後ろの穴はケツ穴。胸の事はオッパイ。そして……僕の生殖器はオチンポかチンポって言うようにしてよ」

 

「っ!?」

 

 聞いた事もないはしたなく卑猥な言葉に桃花は一瞬体を震わせるが……。

 

「はい! これからは私のアソコはオマンコ♥ 後ろの穴はケツ穴♥ 胸の事はオッパイ。旦那様のご立派なものはオチンポ、もしくはチンポとお呼びいたします♥ 勿論、今教えて下さった言葉は旦那様にしか使いません♥」

 

 躊躇う事無く桃花は教えられた卑猥な言葉を発した。完全に堕ちたと少年は嗜虐に満ちた雄の微笑みを浮かべる。

 

「じゃあ、今教えた言葉を使って僕が挿入しやすいようしながら誘ってみて。厭らしくね」

 

「分かりました、旦那様♥」

 

 後ろ目で確認しながら、少年の肉棒が入りやすい高さに綺麗な桃尻を上げ、四つん這いになるような体勢を取った桃花は、フリフリとお尻を揺らし、愛液を溢している秘裂に両手の指を当てて開く。

 まるで花が咲くように広がった秘裂は、奥から雄を誘う蜜のように愛液を更に溢す。

 少年の目が自身の秘裂に釘付けになっているのを桃花は後ろ目で確認すると、甘く蕩けたような声で誘い出す。

 

「は、孕ませて♥ 年端もゆかない貴方のチンポと子種を欲して濡らしているこの精霊『桃花』のオマンコに、どうか旦那様のご立派なチンポで慈悲をお与えください♥」

 

「最後にもう一度聞くよ? もう僕以外と契りを交わせなくなるんだよ?」

 

「い、良いんです♥ 旦那様以外の誰とも、もう契りを交わしたくっ! あぁぁぁっ♥ あっ、あっ、あっ♥ あぁぁ――――っ♥」

 

 最早愛撫など必要ないほどに潤っていた秘裂に、少年は自らの剛棒を深々と突き刺した。

 待ち望んでいた剛棒が入って来た感触に桃花の膣は歓喜に打ち震え、挿入されただけでイッてしまった。余りの快感に手足から力が抜けそうになって倒れそうになるが、必死に歯を食いしばって耐える。

 

「うぅっ! お、大きい! こ、こんな大きさのチンポは初めて♥」

 

 その必死に耐えながら快楽を感じている桃花の表情に興奮した少年は、膣内に挿入した剛棒を馴染ませるかのようにゆっくりと押し広げていく。

 

「うわっ……す、凄い……お姉さんの表情も、それに中が……凄く温かくて、気持ち良いっ! これが女の人の中なんだ!」

 

 初めて味わう女性の感触に少年自身も、今にも射精してしまいそうになるが、必死に堪える。

 何故ならばこの行為が終わった後、暫らく桃花とは直接的な行為が出来なくなってしまう事を少年は知っているからだった。

 

(だから、存分に味わせて貰うよ、桃花)

 

「ひっ♥ ひぃっ♥ んお゛っ♥ こ、これ♥ 旦那様のオチンポ♥ すごすぎますぅ♥」

 

 桃花の膣は最早歓喜の涙を流しているかのように愛液を溢れさせ、膣内の肉壁は、肉棒から一刻も早く子種を出させようと柔らかく締め付けて快感を与えていく。

 

(ああ、もうこの方以外行為を……思い出せない♥)

 

 一瞬でこれまでの性経験を塗り替えられてしまった。少年専用になるように膣内は形を変えていく。

 実際、桃花は気がついていないが、既に『真の契りの儀式』は始まっている。少年が言った『自分以外の誰とも今後契りを交わせなくなる』と言うのは比喩でも誇張でもない。

 『真の契りの儀式』が開始された時点で、桃花と言う精霊は後戻りできない一本道を真っ逆さまに堕ちるしかなくなってしまった。尤も儀式を終えた後の桃花は幸せこの上なくなっているだろう。

 長き時の中を存在していた中で、世界で唯一、精霊と言う完結した存在を孕ませる相手と出会えたのだから。

 

「桃花……そろそろ動くよ」

 

「は、はい♥ 必死に耐えますので、存分に動いてオチンポで私のオマンコを犯して下さい、旦那様♥ ひっ♥ ひぃぃぃぃぃっ♥ あぅ、あっ、あぁっ♥ はあぁぁんっ♥」

 

 激しい抽送が始まると、桃花は必死になって四肢に力を込めながら快感に打ち震える。

 一突きごとに形を覚えさせられ、最奥にある子宮口に肉棒が撃ち込まれるたびに意識が遠退きそうな快感が襲う。剛棒から伝わる熱さで、膣内が火傷してしまわないかと心配になる。

 本来なら相手の射精を促す為に、桃花も腰を振りたいが、これまで感じた事のない快楽の前に倒れないように四肢を踏ん張るのが精いっぱいだった。少しでもバランスが崩れれば、交合の途中で肉棒が膣から抜けてしまう危険性もある。

 

(そ、それだけは……あぁっ! 何としても防がなければなりません! この子の為にも!)

 

 唯一桃花が四肢以外に思考を割いているのは、卵管を通っている最中の自らの奇跡の結晶である卵子。

 もう最初に卵巣から飛び出た時と比べると、生命の息吹が弱っている。幾ら大人顔負けの剛棒を持っているからと至って、体力は子供並みしかない桃花は判断していた。

 子供が出来るかは、この一度の繋がりの結果に掛かってる。

 

(大丈夫。大丈夫よ♥ お母さんとお父さんがアナタをちゃんと生まれるようにするからね♥)

 

「す、すごい。桃花のオマンコ。僕のチンポを離そうとしないよ……はぁ、はぁ」

 

 桃尻を両手で掴みながら、少年は腰を振って肉棒をだし入れる。

 初めて知る女性の膣内の感触は、想像を超えるほどに気持ち良かった。

 

「あっ……んっ、ああああっ、んんっ、は、激し……です、だ、旦那様……んんぅ、ああああっ♥」

 

「だ、だって本当に気持ち良いんだもん。はぁ、はぁ、と、桃花で初めて出来て良かった」

 

 ブッシュゥッ!

 

 既に大量の愛液を出しているのに、何処に水分が残っていたのか、桃花は秘裂にある本来の排泄機能が失われている小さな穴から透明な潮を再び発射した。

 同時にイッたことで膣内が激しく動き、少年の剛棒を強く締め付ける。

 

「うぅっ、キ、キツイ……で、でもまだ……」

 

 この花の香りを発する秘裂を堪能しつくしたいと思った少年は、射精を堪えて腰を動かす。

 絶頂しているところで更に腰を動かされた桃花は、此方も襲い掛かる快楽に辛そうに顔を歪める。それでもどうしても気になった事を問いただす。

 

「あああぁぁぁぁッッ♥、だ、旦那ひゃま♥ ……や、やはり、はじめてだったのですねぇ♥」

 

「う、うん、そうだよ。桃花が僕の初めての相手だよ」

 

 それを聞いた瞬間、桃花の全身を歓喜が貫いた。

 

(わ、私が旦那様の最初の相手♥ 何て嬉しい事でしょうか♥)

 

 まだ幼いながらも成長すれば確実に雌を喘ぎ鳴かせる雄の初めてを得られた事実に、言い表す事のない出来ない喜びが自身の胸の内から溢れて来るのを桃花は感じた。

 

(この立派なオチンポの初めては私です♥)

 

 まるでマーキングするかのように桃花は腰を円を描くように動かし、膣肉も蠢かせて花の匂いを発する愛液を満遍なく少年の剛棒に擦りつけていく。他の女には渡さない。或いはこの剛棒の初めての相手は自分だと示す為の行為。

 このような行為を少し前の桃花だったのならば、はしたないと考えて実行しなかっただろう。

 沸き上がってくる感情に関しても、自分にそんな感情が在ったなどと、少年に会う前の桃花が知れば自己嫌悪で苦しんだに違いない。現に嘗て『契りの儀式』を結んだカグツチとアマテラスが結ばれたと知っても、桃花は嫉妬など微塵も抱かず祝福した。

 だが、それは仕方がない事だった。

 桃花がカグツチと契約したのは、その力に成りたいという好意によるもの。つまり、親愛。

 『契りの儀式』に関しても、『精神世界』と言う精霊独自が作れる世界で行なった行為。カグツチと少年では、桃花が抱いてしまった感情自体が違う。

 加えて今、桃花が行為をしているのは『現実世界』。

 『真の契りの儀式』。それは精霊に対して悪影響を及ぼす儀式でもあった。それは……精霊と言う存在に人が持っている醜い感情さえも呼び起こしてしまう儀式。

 桃花は目覚めてしまったのだ。母性と言う子を大切に想う感情以外に、もう一つ……女としての他の誰かに負けたくないという感情に。

 

「だ、旦那様♥ は、早くオマンコの奥に射精して下さい♥ そして子供を♥ 代わりに……私のこれからは全て旦那様のものです♥」

 

「うわぁっ! 凄く綺麗だよ、桃花。僕の初めてがこんな綺麗な人で嬉しいよ!」

 

「ああっ! ありがとうございます! 旦那様に誉められるの嬉しいです♥」

 

 妖艶さに満ち溢れた微笑みを桃花は浮かべて礼を告げた。

 その姿はまるで美しい華でありながら、人を妖しく魅了する気配を漂わせていた。

 その全てが少年ただ一人を魅了するかのように咲き誇っていた。少年はともすれば魅了されて、飲み込まれそうな気配に笑みを浮かべて、最後のスパートだというように全力で腰を振るって桃花の蜜壺を征服しようとする。

 

「い、行くよ!」

 

「っ!? 愛します♥ 貴方を永遠に愛しますっ♥ だから、イクっ! オマンコイキますっ!! あああああああああああああああっ♥」

 

 びゅるるるぅぅぅぅ、びゅるるるぅぅぅぅ、どぴゅッ、どぴゅッ――ッ

 

 肉棒の先が膨れた瞬間、これまで前後には動かなかった桃花の腰が後ろに向かって下がり、深々と肉棒を咥え、最奥の子宮口とぶつかり合った。

 ぶつかりあった衝撃に肉棒の先から大量の白濁液が放出され、待ち侘びていた子宮口は一滴も逃さないというように開いて子宮内に生命力旺盛な子種が入り込んだ。

 

「あっ……あぁっ! な、何て量……こんなにも沢山に♥ ぁぁっ……それに……子宮が膨れてっ♥」

 

 絶頂で顔を仰け反らせていた桃花は、子宮内に入り込んだ子種の多さと襲い掛かって来る快楽に歓喜の涙を流さずにいられなかった。

 余りの快楽による絶頂で遠退きかける意識を、全身全霊で支え、子宮内の生命の流れを見る。流れを見た瞬間、更なる歓喜に包まれた。

 子宮内は精子で溢れかえり、押し広げているばかりか卵管にも入りこんでいたからだ。

 その上、今なお子宮口から押し入った亀頭の先端の鈴口から精液が流し込まれている。

 

(出来て♥ 出来て♥ ああぁっ! ……出来ました♥)

 

 何時の間にか自分にとって何よりも大切なものとなっていた奇跡の結晶である自らの卵子。

 生命力旺盛な精子に沢山群がれ、やがて一匹の精子が卵子に入り込んだ。

 

 ネノクニとアシラハノクニと言う2つの世界が誕生する前から存在していた最古の精霊の一体。

 桃の木の大樹の精霊。名を『桃花(とうか)』。彼女は長き時の果てに、自らの血をひく子を宿すという女性にとっての幸せを得られた。

 その喜びに打ち震えながら、遂に精神が限界を迎え、微睡みに包まれながら安らかな表情を浮かべて眠りに落ちた。

 

(……イザナギ様……私……母になれました……ありがとうございます)

 

 薄れていく意識の中で、桃花の脳裏に浮かんだのは、遥か昔に自身が護り精霊になる栄誉を与えてくれた一人の青年の姿だった。

 だが、それも一瞬の事。次に脳裏に浮かんだのは、自分と少年に何処となく似た顔立ちをしている赤子に授乳している自身の姿だった。

 

(ああっ……これが母になる幸せなのですね……)

 

 ドサッと音を立てて桃花は地面に倒れた。

 少年は慌てて様子を窺う。知識としては知っていても、実行したのは桃花が初めて。

 もしかして失敗したのではないかと不安に思ったが、当人である桃花は安らいだ表情で眠っていた。秘所から流れ落ちる入り切らなかった白濁液と愛液と、行為による汗まみれの裸身からは考えられないほどに安らいでいた。

 それでも、何かを守るようにお腹を抱えた体勢はしている。両手で押さえている場所の奥に在るのは子宮。

 其処に宿った小さな命を絶対に失わせないというように、桃花はお腹を抱えている。

 良かったと少年が安堵の息を吐くと共に、桃花の胸が輝き、小さな桃色の宝珠が胸の中から出現した。

 

「これが……そうなんだ」

 

 宝珠の名は、『桃花』

 精霊である桃花の名を冠している通り、『契りの儀式』を交わした持ち主に自らを召喚する権利と加護を与える宝珠。

 しかし、『真の契りの儀式』を少年と交わした事で、未来永劫にこの宝珠を得る者が現れなくなる時が訪れた。

 宝珠は淡い輝きを発しながら宙に浮かび、少年の胸の中に吸い込まれた。

 

「うわっ……凄く温かい」

 

 胸の中に宿った温かさに、少年は顔を綻ばせる。

 同時に使えるようになった呪法を試す。

 

「えーと……『ホーリーブレス』」

 

 呪法を唱えると共に、少年と桃花を光が包みに、全身に襲い掛かっていた疲労感が消えていくのを感じた。更に桃花の周囲には防御呪法が張り巡らされる。

 

「フフッ、凄いな。全身に力がみなぎって来るし、それに体力もすぐに回復出来るようになったし。幾らでもヤれそうだ。やっぱり最初に桃花を選んだのは正解だったね……それに厄介な血の呪縛も解除出来たよ」

 

 少年には厄介と言うよりも、悩ましい問題の呪縛が掛かっていた。

 それは、『一族の血を繋げよ』という呪縛。頭の中で『コヲナセ』と鳴り響き続け、何時理性を失ってしまわないかと少年は心配し続けていた。

 

「本当だったら今日で僕から桃花のところに行くつもりだったんだけどなあ」

 

 呪縛のせいでそれが無理となってしまっていた。

 昨晩の時点で、桃花が自分と一番相性が良い植物の精霊だと少年は悟り、『妖やかしの森』の試練を乗り越えた果てに『真の契りの儀式』を行なうつもりだった。

 だが、朝の時点で呪縛の影響が遂に限界を迎えて、一歩でも動いたら危険な状態になってしまっていた。最初に『真の契りの儀式』を結ぶ相手とは意識があってしたいとずっと桃花が来るまで耐えていたのだ。

 

「んっ」

 

 一瞬、桃花の身体が虹色の光に包まれた。

 それを目にした少年は、桃花が真に自らの一族の一員として認められた事を察する。

 

「さて、先ずは最初の一歩目は進めた。桃花が目覚めたら色々と話をしないとね……これから宜しくね、僕の新しい一番最初の番、桃花」

 

「んっ♥ ……だんなさま♥」

 

 愛おしく大切そうに少年は、自らの番へと堕ちた桃花の頬を撫でるのだった。

 

 

(アレからもう二ヶ月以上になるのですね)

 

 囲炉裏で燃える火に照らされながら、桃花は自らの番である太腿に頭を乗せている少年の頭を撫でる。

 あの後、目覚めた桃花は、少年から改めて事情を全て聞き、このネノクニに迫る悪霊軍とは別の危機を知った。

 

(まさか、このネノクニにあのような秘密があるなど、夢にも思っていませんでした)

 

 長き時をネノクニで過ごしていた桃花でも知らなかった。いや、知られないように隠されていたネノクニの秘密。

 それに大きく少年が関わり、このままではネノクニに恐ろしい災いが訪れるのは間違いない。

 

(……ですが、それでも私がいるというのに、他の女性に手を出されるのは嫌な気持ちになってしまいます)

 

 少年の言う事は分かっていても、永劫の番となった相手が他の女性に手を出すのは女として不快感と嫉妬を覚えずにはいられない。無論、他にも……。

 

(番である私はまだ一度しか旦那様と直接的な行為をしていないというのに! 何度もされたアマテラス様が羨ましく思えてなりません!)

 

 精霊が子を宿すと言うのは奇跡に変わりなく、それ故に人間と同じように安定期に入るまで直接的な行為は決してしてはならない。

 うっかりしようものならば、子宮内の子は死に。母親である精霊は嘆き苦しみ抜いた果てに発狂して消滅する。無論、それは父親の方が精霊でも変わらない。

 だが、『真の契り儀式』を行なった事で圧倒的な快楽を覚えてしまった桃花の肢体は早くもう一度味わいたいと願ってしまう。

 

「駄目だよ、桃花」

 

「っ!? 申し訳ありません、旦那様」

 

 魂での繋がりから、桃花が発情しかけている事を察した少年は窘めた。

 ゆっくりと頭を上げて、少年は桃花に向き合う。

 

「それで桃花。ネノクニの各地にある僕の一族の遺産の隠し場所はどうだった?」

 

 この一ヶ月近く。桃花はネノクニ中を旅していた。

 子を宿している桃花に任せるのは申し訳ないと少年は思っていたが、他の者に任せる事は出来ない。何故ならばその遺産の隠し場所に立ち入れるのは、少年以外で一族の一員として認められ子を宿している桃花しかいないのだから。

 

「はい。旦那様から渡された地図に記された場所、全てを巡りまして無事を確認しました」

 

「そう。流石はお母様達だ。連中に一族の宝を何一つ渡さなかったんだね……で、守護者であるご先祖様の精霊の影は?」

 

「……皆様、全員。私の報告を聞き……嘆かれていました」

 

「やっぱり……」

 

 少年の一族の遺産が隠されている場所には、少年と血の繋がりがある精霊の影達が守護していた。

 伴侶となった相手が何らかの事情で亡くなった時、その精霊達はネノクニに自らの記憶と力を影として残し、遺産の守護者の役目を与えてアシハラノクニに転生して行った。

 影ゆえに特殊な空間の中でしか存在できないが、それでもこれ以上に無いほどに少年の一族の者にとっては信頼出来る守護者だった。

 出会った守護者たちの様子を思い出した桃花の顔に憂いが浮かんだが、それでも着物の裾の中から一本の巻物と小さな小箱を取り出した。

 

「此方が旦那様が一番に求められた巻物と例の品なります。他にご所望された物は私の森の中に。その他の物は守護者の方々が居られる空間に残っています」

 

「ありがとう、桃花。何時かは一族の遺産を全部集めたいけど、隠し場所がね」

 

「私の森には悪霊がいますからね。野ざらしにする訳にも参りませんし」

 

 物が物だけに隠す場所や扱いには気を付けねばらないのは当然として、何よりも遺産の量が問題なのだ。

 少年の一族の遺産は、それこそネノクニの誕生の頃から密かに貯えられ、ネノクニに重大な危機が訪れた時のみに使用される事になっていた。

 そして今、その遺産を使わねばならない事態に追い込まれていた。少年の一族が、少年だけを残して悪霊の軍勢に滅ぼされてしまった為に。

 

「桃花の森の先にある『アシハラノクニの学び舎』ならどうかな?」

 

「確かにあの場所ならば隠せそうですが……」

 

(あそこには蔓さんがいます)

 

 桃花が主を務めている『妖やかしの森』の更に先にある『アシハラノクニの学び舎』と呼ばれる場所。

 その場所こそがネノクニにとって本当に重大な意味を持つ場所でもある。故に、其処には桃花以外の精霊。樹木の精霊である『蔓』が守護者として存在していた。

 自身と同じ精霊であり、しかも植物の精霊である蔓が少年に惹かれるのは目に見えている。

 

(旦那様が私が安定期になるまでは、二人目を作らないと申された時は安堵しましたが…次に狙われるのは蔓さんに違いありません)

 

 相性が良く、しかも遺産を隠せるかもしれない場所の守護者となれば、少年が狙わない訳がない。

 何よりも蔓も、桃花と同じく絶世の美女だ。尚更に少年が狙わない筈がなく、桃花は嫉妬と葛藤で思い悩む。

 

「……んっ」

 

「旦那様?」

 

「……来たよ」

 

「っ!」

 

 言葉の意味を察した桃花は、すぐさま身構える。

 対して少年は立ち上がり、家の出入口の方に歩いて行く。そしてその先にいた相手を出迎えた。

 

「お待ちしていました……ツクヨミ様」

 

 少年が出迎えた相手。

 その相手はアマテラスとよく似た若い顔立ちの男性物の着物を着た女性。

 アマテラスの双子の姉にして、精霊であるツクヨミが険しい顔をして鞘に収まった愛刀を携えながら立っていた。




次回は『佐久夜・処女喪失編』が始まります。
尤もその前に旧版よりも早くツクヨミと交渉します。
後、旧版では遺産を守護している精霊の影は意思がありませんでしたが、リニューアル版では旧版で出た楓と同じように意識がある事にしました。
ぶっちゃけ、ヒミコは影達に憎まれています。桃花の前でそれを出さなかったのは、胎教に悪いからです。
また、少し変更して桃花はリンドを介して例の物から加護を得たので力が四聖獣に近いレベルで引き上がっています(あくまで近いなので、四聖獣と戦えば負ける)。

捏造設定
『真の契りの儀式』
ネノクニとアシハラノクニに存在する人間よりも霊的に高位の存在である精霊及び神と『精神世界』で気を交換し合う事で成立する『契りの儀式』の上位版。
『現実世界』で直接精霊と気を交換し合い、そのままセックスする事で、精霊と言う存在の力を体内に宿して扱う事が出来る。しかし、これは精霊にとって非常に危険を伴う儀式であり、大きく存在揺らがし、『真の契りの儀式』を交わした精霊は未来永劫(例え契約者が死んでも来世にまで契約は引き継がる)『真の契りの儀式』を交わした相手にしか仕えられなくなる。
『契りの儀式』は契約破棄可能だが、『真の契りの儀式』は一度のみ(契約者は幾らでも可能)。
多くのデメリットを精霊に与える儀式だが、実は精霊にとって最高の奇跡を『真の契りの儀式』は与える。
それは、『子を為す』こと。完結した精霊と言う存在を揺らがせる事によって、子を為すことを可能とする。その時に目覚めた母性と女の感情は凄まじく、少年は知らないが、少年の先祖は搾り取られる毎日を送り、その影響で絶倫一族に覚醒した。
因みに少年の先祖の精霊は植物の精霊。他にも色々混じっているが、色濃く出ているのが植物の精霊です。
また、少年と『真の契りの儀式』を結んだ精霊は、とある物から加護を与えられるようになるので、ネノクニの守護神である四聖獣に近い力を得られる。
この力の増強はあくまで少年と『真の契りの儀式』を結んだ精霊のみに起きる事なので、少年以外の誰かが『真の契りの儀式』を行なって精霊と結ばれても力の増強は起きない。
あくまで少年を介してこそ、とある物から得られる加護なので。

アマテラス、佐久夜、琴乃の妊娠について。

  • 琴乃が堕ちた段階で孕ませる
  • 四聖の社全て攻略後に孕ませる
  • サヨ関連終了後に孕ませる
  • イザナミも加え、四人そろって孕ませる
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