※この作品はR-18です。

義父に雨宿り   作:浅見智幸

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急な雨で濡れた身体

ある初夏の夕暮れ。

私は風邪を引いている義父のアパートまで、見舞いついでに頼まれていたズボンの裾上げを仕上げ来ていた。

 

 

「悪ぃなぁ、由紀子さんわざわざ来てもらって……」

「気にしないでください。近所まで用事があってのついでですので、それよりも風邪を早く治して下さいよ」

 

 

 いつもは、健康だけが私の自慢だ!なんて口癖のように言っていた義父。珍しく風邪で三日ほど床に臥せている。

 

 

 私が住んでいる家は、元々は義父が住んでいた家。

 

 そして、義父が今暮らしているアパートは私が結婚前に住んでいたところ。

 義父の息子である孝明と結婚し、互いに近距離だったことから住居を入れ替わったのだ。

 同居も検討したのだが義父の方から遠慮してきた。

 

 

「雨が降りそうだ……」

 窓を見ていた義父がポツリと一言。

 

 

「傘、持ってきていないから帰りますね」

 腰を上げた私を義父がアパートの軒先まで見送りに来てくれた。

 

 

「お義父さん……早く良くなってください」

 言いかけた時だった。

 

 

「うん?ひょっとして雨、降ってきたんじゃないか?」

「あ、ホントだ……えぇっ!?うそーっ」

 

 

 義父に言われ、ふと、空を見上げた瞬間、まるでバケツをひっくり返したような突然の雨。

 

 義父のアパートを訪ねてやって来た時まで晴れ間も見えていた空。

 

 見る間に路地には水たまり。俗に言われるゲリラ豪雨と思われる勢いの大雨。

 

 

 ピタリと素肌に張り付くシャツ。重くてずり落ちそうなロングスカート。

 

 訪ねる前にシャワーを使用し、ふんわりと仕上げていた髪型は、見事なまでにぺったんこ。見る見るうちに、みすぼらしい濡れ鼠と頭髪は化してしまった。

 

 

 ずぶ濡れ状態のままの私。

 

「……」

 言葉もなく唖然として見ているだけの義父。

 

 

 幸い義父は、狭いけど軒下にいたため濡れてはいないみたいだけれど、あまりに突然の出来事に、すっかり言葉を失っているみたいだ。

 

 

「スイマセン。……」

 義父が立っている軒下へ逃れようとした。

 

 

「あっ・・・ああ!とにかく部屋まで……」

 そう言って私を玄関先に導くと、慌てた様子でタオルを取りに行く義父。

 

 

 

 見舞いに来ておいて、義父に迷惑を掛けてしまうのは忍びないが、流石にこのまま濡れて帰ると、近所とは言え私まで雨に打たれ風邪を引いてしまいそうだ。

 

 

 

 手渡されたバスタオルで髪を拭きながら、義父に促され脱衣所へと案内される私。

 

 

 濡れたシャツとスカートを衣類乾燥機に入れると、差し出された義父のシャツに袖を通す。

 

 義父のシャツとはいえ、男性のシャツを羽織ると、なんだかいけないことをしているような気がして、年甲斐もなくほんのり頬を赤らめてしまった。

 

 

「シャワーを……」

 浴びるかとも聞かれたが、さすがにそれは遠慮させてもらった。

 

 いくら義父とはいっても、二人っきりの部屋でシャワーを浴びるなんて……危険な香り。

 

 

「大丈夫か?寒くないか?由紀子さん」

「ん、大丈夫です。それよりお義父さんこそ風邪引いてるんだから、ゆっくり寝なければ……」

 

 

 とりあえず服が乾くまでと、義父の部屋に招かれたはいいが、なんだかやけに気まずくて、思いのほかぎくしゃくしてしまう。

 

 

 義父もまた、ベッドに腰をおろし平静を装ってはいるものの、どこか目のやり場に困っているみたいだ。そりゃ、そうですよね。

 

 

 だって、私はいつもの服を脱ぎ捨て、下着の上に義父のシャツを羽織っているだけなのですから。

 

 座り方ひとつ間違えるとショーツが露わに、あまりシャツを綺麗に着ると、胸の先端にある乳首が透けて見えそうな格好なんです。

 

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