※この作品はR-18です。

IZUMO2〜鬼畜ショタ性記〜   作:イズモ

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予告通り琴乃の本番無しエロがあります。
お気に入り、ありがとうございました!

今話で琴乃攻略の準備は整います!


白鳥琴乃・失恋処女喪失編 14

 巫女服越しに背中から伝わって来るアマテラスの手の感触に、琴乃は緊張していた。

 見学している佐久夜と桂香も緊張した面持ちで、アマテラスと琴乃を見ていた。二人が行なっているのは今後に関する重大事。

 強い思いを抱いて琴乃と佐久夜は、アマテラスの言葉を待つ。

 やがて目を閉じて琴乃の背に触れていたアマテラスがゆっくりと目を開けて微笑む。

 

「琴乃さん。もう大丈夫です。貴女の肉体と魂のバランスが整いました」

 

「それじゃあ!?」

 

「ええ、治療は完了です。貴女の病弱は治り、身体は健康になりました」

 

「ああっ!」

 

「良かったね、琴乃さん!」

 

「おめでとうございます、琴乃さん!」

 

 感極まって目尻に涙を浮かべて喜ぶ琴乃と一緒に、佐久夜と桂香も我が事のように喜んだ。

 

(本当に良かった! 嬉しい!)

 

 幼い頃から苦悩し、幼少期には何時死んでもおかしくないと宣告されていた自分が健康になれたことに琴乃は感極まった想いを抱かずにはいられなかった。

 アマテラスは優しく微笑みながら琴乃が落ち着くのを待つ。

 

(これで少しは私も綾香さんに恩を返せました)

 

 四聖獣達同様にアマテラスもまた、琴乃の母親である綾香には多大な恩がある。

 カグツチと共にネノクニを救ってくれただけではない。一時価値観の違いで、仲間同士で言い争いをしてしまった時も、綾香はアマテラスを庇ってくれた。

 それ以外にも『アシハラノクニの学び舎』で暮らしていた時も綾香はアマテラスを補佐もしてくれたりし、心の底から恩人と言える相手。

 受けた恩からすれば僅かだとしても、綾香に返せたことをアマテラスは嬉しく思いながら琴乃に告げる。

 

「他の四聖獣も琴乃さんの帰還の協力に了承してくれています……後は『鏡の精霊武具』を琴乃さんが用いて、訪れた日の日付を確認する事さえ出来れば、全ての準備は整います」

.

「はい!」

 

(お母さん、お父さん、明日香、猛さん。もうすぐ帰れるから!)

 

 近づく帰還の時に琴乃は心から嬉しそうに微笑んだ。

 対して話を聞いていた佐久夜は、寂しそうな顔をした。

 

(これで良いんだよね。琴乃さんにはちゃんと帰る場所があるんだから)

 

 佐久夜にとって琴乃は、初めて立場が関係しない女性の友達だった。

 最近では桂香を始めとした巫女達も、以前と比べて共に修行する機会が増えたのもあって、自分自身を見てくれている事を佐久夜は感じている。

 だが、やはり立場の関係もある為に佐久夜が心から友人と呼べる相手は琴乃だけ。一緒に行動する事が多くなった桂香も、何処かで一線を引いている。

 出来る事ならばもう少しだけという気持ちが佐久夜の中で浮かんでしまうが、それを押し隠して友人の幸せを願う。

 

(成長したわね、佐久夜)

 

 娘の成長を悟ったアマテラスは内心で嬉しそうに微笑む。

 しかし、アマテラスは顔を真剣にすると、琴乃に向かって口を開く。

 

「では、琴乃さん。改めて『鏡の精霊武具』に関してご説明します」

 

「は、はい」

 

 真剣なアマテラスの声音に、琴乃は正座をし直して両手を膝の上に乗せた。

 佐久夜と桂香もそれに習うように正座をし直して、アマテラスの言葉を待つ。

 

「一度だけにしても精霊武具を扱う事になる以上、琴乃さんもちゃんと知っておくべきでしょう。先ず精霊武具とは、琴乃さんも会っている私の姉であるツクヨミや、守護神代行である青龍のように人を超えた存在が、己の力を全て込めて生み出した武具の事です」

 

(最も、私達も最近まで『精霊武具』などが存在しているとは思っても見ませんでしたが)

 

 今はアマテラスの里にもあるが、本来『精霊武具』を所持しているのはリンドの一族のみ。

 何故ならば『精霊武具』は、リンドの先祖である精霊達が自分達の子や孫、子孫の為に遺した物。

 伴侶となった相手が死を迎えた後、時期を見てその相手である精霊もネノクニを去り、アシハラノクニで人へと転生する。そうしなければ、来世においても続く『真の契りの儀式』の契約の影響で、転生した相手が精霊固有の呪法を扱えてしまうからだ。

 そのままアシハラノクニで過ごしていれば良いが、万が一にもネノクニの存在を知り、新たな『外敵』と化す可能性もあり得る。そうさせない為にも、伴侶となった精霊は己の力を全て武具に込めるか、或いは何らかの役割を背負わせた己の影に力を渡してネノクニを去り、アシハラノクニに転生する。

 故に、『精霊武具』はアマテラスの里に送られるまでリンドの一族しか所有していなかった。

 

「以前、姉さんが言っていたように、精霊と言う人を超える存在の力を扱うだけに、簡単に使いこなせる代物ではありません。所持を許可している桂香も残念ながら未だに使(・)え(・)る(・)のがやっとというところです」

 

「あの……使(・)え(・)る(・)と使(・)い(・)こ(・)な(・)す(・)だと、どんな違いがあるんですか?」

 

「そうですね。言うまでもありませんが使(・)え(・)る(・)の場合は、武具に宿る力を僅かにしか発揮できず、扱う者の霊力を消費する事になります。この時に消費する霊力もかなりのもので、桂香では三度か四度使用するだけで殆どの霊力を失ってしまいます」

 

 それを聞いた琴乃が桂香に顔を向けていると、アマテラスの言葉は正しいと言うように頷かれた。

 

「そして使(・)い(・)こ(・)な(・)す(・)の場合は、霊力を消費する事なく自在に力が扱えている状態の事を言います。これが出来ているのは、里では姉さんだけとなります。そして武具に宿っている精霊の固有呪法も扱う事が出来るのです」

 

「固有呪法ですか?」

 

「はい。精霊が持つ奥義のようなものです。例えば姉さんの固有呪法である『カタストロフ』は、大地を割り、砕けた岩盤を敵ごと空に飛ばしてしまう恐ろしい呪法です」

 

「ええっ!?」

 

 聞かされた事実に琴乃は思わず、口元に手を運んで悲鳴のような声を上げてしまった。

 それは当然の事だった。どう考えてもアマテラスが告げた呪法は、危険極まりないほどに殺傷能力に特化した攻撃呪法なのだから。

 

「他にもそれぞれの精霊が持つ固有呪法は強力なものが多く、人が扱える領域を超えています。そしてその中でも、琴乃さんに扱ってもらう予定の『鏡の精霊武具』に宿っている固有呪法は、異彩を放ち、また恐ろしいと私も感じています」

 

 脅すような言い方になっているが、実際、アマテラスは『鏡の精霊武具』に宿っている固有呪法に恐怖を感じていた。

 神となった身でありながらもアマテラスが恐怖を覚える呪法。それはアマテラスだけではなく、カグツチ、ツクヨミ、青龍も知った時には恐怖を抱かずには居られなかった最悪にして最強の呪法。その呪法の名は……。

 

「『因果確定』。その呪法こそ『鏡の精霊武具』に宿っている固有呪法の名前です」

 

「因果……確定? あの、それはどんな呪法なんですか?」

 

 僅かに声を震わせながら琴乃はアマテラスに質問した。

 

(ごめんなさい、琴乃さん。ですが、『鏡の精霊武具』を扱う事になる以上、貴女には知っておくべき事柄なのです)

 

 自分の言葉で、琴乃を怖がらせてしまっている事にアマテラスは罪悪感を感じる。

 だが、可能性は限りなく低くても、『鏡の精霊武具』を琴乃は扱う事になるのだから知っておくべき事なのだ。寧ろ知らない方が危険な面もある。

 

「以前、『鏡の精霊武具』をお見せした時に、遠方を見れる以外にも過去や未来も『見る』事が出来ると説明したのを覚えていますか?」

 

「は、はい。確かにそう言われたのを覚えています」

 

「『過去視』や『未来視』を見る場合は、自分か或いは縁を持つ相手で無ければなりません。そして『鏡の精霊武具』の力で『未来視』を行なった時、武具に込められている呪法である『因果確定』が発動し、『見た』未来に至る因果が確定してしまい、『見た』者達がその未来を変えようとしても『見た』通りの未来に至ってしまうのです」

 

「つまり……未来を変える事が出来ないと言う事ですか?」

 

 アマテラスは琴乃に向かって深刻な顔をしながら頷いた。

 

「本来、未来とは不確かなものです。ですが、『鏡の精霊武具』で『未来視』を行なった場合、最(・)も(・)至(・)る(・)可(・)能(・)性(・)が高い未来を映し出し、その未来を『因果確定』の呪法で固定してしまうのです」

 

 『鏡の精霊武具』に宿っている呪法には、ツクヨミや多くの精霊達が持つ呪法のように破壊力など存在はしていないが、それを遥かに上回る恐ろしさと脅威が秘められていた。

 『不確かな筈の未来を確定させて、それに至る因果が世界に刻まれる呪法』。それこそが『因果確定』。

 もっと正確に言えば、未来を見てしまった事で、世界が矛盾を発生させない為にその未来に至らせてしまう。規格外どころの騒ぎではない。

 何せ『未来視』で『見る』未来は、最(・)も(・)至(・)る(・)可(・)能(・)性(・)が高い未来とは言え、他の未来に進める可能性も存在しているのだ。その可能性を全て消し去り、一本の道筋にしてしまう。

 これが使用者の望む未来ならば良い。だが、もし使用者の望まない未来を『見て』しまった場合は、最悪の結果しか待っていない。

 アマテラス達で言えば、ヒミコ軍に自分達が敗北する未来を『鏡の精霊武具』が映し出してしまえば、どうやっても覆せなくなってしまう。もう一度改めて『見て』も、『鏡の精霊武具』は別の未来を決して映さず、同じ未来しか映さない。

 だからこそ、『鏡の精霊武具』の事を伝える時に、『八尺瓊』とリ(・)ン(・)ド(・)は青龍を通して警告を発したのだ。

 『鏡の精霊武具』は琴乃にとっては希望となり得る物だが、アマテラス達にとっては絶望を招きかねない危険な『精霊武具』である事を。

 

「………」

 

「勿論、使(・)う(・)程度では決して宿っている呪法が発動することはありません」

 

 言葉を失っている琴乃に、少しでも安心を抱かせるようにアマテラスは説明した。

 『精霊武具』に宿っている固有呪法が発動するのは、真の意味で使(・)い(・)こ(・)な(・)せ(・)る(・)領域に至った者のみ。一度しか使用しない予定の琴乃では、どうあっても発動できる筈がないのだ。

 現に使(・)い(・)こ(・)な(・)せ(・)る(・)領域に至っているはずのツクヨミでさえも、精霊武具に宿っている呪法は未だに使用出来ないのだから、琴乃が『未来視』など出来る筈がない。

 

「今のが、この前は説明しなかった『鏡の精霊武具』に関する事柄です」

 

「……あ、あの……最(・)も(・)至(・)る(・)可(・)能(・)性(・)が高い未来って言うのは、どんな?」

 

「それに関しては分かりません。本来、未来とは不確かなものですから。ただ『鏡の精霊武具』での『未来視』は世界全体的な未来ではなく、個(・)人(・)に趣をおいてあるそうです」

 

「個(・)人(・)ですか?」

 

「ええ……何分私も伝えて聞いている事なのと、本来は『無属性』の者しか扱えない代物ですので」

 

 だが、個(・)人(・)に趣を置いているとは言え、神であるアマテラスやカグツチの未来ならば影響力は計り知れない。

 『因果確定』が発動する可能性が殆(・)ど(・)ない筈だとしても、危険性を考えて伝えておかなければならなかった。

 

「……教えてくれてありがとうございました」

 

「いえ、私の方こそ怖がらせてしまい、本当に申し訳ありません。ですが、やはり扱わせる以上、伝えておくべきだと思いましたので」

 

「はい」

 

「……佐久夜、桂香。少し琴乃さんを中庭の方で休ませて上げて」

 

「うん、お母さん」

 

「分かりました。では、琴乃さん、佐久夜様。行きましょう」

 

 アマテラスの指示に従い、佐久夜と桂香は琴乃と共に部屋を出て行った。

 その場に残ったアマテラスは何処か苦悩するように顔を浮かべた。本来は『鏡の精霊武具』に宿っている固有呪法である『因果確定』を琴乃に伝えるつもりはなかった。一度しか使わないのだから知る必要性は無い。

 だが、琴乃に伝えなければならない事態が起きてしまった。

 琴乃は選ばれたのだ。『『鏡の精霊武具』以外の『精霊武具』に使い手として選ばれてしまったのだ』。

 

「琴乃には伝えたみたいね」

 

「姉さん」

 

 音もなく現れたツクヨミに、アマテラスは顔を向けた。

 ゆっくりとツクヨミはアマテラスと対面するように床に座る。

 

「アマテラス。琴乃には衝撃的だったとしても、この件は伝えておかないと不味いわ。何せあの子は体調が戻ってからというもの、音に霊力を乗せるどころか、『浄化の音』まで奏でられるようになってしまったんだから」

 

 その事実が発覚した時にはアマテラス、ツクヨミ、青龍、佐久夜、カグツチだけではなく、リンドを含めた里の霊力を扱える者達全員が言葉を失った。

 『浄化の音』とは音を霊力に乗せられる先に存在している奥義。里でも使い手は殆どいないどころか、幼い頃から修業をし続けた巫女達の中で『浄化の音』を扱えるのは巫女鈴を武器として使っている穂乃香一人だけしか扱えない。里一番の琵琶の弾き手である桂香でも至っていない領域に存在している音術の奥義。

 その領域に琴乃は、僅か一月近くで至ってしまったのだ。

 無論、勾玉の呪法や巫女達が扱える術の類は扱えないので、琴乃が弱い事には変わりはないが、本格的な修業を始めればどうなるか分からない。

 

(リンドも麒麟児だけど、琴乃も麒麟児よ。もしもヒカル達のように修業を積めば……短期間で四聖獣に匹敵する領域に至れるかも知れないわね)

 

 おかげで一時は、やはり琴乃こそが『悪霊の救世主』なのではないかと言う意見が出てしまう程だった。

 更に言えば、その意見が正しいと言うような出来事まで起きてしまっていた。

 

「ちゃんと封印はしてあるわよね?」

 

「……『横笛の精霊武具』は此処にあります、姉さん」

 

 アマテラスは服の内側に手を入れ、呪符らしきものが貼られている布に包まれた物を取り出した。

 それを見たツクヨミは安堵する。今、アマテラスが持っている布の中には、『鏡の精霊武具』と共にあったもう一つの『無属性の精霊武具』であった『横笛』が入っている。

 その『横笛』こそが、琴乃を使い手として選んだ『精霊武具』。

 

「桂香を一緒の部屋に居させて良かったわ。もしそうじゃなかったらすぐに異変に気付けなかったんだから」

 

「ええ……報告を聞いた時は騒然としました。まさか、琴乃さんが『精霊武具』に使い手として選ばれてしまうなんて」

 

 本来、『横笛の精霊武具』はツクヨミが所有権を『サギリ』から受け継いだ空間の中に収められていた。

 『鏡の精霊武具』同様に『無属性』の者しか扱えないのだから当然の処置。だが、ツクヨミも気づかない内に『横笛』は空間の中から消えていた。

 その原因は、空間を開けていた時に鳴り響いていた琴乃が奏でる笛の音色。その音色に込められている霊力と音の美しさに惹かれて、『横笛』は音の主である琴乃の下に転移してしまったのだ。

 優れた武具や呪具は、自らの使い手を選ぶ。

 このネノクニでは当たり前の出来事で、精霊と言う高位の存在が作った『精霊武具』ならば尚更。

 幸いな事に琴乃本人が『横笛』の存在に気付く前に、一緒に部屋で過ごしていた桂香が回収し、アマテラスに報告。急いで封印処置を行なう事で事なきを得たが、事態はそれだけでは済む筈がない。

 琴乃が持つ才能は、アマテラス達の想像を遥かに超えるものだと示されてしまったのだから。

 

「……本当に頭を悩まされる事ばかり続くわね」

 

「……はい」

 

 姉の意見をアマテラスは同意するしかなかったのだった。

 

 

 屋敷の中庭に佐久夜達が来てみると、其処では何人かの巫女が庭の手入れを行なっていた。巫女達は佐久夜達に気が付くと、一度頭を下げて仕事に戻って行く。

 佐久夜と桂香は、一先ず顔を青褪めさせている琴乃を縁側に座らせる。

 

「琴乃さん……その大丈夫?」

 

「……心配を掛けてごめんなさい……その、怖くなってしまって」

 

 自身が早期に帰れる唯一の希望だった筈の『鏡の精霊武具』。

 最初に聞いた時は未来が見える事に思わず琴乃も夢想してしまったが、アマテラスの話によって全てが変わってしまった。

 

「無理もありません……私達も『占い』で先を知ろうと思う時はありますけど、良い結果も出る時があれば悪い結果も出るのに……それが変えられないと知ったら怖いですし」

 

「占い? あのこっちにもあるんですか?」

 

 気分を変えたい意味も琴乃は桂香と佐久夜に質問した。

 琴乃の意図を察した二人は頷き、琴乃の左右に座りながら説明する。

 

「『星占い』とかが一番分かりやすいんだよね」

 

「私は其方よりも自分の霊力を使った『火占い』ですね。『星占い』の場合はちょっと技量が高くないと難しいので、里でもアマテラス様かツクヨミ様、葉子様しか出来ませんので。他にも遠方の地では亀でしたか? それの甲羅が割れた結果で占う『亀甲占い』というものがあるそうです」

 

「その占い昔何処かで聞いた事があります。『星占い』と言うか、『星座占い』とかは私の世界でもあるんですよ」

 

「えっ!? アシハラノクニに!?」

 

「……驚きました」

 

 三人の少女達は他愛無い話をしながら笑い合う。その様子は仲睦まじい友人達の姿にしか見えない。

 そんな会話を続けている内に琴乃の中に在った不安と恐怖は和らいでいく。

 

(佐久夜さんと桂香さんと友達になれて良かった。他の人達も皆良い人達ばかり)

 

 二人だけではなく、この里で出会った人達の事を思い浮かべて琴乃の顔に笑顔が戻る。

 

(そうよ。未来なんて見なければ良いの)

 

 そう思う事で琴乃は安心感を抱く。

 だが、琴乃は重大な事を忘れてしまっていた。アシハラノクニからネノクニに渡って来た日に、自身が何を思い悩んでいたのかを琴乃は忘れてしまっている。それが最悪な結果を招いてしまうなど。

 この場にいる三人を含めて誰も想像だにしていなかった。

 

 

 ぴちゃ、ぴちゃ、じゅるる!

 

「んくっ♥ あくっ♥ ふあぁぁっ♥」

 

 深夜、薄暗い部屋の中で、淫らな水音が小刻みに鳴り響くと共に少女のあられもない嬌声が漏れる。

 その声を主である琴乃は、一糸纏わない裸体を晒して布団の上で仰向けになりながら綺麗な両足を頭の上にまで持ち上げられ、自身の秘裂が真上に向くような体勢を取らされて、愛液を零す秘裂を雄に舐め回されていた。

 

「じゅるるるるっ、れろっれろっれろっ」

 

「あっあっ……ああんっ♥」

 

 内側から溢れる愛液を秘所ごと舐めしゃぶられる快感に、琴乃は目を閉じながらたまらないと言うように嬌声を上げた。

 その反応に琴乃の秘所を舐めしゃぶっていたリンドは一端舌と口で責めるのを止めたのか顔を上げて、今度はヒクヒクと震えている秘裂に指を突き入れた。

 

 ずぶっ! ぐじゅぶっ!

 

「ひあっ♥ んっ……♥ あぁぁっ♥」

 

「琴乃様の嬌声は、何時聞いてもとても淫靡で素敵ですね」

 

 ゆっくりと膣内に挿入された指で溢れる愛液ごと膣肉を掻き混ぜられる快感に、琴乃は眠りながらも快感を感じてしまう。

 その琴乃の嬌声をリンドと共に聞いていた桂香は、琴乃の両足首を押さえながらも頬を赤くしてしまう。

 

「この声を聞いていたら、術で抑えられていても思わず発情してしまいそうです、ご主人様♥」

 

「フフッ、何を言っているのかな、桂香。君はもう発情しているでしょう?」

 

 艶やかさを含んだうっとりとした声を漏らす桂香に、リンドは琴乃の愛撫を止めることなく目を向ける。

 琴乃がまんぐり返しの体勢のままで居られるのは、桂香がその両足首を掴んで付けているから。その桂香の姿も白衣を羽織っているだけの姿で、魅力あふれる乳房をリンドに曝け出している。

 その乳房の頂点では乳首が硬く突起し、桂香が発情している事を示していた。

 指摘された桂香はうっとりした顔を浮かべて、リンドの愛撫で喘ぎ続ける琴乃の顔を見下ろす。

 

「あ、はぁぁ……っ♥ ゃ、あふぅんっ、はあぁっ♥」

 

(ああっ♥ 琴乃様、なんて素敵でいやらしい顔するようになってしまって、ゾクゾクしてしまいます♥)

 

 昼間は友人として付き合い、夜にはこうして主人であるリンドの治療を兼ねた琴乃の肢体の開発の手伝いを桂香はしている。

 初日こそ葉子も手伝ったが、その後は護衛も兼ねて一緒の部屋で過ごしている桂香が、命じられた時に就寝前に例の眠り薬を混ぜたお茶を琴乃に飲ます役を担っていた。

 其処にはやはり罪悪感は無い。寧ろ桂香は実の妹をリンドに差し出し、犯して貰えた時の事を思い出して興奮せずにはいられず、喜んで今も琴乃の肢体を押さえる役を担っている。そしてそれだけではなく、桂香は琴乃に深い感謝を抱いていた。

 

(本当に琴乃様には感謝してるんですよ。貴(・)女(・)と(・)共(・)に(・)い(・)た(・)お(・)か(・)げ(・)で(・)、(・)私(・)は(・)ご(・)主(・)人(・)様(・)の(・)子(・)を(・)孕(・)め(・)る(・)強(・)さ(・)を(・)得(・)ら(・)れ(・)た(・)ん(・)で(・)す(・)か(・)ら(・))

 

 リンドに堕とされた雌犬巫女達は全員、自らの陰毛を呪いが込められた剃刀で剃毛し、秘裂は無毛になっている。再び陰毛が生えるのは、リンドの子を孕めるだけの実力を得た時。

 故に葉子を含めた雌犬巫女達は、その領域に至る為に日々精進を重ねていた。

 尤も早期に孕む許可を貰っていた穂乃香だけは、隠れて毎日剃っていたのだが。

 そして、つい先日桂香は自らの秘裂の周りに薄らと陰毛が生えだしている事に気が付き、そ(・)の(・)場(・)で(・)嬉(・)し(・)さ(・)の(・)余(・)り(・)崩(・)れ(・)落(・)ち(・)な(・)が(・)ら(・)失(・)禁(・)し(・)、(・)白(・)く(・)濁(・)っ(・)た(・)本(・)気(・)汁(・)を(・)子(・)宮(・)か(・)ら(・)溢(・)し(・)な(・)が(・)ら(・)浅(・)ま(・)し(・)く(・)絶(・)頂(・)に(・)達(・)し(・)て(・)し(・)ま(・)っ(・)た(・)。

 幸いなことに、その時には最近一緒に行動している佐久夜と琴乃が居なかったので二人に不審に思われる事はなかったが、二人が居ても桂香は同じ状態になってしまっていた。

 雌犬巫女に堕ちた桂香達にとって、リンドの子を孕み育てる以上の幸せは無いのだから。

 

「ああぁぁぁっ、あぅ……うぅんっ♥」

 

(フフッ、充分にオマンコの性感の開発は終わったね)

 

 ジュブジュブと淫靡な水音と嬌声を部屋の中に響かせながら、自身の指に絡みついて来る琴乃の膣肉の感触にリンドは嗜虐に満ちた笑みを浮かべた。

 この一月近くで琴乃の性感帯はリンドの手によって本人も知らない内に開発されてしまった。膣内の処女膜の向こう側と、その最奥にある子宮こそ無事だが処女膜があるギリギリの手前までは開発を終えている。

 佐久夜と同じように琴乃も処女でありながらも、リンドの女殺しの剛棒を秘裂に咥え込む事が出来て、絶頂にしてしまうまで琴乃の肢体の開発は進んでいる。

 琴乃本人は気が付いていないが、その魅力的な肢体は女らしさがこの一カ月近くの間に増している。

 治療によって健康的になり、開発を進めた琴乃は充分に食べ頃になっているのだが……。

 

(問題は僕への無意識の警戒が中々解けない事だよね)

 

 日中は無害だと思わせるように、琴乃の前ではリンドは振舞っているにも関わらず中々警戒心が解けない。

 その理由を知ろうと桂香に探らせても、その答えを琴乃は口にしようとしない。遠回しに聞いても

 

(僕がこの一年の間にアシハラノクニに行くなんて事は無い筈だ。しかも、琴乃に警戒されるような事を僕がする筈がない)

 

 寧ろ何らかの仕込みを行なって琴乃を堕とし易くしている筈だと、リンドは考えていた。

 だが、逆に琴乃は無意識にリンドを警戒している、一体何を琴乃は自身に対して警戒しているのか分からず、リンドは首を傾げながら秘裂に挿入していた指を引き抜く。

 

「あぅっ♥」

 

「フフッ、また琴乃のオマンコの汁を飲ませて貰うね」

 

 言いながらリンドは琴乃の秘裂に両手の指を押し当てて割り広げる。

 すると膣内は愛液で溢れていた。甘い香りを発する愛液の匂いをリンドは嗅ぎ終えると、そのまま愛液で濡れて溢れている秘裂に再び口を吸いつかせる。

 

「ちゅぶうっ、ぢゅるるっぢゅるるっ!」

 

「あっあっあっ、はあああんっ♥」

 

 秘裂ごとむしゃぶられ、愛液を啜られる快感に琴乃の口から大きな嬌声が上がった。

 その嬌声に秘裂を愛液を啜りながら舐めしゃぶる雄は愉悦感を感じる。愛液の味と香る雌香に酔いしれながら、優しく舌を秘裂に這わせてピクピクッと震えている包皮から飛び出した陰核に目を向ける。

 最初の頃は琴乃の性格を表現するように包皮に包まれて隠れていた陰核だが、度重なる性感の開発と皮を剥かれ続けた事によって、すっかり快楽を感じれば包皮から飛び出てしまうようになっていた。

 指で愛撫され、舌で舐め回して充分に琴乃の官能を高め終えると、リンドは勃起した陰核を唇に咥え込む。

 

「っ!? あああぁぁっ――っ♥」

 

 ぶしゅぅぅぅぅ――っ!!

 

 陰核を咥え込まれた瞬間、琴乃は唯一自由に動く首を仰け反らせて絶頂に至り、秘裂から潮を噴き上げた。

 秘裂から噴き上がる潮をリンドは口を開けて飲み干しながら舌を動かして愛液を大量に溢す秘裂を舐め回していく。意識が無いながらも琴乃の腰はクイクイとリンドへ押し付け、膣肉をびくびくと何度も締め付ける。

 軽い絶頂ではなく、明らかに深い絶頂を琴乃は意識がない時に覚えさせられている。

 やがて潮が止まった時には、絶頂の余韻に浸るように琴乃はぐったりとしていた。

 

「フフッ、琴乃も潮噴き絶頂の快感を覚えたね」

 

 愛液と潮で濡れた口元を手で拭いながら、リンドは桂香に視線を送る。

 心得ていると言うように桂香は掴んでいた琴乃の両足首から手を離し、リンドもその場から移動してまんぐり返しの体勢から琴乃は解放された。

 

「はぁっ♥ はぁっ♥ はぁぁっ♥」

 

「ご主人様。琴乃様もすっかり開発しましたけど、まだ犯されないのですか?」

 

「うん、まだだよ」

 

 意識がない内に琴乃を犯すのは容易い。

 だが、それではただ犯されたという事実しか琴乃の中に残られない。それでは駄目なのだ。

 

(僕の予想以上に琴乃にとって『八岐猛』と言う存在が大き過ぎる)

 

 既に性感の開発と認識操作で、琴乃の身体はリンドでしか快楽を得られないほどになっている。だが、その心は変わる事無く、『八木猛』を想い続けている。しかも、どう言う訳かリンドに対しては無意識に警戒心を抱いてる。

 その為に昼間は迂闊な接触が出来ない。アマテラスのように使命感を利用する事も、佐久夜のように天真爛漫な面から入り込む事も出来ない。雄として敗北感と言うものをリンドは感じずにはいられなかった。

 それほどまでに『八岐猛』と言う人間は、琴乃の人生に強い影響を及ぼしている。

 残念ながら現時点では琴乃の心を奪う事は出来ないと、リンドも認めるしかなかった。

 

(まっ、諦めないけどね)

 

 とは言っても、琴乃と言う極上の美少女であり、漸く見つけた確実に自身の強い子を孕めると確信できた相手を諦めるという選択肢はリンドにはなかった。

 

「フフッ、琴乃を堕とすのは長期戦になりそうだけど、それはそれで楽しいからね」

 

「では、ご主人様……琴乃様の帰還の邪魔をされるのですか? 明日には遂に『鏡の精霊武具』を使われてしまいます」

 

 長期戦とリンドは言っているが、もう時間が無いようにしか桂香には思えなかった。

 

「フフッ、僕は邪魔なんてしないさ。僕が邪魔をしなくても、勝(・)手(・)に(・)邪(・)魔(・)を(・)し(・)て(・)く(・)れ(・)る(・)奴(・)が(・)い(・)る(・)か(・)ら(・)ね(・)」

 

「一体誰が琴乃様の帰還の邪魔を?」

 

「秘密。それよりも……」

 

「あっ♥」

 

 子供とは思えないほどの力強さで桂香はリンドに手を引っ張られ、熱く荒い吐息を吐いている琴乃の上に羽織っていた白衣を脱がされながら四つん這いの姿勢を取らされた。

 桂香はその意味をすぐさま察し、頬は紅潮し、豊満な乳房の頂点では乳輪ごと桜色の乳首が隆起する。

 微かに陰毛が生え始めた秘裂は零れた大量の愛液によって濡れ、主人であるリンドの剛棒を受け入れる為にクパクパと開閉を繰り返している。

 

「青龍のところに行く前に一度させて貰うよ、桂香」

 

「は、はい♥ どうぞお好きなように私を犯し下さい、ご主人っ あっ♥」

 

 自身の桃尻が掴まれるの感じた桂香の口から、歓喜の声が漏れる。

 これもまた琴乃の護衛役を担っている桂香が得ている報酬。基本的にリンドは雌犬巫女達よりも番の雌を優先して抱く。常識を外れた精力を宿しているだけに、『疑似契りの儀式』を結ばなければリンドが射精するまでの間に雌犬巫女では数えきれない程絶頂させられ、射精した瞬間に気絶してしまうからだ。

 その時に味わう快楽の虜になっている雌犬巫女の一人である桂香は、口元を淫猥な笑みで歪めて眠る琴乃の顔を見つめる。

 

(琴乃様、早くご主人様の番の雌に堕ちて下さいね♥)

 

「行くよ、桂香」

 

 ずぴゅぅ! ずぶぅぶぶぶっ!!

 

「ひあぁぁぁぁああぁぁぁぁぁ――っ♥」

 

 いきり立った剛棒が容赦なく膣内に押し入り、最奥まで貫かれる衝撃に桂香は顔を仰け反らせながら絶頂に達したのだった。




次話は遂に琴乃絶望の時です。
桂香の実力が上がったのは、琴乃と佐久夜に付き合っていたから。
しかし、モブなのでそろそろ成長限界に到達します。

琴乃編が終わった後は幕間でヒミコ編。
それが終われば『アマテラス・淫堕ち編・破』で、その後は『佐久夜・番雌堕ち編』となる予定です。

アマテラス、佐久夜、琴乃の妊娠について。

  • 琴乃が堕ちた段階で孕ませる
  • 四聖の社全て攻略後に孕ませる
  • サヨ関連終了後に孕ませる
  • イザナミも加え、四人そろって孕ませる
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