IZUMO2〜鬼畜ショタ性記〜 作:イズモ
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「……これは困った」
「んちゅっ♥ ちゅぱっ♥ んっ♥ 何がですか……リンド様?」
布団の上に裸になって横になっていたリンドの股間でそそり立っていた剛棒を咥えていた青龍は、一時奉仕を中断して顔を上げた。
無論、口は離しても両手は太い竿や玉袋への奉仕を継続して剛棒への刺激を続けている。本当ならば口淫だって青龍は止めたくはなかったのだが、リンドが発した声音からは珍しいことに焦りが混じっていたからだ。
あのツクヨミが同格の相手と認めるほどの聡明さを持っているリンドが焦りを覚える事態が起きたとなれば、幾ら雌に堕ちている青龍でも我慢するしかない。
もうすぐ産まれる最愛の子にも累が及びかねないのだから。
「……『鏡の精霊武具』を琴乃お姉さんが扱うから、力を使って様子を見ていたんだけど……急に見えなくなったんだよ」
「なっ!? まさか、リンド様が見ている事にアマテラス達が気付いたのですか!?」
もしそうだとすれば、今すぐにでもアマテラス達がこの部屋に飛び込んできかねないと青龍は身体を起こそうとする。
そんな青龍を安心させるようにリンドは優しく柔らかな青龍の淡色系の髪を撫でる。
「大丈夫だよ。見えなくなったのは気付かれたからじゃなくて、僕の監視内の内側に別の領域が展開されたからだよ……ちょっと僕も信じられないけど、『鏡の精霊武具』を琴乃お姉さんは
「っ!?」
告げられた事実は、青龍の予想を遥かに超える事実だった。
『精霊武具』の詳細に関しては、『八尺瓊』からだけではなくリンドからも聞いている。無論、それは青龍だけではなく同じ番の雌である桃花、蔓、そして共犯者であるツクヨミも知っている。
だからこそ、リンドが告げた事実に青龍は驚愕するしかなかった。幾ら綾香の娘で、『無属性』だとしても今日扱ったばかりの『鏡の精霊武具』を琴乃が
それはリンドも同感だった。幾ら使わせるつもりで情報を渡したとはいえ、あっさりと琴乃が『鏡の精霊武具』を使いこなせるなど夢にも思っていなかった。
(もしかして、これが琴乃お姉さんの『無属性』の特性なんじゃ……)
現在の状況から推測してリンドは、琴乃の『無属性』の特性が直接的な力ではなく、間接的な力なのではないかと思い至っていた。
(もしそうだとすれば、琴乃お姉さんの『無属性』の特性は危険どころの話じゃない。僕の推測通りの力だとしたら、
リンドが一番恐れているのは『因果確定』の発動。
『因果確定』が発動して確定した未来が、どんな未来なのかは流石にリンドでも分からない。そして『因果確定』で見た未来は『八尺瓊』の力でも変える事は出来ない。変えようとすれば、世界を歪める事に繋がってしまうのだから。
自分にとって有利な未来ならば望むところだが、そうでない可能性もあり得る。例えば琴乃がアシハラノクニに帰還出来てしまう未来を『見て』しまったら、もうリンドは琴乃を番の雌に堕とせなくなってしまう。
(そんなのは絶対に嫌だ。漸く出会えた強い子供を産んでくれると確信できた相手なんだから。他にもヒミコが勝利した未来なんて見られたら困るし……だけど、飛び込む事は出来ない)
記憶を封印されているように装っていたことが、初めてリンドの動きを阻害していた。
(……出来るだけ琴乃お姉さんとは昼間に会わないようにしていたのは正解だった)
リンドと琴乃の表立っての関係は、友人である佐久夜が慕っている相手程度になるようにしていた。
無意識に警戒されている事もあったが、万が一にも警戒心を強めたりして、『鏡の精霊武具』で自分の様子を覗かれたりしたら不味いと思っていたからだ。
おかげで表立って関係を深められない問題は出てしまったが、今の状況では寧ろ助かった。
(……とにかく、『因果確定』が発動する事を前提で動いた方が良い。となれば……)
「リンド様? いかがいたしますか?」
「うん、決めたよ。先ずはね」
「あっ♥」
優しく手を引かれて青龍は、布団の上に横になった。
子を宿し、お腹が大きく膨らんでいても青龍の神秘的な美貌には一切衰えがない。寧ろ母性と言う要素も加わった事で魅力が増している。
そしてその美の全てを向けられ、得た番の雄は、青龍の美脚に手を添えながら優しく語り変える。
「何が起こるか分からないから沢山気を送るよ、青龍」
「ああっ♥ はい♥ リンド様♥ どうぞ、私のオマンコにオチンポを挿れて、私達の子に気を分け与えて、あっ、あっ、あっ♥ あぁぁぁんっ♥」
じゅっぶぅっ! ぱんぱんぱん!
青龍のあられもない嬌声と、淫靡な水音に加えて腰を打ちつける音が寝所内に響き渡ったのだった。
『鏡の精霊武具』は琴乃の過去の光景を映し出し続け、遂に過去の琴乃、猛、剛、汀は出雲学園に辿り着いた。
『それじゃあ、またな……』
『はい、それでは……』
『ああ。放課後、部活でな』
『またね、猛君』
校門のところで四人は挨拶をし、猛だけが離れて行った。
その様子を見ていた佐久夜は疑問を覚えて首を傾げた。
「アレ? どうして猛君だけ離れたの?」
「私と剛さん、汀さんは同じクラスなんですけど、猛さんは通っているクラスが違うんです」
「くらす?」
「要するに班決めみたいなものだ、佐久夜」
「あっ! そう言う事なんだ」
カグツチの説明に納得したように佐久夜は頷いた。
その間に、過去の琴乃達から猛は離れて行った。
(あら? 猛さんが向かった方向……教室がある方向と違うんじゃ……)
猛の通っているクラスの教室の在る場所は、当然琴乃も把握している。だからこそ、猛の歩いて行った方向が違う事に今の琴乃は気が付いた。
過去の琴乃は、それに気付かずに自分のクラスの教室に剛と汀と共に向かって行く。
その間にも出雲学園の制服を着た生徒達が行き交いを繰り返し、アマテラスと佐久夜は驚いたように周囲を見回す。
「あの学び舎にこれだけの人々が」
「沢山人が居て目が回りそう」
「俺からするとこっちの方が正しい光景なんだよな」
「アシハラノクニにはそれだけ人間達が居るって事よ。渚に付き合って外を歩いたけど、その時も驚かされたわ」
「……これじゃあ、誰が琴乃さんに呪いを掛けたのかなんて分からないよ」
アマテラス達もただ興味本位で見回している訳ではない。
日付も重要だが、同時に琴乃をネノクニに召喚する前に眠らせ、呪いを施した悪霊の手先を捜索しているのだ。だが、余りにもアシハラノクニ側での出雲学園に通う人の数は多すぎた。
周囲を見回せば同じ制服を着た男子や女子だらけ。中には違う服を着た者もいるが、一目で年齢が年上だと分かり、カグツチからその相手は『教師』と言う役職についているものだと説明を受けたのでそうだと断定できない。
(『映されて』いるのは幻影だから、霊力を感じられないわね)
『鏡の精霊武具』は過去の光景を幻影として映しているだけ。
その為に映っている人々からは気配も感じられない。実際、今も過去の琴乃と共にいる剛と汀からはツクヨミは何も感じられない。
直接見た時には感じられた『スサノオ』や『ヤマタノオロチ』の気配も、今の剛と汀からは感じられなかった。
(まっ、余り求めすぎるのは不味いわね。何よりも、私達にとって重要な情報は得られたんだから、これ以上は望む必要は無いわね)
(もうすぐ教室についてホームルームが始まる筈だ。其処まで行けば流石に日付の事も分かる筈だ)
残るは日付だけ。一応周囲の光景を看視して、怪しい者がいないかだけは確認していく。
『それにしても毎日琴乃ちゃんは頑張っているけど、猛君の家の家事は大変じゃないの?』
『好きでやって居ることですから。それに毎日が楽しいです』
『そっか……うん、僕は琴乃ちゃんを応援してるからね』
『もう、汀さん』
『………』
(剛さん……どうしてそんな顔をしているんですか?)
女性同士の会話の邪魔をしたくないからか、一歩離れたところを歩いていた剛だったが、何処か申し訳なさそうな顔で過去の琴乃を見ていた。
(何かおかしい……私の知らないところで何が起きてるの?)
何気ない日常だった筈の一日。
だが、こうして過去を客観的に見る事が出来てしまった事で、その時には気付けなかった事が次から次へと露わになって来ていた。
(そう言えばさっき、猛さんが向かっていた方向……あの先にあるのは……音楽室!?)
その瞬間、琴乃は思い出した。思い出してしまった。
自らがネノクニに訪れた日の昼間に見た光景。想い人である猛と教育実習生として訪れている女性と仲睦まじく話していた姿を。
(……違う……違うわ……アレは……あの光景は、私の見間違い……)
「琴乃さん?」
急に顔色が悪くなった琴乃に気が付いた佐久夜が、心配そうに声を掛けた。
その声にアマテラスも琴乃の様子がおかしくなっている事に気が付き、慌てて背後から両肩に手を置く。もしや、霊力の使い過ぎによる変調ではないかと思ったからだ。だが……。
(っ!? 琴乃さんの霊力が殆ど減っていない!? そんな筈が!?)
『鏡の精霊武具』を琴乃が使っているのならば、必ず霊力を消費する筈なのだ。
だが、琴乃の霊力はほんの僅かずつしか消費されていない。つまり、その程度の霊力消費で琴乃は『鏡の精霊武具』を
「アマテラス、どうしたんだ!?」
驚愕で固まってしまっているアマテラスだが、カグツチの声で我を取り戻す。
「琴乃さん!? 中断です!?」
「……中断?」
「ええっ!? そうです!? 今、ハッキリしました! 貴女は『鏡の精霊武具』を
「なっ!?」
「嘘っ!?」
「くっ!?」
アマテラスが告げた事実にその場にいる誰もが驚愕する中、ツクヨミは迷わず、虚空から大地の力を宿している刀の精霊武具を呼び出し、頭上に浮かんでいる『鏡の精霊武具』に向かって飛び掛かった。
使用者である琴乃に傷をつけられないのだから、使用を取り止めさせる方法は『鏡の精霊武具』に衝撃を与えるしか方法はない。最悪破壊も視野に入れて、重力を瞬時に纏わせた刃を
「……駄目!?」
キィィィィーーン!!
「っ!? しまっ!?」
無意識ではあったが、自分が唯一早期に帰れる手段が失われようとしている事に脅えた琴乃は、『鏡の精霊武具』の力を
その
その瞬間、ツクヨミは自らの失敗を悟った。『鏡の精霊武具』には物理的な攻撃方法は皆無に等しく、鈍器のように相手にぶつけるしかない。だが、その他に一つだけ。『相手の攻撃を反射する』事が出来る能力が備わっていた。その事は事前にリンドからツクヨミは聞いて知っていたが、
そしてその力がたった今発動し、ツクヨミは斬りかかった衝撃をその身に受けて部屋の扉を打ち破りながら外へと弾き飛ばされた。
「ああああっ!?」
「ツクヨミ!?」
「姉さん!?」
「伯母様!?」
悲鳴を上げて部屋から弾き飛ばされたツクヨミの姿に、アマテラス、カグツチ、そして佐久夜が叫ぶ。
その間に琴乃は『鏡の精霊武具』に向かって手を翳す。すると、『鏡の精霊武具』は琴乃の両手の中に移動する。
まるで琴乃こそが自らの主だと言わんばかりに、『鏡の精霊武具』は両手の中で光を発し続けていた。
「……出来る。私なら出来るのね」
(っ!? いけない!? 力に吞まれかけている!?)
琴乃は正しく認識してしまった。
今までは
本来は出来ない事を出来るようになってしまうという事は、時に万能感を感じてしまう。それに溺れなければ良いが、ネノクニに来てから明確な挫折を経験せず、寧ろ万能感が募っていく日々を琴乃は過ごし過ぎた。
或いは勾玉の呪法など、経験が何よりも必要なものをアマテラス達が扱わせていれば話は違っていたかも知れないが、琴乃は勾玉を扱った呪法を一度も扱った事がない。
幾ら才能に満ち溢れていても、琴乃は平和なアシハラノクニで過ごしていた女学生に過ぎないのだから、心構えなど出来る筈もなく……万能感に溺れて力に呑まれてしまうのは必然だった。
「見せて。今見た光景の中で私と離れた後の猛さんの姿を」
キィィィーーーン!
『っ!?』
願いに応じるように周囲の光景が変わり、先ほど過去の琴乃達と離れた八岐猛が学園の廊下を歩いている光景に変わった。
それは琴乃の過去の光景ではない。琴乃が経験した過去と言うことでギリギリではあったが、『過去視』の領域で済んでいたものが、八岐猛という青年に変わった事で『未来視』の範囲に入った瞬間だった。
それが意味する事を行なってしまった琴乃自身は気が付く事無く、自分のクラスではなく『音楽室に入って行く八木猛』を見つめる。
『おはよう、冬木先生』
『あら、おはようございます、八岐君』
「っ!?」
音楽室の中に居た銀色の長い髪の女性。着ているのが制服ではない服装から学生ではなく教師だと分かるその女性-『冬木凪』は向き合っていたピアノから顔を上げて猛に挨拶をした。
そのまま凪は立ち上がり……座っていた椅子に足を引っ掛けてコケてしまう。
『あうっ!?』
『はぁ~、朝から大丈夫、冬木先生』
『いたた……また、転んでしまいました』
何処か慣れたようやり取りで猛は転んで倒れていた凪に手を差し出し、そのまま立ち上がらせた。
『それでまた朝からピアノの練習?』
『はい、そうですよ……教育実習生ですから、授業でミスをする訳にもいきませんし』
『いや、先生の場合、授業でのミスよりも普段の方が心配なんだけど』
『八岐君、酷いです』
(……これは何?)
呆然と琴乃は固まりながら、仲睦まじいやり取りを行なっている想い人である猛と出雲学園に『教育実習生』として通っている冬木凪を見つめる。
『ところで八岐君。もうすぐホームルームが始まりますよ』
『それは分かってるさ。ただちゃんと冬木先生が来ているか心配で』
『私、年上なんですけど……』
『それはそうなんだけどさ……何か先生の事は放っておけなくて』
『もう、八岐君たら』
(っ!? 何だ……この二人を見ていて、どうして俺は見覚えがあるような気がしたんだ?)
目の前の光景を、何処かで似たような光景を見たような思いをカグツチは抱いた。
だが、その答えが出ずに悩んでいる間にも光景は進んで行く。
『ところで、この前の試合は残念でしたね』
『また、その話題か』
『その話題?』
『うん。朝からずっとその話題を周りから言われてるんだ』
『あっ、そうだったんですか』
(……そう言えば、冬木先生は部活の見学で剣道部を良く見に行ってる)
家族同然に過ごしていた筈の自分の知らない顔を凪に向ける猛の姿に、琴乃の手がワナワナと震える。
『それでも毎日ホームルームが始まる前に音楽室に来るのは、やっぱり不味いですよ。肝心のホームルームに遅れたりしたら、せっかく来ているのに遅刻になってしまいますから』
『分かってるよ。だけど、今日は
『っ!?』
「琴乃さん!? もう止めよう!?」
佐久夜は必死に琴乃に向かって呼びかけた。
漸く日付も判明したのもあるが、琴乃に想い人が居る事は佐久夜は知っていた。その相手が自分に向けない顔を他の女性に向けている気持ちは、リンドと言う想い人がいる佐久夜にも分かる。
だからこそ、このままでは最悪な事態になってしまうと察した。
「……違う……冬木先生じゃないの……猛さんはきっと私と……健康になった私と付き合ってくれる……帰る事さえ出来れば……そうよ。その未来に決まっている」
「っ!? 琴乃さん! 申し訳ありません!?」
目の前の光景を否定して縋るような声を漏らし出した琴乃に、アマテラスは危機感を感じて気絶させようと首筋に向かって手刀を振るう。
だが、アマテラスが振るった手刀は琴乃の身体をすり抜けた。
「なっ!? まさか、幻影!?」
何時の間にか目の前にいた琴乃もまた、『鏡の精霊武具』が『映し出す』幻影となっていた。
本物の琴乃は立っていた場所から少し離れた位置に移動し、姿を周囲に光景と同化させて隠れていたのだ。
それはツクヨミが『鏡の精霊武具』を攻撃したのを見た為の無意識の判断。自分の希望を失わせない為の防衛。そして心が追い込まれた琴乃は遂に望んでしまう。
『鏡の精霊武具』に明確な未来を『見る』事を望んでしまう。
「お願い映して……私と猛さんが結ばれる未来を、映してぇぇぇぇっ!?」
キィィィィィーーーン!!!
『っ!?』
これまで以上に強い光を『鏡の精霊武具』は発する。
使い手の望みを叶える為に、『鏡の精霊武具』は光を発し続け、遂にその呪法は明確な形で発動してしまう。
神であるアマテラスやカグツチでさえも恐れずにはいられない最悪にして最強の呪法。呪法『因果確定』が発動した。
『っ!?』
突如として周囲に映っていた光景が真っ黒に染まり、次の瞬間には最初に見た塔馬家が映し出された。誰かが食事を作っている音も聞こえて来る。
その音に琴乃は歓喜に包まれた。恋人になっているかはまだ分からないが、アシハラノクニに帰れば、あの何気ない日常の日々が待っている。
(今はそれだけで…………えっ?)
食事を作る音の方向に目を向け、琴乃は固まった。
何故なら其処には琴乃はいなかった。居たのはエプロンを身に付けて食事を作っている長い銀色の髪の女性-『冬木凪』だった。
凪は手早く先ほど見せたドジっ子とは思えない見事な手際で
『何時もすまないね、凪さん』
『これぐらいは何でもありませんよ、六介さん。こうして家に住まわせて貰っている身なんですから』
(何時も……家に住む……?)
ビキッ!
何か琴乃は亀裂が入る音を聞いた気がした。
『鏡の精霊武具』が今、見せている光景は未来の光景の筈。だが、其処には琴乃だけではなく妹の明日香の姿もない。
『猛も、もう
『今日は大学も休みですから。もう少ししたら起こして来ますね』
『凪さんも幾ら
(婚約者? ……冬木先生が……猛さんの? 嘘 嘘よ)
目の前の光景を否定したく、琴乃は視線を彷徨わせ気が付いてしまう。
椅子に座って六介と共に食事を共にしている凪の左手の指に輝く指輪を。
「……いやっ! 止めて!? お願いだから光景を止めてぇぇぇっ!?」
先ほどまで琴乃にとって希望だった筈の『鏡の精霊武具』。
だが、過ぎたる力は身を滅ぼす事を示すように希望から絶望へと変化した。必死に願うが、琴乃自身が一度『引き出してしまった力』は最早琴乃本人でも制御下に置けない領域に至ってしまった。
確かに琴乃は『精霊武具』を使いこなせる素質を宿している。問題は琴乃自身の技量が低い事だった。
同じ麒麟児であるリンドは、己の技量を把握して訓練を重ねている。
対して琴乃は素質こそ麒麟児だったが、それを扱える技量に関しては素人の域を出ていない。
そしてアマテラス達も本格的な修業を琴乃に施すつもりはなかった。
故にこの結果に至ってしまった。暴走と言う結果に。
『ふわぁ~、おはよう、じっちゃん、
『遅いぞ、猛』
『おはようございます、猛さん』
「あっ……ああぁぁっ!?」
自身が知る猛よりも年上になっていたが、それでも琴乃が見間違える筈がない。
そして見間違える筈が無いからこそ分かってしまった。自分に向ける感情とは違う感情を宿した顔で、凪に向かって微笑む猛を。
そしてその左手に凪とお揃いの指輪が嵌まっている事にも、琴乃は気が付いてしまった。
「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
目の前の現実を否定するように、琴乃の絶望に満ち溢れた声が木霊した。
それと共に部屋から弾き飛ばされたツクヨミが舞い戻り、琴乃の手の中にあった『鏡の精霊武具』を刀で弾く。
「はあぁぁっ!」
キィィィィーーン!!
「はぁっ!」
弾かれて落下する『鏡の精霊武具』に向かって、アマテラスは瞬時に封印の印を組み上げて鏡面に触れる。すると周囲の光景が消え去り、元の部屋に戻った。
重たい音を立てて『鏡の精霊武具』は床に落ちる。その鏡面は再び曇り、何も映さなくなっていた。
それは封印が完了した証ではあるが、最早時すでに遅い。
『因果確定』は発動し、『八岐猛』と『冬木凪』が結ばれる未来が定まってしまった。
「あっ……ああぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
床に顔を伏せて琴乃は泣き出す。
自分には想い人と結ばれる未来が訪れず、居場所だった筈の塔馬家にも居場所がなくなると知ってしまった。
その様子を見ていたアマテラス、カグツチ、佐久夜は青龍を通して『八尺瓊』が発した警告を思い出す。
『『鏡』を用いて未来だけは見てはならない。見た者に幸福が訪れるとは限らないのだから』
その言葉の意味をアマテラス達は、目の前で泣き崩れている琴乃を見て実感したのだった。
次回からは遂に鬼畜ショタが本格的に動き出します。
此処まで弱り切った琴乃を見逃す筈がないので、徹底的に堕としに掛かります。
因みにリンドは琴乃の帰還の邪魔をしません。
するのは、一人しかいません。
アマテラス、佐久夜、琴乃の妊娠について。
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琴乃が堕ちた段階で孕ませる
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四聖の社全て攻略後に孕ませる
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サヨ関連終了後に孕ませる
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イザナミも加え、四人そろって孕ませる