IZUMO2〜鬼畜ショタ性記〜 作:イズモ
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「おかえりなさい、伯母様!」
「ええ、ただいま、佐久夜」
温泉に入って汗を流し終えると共にツクヨミが呼んでいると報告に来た巫女から聞かされた佐久夜は、すぐさま琴乃を伴って部屋に訪れた。
一緒に居た桂香は部屋の外で待機している。彼女はあくまで琴乃の世話役であり、ツクヨミだけではなくアマテラス、カグツチが同席している部屋に入れる立場でもなく、また本人も恐れ多く拒否した。
佐久夜に続き、難しい顔をした琴乃が部屋に入って来た。
「久しぶりね、琴乃」
「お、お久しぶりです、ツクヨミさん……あ、あのそれで本当に、ツクヨミさんが行った世界は……私にとって一年前の過去なんですか?」
アマテラス達を信じていない訳ではないが、それでも証拠のようなものが欲しいと思った琴乃はツクヨミに質問した。
その類の質問が来るのを分かっていたツクヨミは、脇に置いてあった丸まった紙の束を琴乃に差し出す。
「これが証拠よ」
「これは……新聞紙?」
差し出された物は琴乃にとって馴染みのある新聞。
隣で座っていた佐久夜は興味深そうに、琴乃が広げた新聞を見つめる。
「文字がいっぱい!? 綺麗な絵まで描かれてる!? お父さん!? どうやったらこんな絵が描けるの!?」
「それは絵じゃなくて写真って言うんだ、佐久夜。こっちには無いけど、アシハラノクニの方では普通に在る物なんだ。毎日書かれている内容も違うんだぞ」
「毎日違う内容!?」
佐久夜からすれば信じ難い話に、興味津々に脇から新聞を覗き込む。
だが、新聞を広げている琴乃の手が震えている事に気が付き、冷静さを取り戻して恐る恐る質問する。
「琴乃さん……どうしたの?」
「……間違いありません……一年前の、私が中学三年生だった頃の日付です」
新聞に載っていた日付の欄を見た琴乃は、顔を暗くしながら頷いた。
わざわざ用意された偽物だとは考えていない。どう見ても新聞紙は新しい物。しかも、新聞の内容には、琴乃も覚えているものがあった。改めて自分が一年前の過去にいるのだと琴乃は理解してしまった。
「その新聞だったかしら? それは私がネノクニに帰還する前に、あっちでの協力者が渡してくれたものなの……改めて聞くけど、貴女は綾香、或いはカグツチのお爺様から此処一年の間に私達の話を聞いた事はあるかしら?」
重要な質問。もしあるのならば、ツクヨミは綾香に接触する事が出来る。
アマテラスとカグツチも僅かな可能性に賭けてみるが、琴乃は首を横に振った。
「ツクヨミさん達の事をお母さんや六介さんから聞いた事はありません」
「そう……悪いけど、琴乃。最初に約束していた綾香との会話は無理になってしまったわ」
「……はい」
同意するしか琴乃には出来なかった。
もしも綾香や六介が一年後に琴乃がネノクニに召喚されると知っていれば、その間に何らかの準備をしていた筈。例えばアマテラスやカグツチに関して、事前に聞かせておくとかだ。
だが、アマテラスとカグツチの事を琴乃が知らなかった以上、綾香と六介は何も語っていないと言う事になる。
それでもと一縷の望みを賭けて見たが、今の言葉でハッキリとしてしまった。
最低でも琴乃がネノクニに召喚されるまでの間、アシハラノクニに行けるツクヨミが、綾香と六介の二人と出会っていない事が。
(……『お義父様』への挨拶は来年ね)
目論見は必ず叶えると内心で誓いながら、ツクヨミはアマテラスに目を向ける。
心得ているというようにアマテラスは頷き返し、脇に置いてあった札ような物が張られた木箱を前に出す。
「琴乃さん。姉さんが戻って来たので用意しました。これが貴女に扱ってもらう予定の『鏡の精霊武具』です」
言いながらアマテラスは封印用の札を外し、木箱の蓋を開けて中に収められていた縁の辺りに装飾が施された円形の鏡を琴乃に見せた。
「それが!?」
自分にとっての元の時代のアシハラノクニに、早期に帰還できる可能性がある唯一の希望。
思わず身を乗り出して『鏡の精霊武具』を琴乃は見つめるが……。
「あ、あの……曇っているみたいですけど?」
鏡となれば何かを映していて当然の筈なのに、『鏡の精霊武具』は何も映していなかった。光の反射さえしていない様子に、本当に大丈夫なのかと琴乃は不安を抱く。
アマテラスは不安そうにしている琴乃を見て、『鏡の精霊武具』について説明する。
「琴乃さん。この『鏡の精霊武具』が何かを映す為には、『無属性』を宿す者の霊力が必要なのです。琴乃さんには深いところまでは求めませんが、この『鏡の精霊武具』を使いこなす事が出来れば、本来は交わる事のないアシハラノクニに光景を見る事も、探しものがあれば在処を示し、そして過去や未来さえも『見る』事が出来るそうです」
「未来までもですか!?」
信じられない『鏡の精霊武具』が秘めた力に、琴乃は驚愕するしかなかった。
未来と言う不確かな先を見る事が出来るように成れば、どれほど助かってしまうのか少し考えただけでも分かる。
「だけどね、琴乃。あくまで使いこなせばの話よ。貴女はまだ霊力の扱いを覚えたばかりだから、出来るとしても最近の自分に関わる事や深い縁を持つ相手の様子ぐらい。それと屋敷の中を見れるぐらいだと思いなさい」
「あっ……そうですよね」
少し残念な様子で琴乃は呟いた。
(お母さん達や猛さんの姿を見られるかなって思ったけど、やっぱり簡単な話じゃないわよね……でも、もし本当に未来が見えるんだったら)
自分が扱う事になる物だけに、その力に関して思わず琴乃は夢想してしまう。
(霊力を習い始めたばかりの巫女が、陥りやすい危ない兆候ね)
注意深く様子を窺っていたツクヨミは、琴乃の精神状態が少々不味い状態になっている事を察した。
理不尽な理由でネノクニに召喚されてしまったが、早期に帰れる目途があり、周りもそれに進んで協力してくれている。
何よりも長年悩まされていた身体の問題に加えて、大好きな音楽にネノクニでも学ぶ事が出来て、アシハラノクニに居た頃よりも上達している事実が、無意識に琴乃を増長させてしまっていた。
(その上に帰れれば、以前よりも充実した生活が待っていると思えば仕方ないかも知れないけど……暗くなられているよりはマシかしらね)
これが里の巫女ならばツクヨミは注意しているところだが、琴乃の場合は事情が事情なだけ迂闊な事は言えない。
フッとアマテラスとカグツチに視線を向けると、二人は無言で微かに頷いた。
アマテラスとカグツチも琴乃の精神状態の問題は察しているだが、ツクヨミ同様に事情が事情なだけに言えないと言う事なのだろう。
(やる気のある方が助かるのは事実だし、『鏡の精霊武具』は簡単に扱える者でも無いから此処は一先ず置いておきましょう)
そう決めたツクヨミも微かにアマテラスとカグツチに向かって頷き返す。
それを見たアマテラスは『鏡の精霊武具』を入っている箱に蓋をする。
「琴乃さん。近い内に貴女が未来に帰還を果たす為に協力して貰う青龍以外の四聖獣の誰かが来ます」
「四聖獣さんですか? 確か青龍さん以外に玄武さん、白虎さん、朱雀さんが居るって教えて貰いましたけど」
「ええ、彼女達もそれぞれ忙しいので準備が整うは打ち合わせを終えた後になると思います。後、彼女達の誰かが来る時には、綾香さんの忘れ物を持って来るように文に書いておきました」
「お母さんの忘れ物!? そんなものがあるんですか!?」
「ああ、実は綾香さん達が帰る時にはちょっと急な帰りになってね。せっかくだから娘の君に渡そうって、アマテラスが気を遣ってくれたんだ」
カグツチの妹である美由紀がネノクニに残ったままだと知ったカグツチ達は、それぞれ荷物を手に持ってネノクニに戻って来た。
しかし、帰還する時には決戦の地から直接綾香達はアシハラノクニに帰還してしまった為に、持って来た荷物はそのまま出雲学園に置きっぱなしになっていた。
それをアマテラス達は戦いの後に回収し、四聖獣の一人である玄武の社に術を掛けて保管して置いた。
そして偶然にも綾香の娘である琴乃がこうして目の前にいるのだから、使って貰おうという事でアマテラスは文に書いた。
(でも、綾香さんの荷物か)
一番年上だっただけに、綾香の荷物の中身は大人向けな物が多い。
学生である琴乃には少々刺激が強いのではとカグツチは思うが……。
(アマテラスもその辺りの価値観は分からないよな。昔、玄武が着ていた服を見て、あっちの女性は同じ服を着てると思ったぐらいだし)
アマテラスの行動をカグツチは疑問を抱く事無く受け入れる。その裏で別の鬼畜な雄の思惑が動いている事を知らずに。
「それではアマテラス様、カグツチ様、佐久夜様、『アシハラノクニの学び舎』に行って参ります」
ツクヨミが帰還してから更に一週間後、その日の早朝、『アシハラノクニの学び舎』への旅支度を整えた巫女頭である葉子と三名の巫女、そしてリンドが里の入口の前でアマテラス、カグツチ、佐久夜に見送られていた。
「ええ、葉子。リンドの事をお願いしますね」
「お任せ下さい、アマテラス様……里には決して近づけさせません」
言いながらアマテラスと葉子は、佐久夜と別れの挨拶をしているリンドに顔を向ける。
「リンド……気を付けてね」
「うん。大丈夫だから安心して……佐久夜お姉ちゃんも琴乃お姉さんや桂香様と頑張ってね」
傍から見れば微笑ましいやり取りをリンドと佐久夜は行なっていた。
本来ならば里に居て貰った方が良いリンドが、従者見習いとして仕えている佐久夜を置いて里を離れなければならない理由。
それは今日遂に来るのだ。青龍以外の残り三人の四聖獣の誰かが里に。
(佐久夜とリンドには悪いが、他の四聖獣とリンドを会わせる訳にはいかないからな)
リンドと他の四聖獣が出会ってしまえば、即座に血と魂に刻まれている『盟約』が発動し、青龍の時のように出会った四聖獣はリンドと『真の契りの儀式』を結んで次代の四聖を宿さなければならない。
確かにリンドは既に青龍と盟約を果たしたが、盟約は他の四聖獣にも課せられている。
かの一族の生き残りは表立ってはリンドのみ。相性の問題も関係なく、互いの顔を見れば『真の契りの儀式』を結ばざる得ないのだ。
(桃花さんがリンドとの間に新しい子を宿してくれたけど……まだお腹の中だものな)
その桃花が今は『妖やかしの森』ではなく、『アシハラノクニの学び舎』に居る事もアマテラス達は当然知っている。交代で巫女衆を派遣しているのも、桃花とその子供を護るため。
話は戻すが、佐久夜がリンドと離れるのを了承したのも、青龍の時のような事故を引き起こさない為だ。
(また、私よりも先に誰かがリンドとの間に子供を宿すなんていや!)
実際には既に桃花、青龍、蔓と三人の間にリンドは子を宿し、既に桃花は李花を産んでいるのだから、事情を知らない佐久夜は本気でそう思っていた。
(昨日の夜だってシタんだから、今月は絶対に来ないで♥)
母親であるアマテラスとカグツチに気付かれないようにしながら、妊娠した自分を想像して佐久夜は頬を赤く染めた。
(フフッ、昨日の夜の舞の練習場では凄かったね、佐久夜)
昨晩の睦事を思い出して内心でリンドは嗜虐に満ちた笑みを浮かべる。
昨晩の情事の場は、佐久夜が琴乃と桂香と共に毎日舞の練習をして歓声と称賛の声を浴びている舞の練習場。
その場所で佐久夜は自ら手直しし、より卑猥になった巫女服を着てリンドだけを観客にして舞を踊った。
淫靡で卑猥に手直しされた巫女服から零れる豊満な乳房を揺らし、くびれた腰をくねらせ お尻を振るいながら佐久夜はただ愛する雄の視線を独り占めにする為に汗だくになりながら舞った。
その舞は決して他の誰かに見せる事が淫靡な舞。だが、琴乃や桂香が奏でる音楽が鳴り響く時よりも佐久夜は発情しながら熱心に舞い、その後にリンドに幾度も練習場で犯された。
数日会えない寂しさなど感じさせないと言うように佐久夜は嬌声を練習場に響かせながら絶頂を味合わされ続け、何度も今はなだらかになっている腹部を精液で膨らまされた。
(あっ♥ 垂れて来ちゃった♥)
タプンと子宮内に収まっている大量の精液が秘裂から零れて内腿を愛液と共に流れていくのを感じ、佐久夜は漏れないようにと緋袴の内側で内股になり膣肉を締め付ける。
しかし、上半身では頬こそ赤く染まっているが平常時の顔を佐久夜は整えていた。すっかり佐久夜は淫猥に開花してしまった自分と天真爛漫な自身を分けられるようになっていた。
「リンド。そろそろ参りますよ」
「はい、葉子様! じゃあ、佐久夜お姉ちゃん。必ず帰って来るから」
「うん、気を付けて行って来てね!」
佐久夜は手を振って、葉子と他三名の巫女と共に『アシハラノクニの学び舎』へと向かったリンドを見送った。
アマテラス、カグツチ、佐久夜はリンド達の背が見えなくなるまでその場に立ち、見えなくなると共に佐久夜が声を掛ける。
「じゃあ、お母さん、お父さん、私は琴乃さんの様子を見て来るね」
本当ならばこの見送りには琴乃と桂香も来る筈だったが、今朝がた琴乃が僅かに体調不良を訴えたので、今は客室で休ませている。
「ああ、頼んだぞ、佐久夜」
「琴乃さんの事は桂香と一緒にお願いね」
「うん!」
笑顔を浮かべながら佐久夜は屋敷へと急ぎ向かって行った。
アマテラスとカグツチはその様子を微笑ましそうに見つめながら、屋敷に向かってゆっくりと歩き出した。
「琴乃ちゃん……やっぱり疲れが出たのかな?」
「それもあるでしょう。治療が進んで付いた体力を見誤ってしまったのかも知れません……ですが、丁度良かったのかも知れません」
少々琴乃の治療と音楽を利用した霊力修業が上手く行き過ぎているとアマテラスは思っていた。
上手くいくのは良い事だが、それに溺れてしまえば手痛い目にあいかねない。
カグツチも分かっているのか同意するように頷く。
「それに、もしかしたらですが、今回の体調不良は琴乃さんが宿す『無属性』の特性の目覚めの兆候の畏れもあります」
「『無属性』の特性か……」
カグツチは難しい顔をしながら腕を組んだ。
『無属性』を宿す者は、必ずとは限らないが特異な力を宿している者が多い。
現に今は何処にいるか分からないが、嘗てカグツチと『契りの儀式』を交わした『無属性の狐の精霊』はあらゆる呪法を使いこなしていた。
他にも今、『アシハラノクニの学び舎』に封印されている『無属性の精霊』は四聖獣を超える破壊の力を宿していたり、『鏡の精霊武具』が宿す『見る』力など、『無属性』には特異な力や能力が宿りやすい。
「もし本当にそうだとしたら気を付けないといけないな」
「ええ」
ただの体調不良ならば問題は無い。だが、もし本当に『無属性』としての特異な力や能力の目覚めの兆候ならば、琴乃自身にも危険が及ぶ。
(青龍が『八尺瓊』から聞いた話だと、『鏡の精霊武具』を創った精霊も自分の力に悩まされて苦しんでいたらしいからな)
出来れば特異な力など目覚めないで欲しいとカグツチは願うが、今の状態で中途半端に琴乃の修業を止めさせることも出来ない。
其方は其方で肉体と魂に悪影響が発生し、琴乃の健康状態が不味い事になってしまうからだ。
新しい問題に頭を悩ませている間に、アマテラスとカグツチは屋敷に戻って来ていた。
そのまま屋敷の中を進み、青龍が待つ奥部屋に二人は入った。
「アマテラス、カグツチですか?」
部屋に入って来た二人を確認した青龍は横になっていた布団から上半身を起こそうとする。
本来はリンド以外の男性はカグツチでも簡単にこの部屋には入れないが、今日の会談の場はこの部屋と決められていたので青龍は何も言う事が無かった。
アマテラスは青龍の傍に近寄り、背に手を添えて起き上がるのを手助けする。
「青龍。横になっていても良いのですよ?」
「大丈夫です、アマテラス。リンド様から充分に気は受け取っていますので、この子も落ち着いています」
身体を起こした青龍は愛おしそうに膨らんだ自らの腹部を撫でた。
出産の時期はもう間もなく。予定では琴乃がアシハラノクニに帰還した後に、青龍は次代の自身の後継ぎを産む。
二人の様子を見ていたカグツチは床に座りながら、青龍に声を掛ける。
「いや、横になっていた方が良い。今、リンドは里に居ないんだから……青龍に何かあったら大変だ」
「……ええ、そうですね」
青龍は同意を示し、アマテラスの手を借りながら布団の上に横になった。
「それでリンド様は桃花と蔓が居る出雲学園に向かったのですね?」
「ああ、リンドや青龍には悪いけど、幾ら盟約があるからって言ったって、玄武、白虎、朱雀までリンドと『真の契りの儀式』を結ばせる訳にはいかないんだ」
これが『契りの儀式』ならばカグツチは何も言わなかった。
だが、『真の契りの儀式』は精霊が子を宿す儀式である以上、どうやっても長期間身動きが取れない期間が出来てしまう。
禁忌を犯しているヒミコがこの先どんな手段を使って来るか分からない以上、せっかく青龍が復帰した後に他の四聖獣の誰かが身動きが取れなくなってしまうのは将としてカグツチは認められなかった。
「ええ、分かっています」
(出来る事ならば私だって、これ以上リンド様に女性が増えるのは嫌なのですから)
青龍としてはカグツチの意見に心の底から同意している。
だが、肝心のリンドは玄武、白虎、朱雀を見逃すつもりはない。しかも……。
(蔓と『真の契りの儀式』を結んだ後に、目覚めてしまったリンド様の精霊としての力の制御も完全になってしまった)
この数ヶ月の間、リンドはずっと陰ながら自らの精霊としての力の制御にも力を入れていた。
手に入れた薬草の効果上昇や、里の農作物の成長の促進もその影響の一つに過ぎない。
つまり、力が馴染んだ今、リンドが新たな精霊と『真の契りの儀式』を行なう事に問題がなくなってしまった。
(他の四聖が来るこのタイミングをリンド様が見逃す筈がありません。きっと何かをして来るはず)
だが、その仕掛けを青龍は知らない。
アマテラスとカグツチは安心しているが、リンドと共に『アシハラノクニの学び舎』に向かったのは堕とされた雌犬巫女達なのだ。
しかも、この屋敷のリンドの部屋には『アシハラノクニの学び舎』と直接繋がっている転移陣まである。
(玄武、白虎、朱雀……すみません。貴女達の事を全てリンド様にお話してしまいました)
せめて他の三人の情報だけは隠そうと青龍は思ったが、リンドがそんな事を赦す筈がなく、丁度安定期に入って待ちに待ったリンドとの行為に青龍が発情した瞬間を狙われてしまったのだ。
(桃花と蔓に任せるしかありませんね)
自身と同じようにリンドに女性が増えるのを嫌がっている二人ならばと青龍は期待する。
だが、それと同時に青龍は確信していた。己の番の雄が、この機会を逃す筈がないという事を。
そう思っていると部屋の扉を軽く叩く音が響く。
コンコン!
「連れて来たわよ。そっちの方は大丈夫なの?」
部屋の外から聞こえて来たのはツクヨミの声。
ツクヨミは今朝早くから里を離れ、事前に連絡していた場所で落ち合ってリンドが巫女達と共に里から離れるのを『千里眼の術』を使って確認する役を担っていたのだ。
一応直接出会わなければ大丈夫なはずだが、念には念を入れてのこと。
カグツチは確認するように青龍とアマテラスに目を向ける。二人は無言で頷いた。
「大丈夫だ。入ってくれ」
許可が出ると共に部屋の扉が開き、先ず最初にツクヨミが足を踏み入れた。
次に入って来たのは、両手でネノクニにはないスーツケースを持ったネノクニの服を着た小柄な美少女。髪型はショートヘアで、背丈はリンドと同じぐらい。しかし、明らかに普通の少女では無い事を示すようにトラのような毛皮に覆われた耳と、腰の辺りから長い尻尾が生えている。
彼女こそ青龍と同じくネノクニを長い間、守護していた四聖獣の一人。西天を司る白き虎の化身『白虎』だった。
「久しぶりだな、アマテラス、カグツチ……それに青龍」
白虎はそれぞれに顔を向け、最後に布団の上で横になっている青龍に複雑そうな顔を向けた。
その視線は毛布を被っていてもハッキリと分かってしまう青龍の子を宿している腹部。ゆっくりと白虎は持って来たスーツケースを床に置いた後に青龍の横に移動し、正座をした。
アマテラス、カグツチ、ツクヨミはその様子を見守る。
同じ大陸を渡り、この地で罪を犯してしまい、償う意味も込めて一緒にネノクニを長年守護してきた青龍と白虎。
だが、今、青龍と白虎の立ち位置は大きく変わってしまった。
「……私達の魂に課せられたかの一族との盟約……本当に送られて来た手紙の内容通り、破られてしまったのだ」
「……白虎。触りますか?」
「……うむ」
白虎は頷くと、恐る恐る青龍の腹部に触れる。
腹部に触れた白虎は感じた。青龍の後を継ぐ事になる新たな四聖獣の鼓動を。
ドクン! ドクン!
「こうして触れただけで分かる。力強き鼓動だ」
「ええ、強すぎて困らされる事もありますが、この子は間違いなく私を超える四聖になりますよ、白虎」
「……そうか。青龍。本当に母親になったのだ」
長い時を同じ役割を担いながらも一度も見た事がない青龍の母性と愛情に満ちた顔を見て、白虎は微笑んだ。だが、青龍が子を宿した理由と経緯を考えれば微笑んでもいられない。
何よりも青龍と同じ盟約は自身にも課せられることを白虎は分かっているのだから。
「それでアマテラス、カグツチ、ツクヨミ。こうして私がこの里に呼び出されたのには、何かまた余程の事態が起きたのだろう?」
白虎の社に運ばれて来た手紙には、直接話さなければならない緊急事態と書かれていた。
アマテラスが治める里には、今は白虎達にとって致命的な存在であるリンドが居ると言うのに呼び出しを受けなければならない程の案件。
一体今度は何が起きたのかと白虎は内心で戦々恐々としながら、アマテラス達の言葉を待つ。
「ええ、途轍もない危機がネノクニに起きかけています。その為に四聖獣の力がどうしても必要なのです……白虎、貴女ならば『反魂の術』の禁忌に関わる事柄と言えば分かる筈です」
「っ!? ……詳しく話して欲しい」
告げられた事実に白虎は、アマテラス達に向かって正座をし直して聞く姿勢を取ったのだった。
漸く半月以上経過。琴乃のエロシーンを入れたいのですが、話を進める方を優先していますので申し訳ありません。
次回は白虎との対話と密かな仕込みです。
琴乃に起きている事に関してもちゃんと書く予定です。
アマテラス、佐久夜、琴乃の妊娠について。
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琴乃が堕ちた段階で孕ませる
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四聖の社全て攻略後に孕ませる
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サヨ関連終了後に孕ませる
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イザナミも加え、四人そろって孕ませる