※この作品はR-18です。

IZUMO2〜鬼畜ショタ性記〜   作:イズモ

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凄く長くなってしまいました。
お気に入り、評価、感想を頂けて嬉しいです。

そして本番在りの回ですが、佐久夜でない事をお許しください。
モブキャラでもありません。この人を堕としておけば、後々やり易くなるので。
また、本作は独自設定、捏造設定が在る事をご了承ください。


佐久夜編 中編

「シャアアアアアッ!!」

 

「邪魔をしないで! 飛鳥の舞!」

 

 頭上から襲い掛かって来た蝙蝠の悪霊を佐久夜は手に握っていた刃物が仕込まれた扇を投げつける事で切り裂き、消滅させた。

 消滅した悪霊から勾玉らしきものが出現して落ちて来るが、佐久夜は構わずに大きな木々が立ち並ぶ森の中を走る。そんな佐久夜の前に次から次へと豚ほどの大きさを持った巨大芋虫や、人ほどの大きさのキノコが立ち塞がる。

 流石に佐久夜も足を一先ず止め、扇に嵌め込まれている赤い勾玉-『火玉』-を輝かせる。

 

「私は急いでいるの! 呪法! ファイアッ!」

 

 輝きが最高に達した瞬間に、佐久夜が扇を振るうと炎が飛び出し、巨大芋虫とキノコを焼き払った。

 佐久夜は悪霊を焼く火の勢いが弱まるのを待たずに走り出し、緋袴の裾が少し焦げても気にせずに先を進む。その表情には1人で弱いながらも悪霊退治が出来ている喜びはなく、焦燥ばかりが募っている。

 

(何処!? 何処に居るの!? 今お姉ちゃんが必ず見つけてあげるから、それまで無事でいて!)

 

 深い森の中を佐久夜は、服が枝で引っかかって破れたりするのも構わずに進んで行く。

 『妖かしの森』の森の中を、佐久夜は奥へ奥へと入って行く。

 

 何故佐久夜が焦燥に満ちた顔で、ただ一人、悪霊が跋扈する森の中を進んでいるのか?

 その理由は数時間前に遡る。

 

 

 早朝、佐久夜は上機嫌に手荷物を持って里の外れにある少年の家に向かっていた。

 昨日の夜に母親であるアマテラスから聞いた話には失意と嫉妬を覚えた佐久夜だが、一晩経てば冷静になった。

 莫大な霊力を身に宿している少年には必要な事。何だったら少年の修業に付き合う形で、自分も一緒に参加して見張れば良い。

 しかし、それよりも何よりも嬉しいのは、母親から今日は少年の家に泊まっても良いと許可を貰えたこと。

 

(そうだよ。あの子の目が他に移らないぐらいに、私に夢中にさせれば良いんだよ)

 

 里の外れに差し掛かって来て、人の目がなくなったのを良い事に空いている方の手を子宮があるお腹の部分に置く。

 

(……昨日はしたらいけないと思ってた口でしちゃったし……服も全部あの子の液体塗れにしちゃった……もしかしたら、今日こそ私……)

 

 日に日に佐久夜は自分の自制が効かなくなっているのを実感している。

 

(でも……あの子のおちんちんが欲しいよぉ……)

 

 子供の頃に見た父親のカグツチよりも大きな少年の肉棒。

 手でする事に慣れる前は、傘のようになっている部分が引っかかって上手く扱けなかった事もあった。

 

(指じゃなくてあの部分が私の中を動く……)

 

 想像しただけで、ブルっと腰が震えて穿いている下着が濡れだすのを佐久夜は自覚していた。

 昨日、母であるアマテラスの話を聞いている時に自覚したが、佐久夜は少年が好きになっていた。最初は純粋に境遇に同情し、その後純粋に自分を姉のように慕ってくれている少年を可愛いと思い、弟がいればあんな風なのかと想像していた。

 そんな少年が、同じように慕っている里の皆から疎まれていると知った時、佐久夜はショックを受けた。

 少年が他所の里の人間だとは知っている。その原因が悪霊の手に寄るものだと言う事も。

 彼は何も悪い事をしていない。だが、このネノクニは明日も同じ日が続くとは限らない戦いに満ちた世界。

 ましてや今は、戦時下中。戦の為にも食料は必要なのに、無駄飯ぐらいがいては困る。

 アマテラスとカグツチは少年の事情をキチンと理解しているが、全員が全員そうだとは限らない。中には甘えた境遇を不満に思う者達もいる、だから、アマテラスが少年に『術師』としての修業をさせると言うのも、理解出来るし納得出来る……少年の目がアマテラスの豊満な胸元に行くのはイラっとするが。

 自分よりも幼いから頼りないのは分かってる。でも、佐久夜は少年が好きになっていた。

 見た目は頼りないが、あの雄々しくそそり立つ肉棒と絶倫と言うしかない精力。未成熟ながらも、淫猥な関係を続ける事で急速に成長した佐久夜の雌としての本能が、少年を伴侶として相応しいと認めてしまった。

 

(それに……あの子は、ちゃんと私を……『佐久夜』として見てくれるもの)

 

 里の皆が悪い訳では無いと言う事は分かってる。

 だが、佐久夜はこの世界、ネノクニの神であるアマテラスとカグツチの娘。どうしてもその肩書きを捨てることは出来ない。故に佐久夜は常に考えてしまう。

 

『里の皆が私を慕うのは、アマテラスとカグツチの娘だからじゃないか?』

 

 無論、佐久夜の考え過ぎと言っていい考えだが、その考えを捨てきる事は出来なかった。

 そんな時に里の外からやって来た少年。日数を重ねていく内に、積み上がった佐久夜の感情と雌としての本能は、昨晩のアマテラスの話で燃え上がった。

 

(……うん。そうだよね。お母さんとお父さんだって、凄い恋をして結ばれたんだから)

 

 父親であるカグツチは、元々はネノクニの住人ではなく、アシハラノクニと呼ばれている現世で暮らしていた。

 それを当時から戦巫女として戦っていたアマテラスが現世から呼び出したのが、2人の運命の始まりだった。里の違いどころか、世界が違うという大恋愛の果てに結ばれて出来た娘なのだから、自分も同じように大きな恋愛をしても構わないと、佐久夜は認識(・・)した。

 

「そうと決まったら早く行こう!」

 

 覚悟を決めた佐久夜は、今日のお泊り道具とアマテラスが作ってくれた朝食が入った荷物を持って少年が住んでいる家を目指した。この後に待っている少年との睦事を想像して、下着を濡らしながら。

 

「おはよう!」

 

 元気よく声を出して、佐久夜は家の扉を開けた。

 そのまま勝手知ったると言わんばかりに靴を脱いで、家の中に入る。しかし、何時もだったら家の奥から声を掛けたらすぐに出て来る少年の返事がなかった。

 まだ寝ているのかなと首を傾げながら、佐久夜は奥の寝床に歩いて行く。少年はいた。寝床の隅の方で膝を抱えて座っていた。

 

「あっ、起きてた。駄目だよ、ちゃんと朝の挨拶はしないと。それで今日はお母さんから朝食を持っていくように言われたから、一緒に食べよう……その後は……ね♥」

 

 腰をモジモジさせながら、荷物を持ったまま両手を股の前に置いて佐久夜は頬を赤くした。

 だが、そんな卑猥な事を期待させるような事を聞かされながらも少年は、俯いて膝を抱えたままだった。何か様子がおかしいと気がついた佐久夜は、慌てて床に荷物を置いて少年に近寄る。

 

「ど、どうしたの!? 何処か調子が悪いの!?」

 

「……佐久夜お姉ちゃん……」

 

「うん。お姉ちゃんだよ。何かあったの? 何処か痛いの? もしそうだったら呪法を使って……」

 

「お姉ちゃんが言ってた美味しい飲み物って……嘘なの?」

 

「っ!?」

 

 不意打ちで指摘された事実に佐久夜の顔が強張った。

 その表情を少年は見逃さなかった。目に大粒の涙を浮かべて泣きだす。

 

「うわあああん! お姉ちゃんが嘘ついてた! 僕におしっこを飲ませてたんだ!」

 

「ち、違うよ! ア、アレは……」

 

 もっと恥ずかしい液体。

 流石にそれを口にするのは憚れたのか、佐久夜は顔を真っ赤にして黙ってしまう。

 だが、泣き続けている少年は更にショックを受けたのか立ち上がって家の外へ走り出した。

 

「うそつき! 嘘つき! 佐久夜お姉ちゃんなんて嫌いだ!」

 

「ま、待って!」

 

「うわああああん!!」

 

 佐久夜の制止の声も届かず、少年は何処かへと走り去っていった。

 その後ろ姿を入口の柱を支えにしながらも崩れ落ちた佐久夜は茫然と見続けた。

 

 

「……佐久夜。それは明らかに貴女が悪いです」

 

「ヒック、ヒック、ご、ごめんなさい」

 

 朝、機嫌よく家を出て行った娘が泣きながら帰って来た事にアマテラスは驚いた。

 慌てて事情を聞きだしたところ、明らかに悪いのは佐久夜だと理解し、強く叱責した。どんな嘘をついたのかまでは頑なに話そうとしないが、とにかく嘘はいけないことだ。

 ましてや天涯孤独となった身の上の所に、慕っていた相手が大きな嘘をついていた。更なる深い傷を負うのも無理はない。

 

「私に謝っても仕方ありません。ちゃんとあの子に謝らなければいけませんよ……私もとりなしますから」

 

「お、お願い、お母さん」

 

(とは言っても、これはかなり難しいところ)

 

 余所者だからと警戒され、唯一心から信頼できた相手に裏切られた心の傷は深い。

 どうしたものかとアマテラスが悩んでいると……。

 

「失礼します。至急アマテラス様にご報告したいことが」

 

「入って構いません」

 

「はっ、失礼します」

 

 扉が開き、アマテラスの配下の巫女が一人、部屋の中に入って来た。

 入室した巫女は居住まいを正し、チラリと佐久夜に視線を向ける。

 

「構いません。それで報告とは何ですか?」

 

「はい。先ほど高台から周囲を警戒していた者からの報告なのですが……『妖かしの森』の方面に、例の、里の外れに住まわせているあの少年が走って行くのを見たという報告が届きました」

 

「っ!? 何ですって!? 『妖かしの森』の方にあの子が!?」

 

「うそっ!?」

 

 『妖かしの森』。

 この世界、『死者の世界』ネノクニには対を為す『生者の世界』アシハラノクニが存在している。

 二つの世界は互いに交わる事無く存在しているが、過去にアマテラスも大きく関わったある戦いによって一度だけ混じり合う事が起きてしまった。

 その混じり合った場所には、今もアシハラノクニの建物が存在している。

 そしてその場所に不用意に人が近づけないようにする為に広がっているのが、『妖かしの森』。この森は入った者の方向感覚を狂わせる力が森全体に張り巡らされていて、一度入れば簡単に出る事は出来ない。

 尤も森に入らずに進めば、アシハラノクニの建物が存在してる場所まで行けるのだが、その道はカグツチとアマテラスが教えた者達しか知らない。

 それに昔はともかく、今の『妖かしの森』は人間にとって神聖な地となっていた。

 何故ならば二つの世界の境界線が最も薄れた場所となってしまったので、アシハラノクニの建物がある場所は、低級な悪霊達が発生しやすい場所なってしまったのだ。

 低級だからとは言え悪霊は悪霊。人里にとっては脅威以外の何ものでもない。

 『妖かしの森』の迷路は、低級な悪霊達ではどうやっても抜ける事ができない。人々にとって、これ以上助かる事はない。加えて言えば、『妖かしの森』の主である精霊と、アマテラス、カグツチは友人関係にある。

 戦争が起きる前は、森の中に増えすぎた悪霊をアマテラス達が精霊と協力して討伐していた事もあった。

 だが、戦時下に入った事で、悪霊の討伐が滞っていた。今、『妖かしの森』には低級とは言え、悪霊達が住み着いている。

 その事実に思考が辿り着いたアマテラスは、大いに慌てた。

 

「里の入口の見張りをしていた者達は何をしていたのですか!? あの子を外に出さないように厳命していた筈です!」

 

 少年に宿っている霊力の大きさは、嘗て人間だった頃のアマテラスに匹敵するほどの大きさ。

 そして人間だった頃のアマテラスは、ネノクニ最強の戦巫女だった。それに匹敵するほどの霊力の大きさを持つ者が、何の守りもなく外に出る。

 霊力を欲する悪霊達にとっては、御馳走が勝手にやって来たも同然だった。

 アマテラスの部下と言う事で、少年の事情を知っている巫女は顔を青褪めさせながら説明する。

 

「も、申し訳ありません! で、ですが、入口の見張りをしていた者の話では、あの子が入口の外から出るところを見ていないと……」

 

「何ですって? では一体どうやって外に?」

 

「……あっ!」

 

「佐久夜? どうし……まさか!?」

 

 アマテラスは思い出した。娘が勝手に結界の外に出ていた事を。

 

「そ、その……多分、私が外に出る時のやり方を……あの子にも手伝って貰った事もあって」

 

「なんてこと……」

 

 アマテラスは眩暈がした。

 こんなことならば、もっと勝手に外出する事を夫であるカグツチと強く叱っておくべきだったと後悔の念が湧いてくる。

 

(いえ、今は後悔している場合ではありません! あの子を何としても里に連れ戻さなければ!)

 

 ネノクニ最高峰の人間の霊力を吸収した悪霊は、低級だとしても間違いなく強大な悪霊となる。ましてや高位、いや、今戦っているヒミコ軍の手に渡れば、硬直している戦況が一気にひっくりかねない。

 だが……。

 

(ッ!? あの人は戦場。私が行くとしても、そうなれば里の護りが!)

 

 タイミングが余りにも悪過ぎた。

 カグツチがいれば、彼に向かって貰えたが今はいない。『妖かしの森』に住む友人である精霊と連絡を取る手段もない。里長として自身が飛び出すことも出来ない。

 どうしたものかとアマテラスが悩んでいると、何かを決意した佐久夜が立ち上がる。

 

「お母さん! 私行くね!」

 

「佐久夜!? 何を!?」

 

「あの子が『妖かしの森』に行ったのは、きっと私のせいだもん。だから、私が行かないといけない」

 

「待ちなさい、佐久夜!? 貴女何を言って!?」

 

「……ごめんなさい、お母さん。呪法! ソニック!」

 

『っ!?』

 

 部屋の中を走った弱めの風の衝撃にアマテラスと、部下の巫女は思わず目を閉じてしまう。

 風が止み、目を開けてみると、其処には佐久夜の姿はなかった。

 

「あの子は!?」

 

「ア、アマテラス様! い、いかがいたしましょうか?」

 

 部下の巫女の声に、一先ず怒りを治めたアマテラスは考える。

 

(間違いなく佐久夜は『妖かしの森』に向かったはず。今から追えば間に合う。いえ、もしかしたら『速玉』の呪法を自分に掛けているかも知れない……そうなると先ず私がすべきなのは……)

 

 この時、一瞬だけアマテラスの気が揺らいだ。

 しかし、ほんの刹那の一瞬の事で、隣にいる巫女は気がつかず、アマテラス本人も怒りでの気の揺らぎだと認識(・・)していた。

 そして何故か(・・・)冷静になった思考で巫女に指示を出す。

 

「先ずは結界の強化を行ないます。その後は防衛強化を」

 

「はっ? ……アマテラス様? 佐久夜様はどうされるのですか?」

 

「このまま行かせます。貴女も知っての通り、『妖かしの森』の主である精霊は、私と夫の古い友人。佐久夜とも幾度か会っています。あの人ならば、『妖かしの森』に佐久夜が足を踏み入れれば感知して接触してくれるでしょう」

 

「しかし、佐久夜様はまだ実戦の経験はありません。アマテラス様は無理でも、私達巫女衆が向かえば」

 

「いいえ。その必要はありません。結界の更なる強化を一時でもすれば、私が里を離れても大丈夫となります……場合に寄っては、娘に残酷な場を見せる事になるかも知れません」

 

「っ!?」

 

 巫女は気がついた。アマテラスが最悪の可能性を考えて動いている事を。

 万が一、少年の霊力が悪霊に奪われた場合、次に狙われるとすればこの隠れ里だ。佐久夜の方は、アマテラスが言うように『妖かしの森』の精霊が守ってくれる。

言うように『妖かしの森』の精霊が守ってくれる。

 アマテラスが里の事をちゃんと考えて行動してくれることに、巫女は忠誠心を強くしながら指示通りに動き出す。

 

(これで良い。私は里長の責務を果たさなければいけない……『桃花(とうか)』さん。佐久夜と貴女の森に入ってしまった幼き子をお願いします)

 

 アマテラスも動き出す。何故か全てこれで良いのだと心から認識(・・)しながら。

 

 

 

「フフッ……ああ、とても綺麗だな、佐久夜お姉ちゃん」

 

「んぐッ! んッ! ん、んん――ッ!」

 

「何時もの僕の事を弟として見る顔も、天真爛漫な笑顔も、それに……僕に卑猥な事をして背徳感に悦んでいる顔も良いけど、必死に僕を助けようと我武者羅に戦う姿も素敵だ」

 

「んあっ♥ はぁっ……ぃや……」

 

「アマテラス様の方もギリギリ『認識』を変えられた。これで明日の朝までは里を出られない。もうすぐだ。もうすぐだよ。僕はもうすぐ佐久夜お姉ちゃんを手に入れる……だから、邪魔しないでね、お姉さん」

 

「あッ♥ な、何故……このように……あッ♥ もう……あああぁぁぁぁッッ♥」

 

 少年が振り返った先には、裾の先に桃の花の刺繍が入っている着物を着崩し、大きすぎず小さすぎない胸を晒した腰の辺りまで届く紫色の髪の美女が、空中で両手足を木々の枝(・・・・)に大の字になるように伸ばされて拘束されていた。

 穿いていたと思わしき桃色の袴は、美女を拘束している木の枝に破かれたのか、無残な状態で地面に放置されて、隠すべき美女の秘裂が花の香りがする愛液を流しながら少年の視界の先に晒されている。

 美女の名前は『桃花』。アマテラスとカグツチの友人であり、本来ならば『妖かしの森』の番人である桃の木の精霊。

 しかし、今、『妖かしの森』の番人である筈の彼女は、年端もゆかない子供の前で服を着崩すような形で肌を晒し、全身を蝕むように襲う快楽に喘ぎ苦しんでいた。いや、実際に蝕まれているのだ。

 桃の木の精霊でありながら、木の枝から伝わって来る少年の気に寄って。

 

「い、一体これは……ああっ♥」

 

 気を相手に渡すという行為は、精霊と言う存在にとって極自然に出来る行為。

 人間に力を貸す時に行なう『契りの儀式』と言う儀式が存在している事からも、ネノクニに生きる誰もが知っている常識。無論、人間よりも高位の存在である精霊を相手に『契りの儀式』を結ぶのは生半可な事では無い。

 命を賭けた死闘の果てに勝利し、精霊が結んでも構わないと心を許した時のみ、『精神世界』と言う精霊が創り出せる特殊な世界のみで性行為を行ない、互いの気を渡すのが『契りの儀式』。

 精霊である桃花も、過去にカグツチと交わした事がある。

 だが、桃花は今、『精神世界』ではなく『現実世界』で少年と気を交し合っていた。一方的に。しかも、貪り喰われるように桃花の気は少年の気に喰われていく。

 しかし、喰われているのも関わらず桃花の表情は悦楽に歪んでいた。嘗てカグツチと交わした時に感じた『契りの儀式』での快楽など目では無いほどの比。しかも、まだ肝心の直接的な性行為はしていない。

 もし少年が自身の肉棒を、自身の桃の匂いを発している愛液が垂れている秘裂に挿入して来たらどうなるのかと、桃花は期待なのか恐怖なのか自分でも分からず身体を震わせる。

 だが、桃花は精霊。人間を超える意志力で、何とか全身を襲う快楽に耐えながら、佐久夜の前では気が弱そうに演じていた(・・・・・)少年に問い質す。

 

「はぁ……はぁ……あ、貴方は……な、何者ですか?」

 

「うーん……ごめんね、お姉さん。僕って一族の風習と言うか盟約で、『自分の名前を教えるのは、生涯の伴侶となる女性』のみって誓いがあるんだ。それでお姉さんはとても綺麗だけど、僕の生涯の伴侶にするかどうかは保留。だって、佐久夜お姉ちゃんやアマテラス様とか、まだまだ世界には沢山綺麗な人がいるんだから、僕はその人達ともしたいんだ。だから、ごめんね。名前は教えられないよ」

 

「なっ!? くぅっ♥」

 

 余りの身勝手な意見に桃花は驚くが、少年が本気で言っている事はすぐに理解させられた。

 何故なら少年のズボンから盛り上がるように、雄々しく逸物がそそり立っているのを目にしたからだ。同時に最早子供を作るという行為が不可能になっている筈のお腹の中にある子宮が疼いた。

 桃の木の精霊でも女性である桃花の本能が嫌でも理解させられた。

 あり得ない事なのに、少年が自分を孕ませる(・・・・)事が出来るという事を。

 

「そ、そんなはずが……んぁっ♥」

 

「ハハッ、やっぱり分かっちゃうんだ。寧ろ僕の一族と馴染みが深い精霊って存在だから分かるのかな? 特にお姉さんは植物の精霊だし? ……子供が作れるってさ?」

 

 本来『精霊』と人間の間に子供は出来ない。

 特殊なケースで、偶然にも奇跡的に子供が出来てしまった事があるにはあるが、それは本当に奇跡の領分。

 人間よりも高位の立つ存在が精霊なのだから。下位である人間と行為をしても子供が出来る筈が無い。

 それがネノクニ、そしてアシハラノクニでの世界の覆しようのないルール。

 ……だが、今、桃花の前に世界のルールを壊しかねない存在が現れた。

 

(き、危険すぎる! な、何としても四聖獣、いえ、アマテラス様とカグツチ様にお伝えしなければ!?)

 

「フフッ、お姉さん」

 

「はっ!?」

 

 何時の間にか桃花の目の前に、少年の顔があった。

 思考に更けている内に、四肢を拘束している木の枝が動き、空中にいながら四つん這いになるような姿勢を少年の目の前で執らされていた。

 

「告げ口なんて考えたら駄目だよ。口におまじない。んっ」

 

「ん、ん……んんぅっ!?」

 

 唇を重ねられた瞬間、自分が感じたものが何だったのが、桃花は一瞬理解出来ず、理解したのは秘裂から花の香りがする潮を撒き散らした後だった。

 

(く、口づけだけで……イかされまふぃた♥)

 

「ん、んん、んぁ、ああ、んむ……ぁ、んう♥」

 

 口づけは触れ合うだけで止まらず、拒否しなければならないのに、寧ろ積極的に桃花は少年と深く舌を絡めあう。佐久夜とする前は経験がなかった少年だが、佐久夜との幾度もした勉強と元々の才能によって大人顔負けのキスの上手さになっていた。

 逆に長い年月を生きる桃花でも、男性経験は限られているので少年のキスの上手さに翻弄されている。

 その度にプシュップシュッと桃花の秘裂から愛液と潮が溢れ、周囲に花の香りが漂う。

 匂いを鼻で嗅いでいた少年は気分良さそうな顔をしていたが、当初の目的は忘れておらず、名残惜しそうにしながらも桃花から離れた。

 

「ああ♥……んくっ♥」

 

 先ほどまで違い、今度は桃花が物欲しげに目元を潤ませ、離れた少年に舌を伸ばす。

 普段の桃花を知る者や嘗て『契りの儀式』を交わしたカグツチも目を見開いて驚くだろう。今の桃花の艶姿は、とても淫猥ながらも、女性としての魅力が満ち溢れていた。

 同時に桃花本人は自身の内で大きな変化を感じていた。精霊として本来の生殖と言う機能は果たせず、契約する相手との気の交換を円滑に行なう為の器官である子宮。

 桃の木の精霊として存在していた桃花。植物の精霊と言う事で、子供を産むという行為を知識として知っていても、本当の意味で子を作る事は永遠に出来ないはずだった。

 なのに、少年とキスした瞬間、卵巣から一個の卵子が卵管に飛び出した。

 

「あっ……あああぁぁぁぁッッ♥」

 

 それは歓喜。それは祝福。

 桃の木の精霊としてこれからも親しき者達との別れを経験し続ける生の中で、桃花と言う精霊が得た。得てしまった福音。

 

(産みたい! 産みたい! 産まなければなりません! 私の子を……私の赤子♥)

 

 脳裏に赤ん坊だった頃の佐久夜を抱くアマテラスの姿が浮かんだ。

 自分には永遠に来ない幸せ。同じ精霊となった存在が、その幸せを得たと知った時に心の奥底で抱いた嫉妬。

 掴む事が出来ないと思っていた幸せが、今目の前にある。だが、卵子だけでは子供を作れない。

 このままでは奇跡の結晶が、死んでしまう。そうなった時、桃花は自分が正気で言われる自信がなかった。いや、間違いなく狂ってしまうと確信できた。

 拘束する木々を破壊しようと桃花は暴れ出す。桃花が暴れると、着物から零れ出ている胸がブルンブルンと激しく揺れ、シミ一つ無い綺麗な白い肌のお尻も激しく揺れるが、木の枝は逃がさないというように四つん這いの体勢を桃花に敷き続けた。

 

「離して! 離して! 早くしないと私の子が!? 子が死んでしまう!? 早く早く! 離せえぇぇぇぇぇぇ!!」

 

「えぇ、でも離したらアマテラス様とカグツチ様に僕の事を話すつもりなんでしょう?」

 

「話しません! 話しませんから、どうか……いや、弱くなってる……このままじゃ……あああああああああああっ!」

 

 幾ら頑張っても壊れない拘束に、半狂乱になって桃花は大粒の涙を溢して泣き叫ぶ。

 人間ならば排卵してから卵子は一日ほど持つ筈だが、精霊の場合はまるで世界が許さないというように急速に卵子が弱って行くのを桃花は感じた。

 桃花は直接的な戦闘力が低い代わりに、癒しと守護に秀でた精霊。故に生命の流れには敏感だった。このままではあと一時間も持たずに、奇跡の結晶が死に絶える。ならば、保護しようと呪法を使おうとするが……。

 

(む、無理です……体内で、しかもまだ生命とも言えない小さすぎる命に呪法なんて使ったら……)

 

 自らの手で奇跡の結晶が消え去ってしまう。桃花は、大粒の涙を綺麗な瞳から流しながら懇願する。

 

「いや……いやぁっ……お願いいたします……何でもいたします……アマテラス様とカグツチ様には、何も……話しません……だから……私の子を……」

 

「フフッ、お姉さん。何を言ってるの? お姉さんの中にいるのは、まだ子供じゃないよ」

 

「あっ……ふぅっ、くぅっ……」

 

 少年の小さな両手が、桃花の程よい大きさの二つの美乳にそれぞれ触れた瞬間、半狂乱になりかけていた精神が落ち着きを取り戻した。

 ゆっくりと少年は優しく指を桃花の胸を愛撫しながら、説明を開始する。

 

「落ち着いてくれたみたいだから話すね。先ずお姉さんには二つの選択を上げるね」

 

「んあ♥……選択?」

 

「そっ。選択ね。まず最初のはね。今回(・・)は諦める」

 

「っ!? ……今回?」

 

 首を勢いよく横に振ろうとして、少年の言葉の意味に気がついた桃花は、目を見開いて呟いた。

 この奇跡が一度限りの物では無いという驚愕の事実。なら苦渋の末に耐えて次の機会にと桃花の理性が働こうとする。だが、次の瞬間……。

 

「うん。確かお父様が一度精霊が子供を産めるようになってから、百年後ぐらいにまた産めるようになるって言ってたから」

 

 桃花は目の前が真っ暗になるような衝撃を受けた。

 精霊にとって百年と言う時は、長き生の一時。だが、今の桃花にとっては永遠に感じられる時間となっていた。

 

(……百年も耐える事なんて……いえ、その百年後の機会だってあるかどうか……それよりも、何よりもこの子を諦める事なんて出来ません!)

 

 目覚めてしまった母性が、桃花に少年が告げた最初の選択を選ぶ事を許さない。

 

「それでもう一つの選択肢はね。僕と『真の契りの儀式』を交わす事だよ」

 

「はぁっ、はぁっ……し、『真の契りの儀式』?」

 

「うん。お姉さん達精霊が今している『契りの儀式』はね。お姉さん達精霊が出来るだけ悪影響を抑える為の安全なものなんだってさ」

 

「っ!?」

 

 青天の霹靂と言って良い事実をあっさりと少年は告げた。逆に桃花は混乱の極みだった。

 少年の手が未だ自身の胸を弄んでいる事も、忘れてしまう事実。自身が今、どんな姿を少年の前で晒しているのかも、忘れかけるほどの驚天動地。

 

「詳しい話を聞きたいのは分かるんだけどね。僕も今は(・・)お父様とお母様から話して貰った事しか分からないんだよ。ただ本当の『契りの儀式』は……えーと、『精神世界』……だったかな? 其処じゃなくて現実で精霊とヤるんだって。そしてこの儀式を完遂した後……お姉さんはもう永遠に僕以外の誰とも『契りの儀式』を交わせなくなる」

 

「……『契りの儀式』が……出来なくなる?」

 

 説明の大部分がされていないが、つまり少年と本当の『契りの儀式』を交わした場合、桃花と言う存在が大きく変質してしまうのは明らかだった。

 呆然と固まってしまっている桃花の身体が、ゆっくりと地面に下されて四肢を拘束していた木々が離れて行った。自由を取り戻したにも関わらず、桃花は抵抗する様子も逃げる素振りも見せずに下ろされたままの体勢で茫然としていた。

 そんな桃花にズボンを脱ぎ終えて、大人顔負けの長さと太さを持った巨根を雄々しくそそり立たせた少年がにこやかに問いかけた。

 

「それでお姉さん? どっちにするの?」

 

「……私の答えは……」

 

 ゆっくりと桃花は立ち上がり……辛うじて脱げずにいる着物を支えていた帯を解いた。

 着物が地面に落ち魅力的な裸体を全て晒した桃花は、地面に三つ指を着きながら少年に向かって頭を下げた。

 

「どうか私と契って下さいませ♥ この『オオカムツミの桃花』の全てを貴方様にお捧げ致します♥」

 

「フフッ、じゃあ僕が入れやすい様にしてくれるかな?」

 

「は、はい! す、すぐに!」

 

「それとね。お姉さんの恥ずかしい姿も見たいなあ?」

 

「分かりました♥」

 

 後ろ目で確認しながら、少年の肉棒が入りやすい高さに綺麗な桃尻を上げ、四つん這いになるような体勢を取った桃花は、フリフリと揺らして秘裂から愛液を流して懇願する。

 

「は、孕ませて♥ 年端もゆかない貴方の肉棒と子種を欲して濡らしているこの精霊『桃花』に、どうか慈悲をお与えください♥」

 

「最後にもう一度聞くよ? もう僕以外と契りを交わせなくなるんだよ?」

 

「い、良いんです♥ 貴方以外の誰とも、もう契りを交わしたくっ! あぁぁぁっ♥ あっ、あっ、あっ♥ あぁぁ――――っ♥」

 

 最早愛撫など必要ないほどに潤っていた秘裂に、少年は自らの巨根を深々と突き刺した。

 待ち望んでいた巨根が入って来た桃花の膣は歓喜に打ち震え、挿入されただけでイッてしまった。余りの快感に手足から力が抜けそうになって倒れそうになるが、必死に歯を食いしばって耐える。

 

「うぅっ! お、大きい! こ、こんな大きさ初めて♥」

 

 その必死に耐える桃花の表情に興奮した少年は、膣内に挿入した肉棒を馴染ませるかのようにゆっくりと押し広げていく。

 

「うわっ……す、凄い……お姉さんの表情も、それに中が……凄く温かくて、気持ち良いっ」

 

 佐久夜に手コキや拙い口淫で快感を覚えていた少年だが、桃花の膣が与える快感は、これまでの快楽の記憶を全て吹き飛ばすほどに気持ち良かった。

 桃花の膣は最早歓喜の涙を流しているかのように愛液を溢れさせ、膣内の肉壁は、肉棒から一刻も早く子種を出させようと柔らかく締め付けて快感を与えていく。

 

(ああ、もうこの方以外肉棒を……思い出せない♥)

 

 一瞬でこれまでの性経験を塗り替えられてしまった。少年専用になるように膣内は形を変えていく。

 実際、桃花は気がついていないが、既に『真の契りの儀式』は始まっている。少年が言った『自分以外の誰とも今後契りを交わせなくなる』と言うのは比喩でも誇張でもない。

 『真の契りの儀式』が開始された時点で、桃花と言う精霊は後戻りできない一本道を真っ逆さまに堕ちるしかなくなってしまった。尤も儀式を終えた後の桃花は幸せこの上なくなっているだろう。

 長き時の中を存在していた中で、世界で唯一、精霊と言う完結した存在を孕ませる相手と出会えたのだから。

 

「お、お姉さん……そろそろ動くよ」

 

「は、はい♥ 必死に耐えますので、存分にお動き下さい、旦那様♥」

 

「ぼくまだお姉さん……ううん、桃花を伴侶にって決めてないんだけどなあ……フッ!」

 

「ひっ! ひぃぃぃぃぃっ!」

 

 激しい抽送が始まると、桃花は必死になって四肢に力を込めながら快感に打ち震える。

 一突きごとに形を覚えさせられ、最奥にある子宮口に肉棒が撃ち込まれるたびに意識が遠退きそうな快感が襲う。肉棒から伝わる熱さに、膣内が火傷してしまわないかと心配になる。

 本来なら相手の射精を促す為に、桃花も腰を振りたいが、これまで感じた事のない快楽の前に倒れないように四肢を踏ん張るのが精いっぱいだった。少しでもバランスが崩れれば、交合の途中で肉棒が膣から抜けてしまう危険性もある。

 

(そ、それだけは……あぁっ! 何としても防がなければなりません! この子の為にも!)

 

 唯一桃花が四肢以外に思考を割いているのは、卵管を通っている最中の自らの奇跡の結晶である卵子。

 もう最初に卵巣から飛び出た時と比べると、生命の息吹が弱っている。幾ら大人顔負けの巨根を持っているからと至って、体力は子供並みしかない桃花は判断していた。

 子供が出来るかは、この一度の繋がりの結果に掛かってる。

 

(大丈夫。大丈夫よ♥ お母さんとお父さんがアナタをちゃんと生まれるようにするからね♥)

 

「す、すごい。桃花の膣。僕のを離そうとしないよ……はぁ、はぁ」

 

 桃尻を両手で掴みながら、少年は腰を振って肉棒をだし入れる。

 初めて知る女性の膣内の感触は、想像を超えるほどに気持ち良かった。もう佐久夜の手コキではイクことは出来ないと思いながらも、必死に腰を振るう。

 

「あっ……んっ、ああああっ、んんっ、は、激し……です、だ、旦那様……んんぅ、ああああっ♥」

 

「だ、だって本当に気持ち良いんだもん。はぁ、はぁ、と、桃花で初めて出来て良かった」

 

 ブッシュゥッ!

 

 既に大量の愛液を出しているのに、何処に水分が残っていたのか、桃花は秘裂にある本来の排泄機能が失われている小さな穴から透明な潮を再び発射した。

 同時にイッたことで膣内が激しく動き、少年の肉棒を強く締め付ける。

 

「うぅっ、キ、キツイ……で、でもまだ……」

 

 この花の香りを発する秘裂を堪能しつくしたいと思った少年は、射精を堪えて腰を動かす。

 イッたところで更に腰を動かされた桃花は、此方も襲い掛かる快楽に辛そうに顔を歪める。それでもどうしても気になった事を問いただす。

 

「あああぁぁぁぁッッ♥、だ、旦那ひゃま♥ ……ひぅっ……は、初めてと……いうのふぁ?」

 

「そのままの意味だよ。い、今、桃花に挿入したのが、僕の初めてなんだよ」

 

「で、では……佐久夜様……とは?」

 

「手でして貰うのと……口だけだよ。後は僕が佐久夜お姉ちゃんの小股を舐めたり、指で弄ったりしただけ」

 

 それを聞いた瞬間、桃花の全身を歓喜が貫いた。

 

(わ、私が旦那様の最初の相手♥ 佐久夜様よりも私の方が旦那様を先に♥)

 

 少年に会う前の桃花だったのならば、佐久夜がしている事に眉を顰めていただろう。

 まだ、身体もちゃんと出来ていないのに、幼い少年を相手になんてことを、と思ったのに違いない。だが、最早そんな思考は思い浮かばず、前後に動くのが無理ならばと円を描くようにお尻を振って肉棒全体に自身の桃のような匂いを放つ愛液をこすりつける。

 それはまるでマーキングするかのようだった。

 

(……佐久夜様。この方の初めての相手は私です♥ 貴女はどうやっても2番目♥)

 

 仮にも親しい友人2人の娘を相手に抱くようなことがない感情。優越感に桃花は浸ってしまう。

 こんな感情が自分に在ったなどと、少年に会う前の桃花が知れば自己嫌悪で苦しんだに違いない。現に嘗て『契りの儀式』を結んだカグツチとアマテラスが結ばれたと知っても、桃花は嫉妬など微塵も抱かず祝福した。

 だが、それは仕方がない事だった。

 桃花がカグツチと契約したのは、その力に成りたいという好意によるもの。つまり、親愛。

 『契りの儀式』に関しても、『精神世界』と言う精霊独自が作れる世界で行なった行為。カグツチと少年では、桃花が抱いてしまった感情自体が違う。

 加えて今、桃花が行為をしているのは『現実世界』。

 『真の契りの儀式』の悪影響。それは……精霊と言う存在に人が持っている醜い感情さえも呼び起こしてしまう儀式。

 桃花は目覚めてしまったのだ。母性と言う子を大切に想う感情以外に、もう一つ……女としての他の誰かに負けたくないという感情に。

 

「だ、旦那様♥ は、早く射精して下さい♥ そして子供を♥ 代わりに……私のこれからは全て旦那様のものです♥」

 

「うわぁっ! 凄く綺麗だよ、桃花。僕の初めてがこんな綺麗な人で嬉しいよ!」

 

「ああっ! ありがとうございます! 旦那様に誉められるの嬉しいです♥」

 

 妖艶さに満ち溢れた微笑みを桃花は浮かべて礼を告げた。

 その姿はまるで美しい華でありながら、人を妖しく魅了する気配を漂わせていた。

 その全てが少年ただ一人を魅了するかのように咲き誇っていた。少年はともすれば魅了されて、飲み込まれそうな気配に笑みを浮かべて、最後のスパートだというように全力で腰を振るって桃花の蜜壺を征服しようとする。

 

「い、行くよ!」

 

「っ!? 愛します♥ 貴方を永遠に愛しますっ♥ だから、イクっ! イキますっ!! あああああああああああああああっ♥」

 

 びゅるるるぅぅぅぅ、びゅるるるぅぅぅぅ、どぴゅッ、どぴゅッ――ッ

 

 肉棒の先が膨れた瞬間、これまで前後には動かなかった桃花の腰が後ろに向かって下がり、深々と肉棒を咥え、最奥の子宮口とぶつかり合った。

 ぶつかりあった衝撃に肉棒の先から大量の白濁液が放出され、待ち侘びていた子宮口は一滴も逃さないというように開いて子宮内に生命力旺盛な子種が入り込んだ。

 

「あっ……あぁっ! な、何て量……こんなにも沢山に♥」

 

 絶頂で顔を仰け反らせていた桃花は、子宮内に入り込んだ子種の多さに歓喜の涙を流さずにいられなかった。

 余りの快楽による絶頂で遠退きかける意識を、全身全霊で支え、子宮内の生命の流れを見る。流れを見た瞬間、更なる歓喜に包まれた。

 子宮内は精子で溢れかえり、卵管にも入りこんでいたからだ。

 

(出来て♥ 出来て♥ ああぁっ! ……出来ました♥)

 

 何時の間にか自分にとって何よりも大切なものとなっていた奇跡の結晶である自らの卵子。

 生命力旺盛な精子に沢山群がれ、やがて一匹の精子が卵子に入り込んだ。

 

 ネノクニとアシラハノクニと言う2つの世界が誕生する前から存在していた最古の精霊の一体。

 桃の木の大樹の精霊。名を『桃花(とうか)』。彼女は長き時の果てに、自らの血をひく子を宿すという女性にとっての幸せを得られた。

 その喜びに打ち震えながら、遂に精神が限界を迎え、微睡みに包まれながら安らかな表情を浮かべて眠りに落ちた。

 

(……イザナギ様……私……母になれました……ありがとうございます)

 

 薄れていく意識の中で、桃花の脳裏に浮かんだのは、遥か昔に自身が護り精霊になる栄誉を与えてくれた一人の青年の姿だった。

 だが、それも一瞬の事。次に脳裏に浮かんだのは、自分と少年に何処となく似た顔立ちをしている赤子に授乳している自身の姿だった。

 

(ああっ……これが母になる幸せなのですね……)

 

 ドサッと音を立てて桃花は地面に倒れた。

 少年は慌てて様子を窺う。知識としては知っていても、実行したのは桃花が初めて。

 もしかして失敗したのではないかと不安に思ったが、当人である桃花は安らいだ表情で眠っていた。秘所から流れ落ちる入り切らなかった白濁液と愛液と、行為による汗まみれの裸身からは考えられないほどに安らいでいた。

 それでも、何かを守るようにお腹を抱えた体勢はしている。両手で押さえている場所の奥に在るのは子宮。

 其処に宿った小さな命を絶対に失わせないというように、桃花はお腹を抱えている。

 良かったと少年が安堵の息を吐くと共に、桃花の胸が輝き、小さな桃色の宝珠が胸の中から出現した。

 

「これが……そうなんだ」

 

 宝珠の名は、『桃花』

 精霊である桃花の名を冠している通り、『契りの儀式』を交わした持ち主に自らを召喚する権利と加護を与える宝珠。

 しかし、『真の契りの儀式』を少年と交わした事で、未来永劫にこの宝珠を得る者が現れなくなる時が訪れた。

 宝珠は淡い輝きを発しながら宙に浮かび、少年の胸の中に吸い込まれた。

 

「うわっ……凄く温かい」

 

 胸の中に宿った温かさに、少年は顔を綻ばせる。

 同時に使えるようになった呪法を試す。

 

「えーと……『ホーリーブレス』」

 

 呪法を唱えると共に、少年と桃花を光が包みに、全身に襲い掛かっていた疲労感が消えていくのを感じた。更に桃花の周囲には防御呪法が張り巡らされる。

 

「フフッ、凄いな。それに体力もすぐに回復出来るようになったし。幾らでもヤれそうだ。やっぱり最初に桃花を選んだのは正解だったね……それに厄介な血の呪縛も解除出来たよ」

 

 少年には厄介と言うよりも、悩ましい問題の呪縛が掛かっていた。

 只ならぬ関係を築いていた佐久夜も、少年に目を向けていたアマテラスも気付けなかった呪縛。

 それは、『一族の血を繋げよ』という呪縛。

 

「本当に困ってたんだよね。佐久夜お姉ちゃんとシたいのに、やり始めたらきっと子供ができるまで止まらなくなりそうだったもん……佐久夜お姉ちゃんを壊したくないよ」

 

 少年からすれば佐久夜と結ばれるのは幸せな事だ。子供だって作りたい。

 だが、少年より年上だとは言え、佐久夜もまだ幼い部類に入る。妊娠は既に可能になっているようだが、下手に妊娠なんてしたらアマテラスやカグツチ達に本性がバレてしまう。

 だが、一族最後の生き残りのみに発現する呪縛があった。

 佐久夜と性行為をした瞬間、間違いなく呪縛は発動し、佐久夜をドロドロのグチョグチョになるまで犯し、子を産むには未熟な身体を孕ませてしまう。

 出産は母体に多大な負荷を与える。幾ら神の娘とは言え、いや、神の娘だからこそ、強大な霊力を宿す人間との間に出来た子供の出産は危険を伴う。

 佐久夜の死など少年は容認できない。だからこそ、呪縛を解くためにも早急に誰かを孕ませる必要があった。

 

「でも、里の人達は流石にね。バレるだろうし」

 

 里内で誰かに子供が出来たとなれば、里全体で騒ぎになる。

 未だ他所者と言う認識を変えられていない少年はともかく、他の者達は家族と言う認識が強いからだ。そんな中で父親不明の子供を身籠った女性が出れば大騒ぎだ。

 危険が大きすぎる故に、少年は里内で子供を作るのは諦めていた。

 ……他にも佐久夜の目が日に日に厳しくなって来ていたのもある。其処で思いついたのが、『精霊を妊娠させる』事だ。少年は、その特異な体質と一族の血によって本来は不可能な筈の、精霊を孕ませる事が出来る。

 出来れば精霊の中でも、植物を司る者がいい。

 

「里の人達が知っていてくれて良かったよ」

 

 受け入れ難い立場にいる少年だが、里の人の中には気遣ってくれる者達もいた。

 そういう人達から話を聞いたところ、『妖かしの森』と『アシハラノクニの学び舎』に植物を司る精霊がいることを知った。後者は少年には意味が分からない部分もあったが、その場所が『妖かしの森』の先にあると聞いては選択肢は一つしかない。

 予(かね)てよりの計画も合わせて、今回の作戦を実行したのだ。

 そして……計画は最終段階に入ろうとしている。

 少年はズボンを履き直しながら、自分を追って『妖かしの森』に入った佐久夜に意識を向ける。

 佐久夜は気付いていないが、彼女の全身には少年の気がこびり付いている。最早そう簡単に拭う事は出来ないほどに。だからこそ意識を向ければ様子も伺える。

 どうやらガムシャラに進んでいるせいで少年と桃花が入る場所から逆に離れてしまっている。

 『妖かしの森』と呼ばれるだけに、正しい方向に進まなければどんどん迷い込んでしまう迷いの森。冷静ならばともかく、今は少年の身を案じて冷静さを失っている佐久夜では辿り着くのも無理だ。

 地面で眠っている桃花を、非力ながらもなんとか落ちていた着物の上に運び、更に周囲の木々を操り、即席の防壁を張り巡らせる。

 

「ふぅっ、体力は回復出来るようになっても霊力の方が危ない。でも、そっちの方が良いか。後はアレ(・・)を持っている木偶を操って……フフッ、もうすぐだよ、佐久夜お姉ちゃん」

 

 気弱なフリをしていた少年は、遂にその本性を顕わにした。

 その目はただ一人。少年を助けようと必死に走る、愛しい姉のような存在である佐久夜だけを見ていた。




と言う訳で、桃花が堕ちて孕みました。
絶対に起きない奇跡が起きてしまい、しかも母性も覚醒させられたので。

また少年の一族は端的に言って、とんでもない一族なのですが、同時に『エロ一族』。大事な事なのでもう一度。『エロ一族』です
しかも、『学園狂騒曲』で出た佐久夜の異母兄であるニニギ同様に精霊の血をかなり薄まっていますが、引いている設定です。また、少年の一番相性が良い精霊は植物を司る精霊(フラグ!)
逆に火の精霊が相手だった場合、相手の精霊を屈服させない限りデキません。
本名を名乗った相手を愛する盟約は、少年の先祖の男子が大抵浮気性で、キレた女性陣が結託して一族血に呪詛を掛けたからです。
詳細は『佐久夜編 後日談』で。
次回遂に佐久夜と結ばれます!

捏造設定
『真の契りの儀式』
ネノクニとアシハラノクニに存在する人間よりも霊的に高位の存在である精霊及び神と『精神世界』で気を交換し合う事で成立する『契りの儀式』の上位版。
『現実世界』で直接精霊と気を交換し合い、そのままセックスする事で、精霊と言う存在の力を体内に宿して扱う事が出来る。しかし、これは精霊にとって非常に危険を伴う儀式であり、大きく存在揺らがし、『真の契りの儀式』を交わした精霊は未来永劫(例え契約者が死んでも来世にまで契約は引き継がる)『真の契りの儀式』を交わした相手にしか仕えられなくなる。
『契りの儀式』は契約破棄可能だが、『真の契りの儀式』は一度のみ(契約者は幾らでも可能)。
多くのデメリットを精霊に与える儀式だが、実は精霊にとって最高の奇跡を『真の契りの儀式』は与える。
それは、『子を為す』こと。完結した精霊と言う存在を揺らがせる事によって、子を為すことを可能とする。その時に目覚めた母性と女の感情は凄まじく、少年は知らないが、少年の先祖は搾り取られる毎日を送り、その影響で絶倫一族に覚醒した。
因みに少年の先祖の精霊は植物の精霊。他にも色々混じっているが、色濃く出ているのが植物の精霊です。

アマテラス、佐久夜、琴乃の妊娠について。

  • 琴乃が堕ちた段階で孕ませる
  • 四聖の社全て攻略後に孕ませる
  • サヨ関連終了後に孕ませる
  • イザナミも加え、四人そろって孕ませる
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