IZUMO2〜鬼畜ショタ性記〜 作:イズモ
ある程度設定の説明になって申し訳ありません。
そしてアンケートの結果ですが。
アマテラス編(19票)
蔓編(8票)
琴乃編(17票)
次回のエロはアマテラス編になりました。
アマテラスは本作のラスボス的立ち位置なので、前後編とはなりませんが頑張って書かせて頂きます。
そしてアマテラス編が終わった後に琴乃編。残念ながら蔓編は見送りと言う形となりました。
アンケートに参加してくれた方々、ありがとうございます!
本作は捏造、独自設定を多分に含んでいます。エロが書きたいだけの小説ですので。
また、新しいアンケート入れます。内容に関しては後書きで。
「う、うん……アレ? もう朝?」
朝日が照らす小川が流れている場所の近くにある芝生の上で、身体に被されていた自らが着ていた白衣を退かしながら佐久夜は目を覚ました。
寝ぼけ眼でゆっくりと周囲を見回し、自分の隣で同じように着ていた服を寝巻き代わりに被せていた少年を見つける。次の瞬間、佐久夜の顔はカアッと真っ赤に染まり、慌てて白衣の下に隠れていた自らの秘所に目を向けてみると、昨夜の情事の後が確りと残っていた。
(そ、そうだ! 昨日の夜、私遂にしちゃったんだ)
遂に少年と一線を越えた事を思い出した佐久夜は、恥ずかしさと嬉しさの余り白衣で顔を隠してしまう。
恐る恐る少年の方を見るが、件の少年は安らかな顔をして眠っていた。
(むぅっ……何だか私だけ恥ずかしがっているみたい)
先に起きたのだから仕方がないのだが、不満に思った佐久夜は朝立ちしている少年の肉棒に目がいく。
「………」
無意識に近い形で佐久夜の手が少年の肉棒に向かって伸びる。
「佐久夜様」
ビクっと佐久夜の身体が震えて、恐る恐る振り向いてみると『妖かしの森』の主である桃花が何時の間にか背後に立っていた。
「あ、あの……これは……その……」
「ご安心ください、佐久夜様。昨夜此処で起きた事は、アマテラス様とカグツチ様に申すつもりはありません」
(それってつまり……気づかれてたの!?)
今更ながら佐久夜は桃花が『妖かしの森』の主である意味を思い出した。
捻じれた空間を森の中に発生させて、入った者を迷わせる。そしてある程度、森の中を窺う能力も宿している。
つまり、桃花がその気になれば『妖かしの森』の中を離れていても、対象を指定して見る事が出来る。
自分達を心配して離れた場所から様子を見ていたと思った佐久夜は、恥ずかしさで顔を真っ赤にしながら肩をわなわなと震わせて桃花を見つめる。
「あ、あの……あれは……その……」
「先ずは身を清められた方が宜しいでしょう。流石にその姿のまま里には戻れません」
「は、はい……」
促されて佐久夜は川の方に向かって歩き出す。
「うぅ……何だか歩きづらいよ」
「人間の初めてはそういうものだそうですよ、佐久夜様」
何かが両足の間に嵌まったままのような感触に悩まされながらも、佐久夜は川の中に身を沈めて昨夜の名残りを洗っていく。
「それで佐久夜様。こうしてあの少年が起きる前に話しかけたのには理由があります」
「理由……ですか?」
「はい、昨夜もお話しましたが例の宝珠はアマテラス様にお渡しする事には変わりはありません。あの宝珠の力は、幼い子供に持たしておくには危険が大きすぎますので」
「……」
桃花の深刻さに満ちた言葉に、佐久夜も異論はなかった。
見ているだけで惹き込まれてしまいそうな魔性の輝き。悪霊の話では『世界の理を紡いだ一族』に関わる重要な代物。
そして悪霊が低級ながらも悪霊を生み出し、『妖かしの森』に存在していた悪霊の一掃に加えて、佐久夜と桃花には何の悪影響も及ぼさず、寧ろ佐久夜に関しては細かな傷が全て癒えていた。どれをとっても放置しておくには危険すぎる。
「ですので、あの子にはあの宝珠の存在は隠して置こうと思うのです」
(……うん。桃花さんの言う通り、あの子には悪いと思うけど、お母さんが持っていた方が良いよね)
身に余る力は容易く人を吞み込んでしまう。
少年を大切に想う佐久夜は、桃花の考えに同意して頷いた。
「では、佐久夜様が身を清められたらあの少年を起こしましょう……そう言えば、あの子は何という名前なのですか?」
「あっ! えーと、前に名前を聞いた時に教えて貰ったんですけど、あの子。元々住んでいた里で『一族の男子は生涯の伴侶を見つけ、歳が十五になるまで、名を名乗る事を禁じる』って言う決まりがあるらしくて、まだ名前は知らないんです」
「そうですか。特異な一族のようですから、そういう決まり事にも何か意味があるのかも知れません」
桃花は考え込むような顔をして黙り込んだ。
対して佐久夜も改めて思い出した少年の事情に顔を赤くする。
(そ、そうだ。私達……もうシちゃったんだから、名前を聞いても良いよね? ううん、あの子の名前を聞きたい!)
(フフッ、そう簡単に旦那様は本当の名前を口にはしませんよ、佐久夜様)
少年の目標は『一族の再興』。
世界の理を守護する役目を担う一族の再興は、必要不可欠。個人としても精霊としても、桃花はそれを後押しする。
(本当ならば私が旦那様の子を幾らでも孕んで産みたいところですが……精霊の排卵は百年に一度。次に私が排卵するのは百年後。正直申しまして、この話は旦那様の与太話であって欲しかった)
『真の契りの儀式』を結んだ事で、子を為せるようになった桃花だが、残念ながら人間のように一ヵ月に一度と言う周期で排卵できる訳ではなかった。
本来、精霊は子を為せない存在。その精霊が子を為せるようになるという事は、奇跡の領域に変わりはなく、そして精霊側に大きな負担を及ぼす。その負担の回復に掛かるのが百年。
残念ながら桃花が幾ら願っても、これだけは変える事が出来ない。宝珠の力を使えば、可能かもしれないが、それで桃花に悪影響を及ぼす事を少年は嫌っている。
(だからこそ、この子には沢山の愛情を注がなければなりません♥ 産まれるのは十月十日ぐらい掛かるそうですが、その時が待ち遠しい)
気を抜けば大切な命が宿っているお腹を擦ってしまいそうになるのを、桃花は堪える。
まだ誰にも妊娠している事を知られる訳にはいかない。知られれば少年の今後の計画に支障が出てしまうのだから。
「……っ!」
「桃花様?」
「……どうやらアマテラス様が巫女の方々と来られたようです。今、森の入口に来られています」
「お、お母さんが!?」
「はい……佐久夜様は急ぎ身支度を、それと『ホーリーブレス』」
桃花は自らの呪法を使用した。
それと共に佐久夜と離れたところで眠っている少年の身体が淡く輝く。
「これで少しは動きやすくなるでしょう」
「あ、ありがとうございます」
「お気になさらないで下さい。では、私はアマテラス様達のお出迎えに向かいます。彼方の少年も起こして身支度を整えておいて下さい」
ゆっくりと桃花は空中に浮遊し、空へと舞い上がって行った。
残された佐久夜は急ぎ身体を水で洗って、巫女服を着直し、眠っている少年を起こして身支度を急ぐのだった。
パチンと言う音が部屋の中に木霊した。
アマテラスに頬を叩かれた佐久夜は申し訳なさそうに俯き、それを見ていた少年はオロオロと2人の顔を見回す。
そして最後の1人である桃花は、事の成り行きを見守るように座ったまま様子を見ていた。
「佐久夜……今回、貴女は余りにも軽率な行動を多くしました」
「……はい、お母さん。ごめんなさい」
「無事であったから良かったものの、危うい状況に追い込まれていた事には変わりはありません」
何時もは優しい母の厳しい声音に、佐久夜は委縮する。
そんな佐久夜を庇うように、少年は口を挟んだ。
「あ、あの……アマテラス様。佐久夜お姉ちゃんは僕を助けようとしてくれて」
「それは分かっています。ですが、勇気と無謀は別なものなのです。貴方も今後は肝に銘じておくように」
「は、はい」
「そうだぞ、2人とも」
男性の声が響き、部屋の中にいた四人の視線が入口の方に向く。
其処には軍を率いて出立したカグツチがいた。
「今戻ったぞ、佐久夜、アマテラス……それと少年」
カグツチは先ず3人に挨拶をし、次の桃花に顔を向ける。
「お久しぶりです、桃花さん」
「お元気そうで何よりです、カグツチ様」
「『妖かしの森』の悪霊討伐が出来なくなってすみません」
「謝らなくても大丈夫です、カグツチ様達の御事情は理解しておりますから」
問題無いと言うように桃花は口元に手をやりながら微笑み返した。
「貴方……おかえりなさい。ですが、予定では帰還にもう暫らく掛かる筈だったのでは?」
「ああ、その事だが……今回討伐した悪霊達は、どうにも数こそいるが烏合の衆と言う連中だったんだ。しかも軍を率いている悪霊の姿もなかった」
「……もしや、それは……」
アマテラスは佐久夜から聞いた話を思い出す。カグツチも他の巫女から話を聞いているのか、無言で頷いた。
それだけでおおよその事情を察するアマテラスだが、子供達がいる場では話すべき内容ではないと判断して沈黙する。
「……さて、この度に関しての叱りは此処までにして、今後について話します」
ゆっくりとアマテラスは少年に目を向けた。
カグツチもアマテラスの隣に座り、少年は緊張して固まる。
「そう固くなる必要はありません。今後、貴方には術師として修業をして貰いたいのです」
「……術師? あ、あの……僕なんかが術師に成れるんですか?」
「ええ……貴方は気付いていないようですが、その身の内に宿っていた霊力が目覚めてしまっています。寧ろ術師として修業をして貰わないとなりません」
「……わ、分かりました……僕も強くなりたいです……佐久夜お姉ちゃんを守れるぐらいに!」
「まあっ……フフッ」
「ハハッ、そうだな。男なんだから女の子を守れるようにならないとな」
「も、もうお父さんったら」
顔を真っ赤にして佐久夜は呟いた。だが、その顔には隠し切れない嬉しさも混じっていた。
すると、様子を見ていた桃花が口を開く。
「でしたら、私からもその少年に贈りものをしたいと思います」
「桃花さん?」
いきなりの発言にアマテラスは驚いたように桃花を見つめた。
まさか、『契りの儀式』をするのかと考えたカグツチは目を見開き、佐久夜は警戒するように桃花を睨んだ。
「ご安心下さい。流石にそのような年端もゆかない子を相手に、『契りの儀式』は結べません」
その言葉に佐久夜は桃花から視線を逸らした。
『契りの儀式』に匹敵する事を、少年としただけに、佐久夜には何も言えなかったのだ。
「その少年は偶然とはいえ、『妖かしの森』に住み着いていた悪霊達を全て滅ぼしてくれました」
『っ!?』
桃花の説明に、アマテラスとカグツチは息を呑んだ。
広い『妖かしの森』に潜む悪霊達を全て滅ぼすのは、軍を率いているカグツチでも難しい。それを成し遂げたという少年は、茫然とした顔で自分の手を見ていた。
本当にそんな事をしたのか自覚がないという様子だった。
「それを成すことが出来たのは、とある道具のおかげですが、力を使い果たしたのか、その道具はもうありません。ですが、『妖かしの森』の主としてそれだけのことをしてくれた相手には何かお礼をしなければなりません」
「……事情は分かりました。それで桃花さんは彼に何を与えようというのですか?」
「名を与えようと思います」
「それは……いや、悪くはないか」
少年が名を名乗れない事情を知っているカグツチは、桃花の案に頷いた。
アシハラノクニにいた頃なら、そんなの下らないと思っただろうが、ネノクニではそういう風習は当たり前に残っている。
もう長くネノクニで過ごしているカグツチも、その辺りを理解していた。
(まあ、名前を呼ばないと不便な時があるからな。桃花さんが与えた名なら、里の者達も納得してくれるだろう)
『妖かしの森』の主である桃花は、里の人間達から悪霊を迷わせて人間の里に被害を出さないようにしてくれている精霊だと崇められている。
その相手から名前を与えられたとなれば、里内での少年の評価も大きく変わる。
(こればかりは里長のアマテラスや俺が言っても簡単には変えられないからな)
現代社会でも差別は残っている。
それがより強くなっているのがネノクニだ。双子は災いを呼ぶから、片方を殺せと言う迷信だって当たり前に実行されるのが、ネノクニなのだから。
その分、精霊や神と言う存在に対する信仰は強い。里内で信仰されている桃花ならば尚更だ。
「えーと……桃花様が僕に名をくれるんですか?」
「えぇ、本来の名はいずれ貴方が15の歳を迎えた時に愛する相手にお伝えください」
(むぅっ! 何だか桃花様とあの子の距離が近い気がする!)
女の勘と言うべきか、佐久夜は2人の距離の近さに危機感を覚えた。
(その子は私の! 絶対に誰にも渡さないんだから!)
「では、名を与えます。これから貴方は『リンド』と名乗りなさい」
「リンド……はい! 桃花様!」
頭を撫でながら教えられた名前に、少年ことリンドは笑みを浮かべて頷いた。
「宜しく、リンド」
「これから頑張るんだぞ、リンド」
「はい! アマテラス様! カグツチ様! 僕頑張ります!」
リンドは満面の笑みを浮かべて返事をした。
桃花も微笑みながらリンドの傍を離れる。唯一不満そうにしている佐久夜に微笑みながら。
微笑まれた佐久夜は、眼差しを強くし、2人の間に見えない火花が散る。
(今は桃花様の名を言うけど、誰よりも先に私が彼の本当の名前を知るんだから!)
(フフッ、どう足掻いても旦那様の最初の子は私が産む事に変わりはないのですよ、佐久夜様。そして旦那様の本当の名もいずれ)
人知れず女の戦いは始まっていた。
その事を悟らせないように桃花はあっさりと佐久夜から視線を外し、元居た場所に座るとアマテラスに視線を送る。
視線の意味を察したアマテラスは頷き、佐久夜とリンドに声を掛ける。
「佐久夜。本日は疲れたでしょうから、リンドをあの家に連れて行ってあげなさい」
「うん! じゃあ行こうか! リンド!」
「さ、佐久夜お姉ちゃん! そんなに引っ張らないで!」
佐久夜はリンドを連れてすぐさま部屋から出て行った。
残されたアマテラス達はその様子を微笑ましそうにみていたが、すぐに真剣な顔をして桃花に問いかける。
「それで桃花さん。何かお話があるようですが、あの子の一族に関わる話ですか?」
「はい、アマテラス様。私も襲って来た悪霊達の相手をしていて、話は十分に聞く事は出来ませんでしたが、聞き逃せない話もありました」
桃花は自身が聞いた話だと説明し、事情を知らないカグツチも含めて説明した。
「……『イザナギ様とイザナミ様と共に世界の理を紡いだ一族』の末裔」
「そんな一族が本当に……」
アマテラスとカグツチは驚きの余り目を見開いた。
嘗て二人はネノクニを荒らし、世界の崩壊を目論んだ邪神ヨモツオオカミと戦った。その時にさえ、リンドの一族のような者は現れなかった。世界の危機が迫ろうとしているのに、何故と疑問にアマテラスは思ったが……。
(いえ、寧ろ世界を護る為に現れなかった? ヨモツオオカミの正体はイザナミ様だった。もしその一族が本当にいたとしても、イザナミ様とだけは戦ってはならない)
イザナミはネノクニを支える神だった存在。
その存在と世界の理に関わる者がぶつかれば、矛盾が発生する。発生した矛盾は、間違いなくネノクニの崩壊を呼ぶ。
(後で姉さんに聞いてみないと。あの子を保護した場所に関して、ヨモツオオカミが何か言っていなかったかと)
一方カグツチも思い悩むような顔をして考え込んでいたが、彼には思い至る事が一つあった。
(俺達が世界の危機を知ったのはネノクニに来てからだった。アシハラノクニの方には何の異常も起きてなかったのは、その一族がネノクニの方で助けてくれていたからかも知れない……爺ちゃんが何かしてくれていたとは考え難いしなあ)
カグツチの脳裏にアシハラノクニにいる実の父であり、実は神だった老人の顔が浮かんだ。
「勿論、悪霊の申した事ですから、何処まで本当なのか分かりませんが……」
『っ!?』
桃花が掌に出現させた虹色の輝く宝珠を目にした瞬間、アマテラスとカグツチの胸の内で何かが共鳴するかのように鼓動を打った。
2人は瞬時に理解したのだ。桃花の手にある宝珠が、世界の理に深く関わる代物だと言う事を。
「この宝珠を使用した悪霊は、リンドの霊力を使い、低級ながらも悪霊を生み出しました」
「悪霊を生み出した!?」
「……とんでもない話だ。低級だったから良かったが……もし上級の悪霊……いや、それ以上の悪霊も生み出せるかも知れないのか」
それがどれほどの恐ろしい事なのかは考えるまでもない。たった一体の悪霊が際限なく悪霊を生み出せるようになるだけで、ネノクニの危機だ。
今回は低級で済んだから良かったものの。上級、ましてやそれ以上の悪霊が生み出されていれば今頃は里も無事では済まなかった。
「他にもこの宝珠に触れたリンドが願った事で、『妖かしの森』の悪霊達は一掃され、佐久夜様が負われていた傷も癒えていました」
「桃花さんが治したのではなかったんですか? あの子の怪我は?」
「はい、私が来た時には既に癒えた後だったのです」
アマテラスとカグツチは顔を見合わせた。
事実はともかく、桃花の手にある宝珠とリンドはネノクニと言う世界にとって、重大な存在だと示す証拠は十分にあった。
他にも問題はある。現在のネノクニの神であるアマテラスとカグツチでさえも、知らなかった事を敵側が知っていた可能性がある事。加えて……。
「『救世主を呼ぶ』……ですか」
「……覚えの在る事だ」
嘗てアマテラスに救世主と呼ばれていただけに、カグツチもこの話題を見過ごせない。
『救世主を呼ぶ』にしても何処から呼ぶのか。もしネノクニでないとすれば、場所は一つしかない。
「……再びネノクニとアシハラノクニが混じり合う日が来るのかも知れません」
厳しい声音でアマテラスは呟き、桃花の手の中で虹色に輝いている宝珠を見つめるのだった。
厳かな雰囲気に満ち溢れた武家屋敷。
弥生時代頃の文化しかないネノクニでは珍しい建築様式でありながらも、その場にいる座る四名が放つ気配にはあっていた。
その四名の中で一番年配の男性-『ヒミコ軍軍師であるオオナムジ』-が、戦果について報告する。
「我らから離反せし一党。悉くカグツチの軍勢に討ち取られたと手の者から報告が届きました。カグツチの軍が其方に気を取られている隙に、我らは無事安全圏までの退避を完了いたしました、ヒミコ様」
「ご苦労様です、オオナムジ」
オオナムジの報告に、上座に座り天幕で姿を隠した女性の声が答えた。
その女性こそ、現悪霊の総大将にしてアマテラスとカグツチの命を狙い、少年ことリンドの里を滅ぼした者。名をヒミコ。彼女は味方であっても、滅多にその姿を見せず、外にいる時は顔を隠して過ごしている。
そして四人の中で一番年若い青年-『オオナムジの息子であり、猛将ミナカタ』-が怒りと嘲りに満ちた言葉を発した。
「ふん! 裏切り者どもにはお似合いの末路だ! こともあろうにヒミコ様を裏切り、その命を狙おうとしたのだからな!」
その言葉の端々からは出来る事なら自分自身の手で裏切り者達を処罰したかったという意思が篭っていた。
ミナカタは若輩でありながらも、ヒミコ軍の悪霊全てを統括している将。それ故に、今回の離反した裏切者達に対する感情は並々ならぬ思いを持っていた。
そんなミナカタに、ヒミコが声を掛ける。
「ミナカタ。この度の離反した者達に対する責任は、貴方にはありません。全ては私の不徳の致すところ」
「ヒミコ様……ですが、この度の裏切りは俺が配下を従えきれなかった故に起きてしまったこと……かの一族との争いに勝利した喜びに浮かれてしまったばかりに」
「いいえ、違います……私が不用意にも、『アシハラノクニより救世主を召喚する』と告げたのが、かの者達の怒りを引き起こしたのです」
元来、悪霊とは個が強い者達。
ミナカタやオオナムジのように心からヒミコに忠誠を誓っている者達も居れば、その力に恐れをなして従っている者達も当然いる。今回、ヒミコ軍から離反したのは後者の者達。
「かの一族との戦いで、私はその力を半分も失ってしまいました。その補填をする為に、救世主様を呼ぼうとした事が彼らには大いに不満だったのでしょう」
恐れていたヒミコが、その身に宿していた力を半分も失い、更にアシハラノクニから救世主を呼ぼうとしている。
そして……アシハラノクニからヒミコが呼ぼうとしているのは……『人間』。悪霊は総じて人間を見下している。
そんな見下している存在が上に立つなど我慢ならなかった者達こそが、カグツチの軍に討たれた悪霊達。
そしてそうなるように仕組んだのが、軍師であるオオナムジだ。
(ヒミコ様のお力が半分も失われた今、アマテラスとカグツチの相手をするのは不可能……かの一族。ヒミコ様が仰るには、太古の昔に『イザナギとイザナミと共に世界の理を紡いだ一族』。その称号に相応しき一族だった)
目を閉じたオオナムジの瞼の内側に、かの一族と繰り広げた激戦が浮かんだ。
勝てたのは、まさに奇跡。一族の人間と一緒にいた精霊達の強さは、まさに化け物級。策を練りに練ったオオナムジも、何度死を予感したのか分からないほどの戦いだった。
だが、最終的には勝利した。悪霊の総大将であるヒミコが力を失うという手痛すぎる代償を背負う事によって。
(本来ならばその穴埋めは、かの一族達の力を奪う事で補填する手筈だったが、奴らはそうなる前に自ら命を散らした。奴らが所持していた秘宝の在処も不明。流石は世界の理を陰ながら守護し続けた一族。敵ながら見事と言う他あるまい。おかげで我らは今しばらく隠れ潜むしかなくなった)
総大将であるヒミコの力の半減。他にもかの一族との戦いで失われた配下達。
どれをとってもヒミコ軍は弱体化の一歩を辿っていた。だからこそ、ヒミコは救世主を呼ぼうとしたのだが、それを気に食わない一部の軍が離反。
(……相応の覚悟はしていたが、大損害と言う他にない。唯一の救いがあるとすれば、かの一族が滅んだことによってヒミコ様の目的が進んだことぐらいか……せめて)
オオナムジの視線が、この場にいる最後の一人である耳の辺りから角を伸ばし、軍議が始まってから一言も話さず目を閉じている長身の女性-『ヒミコの側近である
(麟が参戦していれば……だが、ヒミコ様が頑なに麟を参戦させないと告げたのだ。私達にも話せない深き事情があるのだろう。どちらにしても、最早後戻りは不可能なのだ。ならば、現在の状況で打てる手を考えるまで。幸いにもアマテラスとカグツチは我らの状況を知らぬ)
すべきことを見出したオオナムジは、今だ荒れているミナカタに声を掛ける。
「ミナカタ。そう怒りに身を任せるよりも、我らは今残っている者達で軍を編成し直させねばならない」
「……分かっている、父上。我らの戦いは、ヒミコ様が願いを成就される日まで続く」
「2人とも変わらぬ忠誠に感謝します」
「……では、ヒミコ様。我らは軍の編成を行ないに参らせて頂きます。行くぞ、ミナカタ」
「応、父上」
ミナカタとオオナムジは立ち上がり、部屋を出て行った。
残されたヒミコと麟は2人の気配が離れるのを察、今まで黙していた麟が目を開けた。
「……かの一族の討伐に参戦出来なかった事を深くお詫びします」
「よいのです、麟。かの一族と精霊である貴女が出会えば……貴女も惹かれてしまうのですから」
「っ……」
ヒミコの指摘に、麟は思わずお腹を擦ってしまった。
不変の存在である精霊にとって、かの一族は毒であり……同時に福音。遥か昔、麟は目にしたことがあった。
子を為した精霊とそれに寄りそうかの一族の人間を。
(凛々しき精霊でした……なのに、かの一族の者と出会い、子を為した事によって彼女は変わっていた……私もそうなっていたかも知れない)
想像してしまう。子を為し母となった自身を。
(いけない! 私はヒミコ様に仕える者。最早失われた奇跡に気を向けている暇などない)
かの一族の人間が全て滅んだ今、最早奇跡が精霊と言う存在に起きる事はない。
「……事実を知れば、多くの精霊に私は恨まれるでしょうね」
「いえ、現代に存在する精霊は、かの一族を知りません。知っているとすれば……四聖獣達ぐらいでしょう」
「彼の者達は、日の光の下から影に生きる事を選んでいた。しかし、私が為そうとしていること知れば、表に出てアマテラスとカグツチと共に戦ったでしょう。そうなる前に、何としても滅ぼさなければなりませんでした」
ヒミコには何としても為さなければならない目的がある。
その目的の為に既に……思いを寄せていた相手さえも滅ぼし、その力を奪ったのだ。
(今更私は後戻りできません。いえ、するつもりもありません……なのに)
「……っ!? ヒミコ様! もしや!?」
天幕の向こう側で、ヒミコが自らのお腹に手を添えるのを察した麟は目を見開いていた驚いた。
「……最後の最後で……あの戦っていた女性当主にしてやられました……『貴様も、本当の意味で命を産む重さを知れ』……それが彼女が最後に残した言葉でした」
ヒミコの体内。そしてその子宮には、本来ならば人の枠を外れたヒミコが宿す事のない命の種。つまり、卵子が存在していた。
その卵子は、特殊な術で保護されているのか、日数が経過しても衰える様子もなくヒミコの子宮内に宿っている。そして……ヒミコには卵子を消すことは出来なかった。同時に……。
(……スサノオ様……)
愛した男の子を宿したい。ヒミコは祝福と言う名の呪いをその身に受けてしまっていた。
麟はヒミコの様子から心の内を察して、静かに目を閉じる。
(……かの一族は全員滅んだ。ならば、残るはアマテラスとカグツチを討ち取るだけ……それでヒミコ様の願いは成就されるのだから)
その時まで自分はヒミコの傍で仕え続けると、麟は改めて強い決意を固めた。
ヒミコと麟はまだ知らない。かの一族が自分達の血を絶対に絶やさぬ事を決めていた事を。
そして……ヒミコが殺した女当主の息子が生き残っている事を、彼女達が知ったのはずっと後になってからだった。
一先ずの会談を終えた桃花は、より詳しい話は後日にしようとアマテラスとカグツチを決め、宝珠を渡し終えた後、里内を歩いていた。
(アマテラス様は間違いなくあの宝珠を手元に持ち続けるでしょう。そうなればいずれアマテラス様は)
アマテラスに渡した宝珠は、世界の理に関わるもの。それに理を守護する一族が危機的になった状況を見逃すことは無い。一族を増やす為に、あの宝珠は容赦する事はない。
アマテラスとカグツチの認識は、リンドの手によって少しずつ変わっていたが、これからは更に変わっていくだろう。桃花は子を宿した影響のおかげなのか、直接持っていても影響はなかったが、他の者では間違いなく悪影響を受ける。
あの佐久夜とリンドを襲った烏天狗の悪霊のように。
それが分かっていながらも桃花は何も言うつもりはない。桃花が今何よりも大切に思っているのはリンドと自らの子宮に宿る血を分けた子なのだから。
袴の上から手で触れて、子宮に宿っている小さな生命に桃花は、思わず口元に浮かびそうになる笑みを堪えながら里の中を歩いて行く。
里の住人が桃花に気がついて、会釈してくる。それに応えるように桃花は微笑み返しながら、そのまま前へと進んで行く。
(里の住人に私を印象付けて、名を与えた旦那様に対する印象を良くしないと行けません)
これから立場が良くなるとしても、やはり不満に思う人間は出て来る。
そういう人間を少しでも減らす為に、桃花は里内を歩く。
そしてある程度歩き終えると、里の外れの方に向かって行く。その先にある家を見つけると、気付かれないようにしながら窓から中を覗いてみる。すると、其処には……。
「あッ♥ んぁッ♥ 良い♥ 其処良いよ♥ もっと突いて!」
「う、うん! こうだよね、佐久夜お姉ちゃん!」
「あひッ♥ あああッ♥ 初めての時よりも気持ち良いよ♥」
巫女服を全て脱ぎ捨て裸身を全て晒した佐久夜と、同じように全裸になったリンドが正常位で繋がりあっていた。
腰と腰がぶつかり合う淫靡な音が鳴り響き、2人の結合部は飛び散る佐久夜の愛液で濡れ切っていた。
激しい2人の交じり合いに覗き見ていた桃花は熱い吐息を溢し、思わず袴の上から秘所に手を伸ばしてしまう。
(ああっ♥ 旦那様。今は無理ですが、子供が安定期に入ったら私にもその逞しい肉棒を下さいませ♥ 佐久夜様よりもずっと旦那様をお喜ばせして見せます♥)
「あはっ♥ お姉ちゃんの方がもう我慢出来ない。でも貴方の本当の名前は、お姉ちゃんが最初に教えて貰うからね♥」
(フフッ、そうなる前に佐久夜お姉ちゃんの方が僕の肉棒欲しさにお尻を振るようにしてあげるよ。母親のアマテラス様と一緒にね)
「ああっ♥ イ、イッちゃう♥ ふあぁぁぁぁ――っ♥」
びゅるるるるるッ、びゅくッ!
膣内で爆発するように射精された精液の熱さに、佐久夜は顔を綻ばせた。
リンドも息を大きく吐いて、一息つくと、ゆっくりと佐久夜の顔に自分の顔を近づける。
その意味をすぐに察した佐久夜は笑みを浮かべて迎え入れ、2人の唇が合わさる。そのまま互いの舌を絡めあい、唾液を交換し合う。
「んっ、ちゅっ♥ ……良いよ、リンド♥ 昨日はお姉ちゃんが好きに動いたから、今日は貴方の気が済むまで好きに動いて良いからね♥ あん♥」
佐久夜の胸に小さな手が押し当てられ、揉みしだくように愛撫しながら腰が動き出す。それを佐久夜は微笑みながら受け入れて再び腰をぶつけ合う。
2人の淫乱に満ちた交じり合いは夕暮れになるまで続き、桃花はその様子を余すことなく覗き見し続けたのだった。
琴乃編が終了した後のエロに関して。
蔓編:内容に関しては前回と同じで、琴乃が来る前に起きた出来事。(本番在り、孕ませ)
美由紀編:謎の現象が出雲学園発生。別の時空からスサノオに保護される前の『塔馬美由紀』が来訪。後々芹との疑似親子丼フラグ確定。(本番在り)
アマテラス編2:修業に成功。そのご褒美してアマテラスは『馬』になる。(ギリギリ微エロ)
琴乃編2:日々楽器練習に勤しみ、傷心を癒されていく琴乃。しかし、リンドと佐久夜の関係を知り、彼女は遂に一大決心する。(本番在り、孕ませ)
因みに佐久夜のエロは蔓編とアマテラス編以外には入れていく予定です。
アマテラス、佐久夜、琴乃の妊娠について。
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琴乃が堕ちた段階で孕ませる
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四聖の社全て攻略後に孕ませる
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サヨ関連終了後に孕ませる
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イザナミも加え、四人そろって孕ませる