☆岩山だらけ地帯
☆岩山だらけ地帯
☆岩山だらけ細道 地下にエルトナ
☆岩山だらけ細道 地下にエルトナ
☆岩山だらけ細道 地下にエルトナ
☆岩山だらけ細道 地下にエルトナ
扉
南方向への街道。
☆
錬金術のアトリエF 0
旅を続け、ソフィーとプラフタはエルトナと呼ばれる国の外れ、岩山の辺りにたどり着き、そこで待機していた。
国の外れのエルトナは、北の国と南の国の国境にあり、ソフィーは運良く南側から干渉していた。
運良く……
というのは、エルトナの町は南側と仲が良く、北側とはいざこざしながらうまく誤魔化してる、という感じらしく、ようやく町に入る許可を貰えそう、という運びになったからだ。
なんだかんだで、2年も待つ事になったのだが……
この炭鉱奴隷の集団の町に、錬金術の素質のある者を嗅ぎ付けたからだ。
そしてソフィーは、マナの柱の新しいのが2つ誕生していて、それを抱えている。
「あちら側、こちら側って揺れ動かされる町って、本当に大変なんだよね……」
ソフィーは大きな岩山を眺める。
この岩山の地下が、エルトナの町なのだ。
「ですが、エルトナと言う名前よりも、ベルントの居る町、という評判の方が高かったですね」
プラフタはそう話す。
実際に聞き歩いた限りでは、あまりエルトナという地名は知られていないのだけれど、ベルントと言う名前はやたら知れ渡っていた。
曰く………14万の大軍を退けた。
曰く………戦争の天才と呼ばれた大将軍、アールメルツ将軍を破った。
曰く………
なんか色々な国を相手に、のらりくらりと上手く立ち回っているらしい話を幾つも聞けた。
ともかく、単に鉱石を納めているだけの搾取され放題な町……
というのはどうやら仮の姿なのだと、一目置かれている町。
それがベルント長老を頂く、エルトナという町らしい。
道がある、という事以外には、あまり見分けられないくらいに、そこら中岩山だらけの荒野。
そんな岩山の1つに登り、ソフィーとプラフタはエルトナの岩山を眺める。
エルトナの町へ入る為の案内役、の到着はまだ数日かかるらしい……
…………
岩山の底の町、エルトナ……
そこは空の無い薄暗い鉱物と鉱石の町。
巨大洞窟を町にしているような感じで、輝きのクリスタルを中心に、日々鉱物採掘の毎日を送っている。
「長老、今日も行って来ます」
作業員達が、ベルント長老にそう挨拶をする。
「おお。くれぐれも怪我をせぬようにするんじゃぞ?もうノルマは、ほとんどクリアしとるんだからな」
冴えない顔の髭のおじいさん、ベルント長老はそう話し、作業員達を送り出す。
とても戦争に優れた人物、とは見えない風体をしている。
そうして送り出され、中心クリスタルから離れて行く作業員の中に、フィリスという名前の少女も居た。
「フィリス、今日も頼むぞ?」
作業員達にそう言われて先頭を歩いている少女が、今回ソフィーが追い求める錬金術師の才能を持つ少女、という事になるのだけれど……
「えへへ~……私のセンサーは、今日もバリバリだよ~!」
まだ幼い少女は、明るい性格で可愛い声をしている。
そんな少女を先頭に、作業員の一団は薄暗い採石場の奥へと進む。
「ピコーン!」
フィリスが壁を指差し、高い声を出す。
「この前、ここ掘らなかったか?」
「なんで以前出た所でまた出るんだろうな?」
作業員の男たちが、その場所にツルハシを構える。
そして丁寧に削って行くと、エルトナ水晶がコロコロと出て来た。
「さすがだな」
「ニコラさん、またフィリスの服を新しくしてるなぁ。愛されてるねぇ」
作業員の男たちは、口々に話しながら採石を進める。
「ピコーン!」
「またか!」
そうして、朝から始まった採石は昼には終わり、中心クリスタルへと戻る。
お仕事はおしまい。
作業員達は、これから物運びらしく、南の国の兵隊達と共に出掛けるのだそうだ。
フィリスは子供だし背が低いし、別に力持ちでもないので、物運びに駆り出される事はない。
姉のリアーネも、狩人組で出掛けるのだけれど、フィリスは外に出た事が無かった。
「ううう……どっか遊びに行くかなぁ~……」
フィリスは、とぼとぼと歩き出す。
…………
「錬金術師殿。お待たせしました」
一方、エルトナの町のある岩山群のとある場所。
野営するソフィーとプラフタの元に、案内役と言う兵隊が訪れた。
軽装だけれども、強者のオーラを纏っている兵隊3人。
ベルントの隠し兵隊の人だろうか?
あの……
14万の大軍も追い返したと噂される……
「許可は出ました?」
ソフィーは尋ねる。
このエルトナの町は、出入りが容易ではない町なのだ。
忍び込むにも、ベルントの隠し兵など、恐ろし過ぎる。
「はい。表門へご案内致します。あなた方はどこの国にも属しておられないようですので。ベルントも旅の話を聞いてみたい、と仰せです」
ソフィーとプラフタは、案内役に案内され、エルトナの町へと入る。
案内役は町には入らずに、何処かへと消えた。
ともかく、エルトナの町の中へ……
……今回、こうして錬金術師の才能を持つ者を求めて来たのには訳がある。
ソフィーの持つマナの柱が増えて、その増えたマナの柱の主となる者が必要となったのだ。
増えたマナの柱の赤ちゃん2つ……その2つの面倒を見ながらの旅でもあったのだけれど、ソフィーとプラフタの2人では、2つのマナの柱を同時に持ち続ける事が、厳しくもなってきた。
元々のマナの柱はキルヘンベルの、ソフィーのアトリエにある。
そこにはアシタバの帰舟で戻ったり出来るのだけど、今やモニカに託したようなもので、ソフィーとプラフタは、2つのマナの柱の為の方策を探す旅をしていた。
「ようこそようこそ、錬金術師殿。わしがベルントと言う、長老をしている者じゃ」
なんかひょうきんな声の老人が、寂しい薄暗い町の、仄かに光るクリスタルの広場に現れた。
噂の強者感は、まるでない。
「えーと……?ベルント長老?」
思わず、ソフィーはそう尋ねる。
凄み、というかオーラみたいなものも、まるで感じられない。
「今、そう話しましたぞ。ともかく、わしの家へ案内しますぞ」
ベルントはそう言って微笑み、歩き出す。
ソフィーとプラフタは、その老人について行く。
小さな家に案内され、ソフィーとプラフタはベルントの家?へと入る。
長老なのに、質素な暮らしのようだった。
「なんか、噂を聞く限り、凄い人みたいなのに、質素な暮らしなんですね」
ソフィーがそう話す。
「ああ、アールメルツ将軍7万と、パッツ14万の話が巷で噂になっておりますか。こんな小さな町が、そんな軍勢を破るなんてとんでもない。本国に何かあったんでしょう。彼らは気まぐれに引き返して行った。それだけの事ですな」
ベルントはそのひょうきんな声で、そう話す。
どちらも北からの侵攻だったみたいだけど。
「それよりも、あなた方は新しく生まれたマナの柱を2つも運んでおられる。という事は、宿主探しですかな?」
そして、そのひょうきんな声はそう話を続け、ソフィーとプラフタの目的を言い当てた。
「あはは、お見通しなんですね」
ソフィーは胸の前で指を絡めて、苦笑いをする。
「錬金術士事情には明るくありませんが、誰が目当てなのか、詳しく知れたら教えてくだされ。薄暗い町ですが宿もありますので、ゆっくりして行って結構」
ベルントはそう話し、ソフィーとプラフタを迎える。
そしてベルント長老の奥様、おばあちゃんが、食事の準備を進めてテーブルに並べた。
「なんか、凄いセクハラおじいちゃんだったよぉ……」
お酒と料理はありがたかったけれども、ベルント長老のおさわりなんかも、もれなく付いてきて……
ようやく解放されたソフィーがうなだれる。
「凄い人みたいな噂も、疑問ばかりになってしまいましたね」
ベルント長老の歓待を受けて、そして家を出る2人。
ソフィーとプラフタが、そう話し合う。
……とはいえ、マナの柱でうねうねエロエロし馴れてるもので、あまり精神的なダメージも無かったりもするのだけど。
おさわりだけだったし。
「まあ、平和な感じだから、ありがたいんだけどね」
呑気な感じでソフィーはそう話し、どこともアテもなく歩き出す。
「そうですね。人の集まりによそ者が入る、というのは苦労が耐えない物ですが、やたらとすんなりと入る事が出来ましたし」
プラフタも、ソフィーについて歩き出す。
「ん?」
そんな中、なんかやたら飾った衣装の少女?に気づく。
汚れた灰色の髪が、長い。
そしてなんか臭い。
ソフィーは足早にその少女?から離れる。
プラフタもそれに続く。
そして少女は、黒い粉粘土にまみれたキノコに夢中のようだった。
「……あの子がお目当ての子だね……」
その少女を遠目に、ソフィーは呟く。
新しいぷにちゃんに馴染む、錬金術士の力を受け取れる才能に反応する探知チャームが、反応しているのだ。
……これは間違いない。
「と、いう事は女性で確定のようですが……なぜあのような……?」
そんなソフィーにプラフタも続く。
そして取り敢えずベルント長老の元へと戻る事にした。
少女はソフィーとは別の方向へと歩き、なんか木箱を叩き壊して、どこかへと行った。
不機嫌な感じではなく、ご機嫌な感じなのに……
「そうか……フィリスが目的の者じゃったか……フィリスは鉱石を探知出来る不思議な娘じゃから、まあ納得じゃなぁ……」
ソフィーとプラフタは、約束通りベルント長老に話すと、ベルント長老はそう教えてくれた。
性格は底抜けに明るい性格で、暇があると粘土の粉とかキノコとか鉱石とか集め回っているのだとか。
そして父親と母親に怒られていたり……
「マナの柱の宿主がフィリス……鉱石探知が無くなってしまうのは手痛いが……」
ベルント長老はそう呟き、ソフィーの手を握る。
「え?あれ?」
なんか手を繋ぐつもりはないけれど手を取られて、ソフィーは戸惑う。
「フィリスを宿主にする、というのも許可しましょう。ただ、フィリスは両親に愛されておりましてな……」
ベルント長老はそう話す。
ともかく、なんかかなりすんなりと話が進んで、ソフィーとプラフタはベルント長老にやたらと受け入れられているみたいだった。
なんか、セクハラ許しておけば良いのか……的な気もするけど、結果オーライな感じだ。
ここには、ゲームには無い、勝手に付け加えた設定を書いておく所。
[北の国]
蛮族国家として、広範囲を支配している国。エルトナよりも、優先順位の高い国々を攻めるのに忙しい為、エルトナの隣の地域の支配は、あまり優秀な人を置いていない。
[南の国]
フルスハイム、ライゼンベルグと大きな町を持っている。かなり平和を愛好しているものの、魔物に滅ぼされてる村なんかもちらほら。エルトナとは物流もあり、友好的が故にエルトナとしては南の国に属している、みたいな感じ。
[ベルント長老]
ゲームではひょうきんながら偉そうな感じもあり、なんかフレンドリーで優しいおじいちゃん。小説でもそこは変わらないものの、影の実力者的な所が追加されている。
[アールメルツ将軍]
北の国の将軍。凄い人らしい。
[ベルントの隠し兵]
エルトナの忍者部隊。小さな国が大国の間をのらりくらりするにも、このくらいの兵は必須。
[狩人組]
ゲームでは、リアーネが単独で狩りしてるみたいになってるけれど、こちらでは10人程度の集団で、リアーネはそのうちの1人。
[マナの柱]
この小説ではめっちゃ出てくる、不思議パワーの源。古代の錬金術の賜物。
[マナの柱の赤ちゃん]
マナの柱となった命。産まれたばかり。
[アシタバの帰舟]
マナの柱の主が、マナの柱に戻る為の道具。道具……というより能力。
[パッツ]
北の国の将軍。なんか凄い人らしい。
[うねうねエロエロ]
18禁!
[探知チャーム]
ソフィーの錬金術で産み出した不思議アイテム。マナの柱の赤ちゃんと相性の良い生物を探知する。
なんと、相性バッチリのオレンジ足なんてのも居たり。さすがに人間じゃないと……
[オレンジ足]
どこにでも居る、虫を食べる小鳥。ムクドリ的な鳥。