☆ フィリスのアトリエ (すぐ庭先)
4時間 南↓↑北
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おばちゃんの中継所小屋
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2時間 南↓↑北
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中心クリスタル広場
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1時間 南↓↑北
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中心クリスタル広場南中継所小屋
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8時間 南↓↑北
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パーストン一家の中継所小屋 兼トロッコ置き場。パーストンのご隠居
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4時間 南↓↑北
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空の見える場所兼釣り場
☆
1時間 東↓↑北
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坑道入り口中継所小屋
☆
錬金術のアトリエF 2
おばちゃんの中継所小屋から北へ。
あと2時間ほど歩いたら、フィリスの家だけど……
「ん?広場ってひょっとしたら私の家の目の前?」
フィリスはふと気付く。
フィリスの家の庭先、みたいな場所にちょっとした広場がある。
「ニコラさん、という方が住んでいましたね」
プラフタが言う。
事前に挨拶をしたら、快く貸してくれたとかで。
「お母さんじゃん!」
「じゃあ、フィリスちゃんの家の目の前なんだね~……町の端っこで広い場所だったから、ちょこっと借りる事にしたんだけどね」
ソフィーもそう話す。
そうこうしていると、フィリスの家と井戸が見えて来た。
「さて、ではでは……」
ソフィーが地面をトントン、と杖で叩くと……
何か薄い影みたいな物が地面から染み出して、ぽこん!と煙が立つと、小さな可愛いテントがあった。
「おお~♪これも錬金術なんですか!?」
フィリスは目を輝かせる。
「まあ、入ってみて♪」
ソフィーに言われて、小さな家に入ってみる。
フィリス3人くらい入るサイズの家に入ると……
「あれ?凄い広い!」
フィリスが30人ぐらい入る部屋が、3つもあるのだ。
なんかソファーと机、釜とベッドまで置いてあるし。
なんか、フィリスの家のフィリスの部屋よりも広くて、ステキな絨毯まで敷いてある。
「へへ~……これが、フィリスちゃんにお任せしたいマナの柱の子供なんだ。この家部分は、ツノみたいなもので、本体は地下に居るんだよ」
後から入ったソフィーが、そう話す。
その後からプラフタも入って来た。
「凄い!凄すぎです!マナの柱って名前なんですか?」
フィリスはキラキラの瞳で家を見て回っている。
そして奥に入る3つ目の部屋に入ると、コミカルな見た目の、めっちゃ舌がでかいオバケがぱちくりしている。
「うわぁ!」
さすがに驚くフィリス。
「あれ?今日はゴーストなの?」
その後ろからソフィーが顔を出す。
「このモンスターが1番可愛い、と評判だったから、ゴーストにしてみたけど、結局は驚かせたみたいだね。初めまして、僕がマナの柱で、ティベリウスって名前だよ?」
ゴーストはそう話した。
「え?あの、私はフィリス・ミストルートって名前だけど~……なんかティベリウスって名前、カッコいいです!」
フィリスもそう話す。
舌をふらふらさせて目をぱちくりさせてるゴーストは、確かにカワイイ。
「マナの柱は子供とはいえ、クジラみたいに大きいから、こうして話す為には、こういうマスコットを使うんだ。基本的には、錬金術を使う時の時間の支払いの時に僕の部屋に案内するから、いらないんだけどね」
ゴーストは、そう言うとフィリスに近寄る。
飛んでるから、ふよふよするのかと思いきや、ぽんぽんと小さく跳ねながら近寄って来た。
「お、おおう!」
近寄るゴーストをフィリスは捕まえる。
フィリスの身体のサイズの7割程の大きさ、小さいモンスターなんだけど、7割の大きさってのは、結構でかい。
「僕が大きくなる為に、主となれる人間が、君だね。凄く馴染む感じがするよ。よろしくね」
フィリスがゴーストと抱き合うようにすると、ゴーストはそう話して消えた。
少しだけあったずっしり感も、まるで夢だったかのように消えてしまった。
「あれ……」
フィリスが2つ目の部屋の方に目をやると、ソフィーとプラフタが並んでて、その様子を眺めていた。
「ツノにマスコットを送り込むのって、ティベリウス的には疲れるみたいなんだよね。だからあんまりコッチには姿を見せないよ?」
ソフィーは胸の前で指を絡めて、そう話す。
「さて、マナの柱にしてあげればならない事と、マナの柱からしてもらえる事を、説明しないといけませんね。年頃の女の子ですと、衝撃的な事もありますので」
プラフタはそう話すと、3つ目の部屋にあるテーブルセットに歩み寄る。
「しょ……衝撃的な事……!?」
フィリスはそんなプラフタを見つめる。
「さて、ソフィーから話しますか?」
プラフタは、隣のソフィーを見る。
「あ~、プラフタからでいいかな。あたしだと色々と抜けちゃいそうだし」
ソフィーはごまかし笑いを浮かべる。
「ですが、錬金術師として貴方の弟子に当たるのでは?私からでよろしいのですか?」
プラフタは意外そうな表情で、そう話した。
「そうだった!あたしから説明するよ!」
すると、ソフィーはなんか急にやる気になって、テーブルセットに腰を降ろす。
「さて、実はマナの柱にはヘンタイ的な事がありまして……」
テーブルセットに座ったフィリスに顔を寄せて、ソフィーはシリアスな感じになる。
「へ、ヘンタイ的な……!?」
フィリスもそんなソフィーにつられて、シリアスになる。
「なんと、女の子のね……大事な物を糧に成長したりするから、エロエロうねうねしないといけないの。なんか、そう出来てるんだって」
ソフィーはシリアスなまま、なんか悲痛な表情を浮かべてそう話した。
「……なぜあなたは、心を折ろうとしているのでしょうか?」
プラフタが苦笑いする。
「……女の子の大事な物……って何でしょうか?か、髪の毛とか……」
フィリスは尋ねる。
ヘンタイといえばリア姉だけど、あとはベルント長老だけど……
女の子の大事な物、というのはよく分からない。
「大事な物、でもありますが、不要な物しかマナの柱は求めていないのですけどね……」
プラフタが呟く。
「大事な物なのに、不要な物……!?」
フィリスは首を傾げる。
それからは、少し時間の掛かる話になった。
フィリスの側では惚れた腫れたの話も無く、フィリス自身にも好きな男性とかが、全く抜けていたからだ。
全く考えた事もない、男女のアレコレをひとしきり聞いて、フィリスはそれでもいまひとつ、ピンと来ていなかった。
「マナの柱に、ハダカで色んな汁を抜かれる……けど、その汁は別に取っておくものでもない……じゃあ、別にいいんじゃないでしょうか?」
フィリスはシリアスに答える。
「そー来たかー……」
ソフィーはうなだれる。
「……まあ、それではマナの柱、ティベリウスが、貴方に出来る事を話しましょうか」
プラフタはそう言ってソフィーの肩をぽん、と叩く。
そしてソフィーの目が輝き、その説明を始めた。
まず、魔法の塊であるマナの柱。
魔法が使えるようになる。
HPバリアが備わり、怪我とか防いでくれるのでモンスターとも戦えるようになり、MPバリアが備わる事で魔法を使っても精神を保護してくれる。
LPバリアで旅の疲れを軽減出来るのだけど、こちらは……
ティベリウスは幼いマナの柱。
なのでマナの柱から離れて行動する事が、制限される意味合いもある。
そして錬金術を使う事で、便利な道具を作り出す事が出来るようになる。
更に、いつでもどこでもティベリウスを呼び、食べられて地下に潜る事で、記憶の残る場所へ、ファストトラベル出来るようになる!
……例えば、空の見える場所兼釣り場には、歩くと18時間程掛かるのだけど、ファストトラベルだと3時間程、早い時には1時間とかで辿り着いたりするらしい。
その上、フィリスの仲間にも、そうした恩恵をもたらす事が可能。
至れり尽くせりだ。
更に調合に使う素材の保存、調合時に錬金釜に映してどれを使うのか選べたり、並べ替えたりして錬金術も捗るようにしてくれる。
また、アトリエを呼べば、雨風も完全防御。
地下のティベリウスの体内に入れば、寝心地も抜群。
……と、ソフィーが紙に書きながら説明した。
「……ハダカの汁を抜かれるだけで、そんなに沢山してもらえるの!?」
フィリスは目を輝かせる。
「ハダカの汁……まあ、そうなんだけど」
ソフィーは苦笑いする。
結局フィリスは、あまり分からなかったみたいで。
15歳ってこんなに色恋沙汰とか、エロエロとか分からなかったっけ?
……と、ふと考えてもみたり。
(……コルちゃんもそんな感じだったっけ)
ふとコルネリアを思い出したりする。
色恋沙汰もエロエロも分からなかったなぁ……なんて。
「じゃあ、まあ……錬金術やってみようか?1つだけレシピも教えてあげるねっ」
ソフィーが言い出して、フィリスも錬金釜に向かう。
「お、おおぉ~……」
初めて見る、中身キラキラのでっかい釜を見て、フィリスは感嘆の声を上げる。
きのこ、きのこ、破れた紙片ひと掴み、水、水……
と、錬金釜に入れる。
そして棒で混ぜると……
1つ目の部屋と、その奥の2つ目の部屋に、入り口のドアが現れた。
そんな事に気付く。
そして急に部屋が灰色になり、少し寒い空気になる。
「医者いらず……12時間の支払いだね」
そしてマナの柱、ティベリウスが現れる。
相変わらず、目をぱちくりさせてる、ゴーストの姿だった。
「こ、これは!?」
フィリスは怯む。
錬金釜を混ぜていた棒は止まり、刺さってるかのように動かない。
地面の夢色カーペットも、なんか暖かい色合いの壁なんかもどこへやら、灰色の洞窟の中……
そんな感じになっている。
「僕の中だね……支払う時間、ここで過ごして貰うんだよ。そうすれば、僕は錬金術の力になれるから」
ティベリウスは答える。
フィリスは隣に居たハズのソフィーを探す。
「ソフィー先生は?」
そしてティベリウスのゴーストに聞いてみる。
「ソフィーは他のマナの柱の主だから……僕の中には入れないんだ……プラフタがよく来てくれていたけれど、今回は来ていないみたいだね」
目をぱちくりさせながら、ティベリウスのゴーストは答える。
それにしてもひんやりしてる……
フィリスは寒さに腕を縮めた。
「さ、寒いよ……ここ……」
この寒さの中で12時間は死ねる。
……そう思いつつ、フィリスはティベリウスのゴーストに訴える。
「暖かくしてあげたいのは山々なんだけど、僕も今はチカラが無さすぎて………僕の舌だけは暖かいハズだから……こっちに」
ティベリウスのゴーストはフィリスに背中……後ろ頭?
を、向けるとぽよんぽよんと跳ねて進む。
フィリスはその後ろを追いかける。
灰色で暗いのもあって、部屋の果ての壁が部分的にしか見えない。
……広い洞窟。
でもほんの少し歩くと、フィリス1人くらいの狭い行き止まりになっていて、そこの地面には金色のうにうにしてる毛みたいなのがびっしり生えている。
「おお~……?これが舌なの?」
フィリスはびっしりと生えこびっている、うにょうにょの1つに手を伸ばす。触ってみると温かく、柔らかい。
「舌というよりも、僕が栄養を取る為の場所かな。フィリスで言うなら、口に当たる部分だね」
とにかくひんやりと寒いので、フィリスはそこに近寄って行く。
「温かい所に居ないと私が死んじゃうよ……靴、脱いだ方がいいかな?」
フィリスはティベリウスのゴーストに振り向き、聞いてみる。
「そのままで大丈夫だよ。僕にチカラがあれば、寒くもなくなるハズなんだけど」
ティベリウスのゴーストは、相変わらずぱちくりしながらそう話す。
「ん?ティベリウスは腹ペコなの?」
フィリスは、うにょうにょの端っこに腰を降ろし、ティベリウスのゴーストを見上げる。
温かいうにょうにょがフィリスに取りついて、一気にぽかぽかしてくる。
「まあ、主が居ないからね。だからフィリス、君を心待ちにしてた。って所だね」
ティベリウスのゴーストは、目をぱちくりさせながら、そう話す。
でも、口から話してる訳でもないみたいな感じ……
ティベリウスのゴーストを見ると、でかすぎる舌が邪魔そうだし。
金色のうにょうにょが、フィリスの目の前にうにょうにょしてくる。
「さて、さっそく僕が食事を……」
他のうにょうにょがフィリスの服の中に潜り込んで行く。
「うわあぁ!」
うにょうにょが肌に直接触れて、フィリスはびくん!として立ち上がる。
「びっくりさせた?」
ティベリウスの声が尋ねる。
「ハダカに直接ってのは、大きくなってからは触られなくなってるから、びっくりするね……」
フィリスはそう話す。
「大きくなってから……フィリスは更に小さかったの?」
ティベリウスが尋ねる。
「そりゃ~……赤ちゃんの頃とか~……5歳くらいの時とか~……私にも歴史があるんだよ」
フィリスは腰に、足に触れてるうにょうにょを気にしながら、言う。
「赤ちゃんかぁ……幼虫みたいな感じ?」
ティベリウスは言う。
フィリスに取りついてるうにょうにょは、やたらゆっくりと進んでいる。
「よ、幼虫!?……虫の赤ちゃん?」
フィリスは驚く。
でもエルトナに居ると、虫なんてあまり見る事もない。
……虫の赤ちゃんってどんなんだろ……
「ソフィー達が、よく虫の卵とか幼虫とか成虫とか草とか土とか色々と僕の餌としてくれたからねぇ」
ティベリウスはそう話す。
「ティベリウスの餌……何でもいいの?」
なんか土とか虫とかと同列っぽいので、フィリスはそう聞いてみる。
「何でもいいけれど、主のエキスが無い事にはストックされるだけで、ほとんど栄養にならないんだ。おかげで今は死にそうだったりするんだけどね」
ティベリウスはそう答える。
「むむ……私を待ってたってこと?」
フィリスは自分の身体を見る。
金色のうにょうにょ達は、主にスカートの下から、肩から胸から、フィリスの肌に取りついてる。
「なんだかんだで2年もお預けだよ……」
少し元気のない声で、ティベリウスは言う。
もう既に複雑な構造の靴にも、金色のうにょうにょが入り込んでる。
……食べる準備はもはや万端だ。
「ティベリウスの為に、覚悟、決めるよ!」
フィリスは意を決して言い、目を強く閉じる。
……もはや逃げ道も無い訳でもあるし……
「むひゅう~ぅ!ぬぬぬ~っ!」
覚悟を決めたフィリスは呻く。
まさかの所にもぐり込むうにょうにょに、身体を震わせる。
お尻の穴とかおしっこの所にもぐり込むのだから、変な声も出る。
「これは……馴染む!僕に馴染むね!」
ティベリウスのゴーストは目を輝かせ、でっかい舌をぶんぶんと上下に振り、少し高く浮いた。
そしてフィリスの近くの壁に、緑に光るうにょうにょがぽつぽつと生えると、下向きに黄色い花を咲かせ、その辺りは黄色い光で少し明るくなる。
「おお!なんか元気になってる!?」
うにょうにょに埋もれたフィリスは、そんなティベリウスのゴーストを見て、テンションを上げる。
うにょうにょが止まったので、そういう余裕も出来る。
「今まで消化不良だったストックも、まとめて吸収出来てるよ!これは……素晴らしい!」
ティベリウスのゴーストは少し飛び回り、フィリスの所へと帰って来る。
「そこ反則っ!反則だからっ!」
フィリスは片目を瞑り、身体を揺する。
そしておっぱいを守るも、既におっぱいと乳首に貼り付いたうにょうにょが、動かないし、何本も貼り付いてるのでどうにもならない。
乳首辺りをぷにぷにしてきて、やたらと身体が反応する。
リア姉も責めて来ない場所。
「反則言われても、ここを押すとハダカの汁が出てくるんだよ?」
ティベリウスはそう言って、まだぷにぷにしてくる。
「確かにっ!出てきそうだけどっ!」
フィリスは元気に悶えて、足をバタバタさせる。
「既に結構出てるよ?」
そんなティベリウスの声。
直接頭の中に入って来るような……
「ひうぅっ!それダメっ!」
フィリスはお股に手をやる。
今度はそんな所をぷにぷにしてきて、更に悶えるハメになった。
「初めてだと少し辛いだろうけれど、決めた覚悟で頑張ってフィリス」
背中から倒れ込むフィリスを、うにょうにょが受け止めて、ティベリウスはそう話す。
「はう~……ヘンタイを突き抜けた気分……」
フィリスはぐったりする。
うにょうにょは動きを止めているみたいで、フィリスはため息を吐く。
「僕のエネルギーが!凄い勢いで元気になってるよ!力が充実してるよ!」
そしてティベリウスのゴーストは、目を輝かせながら舌をぶんぶんと上下に振って、地面には黄緑色の絨毯が所々に現れていた。
「おおお!」
フィリスはそれを見て顔を綻ばせる。
何にせよ、喜んで貰えるのは嬉しいと思うもので……
「これは!更に絞り出して貰うしかない!」
ティベリウスのゴーストがフィリスを見る。
「いや……なんかヘンタイ過ぎるのでちょっと……」
フィリスは苦笑いをして怯む。
「んううぅっ……もおっ!もおぉっ!」
そして結局は更に絞り出されるフィリス。
ヘンタイが突き抜けて、フィリスは身体を仰け反らせて……
遂にはびくん!びくん!と脈打たせ、金色のうにょうにょの中に身体を沈める。
すると身体中に張り付いたうにょうにょは弾力を失くし、フィリスを安心させる。
「はぅ~……」
フィリスはため息をついて、目を閉じる。
身体がぽかぽかしてて、そのまま眠りに落ちていくような感じがする。
「う~……」
フィリスは目を覚まし、身体を起こす。
フィリスを包んでいた金色のうにょうにょは、するするとほどけて行き、金色のうにょうにょからフィリスが顔を出した感じになると、ティベリウスのゴーストはフィリスの方を向いた。
「起きた?フィリス。でもまだあと6時間、ここから出れないんだけどね」
ティベリウスのゴーストはそう言うと、目をぱちくりさせる。
灰色だった部屋は、所々が緑色の絨毯の欠片になっていて、少し華やかになっている。
「6時間!長いような……でも、ティベリウスが元気になってるみたいで、それは嬉しいかな」
フィリスはそう言って笑う。
こんなに自分が役立てる、というのは素直に嬉しいと思える。
「この部屋も少し暖かく……という訳でもないかな。でも僕の無くなりそうだった舌は、復活してるよ!死ぬかと思ったくらいだから、助かったよ」
ティベリウスのゴーストはそう話すと、舌を1回、上下に振る。
フィリス1人くらいの、狭い行き止まりだった場所。
フィリスの今居る金色のうにょうにょ地帯は、もはやフィリス5人分くらいに広くなっていて、うにょうにょも長くなって、地面に寝そべっている。
「ん?」
そうして左右を見ているフィリスは、自分のパンツとショーツが、金色のうにょうにょ地帯に泳いでるのを見つけた。
「ヘンタイを突き抜けちゃったんだけど……これって大丈夫なの?」
フィリスは、ティベリウスのゴーストに尋ねる。
「身体のコンディションの話をすれば、全く大丈夫だよ。病気とかも治るよ。別に病気は無かった感じだけど」
ティベリウスのゴーストは目をぱちくりさせつつ、ぽよんぽよんしたり、ふわふわしたりしながら答える。
「む~……なんか複雑なキモチにならなきゃ的なキモチがする」
フィリスは腕組みをしながらそう呟く。
纏っている金色のうにょうにょも、腕組みに巻き込まれてる感じはした。
「フィリスは難しい感じに、ふわふわしてる事を言うね」
ティベリウスのゴーストは、相変わらずの感じで話す。
「ティベリウス」
フィリスはティベリウスのゴーストに、手を伸ばしてみる。
なんか白いゴースト肌の感触とか、でっかい舌の感触とか、触ってみたくなった。
「ん?」
すると、伸ばしたフィリスの手の上下から、でかい赤い手がふわっ、と現れて挟んだ。
冷たくて柔らかい。
指の太さがフィリスの腕くらいある。指がぶっとい。
「おおっ……手があったんだ……」
フィリスは、ティベリウスのゴーストの手を見つめる。
でも冷たいから手を引っ込める。
「手は無かったけど、ついさっき出来たね」
そう話すティベリウスのゴーストの手は、薄くなって消えた。
「はぅ~……」
フィリスは冷たくなった手を引っ込めて、温かいうにょうにょ地帯にぬくぬくして、ため息をつく。
ともかくこのうにょうにょ地帯、居心地が良い。
「ティベリウス、マナの柱なの?マナの柱って、何?」
しばらく沈黙があって、フィリスは聞いてみる。
ソフィーとプラフタからも聞いたけど、よく分からない。
「マナの柱、ってのは人間が付けた名前。でも最初に僕みたいな生き物を作ったのも人間。世界中にある、魔法の素を人間が活用する為に作られた魔法生物みたいだね」
ティベリウスのゴーストはそう答える。
「ふーん……?」
フィリスは首を傾げる。
「まあ、生まれたからには、死ぬまで生きるよ。そして、死にたくはない。生き物は、みんな同じじゃないかな?」
ティベリウスのゴーストはそう続けた。
「ん~……そうかも」
フィリスは一応、頷いておくことにした。
色々とティベリウスのゴーストとお話して、12時間が終わる。
すっかり綺麗になってる服を着て、フィリスは錬金釜に向かう。
「時間が終わると、部屋の色が戻るから、そうしたら医者いらずも出来上がりだね」
錬金釜に突き刺さった棒を手にしたフィリスに、ティベリウスのゴーストが話す。
「なんか、私の錬金術!って感じじゃないんだねぇ……」
フィリスが呟く。
「今回はそんな感じだね」
ティベリウスのゴーストがそう話した時、錬金釜は柔らかさを取り戻し、部屋は温かい色に戻った。
フィリスが慌てて錬金釜をかき混ぜると、光が強くなって溢れ、四角い包みがぽとっ、と落ちた。
「戻りましたね」
プラフタの声。2番目の部屋から、フィリスに歩み寄って来た。
「初めてなのに、形になってるね~」
ソフィーも、そう言って近寄る。
フィリスは2人の顔を見て、手に取った医者いらずを見る。
「え~と……なんかティベリウスが作っちゃった……みたいな感覚なんですが……」
フィリスは医者いらずをソフィーに渡す。
「そうなの?でも錬金術って本当に人それぞれだからなぁ……」
ソフィーは受け取った医者いらずを眺めて、そう呟く。
「誰しもが作るだろう、セオリーとなる物もありますが、個性で振れる部分が大きいんです。ですので、フィリスにも、あまりこれこれと教える訳に行かない所がありますね」
プラフタは顎に手をやって、落ち着いた感じで話す。
「あ、あとハダカ汁を絞り出して取られました。ヘンタイを突き抜けた感じだったけど、なんかほとんど眠っていたような……?あと、ティベリウスは優しいお化けで……」
フィリスは、12時間で起きた事を2人に話す。
その話してる顔は明るくて、そしてフィリス的にも、マナの柱を気に入ってくれたみたいだ。
「じゃあ、ティベリウスは元気になったんだね!本当に良かった~……マナの柱を引き受けたのはいいものの、あたしは中に入れないし、プラフタも力になれないみたいだったから」
ソフィーはそう話して喜ぶ。
「では、ティベリウスの方はフィリスに預けて良さそうですね。私達はもう1つのマナの柱、パスカーの主探しもして行かないと」
プラフタはそう話す。
「え?師匠!?」
フィリスは驚く。
もうソフィーとプラフタは、居なくなってしまいそうな……
「し、師匠!?あ、でもでも、まだフィリスちゃんに教えないといけない事もあるからね。全然まだここに居るよ」
ソフィーも驚く。
驚いた後で、そう話す。
そしてフィリスの家の目の前だし、フィリスに家に帰るように促した。
「ただいま~」
フィリスは家に帰る。
丁度、食事時みたいだった。
「お帰り。今日は近場で遊んでいたのかい?」
母親、ニコラがナイフを片手に振り返る。
玄関からキッチンまでよく見える家の構造。
「フィリスちゃん、そこの小さい家が錬金術師の家みたいなんだけど、随分と小さいのよね?どんな感じで収まってるのかしら、あれ」
リア姉も、キッチンでニコラのお手伝いをしていたみたいで、フィリスに笑い掛ける。
「あの中、すっごく広いんだよ!錬金術を教えて貰ったんだ!私、才能あるんだって!」
フィリスもキッチンに行く。
お腹ぺこぺこで……食事があるなら、早く食べたい。
「じゃあ、後は焼くだけね。ルーカスもそろそろ帰って来ると思うから、皆でお出迎えしましょうか」
ニコラはそう言って、水桶で手を洗う。
「え~……お腹ぺこぺこだよぉ~……」
フィリスは地団駄を踏む。
「もう、フィリスちゃんたら……食べちゃってたら、お父さんガッカリするじゃない」
リア姉にしがみつかれた。
「がるるるる……がるるるるるる……」
しがみついたリア姉を引きずりながら、フィリスは飢えた獣の構えを取る。
「もう……!」
そんな2人を見てニコラは笑う。
「ただいま~……今日はちょ~っと遅くなったね」
ルーカスが帰って来て、フィリスとリアーネは準備してた料理に、火をかける。
「も~、おかえりなさいが先でしょ?2人とも」
ニコラはそんな2人の姿に、苦笑いを浮かべる。
「僕もお腹ぺこぺこだからね、ありがたいよ」
ルーカスはそう言って微笑んだ。
「フィリスちゃんも、今日は謎の遠出はしてないみたいだし、今日は皆でお食事ね。いただきます」
リア姉がそう言って、一家揃ってニコニコの食事になる。
「がるるるる……」
ウサギ肉のローストに、フィリスはかじりつく。
「フィリス……相変わらず行儀が悪いなぁ」
ルーカスも苦笑いする。
「もう、フィリスちゃんは……そんなにお腹減らしてたの?」
リア姉も苦笑いして、お肉にかじりつくフィリスに注目する。
「錬金術するのに、ハダカの汁吸われたからかな?も~、お腹ぺこぺこも突き抜けてる感じなんだよ~。でもティベリウスも元気を取り戻したみたいで、師匠もひと安心みたいなんだよね」
フィリスはそう話し、3人は凍りつく。
「え?は、ハダカの汁って何!?フィリスちゃん……」
「ど、どんな悪い虫が付いたんだ!父さん、父さんは許さないぞ!」
「あんた、あの庭先の錬金術師かい?錬金術師なんだね!」
家族騒然となる食卓。
そして家族総出で立ち上がる。
「あ~、お肉が染みるよぉ~……がぶっ☆」
……フィリスだけは、立ち上がっていなかった。
「フィリスちゃん!」
リア姉がそんなフィリスを、至近距離で呼びつける。
「へ?はひ?」
お肉を咥えたフィリスが、リア姉を見上げる。
「ちょっとどういう事ですか!」
ソフィーの居る小屋を開けて、ニコラが怒鳴り込む。
しかし、そこには誰も居なかった。
「え?なんでこんなに広い……?」
ルーカスは外に出たり中に入ったりを繰り返す。
外から見ると小さな小屋なのに、中はミストルート家よりも広いのだ。
「ど、どういう事!?」
リア姉も怯む。
そんな風にしていると、奥からプラフタが現れた。
「ソフィーはベルント長老の所へと行きましたが、何かありましたか?」
平然と現れるプラフタ。
ニコラも不自然に広い部屋を、キョロキョロしていた。
「う、ウチの大事な娘に何を吹き込んだんだい?ハダカの汁とか言って、帰って来たけれど!」
勢いをつけ直し、ニコラがそう叫ぶ。
「そうでしたか。私達は、フィリスにこのマナの柱を助けて欲しくてやって来ました。マナの柱は才能を持つ主の体液を餌に、力を持つ存在ですので、力を失いつつあったマナの柱を助けて頂きまして、ひと安心している所です」
プラフタは平然とそう答え、錬金釜を示す。
「錬金術を行えば、あなた方もティベリウスと話す事も出来ます。伝聞ではなく、直接話してみるのはいかがでしょうか?」
そしてそう続けた。
「フィリスちゃん!ど、どういう事なの!?」
リア姉はフィリスを揺さぶる。
「あうあう……どういう事って言われても……あんまりうまく説明出来ないよ……」
揺さぶられながら、フィリスは答える。
「とはいえ、今は落ち着いて錬金術……などと言う感じでもありませんでしょうから……お答え出来る質問でしたら、私がお答えしますけれど」
あくまでも平静に、プラフタはそう話す。
「な、なんだってウチの娘なんだい?こんな洞窟の町まで来て……」
ニコラがそう尋ねる。
「私達は、ティベリウスに合う錬金術の才能を探して、こちらに来ました。この町にその才能を持つ者が居る事を探知して、エルトナに入るのには、2年程待つ事になりました。勿論、その間は他を探したのですが、ここの才を越える者は無かったのです」
プラフタは答える。
ベルント長老にも話した話でもある。
「は、ハダカ汁ってのは……フィリスの身に一体何があったんだ……っ!?」
ルーカスが血眼で尋ねる。
「ハダカの汁という言葉が、フィリスのオリジナルの言葉なのですが……マナの柱は人間の汗や汚れ、体液を取り込み、力を得る存在ですので、おそらくはそれかと。そこの話は、ティベリウスと直接話すのがよろしいかと」
プラフタは血眼に怯みながらも、そう答える。
「フィリスちゃんは、レンキンジュツシにされちゃうの!?」
リア姉が頭を抱えながら聞く。
「されてしまう、と言うのは当たらないのではないでしょうか?本人が望まないのであれば、錬金術師にはなりませんから。ですが、錬金術師になる才能はありますね」
プラフタは答える。
家族はひとしきり思い悩み、そして明日の朝、出直す事にして家に帰る事にした。
家に帰り、食事の残りを食べ始める。
すっかり冷めてしまったウサギ肉のロースト。なんだかどんよりとした食事となってしまった。
「リア姉……なんでこんな感じになっちゃったの?錬金術師ってなんかまずかったのかな?」
夕食を終えて部屋に戻り、フィリスはリア姉に尋ねる。
「うう……フィリスちゃんのそういうトコロも!可愛いっ!」
リア姉はフィリスに抱き付く。
「ちょっと!そういう感じじゃなかったよね!?うぐぐ……リア姉全力出し過ぎぃ~……」
フィリスはもがく。
リア姉はフィリスを抱きしめて、うねうねしてた。
……コーン……
朝6時の鐘が鳴り、フィリスはリア姉から逃れてベッドから落ち、床で眠っていた。
そして起きない。
リアーネも、フィリスのリュックを抱き締めて眠っていて、起きない。
……コンコン……
ニコラとルーカスが、部屋をノックする。
「うあっ!あれ?なんで床に寝てるんだろ……?どおりで硬いと思ったよ……」
フィリスは寝惚け眼で起き上がる。
リア姉も起きていて、髪を整えつつ、ドアを開ける。
「さて、錬金術師様の所へ行ってみるか。今日は仕事どころじゃないなこりゃ」
ルーカスが頭を掻く。
そして家族揃ってまた小屋に行き、今回はノックをする。
「は、はいっ!」
なんだか緊張したような返事がして、ソフィーがドアを開く。中にはベルント長老とプラフタが居た。
「ど、どうぞっ!」
なんだか緊張してるソフィーに違和感を覚えながら、家族は中に入る。
するとベルント長老が立ち上がった。
「錬金術師殿が言うには~……フィリス!お主には錬金術の才能があり、このマナの柱、ティベリウスを生かし、成長させる事の出来る……無二の人材だと聞いた。だがしかし、フィリス、お主はこの町にも無くてはならない存在じゃ」
ベルント長老はそう話し、そしてフィリス一家を見る。
「は、はい……」
フィリスはかしこまって長老を見る。
「錬金術師殿にも相談してじゃな……それにワシらにも準備が必要でな……そこでひと月、錬金術でも何でも……外でもやっていける、という力を証明してもらう事にした。証明出来たなら、外に出る事も前向きに考えようではないか」
ベルント長老がそう言うと、フィリスの目が輝いた。
「お外に!行けるんですか!?」
そしてベルント長老の服を掴んで、前進する。
「いや、前向きにじゃな……」
フィリスに掴まれたベルント長老は、後退りする。
「お外に!行けるんですね!?」
すぐに壁まで前進した。
「いや……前向き……」
壁に押し付けられているベルント長老は、額を押さえる。
「頑張ります!何としても頑張って見せます!」
キラキラの瞳で、ガッツポーズを取るフィリス。
やる気に溢れてるフィリスに水を差すのも憚られ、ベルント長老と、ニコラ、ルーカスは退散する事にして、小屋にはフィリスとリア姉、ソフィーとプラフタが残された。
「……じゃあ、フィリスちゃんが頑張れるように、もっと詳しい調合を教えるね!」
少し沈黙があり、それぞれ顔を見合せたりしていたけれど、ソフィーがそう言ってぱん、と手を叩く。
「おー!早速頑張ります!」
フィリスはソフィーの居る錬金釜へと向かう。
そして同じ医者いらずを作るのだけど、品質を上げる配列。
もしくはちょっとでっかくする配列。
「配置完了して、ぐるぐるしたら……またティベリウスの中で12時間……じゃない?」
フィリスはぐるぐる棒を握り、ソフィーを見る。
見ると、ソフィーはプラフタと共に、既に2番目の部屋に避難していた。
「その部屋に居ると、ティベリウスの中に入るんだけど、あたしはどうせはねられちゃうんだよね。既にどこか別のマナの柱の主だと、入るのは困るみたい」
ソフィーは、そう説明して笑う。
「……よし、ぐるぐる~!」
ともかく、フィリスは錬金釜を混ぜた。
ここには、ゲームには無い、勝手に付け加えた設定を書いておく所。
[エロエロが分からない]
ネット等の情報が乏しい世界なので、知る事も無かった的な状態。
[中継所小屋]
エルトナの中を歩くにもかなり時間が掛かるので、休憩する為の小屋。水とか寝台とかあり、そこに住む管理人も居る。
[マナの柱]
魔法的な不思議パワーの源。
[ティベリウス]
マナの柱の名前。
[ティベリウスのゴースト]
人とコミュニケーションを取る為の、マスコット。ウサギになれたりプニプニになれたりする。ゴーストが1番可愛い……という話があったらしい。
[ハダカの汁]
汗とか心の汗とか、とろける汗とか。
[パスカー]
ソフィーとプラフタが引き受けている、2つ目のマナの柱。