「お、おいっ!由紀子さん。これはちょっと……まずくないか?」
「な、何がですかっ!」
義父と息子の嫁。いくら親子といったって……。
そんな相手と、ベッドの上で背中合わせにひとつの布団をかぶるシチュエーション。
コレなんてっ?エロくない?
心の中でそんなくだらない事を考えながらも、必死で高鳴る鼓動を抑えている私。
お尻とお尻が当たってる。
パジャマを着ている義父のお尻と、白い布切れ一枚の私のお尻。なんの事は無い!ただ肉の塊どうしが接触しているだけ。
……なのに、どうしてこんなにもドキドキするのだろう?
主人とは……
考えてみればあれから、もうそんなにも経つんだ。
桜が花盛りだったころの春の夜。
そりゃ、お尻が当たっただけでドキドキもするはずだわ。
肩に手をかけ、そっと私を自分の方へと振り向かせる義父。
特に意味はなかったのだろう。何の気なしにただ振り向かせただけだろうか?
ふたりが今いるのは狭いシングルベッドの上。その距離は、とっくに仲の良い義父と嫁の距離を超えてしまっている……
振り向かせたはいいものの、あまりの近さに視線を外す義父の真意は分からない。
恥ずかしさを覚え、目を逸らした私。だが、背を向けるのも義父に対して失礼な態度かなと思い、そのままやり過ごした……
つい、義父の胸へと顔を埋めるような体勢で話しかけてしまった。
「お義父さん……再婚は?」
「べつに~……」
気まずい雰囲気の中、上手く身動きも取れず、妙にぎくしゃくしてしまう二人。
でも、このまま黙っていても埒があかない。
何か話かけなきゃ。
なんて、頭ではそう考えながらも、普段からは想像出来ないほどに、ふたりとも黙り込んでしまっていた。
「……由紀子さん?」
「はい!」
「寒く……ないか?」
「い、いえ!大丈夫ですよ。その、すごくお義父さんの胸、暖かい……」
その言葉に嘘は無かった。
けれど、それはぽかぽかするなんて暖かさではなくて、カーッと体の芯から熱くなるような、どこか火照りに似た暖かさ。
手のやり場に困った義父が、何気なく私の髪を弄りはじめる。
はらはらと高い位置から落としてみたり、くるくると指に巻いてみたり、たかが髪の毛を弄られているだけなのに、なんだか全身を撫でられているような感じがして、どうにも落ち着かない。
これって……アイブ?……
「お、お義父さん。意外とその……胸板厚いんですね?」
何を思ったのか、突然、手を義父の胸に当てながらそんな言葉をつぶやいた私。
孝明はもっと華奢な体付きだったかな?
こんなに胸がでこぼこしていなかったし、もっと色白だった気がする。
つまりは、主人との行為も随分とご無沙汰。
思いがけぬ義父の人肌に触れ、つい、どこか欲情してしまっている自分がいるのもまた否めない。