IZUMO2〜鬼畜ショタ性記〜 作:イズモ
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でしたので、登場は白虎になりました。
次回、出ます。
白鳥琴乃がネノクニにやって来てから一週間以上が経過したある日、アシハラノクニに行っていたツクヨミが漸く里に帰還した。
「はぁっ、やっぱりこっちの方が力の回復が早いわね。アシハラノクニだと、本当に力が回復しないんだから、配分には困らされたわ」
「お疲れ様です、姉さん」
「お疲れ、ツクヨミ。無事に帰って来てくれて良かった」
会議の場として使っている部屋でアマテラスとカグツチは、疲れ切った顔をしているツクヨミを労っていた。
「それでツクヨミ。渚の娘さんの『汀』ちゃんはもう大丈夫なのか?」
当初の予定を大幅に超えてツクヨミがアシハラノクニに居続けた理由は、言うまでもなく嘗て邪神ヨモツオオカミを相手に共に戦った仲間である『倉島渚』の娘にして『ヤマタノオロチ』の転生体である『倉島汀』の処置を行なっていた為である。
「汀の方はもう大丈夫よ。ヒミコから解放されて、転生体の汀に戻って来た『ヤマタノオロチ』の一部の力にしがみついていた残留思念は完全に祓ったわ。汀にも力の制御方法は教えて来たし、取り敢えず当面は大丈夫でしょうね」
「……
「ええ、そうよ。今回はあくまで戻って来た力の一部にしがみ付いていた残留思念……まだ、大半の力を所持しているヒミコがいる以上、汀に『ヤマタノオロチ』の残留思念が憑りつく可能性はあるわ」
『…………』
知らされた事実にアマテラスとカグツチは揃って険しい顔を浮かべた。
今回は運良くツクヨミがアシハラノクニに向かい、着いたと同時に『ヤマタノオロチ』の気配を感じて急行したおかげでその復活を防ぐことが出来た。
だが、まだ大半の『ヤマタノオロチ』の力を所持しているヒミコが存在している以上、同じ事が起きないとは限らない。しかも、それだけではなくツクヨミはアシハラノクニで出会ってしまった。
嘗て共に邪神ヨモツオオカミに仕えた者の転生体と。
「……ツクヨミ。『宝貝』でも聞いたけど……本当なんだな?
「……ええ、本当よ。私が
「……『闘神スサノオ』の転生体。『
その報告を聞かされた時は、アマテラスとカグツチ、そして今はこの場にはいない青龍も言葉を失って驚愕するしかなかった。
『ヤマタノオロチ』の転生体である『汀』だけではなく、『スサノオ』の転生体までアシハラノクニに存在していたのだから。確かに『ヤマタノオロチ』と『スサノオ』は、同時期にヒミコに敗れてその力を奪われてしまった。
だからと言って、一緒の時期にアシハラノクニで転生し、更にはすぐ近くにいるなどアマテラス達は想像だにもしていなかった。
しかも、二人の転生体は幼馴染の上に、婚約話まで出ているとツクヨミから報告された時は、アマテラス達はもう言葉も出なかった。
「渚から汀の好きな相手が、お見舞いに来るって聞かされて、隠れて霊体化して剛を見た時は本当に言葉を失って、思わず霊体化を解いてしまいそうになったわよ」
「そりゃ、そうだよな」
「ええ」
カグツチとアマテラスは揃って同意するしかなかった。
『スサノオ』に『ヤマタノオロチ』。どちらもアマテラス達に縁がある相手。
特に『スサノオ』は、イザナミの半身である邪神ヨモツオオカミの息子でもある。複雑な関係ではあるが、カグツチの弟でもある。
ツクヨミに至っては、元同僚にして共に邪神ヨモツオオカミの双璧とまで呼ばれていた。
ヨモツオオカミとの決戦後にカグツチ、アマテラスと和解し、『スサノオ』は『女郎蜘蛛の精霊である楓』と共にネノクニを旅している最中にヒミコと戦い敗れて死んだ。
輪廻転生の理に寄って、アシハラノクニに転生しているかも知れないとカグツチ達は考えていたが、まさか、その転生体である『剛』が、『ヤマタノオロチ』の転生体である『汀』に好意を寄せられているなど想像できる筈がなかった。
「後で詳しく渚から聞いた話だと、丁度リンドが桃花にこの里に連れて来られる少し前の時期に、急に汀が剛の傍に居たいって我儘を言い出したらしくてね。その頃に汀の力が急に増して、大変だったそうよ。取り敢えず我儘を聞いて、剛が傍に居させたら落ち着く事が分かったからそのままにしておいたらしいわ」
「だけど、琴乃ちゃんがネノクニに召喚された時にはまた暴れ出したんだよな?」
「チャンスだと思ったんでしょうね。剛の魂の気配から、『スサノオ』の転生体だと残留思念は察知して潜んでいたけど、一時的にでも転生体の代わりになる負の集合体を利用して身体を作っていたわ。私が間に合わなかったら、先ず最初に渚が犠牲になっていたでしょうね」
「……では、渚さんは?」
「ええ……娘が人質になっていたのもあると思うけど、今の渚には昔ほどの力は無いわ」
ネノクニの神となったアマテラスやカグツチと違い、渚は人間。
霊力を持つ者は持たない者より老化が遅いので、アシハラノクニにいる渚も実年齢よりも若く見えるのだが、それ以上に霊力を扱った戦いから離れ過ぎてしまっているのですっかり腕は錆びついてしまっていた。
再びネノクニに来て鍛え直す事も可能だが、其処までさせる訳にはいかない。
「まっ、あっちでの私の行動の手伝いだけで充分よ」
「そうだな。渚にもあっちでの生活があるし」
「此方の事情を知っている渚さんが姉さんの手伝いをしてくれるだけで、本当に助かります」
時間のズレは起きたが、一年後にヒミコが琴乃をネノクニに召喚しようとしたのは紛れもない事実。
それは間違いなく悪霊の手の者がアシハラノクニに居る事を示している。その者を放置しておく訳にはアマテラス達は行かない。
「『反魂の術』でアシハラノクニから誰かを呼び出す為には、術師とその相手の間に強い縁が必要……しかし、琴乃さんの件でヒミコ側には会った事もない相手でも、呪いと言う縁を施す事で呼び出す事が可能だと分かりました」
「それを今後は防ぐためにも、アシハラノクニにいる一年後の琴乃をネノクニへの召喚の場を見張ってヒミコ側の手の者の正体を知る必要があるわ。今回みたいなことを繰り返されたら堪らないわよ」
「ああ。絶対に見逃す訳にはいかない」
琴乃一人だけの歪みでも対処に苦労すると言うのに、この上更に人数が増えでもしたらアマテラス達だけでは対応し切れなくなってしまう。
今でさえ、『鏡』の精霊武具の存在が無ければ、琴乃には申し訳なく思っても一年以上ネノクニに滞在して貰わなければならなかったのだから。
「まっ、それはそれとして……ヒミコが呼び出す可能性がある『救世主』の候補が、アシハラノクニに居るのは明らかね」
「『ヤマタノオロチ』に『スサノオ』の転生体……それに琴乃さんの妹で綾香さんのもう一人の娘さんも……その候補ですね、姉さん?」
「ええ、そうよ」
『…………』
アマテラスとカグツチは険しい顔を浮かべるしかなかった。
『ヤマタノオロチ』と『スサノオ』は共にヒミコにネノクニで破れて滅ぼされているが、前世の記憶がない転生体である『汀』と『剛』には関係ない。
当初は滅ぼした相手をわざわざ苦労してネノクニに召喚する筈がないと思っていたアマテラス達だが、神話級の悪霊だった『ヤマタノオロチ』と『スサノオ』の転生体となれば話は大きく変わる。
万が一にも『汀』と『剛』の両名がヒミコ軍側についてしまえば、せっかく追い込めている状況を一変させられかねないのだ。
後者の綾香のもう一人の娘に関しても、姉である琴乃が膨大な霊力を宿し、『無属性』と言う特異な属性を持っている以上、油断はできない。
何よりもカグツチ達と共に戦った綾香の娘なのだから。
「ただねえ……」
「姉さん、他にも何か気になる事が?」
「ええ……直接会話とかはしなかったけど、『剛』は間違いなく『スサノオ』の転生体よ。元同僚の私が見間違える訳がないんだけど……何だか『スサノオ』にしては弱い? 低い? ……ごめんなさい、表現するのがちょっと難しいわね」
『大斗剛』は間違いなく『スサノオ』の転生体。
だが、付き合いがそれなりにあったツクヨミは違和感のようなものを感じていた。魂は間違いなく『スサノオ』。なのに、どうしてかツクヨミは違和感のようなものを感じて仕方がなかった。
アマテラスとカグツチも、その意見に考え込む。他ならぬ『スサノオ』と共に邪神ヨモツオオカミに仕えていたツクヨミの意見は、聞き逃して良いものではないのだから。
「もしかして、アイツの力がヒミコに奪われているからじゃないのか?」
「そうなのかしらね?」
感覚的なものなのでツクヨミもハッキリした答えが出せずにいた。
或いは、件の転生体である『剛』と直接ツクヨミが会話をすれば答えが出るかも知れないが、今は迂闊にアシハラノクニ側に干渉できない。
既に出会った渚と汀はともかく、これ以上誰かに会って下手に干渉してしまったら巡り巡って、今アシハラノクニにいる『白鳥琴乃』に影響が及ぶ危険性がある。
(本当に頭の痛い事をしてくれたわね、ヒミコの奴はっ!? おかげで『お義父様』に会えなくなったでしょうが!?)
密かにアマテラスが決して直接会えないイザナギこと『塔馬六介』への挨拶をツクヨミは目論んでいたが、現状で琴乃の知り合いである六介に会える筈がなく断念するしかなかった。
「で、カグツチ。いえ、ヒカル。いい加減、私達に話してくれないかしら?」
「何をだ、ツクヨミ?」
「惚けないで頂戴。青龍はどうにも知っているみたいだけど……綾香達は何者なの?」
「……」
「貴方、お願いします。ヒミコが琴乃さんを召喚した理由は、もしかしたら綾香さん達の秘密にあるのかも知れません」
「……分かった。出来れば、話さずに済めば良かったんだけど、綾香さんの娘の琴乃ちゃんが召喚された以上、そうも言ってられないよな」
思い悩む顔をしながらカグツチは、アマテラスとツクヨミに話す。
嘗て共に戦い、アシハラノクニに還っていった四人の女性。『塔馬美由紀』、『倉島渚』、『水瀬七海』、『橘綾香』に隠されている秘密の全てを、カグツチは二人の妻に話した。
「……まさか、美由紀さん、渚さん、七海さん、そして綾香さんが、イザナミ様にお仕えしていた神官の方々の娘だったなんて」
「俺がそれを知ったのは、朱雀と『契りの儀式』を交わした時に見た『胎児の夢』の内容からだ……皆には話さなかった。ネノクニで産まれたのは事実だけど、もう皆、アシハラノクニでそれぞれ生活があるんだ」
「まっ、それは間違っていないわね。貴方のようにこっちに残るならともかく、アシハラノクニで生活を続けるなら知らない方が良い事よ」
(事前にリンドから報告を聞いて知っていたけどね、私は)
アシハラノクニに居ながらも、ツクヨミにはアマテラスから渡された以外の『宝貝』があるので、リンドとは毎日現状に関してのやり取りをしていた。
その中には当然、青龍から聞いた綾香達の情報も含まれていた。
(聞いた時は驚いたけど、同時に納得も出来たわ)
幾ら六人がかりとは言え、ツクヨミの強さならば普通は返り討ちにあわされる。
だが、カグツチ達は逆に襲い掛かったツクヨミに勝ってしまった。それは綾香達が秘めていた潜在能力が人間の身でありながらも、四聖獣に匹敵していたからだ。
(偶然じゃなくて、全てはイザナミ様のお考え通りになった訳ね)
流石は自身の主の半身だとツクヨミは感心しながら頷く。
「そう言えば、アマテラス。琴乃は今はどうしてるの?」
「琴乃さんでしたら、今は舞の練習場にいます。そろそろ
「
一瞬、言われた意味が分からずにツクヨミは首を傾げた。
その疑問に応えるように、何処からともなく優雅で美しく、しかし何処か物悲しさを感じるメロデイが聴こえて来た。
「っ!? ………これは、まさか、琴乃なの!?」
屋敷から舞の練習場までは距離がある筈だと言うのに、琴乃が奏でる笛の音が届いている。
それは短期間で身に付けてしまった霊的技術のおかげ。
奏でられるメロディには、霊力が乗っていて、遠くにいる筈のツクヨミ達にも届かせているのだ。
(音に霊力を乗せるなんて、高等技術で巫女達でもかなりの修練が必要なのよ!? それをあの子はこんな短期間で身に付けたって言うの!?)
天才と言う言葉でも足りない程の琴乃の才能に、ツクヨミは戦慄を覚えずにはいられなかった。
「琴乃さんには最初はリンドと同じように勾玉の呪法を使って、霊力を扱う感覚を覚えて貰うつもりでした。でも、佐久夜と桂香が音楽の練習場を案内していた時に、音が強く心に響く事を聞かされてその理由を教えたら……」
「琴乃ちゃんも興味を覚えて自分から習いたいって言ってくれたんだ。戦いのやり方で霊力を目覚めさせるよりも、興味の覚えてる方が良いかと思ってやらせてみたら……見ての通りだ」
「……全く、こんなにあっさり高等技術を覚えられたら、琴乃がやっぱり『悪霊の救世主』じゃないかと思うわよ」
その意見にアマテラスとカグツチも思わず同意してしまいそうになる。
恐らく琴乃は自分がどれだけ凄い事をしてしまっているのか、理解していないだろう。
「最初は里の皆も琴乃さんの笛の音には驚きましたが、とても良い音色なので、好意的に受け止めてくれています」
「巫女の皆もだ。何人か笛を扱っている事は、琴乃ちゃんに逆に教わっているぐらいだ」
「でしょうね。この音色は確かに心を落ち着かせてくれるわ」
(こんなに上手いんだったら、もしかしたら琴乃なら『鏡』だけじゃなくて、『横笛』の方も扱えるかも知れないわね)
『鏡』の精霊武具と同じく『無属性の精霊武具である横笛』。
同じ『無属性』にしか扱えない為に、ツクヨミがサギリから受け継いだ空間の中に他の遺産と共に保管されている。
(とは言っても
ツクヨミは渡された大地の精霊武具である刀を
或いは持ち主に相応しくないと判断されて、全く使えなくなってしまった者も何人かいる。
優れた武具は持ち主を選ぶというように、『精霊武具』もまた持ち主に相応しいかどうかを判断する。
琴乃が使う予定の『鏡』の精霊武具にしても、
尤もそのごく最近の出来事で充分だからこそ、『鏡』の精霊武具を使うのだが。
(下手な未来なんて見られても困るわ。何せ、あの『鏡』の精霊武具で見た未来は、
その事実だけでツクヨミだけではなく、アマテラス達も『鏡』の精霊武具は琴乃の件が解決した後に封印される事が決まっていた。
例え『無属性』を宿す者しか扱えないとしても、『鏡』の精霊武具は危険極まりないものだとアマテラス達は理解していたからだった。
鳴り響く優美な音楽に合わせて、舞の練習場で佐久夜が両手に持った扇を広げながら舞う。
それを見学していた巫女達や里の民は、思わず息を呑んでしまう。
佐久夜の舞が里で一番である事は誰もが知る事。毎年行われる行事や祭りには必ず佐久夜が舞を踊っている。
だが、今行なわれている舞は本番ではなく練習だと言うのに、神秘ささえ感じてしまう程だった。
佐久夜が身体を舞わせるたびに、これまでになかった色気のようなものが発せられ、音楽に惹かれて来た男性は見惚れてしまう。
女性の方はその美しさの前に息を呑み、羨望の眼差しを佐久夜に向ける。
しかし、この舞はただ佐久夜の美しさだけで完成したものではなかった。
佐久夜の舞の魅力を引き立てているのは、奏でられる音楽。
里一番の琵琶の弾き手である桂香と、僅か一週間ほどでその実力を引き上げた横笛を奏でている琴乃の演奏が合わさり、練習でありながらも誰もが魅了される舞が完成されたのだ。
三人は息もぴったりと合わせて舞を奏で、やがて演奏が終わると共に佐久夜の舞も終わった。
『おおおおおおっ!!!』
歓声と共に拍手が鳴り響く。
中には練習だったと言うのに目尻に涙を浮かべて感動している者までいた。惜しみの無い拍手に佐久夜、桂香、琴乃は一礼する。そのまま三人は練習場の裏手に移動する。
「今日も良かったね!」
「ええ、本当に良い演奏が出来ました」
「とても楽しかったです!」
佐久夜、桂香、琴乃は嬉しさの余り喜び合っていた。
特に琴乃の喜びは他の二人よりも上だった。理不尽な形でネノクニに召喚され、大切な家族や想い人と会えず、寂しさと不安を感じる日々が続くと思っていた。
アマテラス達は確かに琴乃を支えようとしてくれているが、出会ってまだ間もないので琴乃が抱いている寂しさと不安を埋めることは出来ない。
そんな琴乃が出会ったのはネノクニの音楽。琴乃にとって音楽は熱中しているもの。しかも、音楽を通して霊力を扱う練習も出来ると教えられ、必死にそのやり方を覚えた。
嫌々ではなく、進んでやって居るのだから上達が早いのは当然。
潜在的に眠っていた才能もあって、短期間で琴乃は笛においては里一番の琵琶の弾き手であった桂香と共に奏でられる演奏家に成長してしまった。
(私が帰って演奏を聴いたら、きっと驚いてくれる。こんなに演奏が上手くなったんだし、それに……身体の調子がずっと良くなったから!)
自分でも自覚できるほどに、身体が楽になっていくのを琴乃は実感していた。
幼い頃から悩まされ、今でも体力の無さに嘆く時があった自身の身体が健康になっていく。
絶望的な状況だった筈なのに、帰る事さえ出来れば希望に満ち溢れた日々が待っているに違いないと、琴乃は思う事が出来るようになっていた。
嬉しそうに笑っている琴乃に釣られて佐久夜も桂香も笑顔を浮かべる。
すると、舞で搔いた汗に気付いた佐久夜が二人に声を掛ける。
「琴乃さん、桂香、汗かいたから、温泉に行かない?」
「そうですね、演奏に熱中して汗が出ましたし」
「私も良いですよ」
里の温泉もまた琴乃の楽しみに一つであった。
温泉などアシハラノクニでは、旅行にでも行かなければ入れないだけに、琴乃にとっては得したような気持ちになれる。しかも、この温泉は霊脈の影響なのか、身体に良い影響を促してくれる。尤も入り過ぎには注意だが、適度に入る分には問題ない。
すっかり仲良くなった三人は、屋敷の方に向かって行く。
里の中にも温泉はあるが、そっちは里の人達も入るので、立場が上の佐久夜達が向かってしまうと相手を恐縮させてしまう。
それに入るならのんびりと気兼ねなく入れる屋敷の方が良いため、三人が屋敷に向かって歩いていると……。
「あっ! リンド!」
「っ……」
丁度屋敷の外でようとしていた籠を背中にリンドと佐久夜達は鉢合わせした。リンドの姿を見た琴乃は一瞬顔を険しくした。
(いけない……リンド君は違うって分かってるのに、どうしても気にしちゃう)
琴乃自身も悪い事だと分かっているが、どうしてもリンドの背格好とネノクニに来る前にアシハラノクニで見ていた『自分が年下の少年と結ばれて愛を誓う夢の中の少年』に似ているために、警戒が先ず出てしまう。
幸いにもリンド本人は琴乃の警戒に気付いていないのか、気にした様子もなく佐久夜達に笑顔を向けた。
「佐久夜様、琴乃様、桂香様、お疲れ様です。舞の稽古は終えられたのいひゃいいひゃい!!」
「リンド~~っ」
佐久夜は笑顔を浮かべながら怒気を発してリンドの両頬を引っ張った。
「私達が三人の時は、普通に呼んで良いって言ってるでしょう!?」
「ゆるひぇっ! ゆるひぇっ! さくやおねえひゃん! ひまぁっ! ツクヨミひゃまにあいひぃ、うわひゃくのひひょが、ひってるからぁ!」
「えっ!? 伯母様が戻って来てるの!?」
『っ!?』
リンドが必死になって伝えた事実に佐久夜は頬を引っ張るのを止め、琴乃と桂香も驚愕で目を見開いた。
アシハラノクニに行ったっきり戻って来なかったツクヨミの帰還。それは聞き逃せる話ではない。
特に琴乃にとっては、過去の自分をツクヨミが確認したと聞かされているのだ。会って直接話を聞きたいと思うが……。
「佐久夜お姉ちゃん。今は会うのは無理だと思うよ。例の件が延期になった理由を改めて軍師のツクヨミ様に尋ねたいって、兵の人達も来ているから。会うのはもう少し待った方が良いよ」
「うん、分かった。教えてくれてありがとう、リンド」
「じゃあ、僕は畑の方に行くように葉子様に言われているから行くね」
「そっか……リンド、頑張ってね」
「うん。失礼します、佐久夜様、琴乃様、桂香様」
籠を背に背負ったまま、リンドは屋敷を出て行った。
「リンド君……本当に忙しいんですね」
リンドの後ろ背を見送った琴乃が呟く。実際、琴乃がリンドと出会っても、すぐに何らかの仕事が入って離れていくことが多い。だが、その忙しさが明らかに琴乃が知る一般的な子供の許容範囲を超えているとしか思えない忙しさだ。
一体何故と疑問に思っている琴乃に桂香が説明する。
「あの子は少しでも里の皆に認められたいと頑張っていますから」
「リンド……」
想い人の背を佐久夜は熱い目で見つめる。
意地悪はしてしまったが、リンドが本心から従者としての対応をしている訳ではない事は佐久夜も分かっている。
「…………」
(私もリンド君に対して気を付けないと)
何時までも夢の中の少年とリンドを重ねてはいけないと、琴乃は思った。
(アレ? そう言えば、あの変な夢? こっちに来てからずっと見ていない?)
今更ながらアシハラノクニに居た頃に見ていた夢を見なくなっていた事に、琴乃は気が付く。
だが、幾ら考えてもその疑問の答えが出る筈もなく、首を傾げるしかなかった。その様子を見ていた桂香は……。
(夜中に散々ご主人様にその肢体を弄ばれている事を、琴乃様は知ったらどう思うのかしら?)
裏ではちゃんと琴乃の開発をリンドは進めている。表立って動かないのは、琴乃の無意識の警戒に気が付いているから。
昨晩は遂に乳首だけで絶頂させられ、遂に下半身の性感帯にもリンドは琴乃は行ない始めた。桂香はその手伝いとして眠っている琴乃の手足を押さえる役を担っている。
(琴乃様、早くご主人様の番の雌になって下さいね♥)
そうすれば何の罪悪感も抱かずに、お仕えできると思いながら、桂香は佐久夜、琴乃と共に屋敷内の温泉場に向かうのだった。
原作でも琴乃はヒミコの呪力が笛があったにしても、凄い事をやりまくっていたので、今作では2のヒロインの中で一番チート的になります。
また、現状スサノオの転生体の片割れである『剛』を見つけましたが、アマテラス達は『剛』がヒミコの本命だとは気づいていません。
琴乃、汀と言う規格外の二人もいるだけに、もしかしたら他にもいるのではないかと警戒していますが、ヒミコのやらかしで現状は迂闊にアシハラノクニに干渉できない状況です。なので、もう一人のスサノオの片割れである『猛』の存在も気づいていません。
そして次のアンケート。
『鏡の精霊武具が映す未来の光景で、出て欲しいリンドのエロの相手は?』
1.ヒミコ(調教エロ。捕縛され、木の蔦で縛られてアナルセックス)
2.明日香(誘惑エロ。姉である琴乃と一緒に帰る為にリンドを誘惑してセックス)
3.芹(敗北エロ。空手の稽古で寝技で敗北。そのままセックス)
4.麻衣(籠絡エロ。スレンダーな肢体の魅力を使ってリンドを籠絡しようとする)
以上の四名です。
アマテラス、佐久夜、琴乃の妊娠について。
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琴乃が堕ちた段階で孕ませる
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四聖の社全て攻略後に孕ませる
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サヨ関連終了後に孕ませる
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イザナミも加え、四人そろって孕ませる