公爵領に帰ったメアリーは、めちゃめちゃに荒れた。
完全にやつ当たりである。アルベルトがアイリスと結婚するとか言いだしたことで、彼女の嫉妬の炎は悪意となって関係の無い方向へと進む。
物に当たる内はまだ良かったのだが、段々と使用人や侍女にまで当たる様になった。
アイリスは仕事の関係でまだ別宅(魔王城)に居るので、アルベルトは自分以外にメアリーの暴挙をなんとか出来そうな人は居ないと思っていた。
彼はメアリーの癇癪をなんとか宥めようと手を尽くしたが、まるで成果はあげられなかった。口も聞いてくれないし、目もまともに合わせてくれない。キスなんて以ての外である。
そんな居心地が悪くなるような日々が三日くらい続いた。
幸いと言っていいのか、専属使用人だけは外されなかった。おそらくその関係が、彼らを繋ぐ最後の絆であり、そのことはメアリーも内心思っていたのだろう。
そんな中、間が良いのか悪いのか分からないが、公爵領にはメアリーの父であるルドルフが帰って来ていた。
ルドルフは、あまりにも迷惑千万で我儘な娘のメアリーを執務室へ呼んで叱りつけた。彼の人生において、娘を叱るという親らしい行為は初めての事である。小さい時なら素直に聞いたであろうメアリーは、初めて父親に怒られて逆ギレした。
散々に周囲に当たり散らしたあげく、彼女は着の身着のままで、こんな家出てってやるぅ!! 等と言って家出をした。
威勢が良かったのは最初だけで、とぼとぼと行くあても無いまま、メアリーは公爵領内の町を彷徨っていた。彼女の美貌を見て、声をかけてくる軟派な男は何人か居たが、全員拳で黙らされていた。
彼女の足取りは重く、表情も暗い、そんな彼女の心情に呼応するように、徐々に天気が悪くなり、雨まで降ってくる始末。
冬の雨に濡れ、寒さに震える彼女の前に、そっと傘が差し出される。その持ち主は怒りの元凶、アルベルトである。
「何しに来たのよ」
「……心配で」
「要らない、あんたの顔なんて見たくも無い。……へっくちっ」
「取りあえずどっか入ろう」
どれだけ嫌われても、アルベルトはメアリーが好きだし、彼女に悲しい思いはさせたくなかった。
アルベルトは少し強引に、メアリーの肩に手を回して自分に引き寄せ、合い合い傘をしながら近くの連れ込み宿へと入った。
メアリーは苛々が収まらない様子だが、一応無言でされるがままに引き連れられていった。
「身体、冷えてる、シャワー浴びた方が……」
「命令しないで、言われなくても勝手に入るわ」
出来る使用人であるアルベルトは、一応替えの服も持ってきていたので、彼女がシャワーを浴びている間、脱衣所の方にそれを置いておいた。
メアリーはそれを発見したが、彼からのほどこしを受ける様なことはしたくなかったので、バスタオルを巻いて湯上りで上気した状態で出てきた。
下着すら着けずに柔肌に直接白いタオル一枚纏っているだけの、そんな扇情的な姿でベッドに腰を下ろす彼女を見て、アルベルトは我慢できなくなり、嫌がる彼女に無理矢理キスをして押し倒した。
「ちゅ、メアリー好きだ……」
「ん……、結局、あんたって私の身体が好きなだけなんでしょ。もうどうでもいい、勝手にすれば?」
捨て鉢で自棄になっているメアリーは心底うんざりという風にそう言った。アルベルトは、じゃあお言葉に甘えて好きにさせて貰おうと、彼女にキスの雨を降り注ぎながら胸や秘部を優しく触っていった。数分もすると、次第に彼女からは甘い声が漏れていく。
「ちゅっちゅ……、メアリー好き、愛してる」
「あぁっ……♡ うくぅっ……♡」
「メアリー、俺で感じて……」
人間の三大欲求とは抗えないもので、いくら怒ってようとも腹は減るし、眠くもなるし、ムラムラもする。メアリーは性欲過多な女の子で、彼とのセックスで解消できない期間が少しでも開くと、もうリビドーが溜まってしょうがない。それは彼も同じで、公爵領へ帰ってから抜いていないのでだいぶ溜まっていた。仲が険悪だろうとも既にお互いが発情しているのだった。
彼女の受け入れ準備が完了している頃合いを見て、彼は膨張した肉棒を女性器へとあてがい、にゅぷぷぷっと挿入した。いつもの様に正常位。慣れた行為ではあるが、何度やっても彼女の膣内は最高の具合で、気を抜けば直ぐにでもイってしまいそうである。
「うっくぅ……♡ おちんちん、挿れられてるぅ……♡」
「はぁ……メアリー全部入ったよ……、凄い気持ち良い、動くよ」
「……しっ、知らないっ♡ か、勝手にすればいいでしょ……♡」
はぁはぁ、はぁはぁとお互い呼吸が激しくなりながらも、性器の挿送が開始される。ぬっちゅぬっちゅと結合部から生々しい音が聞こえながら、二人の身体は熱を持ち、互いの身体を求め続ける。
アルベルトはキスをし続けながら、腰を振り続けた。メアリーが一番好きなのは彼のキス、そのことをよく知った上で、彼は彼女への好意を唇に乗せてそれを重ねる。彼女の手を恋人繋ぎのように指を絡ませながら、愛の言葉を囁き続けた。
「ちゅっちゅ、メアリー、愛してるっ愛してるっ……!」
「あっあっ……、し、信じないっ♡ あんたの言葉なんてっ、もう信じないっ♡」
「好きだっ、好きだっ、好きだっ……!」
「嫌いっ……♡ 嫌いっ……♡ 嫌いっ……♡」
腰の動きは激しくなり、お互いの興奮は最高潮へ、彼らは同時に限界が訪れる。
「メアリー……! 射精るっ……!」
「うくっ……♡ イっくぅぅ~~っ♡♡♡」
びゅるるるるっ、っと彼女の膣奥へ、溜まりに溜まった濃厚な白濁精子が吐き出される。性行為の終着点、膣内射精が行われる。
果てた二人の男女は呼吸を整える。若い二人の興奮はまだ高まったままで、全く衰えない。
「メアリー、もう一回……」
「……嫌、あんたとなんか、もうしたくない……♡」
拒絶の言葉、そんなのは無視して、彼は再度メアリーに激しく接吻しながら様々な体位で彼女を愛し続ける。
彼に出来るのは、自身の愛を伝えること。誰よりも好きなのはメアリーだと彼女に分かって貰うことだけだった。
自惚れでは無く、メアリーの事を一番好きなのは自分であり、メアリーが一番好きなのは自分だと彼はそう信じていた。
「はぁはぁっ……、誰にも渡したくない、メアリーの事も皆の事も、全員俺の物にしたい!」
「あぁんっ……♡ 最低っ……、本当に、最低の男っ……♡」
「妊娠させるっ……、俺から離れられないように、メアリーがどこにも行かないようにっ……!」
「あっあっあっ……♡ じょ、冗談じゃないっ……♡ あんたの赤ちゃんなんてっ……産みたくないっ……♡」
「うっ……射精るっっ!」
びゅくびゅくびゅくっ、びゅるるっ、肉棒が彼女の中で爆発し、またもや大量の子種が吐き出される。
「うぅ……いっぱい出るっ……」
「や、やぁ……♡ またいっぱい出てる……はぁ……♡ また中出し……、最低……♡」
「ご、ごめん、本当に俺の事嫌い?」
アルベルトの問いかけ、いつも以上に嫌がる期間が長いので、彼も不安になって来た。
「…………好き」
「め、メアリー……!」
「うぅ……♡」
その後何度も何度も愛しあいながら、休憩はいつしか宿泊となり、性の匂いが充満する中二人は眠りについた。
アルベルトは夢を見ていた。それは何年後か、何十年後か分からないが、更に一回り成長した彼は、アイリスと一緒になって、公爵領で住むことになった。
やがて屋敷には、使用人として働くことになったクリスとそれに引き摺られるように来たアウラが住むことになった。二人の近くには彼女達にそっくりな子供が居た。誰との子供かは分からない。
中々縁談が上手くいかなかったマリアも居て、彼女の周りにも母にそっくりな子供が駆け回っていた
ちっちゃい彼ら、彼女らはおとーさん、ぱぱー、等と言いながら、アルベルトの周りに集まってくる。そこには3、4歳くらいの黄金色の髪を持った少女も居た。アイリスとの子にしては、目つきがキツい気がする。
中々爛れていて、人道としては最低な所業を平気でかましている気がするが、それでも彼は幸せそうだったし、周りの女の子達も幸せそうだった。
夢は所詮夢。正夢になるかは分からないし、未来は不確定である。
◇◇◇
結局流されるままえっちしてしまったメアリーは、珍しくアルベルトより先に目が覚めた。昨晩は中々凄かった。情熱的なセックスでお互い燃え上ってしまったように思う。
メアリーは幸せそうに隣で寝ているアルベルトを見て、そうだ私はこの最低男に怒っていたんだと思い出した。
彼女は彼の頬を、私怒ってますよー、っと気持ちを込めてつんつんと指でつついた。
にへらにへらと笑っている彼の顔はだらしない。良い夢でも見てるのだろうか。
そんな姿も愛おしく思ってしまう自分に、メアリーは呆れて溜息を一つ。これが惚れた弱みというやつなのだろうか。彼女は流石に恋の自覚が芽生えていた。
「ほんと、変態で、最低な使用人、私の前で寝顔晒して、私がこんな風になったのも、全部あんたのせいだわ」
そう言って、彼女はちゅっちゅ、ちゅっちゅと寝ている彼にキスをした。
彼女はベッドから抜けだして、脱衣所に置いてある服を着ようとしたら、そこにある赤いリボンに気付く。持ってきてたのか、と思いながら、彼女はいつもの通り、それを自身の黄金色の髪に結んだ。
そもそも姉との結婚は一年後、あくまで口約束、怒る程の事では無い。どうせ直ぐに彼の心はまた自分一色になるに決まってると、メアリーはそう考えてアルベルトのことをとりあえず許してやることにした。
雨も上がって今日は良い天気。なんか良い事ありそうな、清々しい朝である。
そんな感じで、彼らのToLoveるでダークネスな日々は、まだまだ続きそうです。
BETTER END X
公爵家の金髪令嬢がちゅっちゅする話
終劇。
頭のおかしい本作品にここまでついて来れた読者の皆には感謝だゾ☆
多分続きはないと思うけど、気分が乗ったら書く可能性はあるので完結にはしません。
それではまたどこかでお会いしましょう。
あ、高評価(以下略)よろ。