「おかしいなぁ...お腹の調子が悪いのかしら?」
屋久島のハイキングコースの休憩所、ここに小学校の担任のクラスの遠足に来ていた女性教師はトイレから出てこない1人の男子生徒、龍弥を心配していた。自分は女性なので迂闊に男子トイレに入ることが出来ないので外で待つしか無かったのだ。
女性教師が心配している中、受け持っている生徒の一人がが男子トイレから戻ってきた。少年は龍弥の大の親友であった。
女性教師は動揺する気持ちを隠して生徒に質問する。
「ねえ、勇気君。トイレで龍弥君を見なかった?」
「見ませんでしたよ?あのトイレにはボク以外いませんでした。」
勇気があっけらかんと答えた時、女性教師の顔は一気に青褪めた。“どこかで迷子になったのか? それともどこかで倒れて気を失っているのでは無いか?”教師は気が気でなくなり、震えた手つきで懐から携帯電話を取り出すと、麓の警察署に連絡を始める。トイレから戻ってきた勇気は親友が居なくなった事を察し、休憩所から川の方へ一目散に走り出した。
「りゅうやーっ!どこに行ったんだー!!!」
勇気が龍弥を探す為草木を掻き分けて道なき道を下る中、それを近くにあった木の枝の上で得体の知れない物が見物していた。
「美味しそう...」
獲物を見つけた様に呟いたそれは枝の上から飛び降りた。
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「ん...」
何処からか当たる陽の光に瞼を擽る柔らかな感触、そして空腹感。この二つが龍弥を昏睡から引き戻す。
長い事急斜面転がり落ちて身体中を強打していた衝撃で龍弥の意識は朦朧としていた。視界もレンズの曇った眼鏡をかけた様に白く染まっており、従来の視力を取り戻すのに僅かな時間を要した。
十数分経って視界が晴れた時、龍弥は自分の居る場所を確認する為に周りを見回した。
二つの窓から見える光から頼りに、扉と壁や床の暗さや匂いで何となく木造の古い家である事は理解出来たが、周囲から匂う雨が染み込んだ匂いが龍弥に此処から出たいと言う強い恐怖心を与えていた。
恐怖心により身体を震わせていると胸の下に何かが落ちる音が聞こえた。少年は徐にそれを拾い上げ書かれていた文字を読むと首を傾げた。
「りゅう...や...って...だれ?」
何と彼は落下の衝撃で自分が何者か分からなくなってしまったのだ。本来ならここで自分を確認するはずの名札を少年は無造作に放り投げると床を滑り、壁と床の間にあった隙間へ消えた。
「ひっ...!」
建物の外から枯れ草を踏む音が聞こえた。記憶を無くした少年は本能からか音の聞こえた先から逃げる様に尻餅を付いた状態で床とズボンを擦らせる音を出しながら後退りする。
”外にはばけ物がいるのかも知れない、もしかしたら自分は食べられちゃうのかも...“少年は混乱しながら、段々と大きくなっていく物音に反比例するかのように身体を丸めて防御の姿勢をとる。
枯れ草を踏む音が止めば、扉の方から若い女性の声が聴こえてきた。
「ただいま...」
その包み込む様な優しい声は少年の心に強く掛かっていた警戒心を解してしまうほどだった。強ばった身体が緩む中、軋む音を響かせながら扉が開いた。
「あっ、起きてたんだ。おはよう...坊や?」
開かれた扉の先にいた声の主は、長い黒髪を顔の前に垂らし、白色の着流し型の上着に黒いパンツ、スリムな太腿を輝かせ、黒いロングブーツを履いた大学生ぐらいかの若い女性だった。
少年は自分に巣食っていた筈の恐怖心など忘れ人生で初めて見たであろう目の前の女性の美しさに目を奪われていた。それは自分が知らない人間に“我が子”と呼ばれた事を不思議に思わないほどだった。
ロングブーツの底で床を軋ませながら、女性は左腕に抱えていた白い大きな物体を少年の目の前に置いた。
「お腹空いているでしょう? ご飯、持ってきたよ?」
その声を聞いて少年は目の前にある物体を見て女性の顔に自然と顔を上げ“ありがとう、いただきます”と声に表した。
女性その言葉に頬を緩ませる。
しかし目の前は白い何かに包まれた物体、記憶があろうと無かろうと少年は此れを食べ物と認識する事は出来なかった。少年は微笑む女性に向けて”どう食やって食べるの?“と質問をする。
女性はそれに応える様に物体に纏わりついた白い糸に黒色のグローブを身に付けた手を伸ばし、綺麗な形の指を使って器用に剥がしていく。
全ての糸を剥いだ先にあったのは少年よりは一回りは小さい、しかし食べ物にしては大きい赤々とした新鮮な肉であった。
視界をでかでかと支配する赤い宝石に一気に心を奪われた少年は空腹であったことも相まり、獲物にがっつく虎かの如く肉に食らいついた。生え変わり途中の歯にも優しく噛み切る事が出来、口の中には舌や心を幸福に包む様な旨味が広がった。
食事を存分に楽しむ少年と幸せな顔で見守る女の周りには肉を保護していた白い糸が散らばっていた。白い糸には新鮮な肉の宿命か鮮やかな赤が染み付いていたが、それに付属する様に服の様なカラフルな布が細かく付着していた。
その中の一つには赤いしみに囲まれていた札があり、その中には「勇気」と書かれていた。
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少年は大きな肉を食べ切ると”ごちそうさま“と女性に言う。女性は“お粗末さま”と少年の頭を優しく撫でると周りに散らばった糸を集め、両手に抱えると、少年にこう告げた。
「今から片付けに行くから、大人しく待っててね?」
少年は笑顔で返事をすると、女性は微笑で返して小屋を出た。
女性は少年を見つけた川に訪れる。相変わらず靄が覆う中、女性...姫は先程捕らえた獲物を保護していた白い糸を川に落としていた。流れに呑まれた糸は水に混ざり、布とともに溶けていく。
姫は糸を処理をする中、少年が食事をしていた姿を回想する。姫はそれを思い出しながら欲情しているのを自分ながらに感じた。
しかし相手は息子、自慰ならまだしも本当に手を出してはいけないとそれを押さえつけていた。
姫が全ての糸を流し終えた時、右側から夜が訪れた様な黒い淀んだ雰囲気を感じ取った。
姫が淀みの先に首を向けると、黒装束の女が邪気を放ちながら立っていた。
「我が子が見つかりました。私に何の御用があるのですか?」
姫は女へ問い掛けるが、女からの返事は無い。
女は姫に向けて右手を翳す。その瞬間、姫は金縛りにあったかの様にその場に磔にされた様に動けなくなった。
瞬きもせずに姫は女を睨んだ。女は空を押す様に右腕を動かせば、黒色の強い波動が放たれ、姫の身体を突風の様に突き抜けた。
姫の一瞬の怯みを見逃さず、女は姫の懐にまで一気に詰め寄る。
目の前に現れた女に恐怖を感じた姫は女から逃げようとするも女の術により動けないままだった。なす術の無い姫を至近距離で見つめる女はレースの手袋を纏わせた左手で自らのマスクを脱ぐ。
右頬の模様がない事以外は姫と瓜二つの顔面を晒すと、女は自分の左手を服に差し込み懐から空の試験管を取り出す。
それを姫に見せつけると女は試験管を静かに下す。右手で足元の裾を上げると左腕を服の中に潜り込ませ、試験管の口を己の秘口と合わせる。
女の唇はピクリとも動かない。
試験管に水が注がれる音が終われば、女は試験管を秘口から離して姫に見せつける様に掲げる。
恐怖に怯える目をする姫を女は生の無い目で見つめ、視線を己の聖水と愛液が注がれた試験管に移動させると、艶めいた唇を開いてそれを飲み始めた。
声も発さない女が出す口含みに姫は、身体の奥底から色情的な物が溢れ出しているのを感じた。
女は空になった試験管を懐に戻すと、空になった両手で姫の頬を持つと、姫に掛けていた金縛りを解くと同時に、自分の液に濡れた唇を姫の艶めいた唇に押し当てた。
「くっ!?」
突然の行動により驚いた姫は金縛りから解かれた身体で女の唇から逃れようとするも、女から発せられる気には逆らえる気がしなかった。
「んむうぅぅぅぅぅっ....」
女は姫の口内に聖水と愛液が混ざり合った汁気を流し込む。抵抗出来ない身体で女の舌に蹂躙される中、己に欠けていた色情のダムが決壊されるのを感じた。
女の汁気が全て姫に移されると唇を離し、右手を上げ汁にまみれた口を覆う。
姫は何の抵抗もなく喉を鳴らし、口内を空にすれば、力が抜けた様に地面へへたれこむ。とろんとした右目で見上げると、女の姿は幻の様に消えていた。
すると姫の身体がどくんっ、と波打つ様な震えを感じた。その震えは収まる気配が無く、姫の挙動をおかしくさせる。
「あうんっ!ひゃあああああああああんっ!!!」
黒いショートパンツと両太腿の間から透明な液体が漏れ、程よい乳房が着流しを揺らし、口元から唾液を垂らし、絶叫にも近い嬌声を上げながら姫は辺りをのたうちまわった。
震えがある程度収まるも、姫の色情は留まらなかった。
「我が子よぉ...今...私が....行くから...ねぇ...」
びくつく身体を引きながら、姫は我が子と呼ぶ少年のいる小屋へと地面を這いずり始めた。
お読みいただきありがとございます。
次が姫と少年との本番です
書いて欲しい姫を募集します
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奥多摩のヤマビコの姫
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奥久慈のイッタンモメンの姫
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藤岡のオオアリの姫
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秩父のオトロシの姫
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下野のヌリカベの姫
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鎌西湖のウブメの姫
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小菅のヤマビコの姫
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大月のオトロシの姫
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日光のバケガニの姫
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足尾のヤマアラシの姫
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東雲のオオナマズの姫
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大洗のバケガニの姫
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大洗のアミキリの姫
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浅間山のウブメの姫
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浅間山のヤマアラシの姫
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旭村のドロタボウの姫
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猿橋のバケネコの姫
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榧ノ木ヨロイツチグモの姫
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洋館の女