屋久島のとある崖下にある湖、周囲の壁を震え上がらせる虎の様な唸り声、そして勇ましい掛け声と大地の活力を挙げる様な大太鼓の幕を打ち付ける音が響き渡る。
「タァッ!! テァッ!!」
湖に落下し姿を晒したツチグモを浄める為、響鬼は太鼓に似た円状の物体をツチグモの背中に展開させ、太鼓のバチに鬼の顔が施された武器を力強く叩き込んでいた。
「グガァァァァァッ!!!」
響鬼から奏でられる音は魔化魍であるツチグモにとっては天敵の様なもの、河原を所狭しと暴れ回り己の背中にいる鬼を振り解こうとするも熟練の鬼である響鬼には暖簾に腕押しも同然。
「ぬぉおおおおおっ.....ハ゛ァ゛ッ゛!!!」
響鬼は仕上げとばかりに棒を上に振り上げて気合を込め、バチ同士を歯切れ良く鳴らすと、鼓に向けて一気に振り下ろす。
トドメを刺されたツチグモは抵抗を止める様に項垂れると全身にコブが隆起したと思えば風船の如く盛大に弾け飛んだ。地上に立つ響鬼の周りはツチグモの残骸である枯れ葉や土塊が雨の様に降り注いでいた
その一連の様子を見物してたのか、響鬼の遠くの洞窟の影に潜んでいた黒装束の女は満足げな笑みを感じとる瞳を向けた。しかしそれは誰かに言われるがままに表情筋を動かした様な不自然さに満ちていた。
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鬼が一仕事を終え帰路に立ち、立地の悪さや観光ルートに無い事で人など入り用も無い洞窟の湖はは先程の激闘も忘れ夕陽の淡い橙色に染まっていた。
そんな穏やかな湖の辺りを進む影が一つ、黒装束の女だ。銅色の杖を片手に音を鳴らす事なく進む女はツチグモの爆散した場所に立つ。そこには人間を喰らう巨大な蜘蛛だったとは思えない程に貧相な土塊と枯れ葉が散らばっていた。
人形の如く感情など見当たらない女は銅色の杖を構え、側面に付いていた取り付け具に試験管を差し込み、ゆらりと掲げれば河原に何の躊躇いもなく突き刺す。
試験管の中の液体が泡をあげて容量が減り、代わりに杖の先から得体の知れない液体が河原に流れ始める。液体は枯れ葉や土塊を巻き込みながら河原を滑り数メートルで止まると盛り上がる様に体積が増し、人間の姿になった。
人の形をした何かは立ち上がる。その姿は先程無惨にもツチグモに食い殺された姫そのものだった。橙色の光が照らす中、長い黒髪を垂らしそこから覗く右目で同じ顔をした黒装束の女に向けて口を開いた
「我が子は何処へ...?」
姫の口から発せられたのは番であった童子と酷似した色気漂う魅惑的な女性の声だった。しかし男の声を持つ姫にとって外見の性別と合致した声はあり得るはずがない。女は姫の問いに答える素振りを見せず目的を達成したかの様に姫に背を向けて歩き始めた。
「待ってください...我が子は...」
姫は引き留めようとするが、女は応じる訳もなく姿を消した。立ち尽くす姫の綺麗な太腿を、夕風が優しく撫でた。
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夕陽が海に飲まれ暗闇が支配する森の中、辺りに響き渡ったのは扇情的な女性の喘ぎ声と卑猥な水音だった。
勿論その主は姫。
「んああっあああん...!我が子ぉ....!我が子よぉっ...!貴方がいないと私はぁ....んんあぁあ..うぅぅぅ....!!!」
姫は枯葉の絨毯の上を仰向けになって下半身を纏っていた黒色のホットパンツを脱ぎ、黒いグローブがはめられ、黒色の長い爪の生えた己の秘所をかき混ぜていた。姫の愛液は襞を超えて綺麗な腿を濡らし、側の枯れ葉を湿らせていた。
日中に愛情を持って育ててきた我が子に無情にも喰われた姫と同じ姿とはとても思えない程に我が子に対する膨大な愛を叫びながら、子供に牙を突き立てられた箇所と同じ秘所を水々しく鳴らしながら、着流し越しに膨らんだ乳房を開いた右手で弄る。
「んううううううううっっ!!!!」
絶頂に達したのか姫の膣からは間欠泉の如く愛液を夜空高く吹き上げる。快楽を降る様にぐったりと野に付した姫の頬に愛液が僅かに顔に落ち、蜘蛛の巣に似た字を綺麗になぞった。
潤いのある唇から透明な吐息を出して、白い着流しも乱れたまま。膣を中心に透明な愛液で濡らした腿や黒いブーツも後始末ををせず、姫は疲れに飲まれる様に瞳を閉じた。
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暗闇が朝日に奪われ切った頃、港にある集団が集まっていた。
「皆さん着きました!ここが自然溢れる島、屋久島です!」
教師と思わしき眼鏡を掛けた青いジャージ姿の若い女性が声を上げる。周りには9歳ぐらいの小学生、男女合わせて32人。名札には東京の小学校の名前が書かれている道中のフェリーでの船酔いも気にしていないのかとても元気よく返事をした。
「今年の遠足は屋久島のハイキングです!ここでしか見られない様な生き物をいっぱい見て楽しみましょう!!」
教師も張り切って宣言すると生徒達も同じ勢いを持って返事した。
「それでは何時もの通り背の順でいきましょう!!」
女性教師の非常に優秀な教育の賜物か、生徒達はなんのいざこざも無く素直に綺麗に整列した。
「おっ、こりゃあしっかりした子達だ」
側で見ていた島の住民である高齢男性は目を丸くした。
「ありがとうございます!!」
生徒全員が男性に向かって礼をする。教師も穏やかな笑みを浮かべる。
「それじゃあ行きましょう!!」
教師が改めて宣言すると一行は街に向かって歩き出した。
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陽が南に鎮座した頃、宵時に乱れきってそのまま草むらで眠りについていた姫が目を覚ます。いつもより広い視界から己の姿を見る。
長い髪が枯れ葉を絡みつけ、はだけた着流しから乳房が覗く。股間は何も身に付けておらず、黒いホットパンツもブーツの側に転がっていた。
「...こんな姿...我が子には見せられない...」
己の惨状を見回した姫は溜息を吐き乙女の如き恥じらいの言葉を呟くと、右手の黒い爪で髪の枯れ葉を払い、乱れた着流しを整えて、ブーツを脱いで、散らばっていたホットパンツを脚に通す。
そこには昨日までの人ならざる雰囲気を身に纏った怪人物と同一とは思えない、とても人間臭い行動をする魅惑的な一人の若い女性がいた。
身なりを整えた姫は立ち上がり、天を仰ぐ。
原生林から降り注ぐ木漏れ日が姫を照らした。
姫は地面を蹴り上げると一瞬で5メートルはあるだろう近くの木の枝へと飛び移る。人間技では無い華麗な身のこなしで木から木へと飛び移ると、大きな杉の木の高所に到達。側面に身体を密着させると瞼を細め、口角を吊り上げた。森林浴である。
ふと姫の目に止まったのは、黄色と黒の縞模様を持つ、昨日まで自分が育てていた子供をそのまま縮小した様な1寸程の蜘蛛だった。
敵から逃れる為にここまで来たのだろうか。安堵をした様に脚を休めていた
姫は目の前で休息用の巣を作る為せっせと動く蜘蛛に右手を手を差し伸べると、蜘蛛を自分の手に誘導させる。
穏やかな瞳で手の中の蜘蛛を見つめる姫。まるでツチグモに愛情を注いだ姫の様に見える光景。そして蜘蛛が中指の頂点に昇った時、吐息を吐く様に呟いた
「...いただきます」
姫は唇の間から桃色の舌を伸ばすと、中指の先を触れ合わせる。突然の展開に小さな蜘蛛はその場から逃亡する事が出来ず、指と舌の間に挟み込まれる。虎模様の身体から水風船が割れる様に透明な体液が流れだし、糸を伝う脚もポキポキと簡単に折られていく。
中指を滑らせ唇から離せばゆっくりと力を抜く様に腕を垂らす。指の先に付着した蜘蛛の残骸は、風に弾かれ、屋久島の空に混ざって消えた。
柔らかい唇で口内を施錠すれば、舌に乗った蜘蛛の欠片を舌で転がすと、まるで良質な料理を食した若い女の様な愛らしい笑みを浮かべた。
一通り癒された姫は枝の上で中腰になると、近くにある森の木の一つへと飛び降りる。高低差や距離の違いが大きい場所へ軽々と飛び移れば森の木々を縦横無尽に飛び回った。
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ハイキングコースでは小学生達が談笑や珍しい樹木や川の流れる音を楽しみながら女性教師を先頭に順路を進んでいた。川の音が遠ざかり休憩場まであと数メートルまでの時、一人の中列辺りにいた男の子が自信なさげに震えた声をあげる。
「せっ...先生...」
「ちょっとみんな止まって!」
「龍弥くんどうしたの?」
生徒達の話し声に埋まってしまうはずの男の子の声も聞き逃さず、温かな笑みを見せながら女性教師は生徒達に声を掛ける。生徒達も指導に素直に応じて一斉に口を閉じる。それを確認した女性教師はもじもじする男の子の元に向かい前屈みになって質問をする。
「先生....ボク....もれそう....」
龍弥と呼ばれた少年は森に入る前に緊張を解すため、持っていたペットボトルの水を飲み過ぎた所為か休憩場の中間あたりで小をもよおす一歩手前まで来ていたらしい。しかし上記が原因で漏らしそうだと言える訳ないと性分も相まって恥ずかしさあまりここまで言えなかった様だ。
「じゃあ休憩所に急いで行こう。あそこにはトイレもあるし」
「みんな脚大丈夫?」
前列にいたクラス委員長と思わしき女の子が女性教師に続いて一緒に生徒達に質問すると他の生徒達は元気よく返事をする。
一行は少し早いペースで休憩所に向かい、そこから女性教師と龍弥は近くのログハウス型のトイレに向かった。
「じゃあ行ってらっしゃい!」
二人はトイレの前に女性教師は男性用トイレの入り口の前に立ち龍弥を見送る
「ありがとう...!」
今にも漏れそうな龍弥は連れて行ってくれた先生と一緒に向かってくれたクラスメイト達にお礼を言いながら個室へと一目散に向かった。女性教師には言えなかったがどうやらフェリーでお菓子を食べ過ぎたせいで大も出したかった様だ。
「はい、龍弥君はトイレに行ったけれどみんな集まってるのでここで休憩しましょう」
女性教師が宣言すると、生徒達は草むらに座りここまで動かした脚を休めた。
「ふう...すわれるやつで良かった...」
洋式便所が脚の安めになった龍弥は安堵をしながら水の流れる個室を出た。
外からクラスメイトの声が聞こえる中、トイレ中の手洗い場で備え付けの石鹸を洗い流し、背負っていたリュックから出したタオルで濡れた手を拭いていると、室内を少し強めの風が通る。
「あっ...」
龍弥のリュックの隙間か遠足のしおりが飛び出ると、風に乗って換気の為に空いていた窓に向かって飛んで行く。
龍弥はタオルを片手にしおりを追いかけるが、床に足を引っ掛けてしまい、勢いまかせに空を飛ぶかの如く小さい身体が宙を舞う。
窓の方が大きかったのか龍弥の身体は枠を綺麗に擦り抜け、トイレの外に放り出されてしまう。
運の悪いことに窓の外の森はとても急な傾斜をしていた。恐怖のあまりに叫び声を上げることも出来ず、龍弥は背中から地面に落下すると、重力に引かれる様に坂道を転がり落ちていった。辺りには鳥の鳴き声が木々を行き交う様に響き渡っており、生徒の転がる音に皆は気がつく事は無かった。
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ハイキングコースから大きく外れた靄がかった川、辺りにある大きな石にツチグモの姫は座っていた。ここは獲物を狩る際によく訪れていた場所、まだ自分と同じ大きさだったツチグモと一緒に来て水を飲ませていた場所だった。
しかし、姫にはそんな記憶などカケラも無かった。ただ自分の本能に従うままにこの場所に来ていたのだ。虚な右眼を動かすとそこには何かの影があった。
姫は石から飛び降り川辺に着地する。弾ける飛んだ水を気にすることもなく、黒いブーツで流れる水を掻き分けながら影の元へと歩みを進める。
影の正体は仰向けでで気絶していた龍弥だった。休憩所のトイレから放り出された龍弥は森を転がり続け、この川の近くにまで来ていたのだ。
姫は少年の近くにまで近づくと、蜘蛛の巣の痣がある右眼で顔を覗く。
何かに気づいたかの様に瞼を見開くと、姫の頬を透明な雫が伝った。
「ここにいたのかぁ...我が子よぉ....」
姫は餌である筈の人間の子供へ感激の声を漏らした。
はい、ツチグモに食い殺された後クグツの手により蘇った姫と、不運な事故により周りから逸れてしまった龍弥が出会ってしまいました。此処から人ならざる美女と恥ずかしがり屋の少年がどう絡み合っていくのかを次は描いていきたいと思います。
書いて欲しい姫を募集します
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奥多摩のヤマビコの姫
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奥久慈のイッタンモメンの姫
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藤岡のオオアリの姫
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秩父のオトロシの姫
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下野のヌリカベの姫
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鎌西湖のウブメの姫
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小菅のヤマビコの姫
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大月のオトロシの姫
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日光のバケガニの姫
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足尾のヤマアラシの姫
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東雲のオオナマズの姫
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大洗のバケガニの姫
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大洗のアミキリの姫
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浅間山のウブメの姫
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浅間山のヤマアラシの姫
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旭村のドロタボウの姫
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猿橋のバケネコの姫
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榧ノ木ヨロイツチグモの姫
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スーパー姫
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洋館の女