☆ フィリスのアトリエ (すぐ庭先)
アガルマばあちゃんの家(近所)
4時間 南↓↑北
☆
おばちゃんの中継所小屋
☆
2時間 南↓↑北
☆
中心クリスタル広場
☆
1時間 南↓↑北
☆
中心クリスタル広場南中継所小屋
☆
8時間 南↓↑北
☆
パーストン一家の中継所小屋 兼トロッコ置き場。パーストンのご隠居
☆
4時間 南↓↑北
☆
空の見える場所兼釣り場
☆
1時間 東↓↑北
☆
坑道入り口中継所小屋
☆
錬金術のアトリエF 3
部屋は灰色になり、所々に緑色の床があるあの場所。
そして、ティベリウスのゴーストが居た。
「支払いは12時間だね。今回は2人なんだね」
フィリスとリア姉を見て、ティベリウスのゴーストはぽんぽんと跳ねて、目をぱちくりさせる。
「あ、リア姉!」
フィリスは振り返り、リア姉を見る。
「これが錬金術なの?フィリスちゃん?しかもなんかカワイイ魔物が居るけど……」
リア姉はティベリウスのゴーストを見て、フィリスに尋ねる。
「はじめまして。僕はマナの柱のティベリウス。主のフィリスのおかげで、元気を取り戻しつつあるから、感謝してるよ。ところで君は?」
ティベリウスのゴーストが、リア姉に近寄ると、そう挨拶した。
「あら、これはご丁寧に。私はフィリスちゃんの姉で、リアーネって言うのよ。ティベリウスって名前、カッコいいわね」
リア姉はそう返す。
返した所で身体を閉じた。
「でも、ここは寒いわね……」
「寒いの、忘れてた……」
フィリスも身体を閉じて震える。
前回と同様に寒い。
……とにかくひんやりしてる。
「口だけが温かい、というのは相変わらずかな。昨日の今日だし。さすがにそんな変わらないよね」
ティベリウスのゴーストは、ぽんぽんと跳ねながら灰色の洞窟を移動する。
フィリスとリア姉はその後をついて行く。
「しまったなぁ……食べてないよ……12時間ここから出れないんだよぉ」
フィリスはリア姉に呟きながら、ティベリウスの口の場所へと着いた。
「お腹減ってるの?僕に預けた物があれば、僕が料理して食事として出せるよ。ソフィーとプラフタが用意して預けた物がストックされてるから、それを出せるね」
ティベリウスのゴーストは振り向き、そう話す。
金色のうにょうにょが、びっしり生えている行き止まりの場所……
結構大きく深くなっている。
下からうにょうにょが、びっしり。
横の壁からも、うにょうにょが、びっしり。
上の天井からも、うにょうにょが、びっしり。
口っぽくなっている。
「なんか危険な感じのする……口?なの?」
リア姉はその見た目に怯む。
「でも、中は温かいし、気持ちいいんだよ。ヘンタイを突き抜けた感じになるのも、なんか楽しいし」
フィリスが先に金色の洞窟になってる、金色のうにょうにょの中に入る。
「へ、ヘンタイを突き抜けた感じって!?フィリスちゃん……そんな子だったなんて……」
怯みながらも、寒いのがキツい。
リア姉もフィリスに続いて、口の中に入る。
うにょうにょが温かいので、中もふんわりしてる感じがする。
「でも、長老が太もも大好きとかしてるのと、あまり変わらない……やっぱ突き抜けてる分、変わるかぁ」
フィリスは平常心で呟く。
口の中で、うにょうにょが絡まって固まって、椅子が2つ出来ていた。
「お腹が減ってる、って事だから~……まずは食事を出そうかな。うにょうにょを1つ咥えてくれれば、好みに寄せた食事を用意出来るよ」
椅子に座った2人の口許に、天井から金色のうにょうにょが、1本やって来た。
「あ~……ん」
臆する事もなく、フィリスはそのうにょうにょの1本を咥える。
「ん~……はむっ……」
リア姉もそれに続く。
うにょうにょは、味のしない蜜を纏っているみたいで、咥えてみると、舌ざわり、唇ざわりがいい。
そして葉っぱの香りがするような気がする。そして、うにょうにょは、口から出て行った。
「じゃあ、あるもので作っちゃうね」
ティベリウスの声がして、2人はふんわりとした温かい中で待つ。
「なんか、居心地がいいのね………」
リア姉はフィリスと寄り添って座り、そう呟く。
「そうなんだよね~。でも12時間は長いよぉ~……あ!」
フィリスは口許に手を当てて、目を見開いた。
「何?どうしたのフィリスちゃん?」
リア姉はフィリスを見る。なんかフィリスが顔を赤くしてる。
「これ……リア姉の横で、ヘンタイを突き抜ける事になるの……!?」
フィリスは少し上擦った声を出した。
「へ、ヘンタイを突き抜けるって……どういう事なの!?フィリスちゃん!」
リア姉も慌てて、顔を赤くする。
「ぼちぼち出来上がるからね~」
そして、平常心なティベリウスの声がする。
その声は、金色のうにょうにょ洞窟の、天井から聞こえてくる。
壁から金色うにょうにょが伸びて、テーブルを作るとその上に滑り台が出来て、焼き挽肉を挟んだパンが出来て来た。
フィリスの分とリア姉の分で色が違う。
しかも、うにょうにょの1本は、きゅっ、と上を向いて先がコップみたいになる。
「まだそこまでは届かないから、取りに来てね」
床に作った椅子までは届かないみたいで、フィリスとリア姉で壁のうにょうにょテーブルに取りに行く。
ほんの数歩だけど。
「でっかい!いい匂い!」
フィリスは早速手に取ってかぶりつく。
「ほわぁ~……!美味しい!」
フィリスは、無邪気に目を輝かせる。
お肉にスパイスまで効いてる……
リア姉も、サラダも挟んだパンを食べる。
「ぅわ、ポイント高いわこれ……」
コップみたいになった金色のうにょうにょには、ミルクが入っているし、至れり尽くせりだ。
「凄く美味しかった~♪」
夢中で食べて、ティベリウスのゴーストを見る。
行き止まりが広くなった分、ティベリウスのゴーストは遠くなった。
「それは良かったよ。調理場所みたいなのも作れると良いんだけど、それには僕の力も預かってる素材も足らないかな」
相変わらずぽんぽんと跳ねながら、ティベリウスのゴーストはそう話す。
ひんやりしてる空間は、やたら広かったりもする。
「力が足りると……ひんやりしてるのも治るの?」
フィリスは聞いてみる。
……何となく治りそうな。
「熱を作るのが、エネルギー使うからね。治るはずだよ。僕は寒さを感じないけれど」
ティベリウスのゴーストは、そう答える。
「うぅ~……じゃ、またヘンタイを突き抜けないとダメって事だよね……頑張らないと!」
フィリスはそう言って、覚悟を決める。
金色のうにょうにょが、また服の中に潜り込んで行く。
「うむぅ~……っ」
フィリスは妙なうめき声を上げる。
「フィリスちゃん!可愛い声!」
金色のうにょうにょは、リア姉にも取りついているのだけど、リア姉はフィリスに抱き付いていたり。
「あ~!ヘンタイがダブルに!」
抱きつかれたフィリスは、大袈裟にもがく。
「ええ!?これ……っ!」
リア姉の方にも潜り込んでいて、リア姉もびくん、と反応する。
「なんか、このまま汗とか食べても良い感じ?」
天井から聞こえるティベリウスの声。
「え?どういう事?」
リア姉は天井に向けて尋ねる。
「僕は大昔に人間に作られたんだけど、魔力世界と人間をつなぐ存在なんだよね。それで、人間を食べる事で、親和性を高めるように出来てるんだって」
ティベリウスはそう話す。
ソフィーとプラフタから教わった話。
「どういう事かしら?」
リア姉は首を傾げる。
「実演するのが分かりやすいみたいかな」
天井からのティベリウスの声。
そしてフィリスの肌に巻き付いたうにょうにょが……
リア姉の肌に巻き付いたうにょうにょが蠢いた。
「うひゃああっ……ぞわぞわするうぅ……っ!」
肩やら腰やら太ももやら……肌にくっついたうにょうにょが蠢いて、フィリスはうねうねする。
「これっ!長老よりも遥かにっ!」
リア姉も同じ蠢きを感じて、フィリスと同じようにうねうねする。
すっかり2人は、うねうね姉妹になった。
「はう~……」
少しの間うねうね姉妹して、うにょうにょは動きを止める。
フィリスもリア姉も、安堵のため息を吐いた。
「でも、こんなもんじゃないんだよ。おっぱいの先っちょぷにぷにしてきたら、なんか良からぬヘンタイ汁が出るんだよぉ……」
うねうね姉妹していたフィリスは、そう話す。
「……お姉ちゃんは、そんな感じになった事はないわ……」
リア姉はそう話す。
金色のうにょうにょまみれで、抱き合う2人。
金色のうにょうにょは少し光っているので、なんかお互いが神々しくなる。
「でも、ヘンタイ汁を出すと、ティベリウスが元気になってパワーアップするみたいなんだよ」
フィリスはそう話す。
「そ、そんな感じでパワーアップするなんて……本当なの?」
リア姉はさすがに疑いの眼を向ける。
「本当だと思うけど……」
フィリスは弱い声で言う。
……実際、なんでそれでパワーアップするのかは謎だし。
「信じられないけれど、実際にこんな不思議空間に来てるのだから、本当なのかも……?」
リア姉は、ちゃっかりフィリスを抱き締めながら話す。
「で、頂いても……」
ティベリウスの声がする。
「私はもう1回やってるし……気持ち良かったような感じもあったし……私は大丈夫」
フィリスは答える。
「フィリスちゃんが大丈夫なら……」
リア姉も、足の付け根に取り付いた、うにょうにょを気にしつつ、答える。
「では……」
ティベリウスの声がして、フィリスとリア姉に取り付いたうにょうにょは蠢き始めた。
「はううぅ……っ!出てるっ!んああっ!はあぁっ!あん!」
フィリスに取り付いたうにょうにょは、おっぱいの先っちょをぷにぷにして、フィリスのお股から侵入して、フィリスは身体をびくんびくんさせて、ハジケる。
「あああ!フィリスちゃんがこんなにイケナイ子だったなんて!!」
リア姉は、自身のうにょうにょまみれの感覚と、悶えるフィリスを抱いて、すっかりヘヴン状態だった。
温かい金色のうにょうにょはトロトロの液体を纏い、フィリスとリア姉の体液を吸収していく。
そして代わりに、うにょうにょの纏うトロトロを塗りつけて行く。
「あん!これダメッ!ヘンタイ過ぎるっ!」
リア姉が色めく声を上げて、身体をうち震わせる。
フィリスの言う通り、お股からおしっこじゃない何かが出て行く感覚。
服はすっかり乱れて、フィリスも脱がされて恍惚とした表情で身体を横たえる。
それを金色のうにょうにょの群れが受け止めて、フィリスはひくんひくんしながら寝息を立てている。
「トロトロと金色のうにょうにょに彩られてるフィリスちゃん!ああん!」
リア姉はフィリスのお股に指をやり、おっぱいの先っちょに唇を寄せる。
リア姉は、もはややりたい放題、欲望全開状態だ。
「マナの柱なんて聞いた事も無かったけど、辺境の町だからかしら?」
落ち着いてから、ハダカ族リア姉が疑問に思い、口にする。
うにょうにょ大草原のトロトロで、なんか余計にエロい感じの、てかてかハダカ族……
「……錬金術も聞いた事なかったもんね」
てかてかハダカ族フィリスも続く。
「幼いマナの柱が、この辺りには幾つも蠢いてるって聞いたけどね。だから錬金術師として成立してる人も多いんだって」
天井から聞こえる、ティベリウスの声。
色々と物知りなのかも。
「多いのか~……お外は広いんだね~」
ハダカ族フィリスは感心する。
肌に巻き付いてる、リア姉と金色のうにょうにょにも慣れて来た。
「さて、そろそろ……」
しばらくお休みして、ティベリウスが言い出した。
「う~……覚悟!決める!」
フィリスは強く目を閉じる。
「覚悟を決めてるフィリスちゃん、可愛いっ!」
リア姉がテンションを上げて抱き付き、既に絡まっている温かいうにょうにょが太ももまで、おっぱいまで伸びて来た。
「む~……っう~~~っ!!」
フィリスは目の前のリア姉にしがみついて、身体をぶるぶるさせる。
また、乳首ぷにぷにから、ハダカの汁採取が始まった。
「これっ!ヤバいっ!!」
リア姉も抱き付いたフィリスにしがみついて、ハダカの汁採取される。
ハジケてダウンして、復活したらまた採取されて……すっかりハダカで抱き合う2人。
薄暗いティベリウスの中で、金色に輝くうにょうにょ大草原。
その中で見るお互いのハダカは、なんか神秘的にも見えたりする。
ハジケてから復活するまでは、フィリスの方が早かったりするので、こまめにハジケて……
リア姉が、めちゃくちゃニンマリしてた。
「んあぁ~っ!!やあぁ~っ!!リア姉っ!!」
声のパワーも本調子で、フィリスはリア姉にニンマリされながらハジケる。
……もう何回目なのか……
「だめっ!フィリスちゃんっ!!あぁ~っ!!」
リア姉もハジケる。
フィリスは仕返しとばかりに、リア姉のおっぱいを掴み、乳首を舐めてやったりした。
ゆっくりじっくり3時間ぐらい、ハダカの汁採取されまくってダウンする2人。
「う~……なんかもう、ヘンな生き物に生まれ変わった気分がする……」
更に6時間程眠って、フィリスは起き上がる。
ティベリウスのゴーストの周りに、緑の絨毯が増えていて、白い花が咲いてた。
「あ~ん、フィリスちゃんもおヒゲ生えてるの、可愛いわぁ~……」
下半身にリア姉が取り付いていた。
「もう!リア姉だって生えてたじゃん!」
フィリスは、髪を乱したリア姉の頭を掴む。
でもリア姉もハダカ汁を採取されていたなら、2倍のエネルギーがティベリウスを強化しそうな………
そんな事を思う。
……だとすると、リア姉とは出来る限り仲良しな方が良さそうな……
闇の打算にフィリスは微笑む。
別に打算が無くても仲良しなんだけども。
「へへ~♪リア姉大好き!」
リア姉の顔をおっぱいで挟むようにして、フィリスはリア姉の顔を抱いてみる。
「な、何!?もう、フィリスちゃんたら!」
リア姉はフィリスの腰辺りに手を回して、顔をぐりぐりさせる。
それからも、てかてかハダカ族で過ごして、もう1食食べたりしつつ、12時間の終わりを迎える。
フィリスもリア姉も、服を着て準備して……
そして、部屋は明るくなる。
今回でティベリウスの中は、また少し華やかになった。
「フィリスちゃん、お帰り♪」
なんか服も身体もめっちゃキレイになって、ティベリウスの中からアトリエに戻ると、ソフィーとプラフタが居た。
「師匠~♪」
フィリスはソフィーに抱きつく勢いで歩み寄る。
「まずは仕上げしないと!」
ソフィーに言われて、フィリスは錬金釜に向かう。
「仕上げしなきゃでしたね!」
フィリスは錬金釜のぐるこん棒を掴み、仕上げのぐるこんをして、錬金釜の中から光の塊を取り出し、足許に光の塊を置く。
イメージ通りの四角い包み……
フィリスはその医者いらずを拾い上げて、中身を確認する。
中身もイメージ通り!
「立派に医者いらずが出来たみたいだね!フィリスちゃん!」
フィリスの隣で医者いらずを確認していたソフィーが、両手を合わせて言う。
「ほとんどティベリウスが作ったんじゃないかな~……って感じはしますけれど、出来上がって良かったです」
フィリスはソフィーに医者いらずを渡し、そう話す。
「これは、もう錬金術の才能は決定的だね。プラフタ、どう?」
ソフィーは、プラフタに医者いらずを渡す。
「ふむ……そうですね。これは間違いないでしょう。ティベリウスの主として、2年も固執したのは、正解でしたね」
プラフタは医者いらずを確認して、フィリスに医者いらずを返す。
「私だと出来ないのかしら……?」
リア姉はそう呟く。
「不思議な話なんだけど、誰でも出来るみたいな感じなんだけどね~……」
ソフィーはそんなリア姉を見る。
「こればかりは天性のモノが無い場合、調合は成立しないのです」
プラフタもそう話す。
「……さてフィリスちゃん、この部屋のコンテナは自由に使っていいからね!預けた物も、ティベリウスと同調したりするし、ティベリウスの力になったりするから!」
ひとつ落ち着いてから、ソフィーは満面の笑みを見せて、そう話した。
「ええ!?い、いいんですか!?」
フィリスは驚く。
……こんな素敵な家を貰える?
あまりにも降って沸いた話に、嬉しいような戸惑うような……
「え?こんな便利で素敵なお家、ソフィーさんは要らないんですか?」
リア姉もびっくりな話だ。
「いいも何も、この家はティベリウスの角なんだよ。これからは、ティベリウスをフィリスちゃんにお任せしたいんだから、当然だよ」
ソフィーは事も無げにそう話す。
それからも、ソフィーとプラフタ、フィリスとリア姉でティベリウスの話をする。
「ティベリウスのうにょうにょ大草原で、ヘンタイを突き抜けたんですけど、師匠もそんな感じになってるんですか?」
フィリスは何も憚らずに、そう話す。
リア姉としては、驚きの妹の言動でもある。
「ヘンタイを突き抜けた気分はどうだった?やっぱり女の子って楽しいよねぇ……」
ソフィーは少し照れながら、呑気にそう返す。
「マナの柱はそういう出来なのだそうだから、そこは致し方ないのかと。不本意である場合は少し辛いのかも知れませんけれど……」
プラフタもそう話す。
女4人の話は弾み、長く続く。
そんな中でソフィーとプラフタは、もう1つのマナの柱、パスカーの主探しをするのと、公認錬金術師になる試験に向かう、と話をした。
「ん?私に錬金術を教えてくれるんじゃないの!?」
フィリスは驚く。
……まさかのここまでなの!?
……と、思ったのだ。
「錬金術というのは、人それぞれの形があるのです。マナの柱の主ともなれば、それは尚更。私達が教えられるのは私達の錬金術。貴方には貴方の錬金術がありますから、それを邪魔する訳にも行かないのです」
プラフタはそう説明する。
「……そうなんだよね。これから先、作りたいもの作るべきものは、フィリスちゃん自身が探す必要があるんだ。そうして出来る物も、まずは他の錬金術師も作る物だけど、その先に、フィリスちゃんとティベリウスの錬金術があるハズだから」
ソフィーもそう話し、フィリスは結局は突き放される事になりそうだった。
そしてソフィーとプラフタは出掛けて行く。
色々とエルトナの町中でやることがあるみたいで。
「錬金術の手掛かり……長老に証明する為には、このままじゃダメだろうし……」
フィリスは、あぐらを描いて考え込む。
今は3月4日19時。
この部屋の錬金釜の側、机の所に日付つきの時計があって、それにそう書いてある。
しかも、「あと26日」とも書いてある。
「リア姉!私、町を歩き回って閃きを見つけてみる!閃かなかったら、その時に考える!」
フィリスは立ち上がる。
「お姉ちゃんも、行くわよ!もう夜中だけど、眠ったばっかりだし。それにフィリスちゃんのオモチャ箱の物も、コンテナに移すんじゃない?」
リア姉はくすっ、と笑うと、そう話す。
家に帰ってみると、お母さんとお父さんは置き手紙をしていて、居なかった。
ちょっと南のクリスタル広場に用があると、呑気な歩き旅になるので、1泊になるから珍しくないけれど。
そしてフィリスのオモチャ箱、鉱石とか砂とかキノコとか詰め込んだ箱から、中身をコンテナに移す。
フィリスは、コンテナの中にどばどば入れる。
「いつもながら酷い匂いね……」
リア姉が怯む。
……そうしてから、フィリスはリア姉と南へと歩き出す事にした。
人の集まる中央クリスタル広場だったら、何かあるかも知れないし、物知り、と言う事なら長老が何かしら知ってそうでもある。
「あと26日、なんて見ちゃうと、なんか慌てちゃうよねぇ……」
フィリスは隣のリア姉に、そう話す。
「26日って結構長いわよ?慌てずに、しっかり地に足を付けないと、転んじゃうわよ」
リア姉はそう話し、フィリスに近寄る。
「ここは往来だから!」
敏感に何かを察知して、走り出すフィリス。
そんなこんなしながら、中央クリスタル広場に向かう。
「おお、仲良く姉妹で。こんな夜中に……ってこの町じゃ夜も昼も無いやな」
おばちゃんの中継所小屋。
夜の時間なので、おじさんが中継所小屋の番をしてる時間だった。
「今、錬金術師の人が来てるでしょ?私、錬金術を習ってお外に出るんだ!でも何を作ればいいのか分からなくて~……」
水を貰いながら、休憩する2人。
「錬金術師殿が来てる……確かに聞いたなぁ。それに何度かここで休憩もしていたけどね。錬金術といえば……薬と爆弾かなぁ……錬金術で作ってる場合が多いって聞いた事はあるよ」
おじさんはそう話した。
「わお!薬と爆弾!でもどうやって作ればいいんだろ?」
フィリスはリア姉に向いて喜ぶ。
「作れたら、立派な錬金術師って事じゃないのかな。フィリスちゃんも外に出る、かぁ。そうなるとエルトナも寂しくなるな」
おじさんはそう言うと小屋の奥へ入る。
そしてまた出てきた。
「このエルトナも、採鉱の為に爆弾を作る事はある。俺が現役の頃はゲルトが作っていたはずだよ。薬はフィリスちゃんの家の側、アガルマばあちゃんがよく作っていたよ。最近、アガルマばあちゃんは見ないけどな」
そしておじさんは、フィリスに小さな荷物を渡した。
「これは……?」
フィリスはその小さな荷物を見る。
何か四角い箱を包んでるような……
「ゲルトに借りた物さ。ゲルトに会うなら返して欲しくてね。現役は終わったけれど、返しそびれていたのを、思い出したんだよ」
おじさんはそう言うと、また小屋の中に入って行った。
「うん!早速行ってみる!」
フィリスは包みを抱えて、中央クリスタル広場へ向かう。
ここからは、もうあと少しでたどり着く。
「おや、これはフィリスではないか」
中央クリスタル広場の、大クリスタルが遠くに見えるくらいの場所で、キャスターさんと肩を組んで歩く長老に出くわした。
「あら、ベルント長老、お酒呑んでますね?」
リア姉がそう言って、ジト目を向ける。
「ほっほっ……フィリスやリアーネとも呑めるといいんじゃが……まあそれまでワシは死にはせん!死にはせんぞぉぉ……」
「ごめんなさいね。新しいお酒が入ったって話で、なんか強いお酒だったみたいなのよ」
めちゃくちゃ上機嫌だったけど、キャスターさんに連れられてどこかへと去って行く。
「なんか……ダメな大人感が凄いよね……」
フィリスはそんな長老を眺めて、リア姉に呟く。
「やる時はやるタイプなのよね。結構ダメな大人感は強いんだけど」
リア姉はそう言って歩き出す。
そしてゲルトさんの家へと向かう。
中央クリスタル広場から近い場所にある。
……トントン……
「おはようございます」
リア姉がノックすると、赤髪のお兄さんが顔を出した。
「おや、リアーネちゃんか。フィリスも。どうしたんだい?」
ゲルトは意外そうな顔をして、そう言う。
「あの、爆弾の作り方を!知りたくて!」
鼻息の荒いフィリスが言う。
ゲルトはそれを見てくすっ、と笑った。
「どういう風の吹き回しか知らんが、入んな。爆弾を作ってくれるのは歓迎だけど、危ない作業だからな」
なんか快く入れてくれて、託された包みを渡す。
そして丁寧に、爆弾の作り方を教えてくれた。
フィリスのオモチャ箱にも結構入っていた赤いぽかぽか石は、カーエン石と呼ばれるもので、それが爆弾の材料。
それをコーティングして……
半日くらい、丁寧に教えて貰って、実際に作ってみて、完成もする。
作ってみると簡単な感じだ。
「でも、手作業で作ったんじゃ……錬金術じゃないよね」
爆弾を持って、フィリスはリア姉を見る。
リア姉の作ってみた爆弾の方がバランスも良くて、かなり誉められていたし。
「まあ、そうよね。でも、手作業で作ったんだから、錬金術でも作ってみる、って事も出来るんじゃない?」
リア姉はそう言って考える人のポーズをする。
「確かに!これは、やってみるしかないよね!」
フィリスは飛び跳ねる。
「あと、デニスさんの腰痛、気になるよね」
そして思い出す。
ゲルトさんと同居してる、腰痛に悩むデニスさんも、爆弾作りを丁寧に教えてくれたし。
「そうねぇ、近所のアガルマばあちゃん、訪ねてみようかしらね?」
リア姉が言う。
おばちゃんの中継所小屋で、おじさんに聞いた話。
「そうだった!でもここまで来ると、お空を見たくもなっていたり……」
フィリスは南の方を見る。
行くとなると凄い時間の掛かる道。
「まあ、そんなヒマないって言いたい所だけど、26……25日あるなら行っても大丈夫じゃないかしら」
リア姉も南の方を眺めて、そう話す。
そんな風に立ち止まっていると、2人の影が丸く膨らみ、そしてまた普通の影に戻った。
「!?」
フィリスもリア姉も地面を見る。
「……ティベリウスだよ。遠くに行く時は僕に乗って行けば、あっと言う間に辿り着くよ……」
どこからともなく、そんな声がする。
ティベリウス特有の声。
「本当に!?じゃあ、お空の見える場所に、行きたい!」
フィリスが言うと、足元の影が膨らみ、黒い影が口を開けたかと思うと、ティベリウスの中に居た。
ひんやりとしただだっ広い場所に、ティベリウスのゴーストも、ぽんぽんと跳ねている。
「ええ!?これ、どうなってるの!?」
リア姉が驚き、ティベリウスのゴーストに聞いてみる。
そしてティベリウスのゴーストは、あの金色のうにょうにょがひしめく、行き止まりに向かってぽんぽんしてる。
「僕の中に入って、僕がその場所に向かっているよ。1時間くらい掛かるかな。暖かい所へどうぞ」
ティベリウスのゴーストはそう話す。
1時間であんな遠くに行けるなんて、何だか夢みたいな話だ。
「ティベリウスはここに居るのに、目的地に向かっているの?」
やっぱり寒いのでティベリウスの口、金色のうにょうにょがひしめく、行き止まりへと向かう。
うにょうにょがめっちゃ長くなっていて、天井のうにょうにょと、地面のうにょうにょ、右のうにょうにょと左のうにょうにょが、それぞれ重なっていたり。
フィリスとリア姉が近寄ると、うにょうにょが動き、中に椅子と机を形作っている。
「ここは僕の中だから。僕が泳いでいても、中は静かなものだよ」
ティベリウスのゴーストはそう言って、定位置に留まる。
「う……でもまたヘンタイを突き抜けるの?」
フィリスは、その口を前に怯む。
でも寒いものだから、この場所に来ない訳にも行かない。
「1時間ぐらいしかないから、ゆっくりしててくれれば辿り着くよ。今回は突き抜けないよ。移動の時は基本、突き抜けない方向で」
ティベリウスは言う。
フィリスは少し安堵して、温かいうにょうにょ大草原、ティベリウスの口の中に入る。
ひんやりしてて、身に染みる感じなのだから、なかなか耐え難い寒さなのだ。
「私は突き抜けても良かったのに~……なんてね」
リア姉も、そんなフィリスに続く。
「フィリスがコンテナに素材を入れてくれたおかげで、更にパワーアップ出来たよ。この調子でばんばんコンテナに入れてね」
ご機嫌な感じで、ティベリウスが言う。
「え!?コンテナに預けたの、食べちゃったの!?」
フィリスは驚く。
まさかの、跡形も無くなった的な……
「なるほど。でもそうじゃないよ。例えばエルトナイト鉱石の場合、エルトナイト鉱石以外の物も周りに付いていたりするんだよね。それを食べているんだよ。だから~……」
金色のうにょうにょが伸びて、テーブルの上にエルトナイト鉱石を置く。
周りに付いて離れない石とか砂の塊とか、それが一切無くなっている。
「うおおぉ……純粋エルトナイト……!」
フィリスは、そのエルトナイト鉱石を手に目を見開く。
「錬金術で使う為には、純粋じゃないと使いづらいでしょ?そういう不要な物とか、汚れとかを食べて、エネルギーにしているよ。ただ、もう跡形も無くなってる妖精の日傘は、全部食べたけども」
ティベリウスのゴーストの声は、そう説明する。
「妖精の日傘?」
フィリスは聞く。
「キノコだよ。黒い砂なのか滅びたキノコなのか、もう混ざって分からなくなってるやつ、あったでしょ?」
ティベリウスの声。
賢そうな感じがする。
「キノコ、そんな名前だったのかぁ……」
「確かに、フィリスちゃんのオモチャ箱、開けるのも恐ろしい魔界の入り口だったものねぇ……」
リア姉がこぼす。
両親も魔界の箱として、絶対に開けないようにしていたらしい。
「……まぁ結構怒られながら、オモチャ箱を守っていたけども……」
伏し目がちにフィリスは語る。
「僕にとってはいいエネルギーだったよ。それというのも、フィリスのおかげで消化できるようになれたから、なんだけど」
ティベリウスは言う。
ティベリウスのゴーストを見ると、相変わらず目をぱちくりしながら、ぽんぽんしてる。
「結果オーライで良かったじゃない、フィリスちゃん。これからはコンテナに入れましょうね!」
リア姉が手を叩き、そう言う。
完全に「家に持って来んな」的なやつだけど。
「さて、着いたよ。人の気配の無い所に出すね。どこか行く時は、また呼んでね」
ティベリウスのゴーストが言うと、フィリスとリア姉の足許に影が出来た。
かと思うと空気が変わり、空の見える場所、兼釣り場に居る。
凄く遠くに釣りをしてる人が居て、裂けた天井から空が見える。
「うわぁ……便利過ぎるよぉ……」
フィリスは空を見る。
夕方から、夜になろうとしている空。
「今日はフィリスちゃん、発作を起こして走り出す事も無いわね」
リア姉がそう話して星空を見上げる。
「う~、走り出す事に意味がないもんね……」
フィリスも、星空を見上げる。
裂けた天井に見える星空。
もっと、頭上一面の星空、青空の下で過ごす……
そんな日々ももう間近……かも。
「今までも意味は無かったんじゃないかしら?」
リア姉が呟くけれど、フィリスは目を輝かせて空を見つめていて、声は届かなかった。
爆弾材料を取りに、坑道の奥へと進む。
オモチャ箱の中にもあっただろうけど、古かったりして使えるかよく分からないし、採取しておく事にする。
「おりゃ!」
杖に良からぬ魂を込めて、フィリスは杖で岩の塊を殴る。
15分チャージで1発、4発目で岩の塊が砕けた。
つまり、砕くには1時間掛かる。
ばごん!
4発目、岩が砕け散る。
「何その技!?フィリスちゃん凄いわ!」
リア姉が驚く。
「外に出れないストレス的な気持ちを込めた、必殺技だよ!いずれ時が来たら、あの扉も壊すつもりだったんだけど、凄い新品になったからなぁ……」
フィリスはそんな計画を、白状してみる。
未遂だし、その必要は無さそうだし。
「な……とんでもなく悪い子!ちゃんと見張っておかないと!」
リア姉もドン引きだ。
「扉なんて、叩いた事はないんだよね。誰にも許されてないのに抜け出すほど、私は勇気も知恵もないもんね」
フィリスは岩の欠片を拾い集める。
リア姉も拾ってくれるけど……
「リア姉、それは単なる岩だよ?」
中身があるかどうか、リア姉には判別出来ないみたいだった。
「フィリスちゃん、結構才能あるのねぇ……なんか小さくて、ぽよんとしてて可愛いから、守ってあげたくなっちゃうんだけど」
リア姉はそう言うとフィリスを後ろから抱き締める。
「うわぁ~っ!ヘンタイ禁止だから!」
フィリスは身体をうねらせて腕をすり抜け、逃げる。
そんなこんなで、かなりの長時間、採取に明け暮れる。
「……すっごい夢中なのねぇ……」
採取に明け暮れるフィリスを見て、リア姉は呆れる。
そしてフィリスの気が済んで、またティベリウスを呼ぶ。
フィリスの家までの移動だ。
影が大きくなり、2人はティベリウスの中に。
本当に、呼んだらすぐにティベリウスに呑まれる。
「私の家まで、よろしく!」
フィリスがティベリウスのゴーストに言う。
「遠いからね。2時間か、3時間掛かるよ」
ティベリウスのゴーストは、また金色のうにょうにょがひしめく行き止まり……
ティベリウスの口へと向かう。
相変わらずのひんやり具合。
2人は口の中に避難する。
「マナの柱、凄すぎるよぉ~♪」
フィリスはご機嫌だ。
リア姉は待つばかりだったけれど、フィリスをひたすら観察出来るのだから、それも悪くはない。
「もう携帯食も無くなっちゃったわね……」
リア姉は生き生きとしてるフィリスを見つめて、微笑む。
「う~……眠い……お腹減った……」
でも腰を降ろすと、フィリスはうとうとする。
リア姉としても、正直眠い。
「着いたら起こそうかな。眠るといいよ」
ティベリウスの口の中、うにょうにょ大草原の中で、2人は眠る。
金色のうにょうにょはフィリスの服にもぐり込み、汗とか汚れとかを食べて行くみたいで、リラックスして眠る事が出来る。
歯磨きまでキッチリやってくれるみたいで。
なんと楽ちんな事か。
「さて、着いたよ~」
ベッドがうねり、かくかくと揺れて2人は起きる。
起きてみると、そこはもうフィリスの家の目の前だった。
「ふわぁ~……なんか、今までの事も夢だったんじゃないかと思っちゃうよねぇ~」
フィリスは家の目の前、見慣れた井戸を眺めて呟く。
「そうねぇ。あら、アガルマさん!?」
リア姉はそう言って、かなり遠くに居るアガルマばあちゃんを見つける。
「おお~……まだ眠いけど、薬の作り方も教わらなくっちゃ!」
フィリスは、アガルマばあちゃんの所へと駆け出す。
「ばあちゃ~ん!」
「ほほ、おやおやフィリスちゃん、今日も元気いっぱいだねぇ」
アガルマばあちゃんは、フィリスを見て顔を綻ばせる。
幼い時から、よく遊びに行って相手をしてもらっているものだから、まるで孫みたいなものだ。
「へへ~♪戦利品もあるよ~♪」
フィリスはついさっき採取した、鉱石とキノコをアガルマばあちゃんに見せる。
アガルマばあちゃん特製、キノコのスープも期待出来る所だ。
「キノコスープ、食べたいねぇ」
アガルマばあちゃんが、にんまりする。
庭先キノコと奥地キノコでは、特に変わりはないのだけど、可愛い孫娘的なフィリスが、行って帰って3日みたいな場所で採ってきたキノコである。
気分的に違う。
「へへ~♪やった~!」
フィリスとリア姉で、アガルマばあちゃんの所へと向かう。
よくご馳走になる、キノコのスープ。
もうこれで育ったと言っても、過言ではない。
「ほーう、腰痛の薬を作るのかい?私に教えられるのはエルトナ軟膏だけだがね、キノコスープ食べたら、教えてあげようかね」
アガルマばあちゃんの家で、フィリスとリア姉はキノコスープを食べる。
そしてアガルマばあちゃんの肩を揉みながら、エルトナ軟膏の話を聞いて過ごし、夜はもうアガルマばあちゃんの所で寝る事にした。
ここには、ゲームには無い、勝手に付け加えた設定を書いておく所。
[ティベリウスのゴースト]
マナの柱「ティベリウス」の中に居る、マスコット。今はゴーストの姿を採用している。
[マナの柱]
魔法的な不思議パワーの源。世界に幾つも居る。
[ティベリウスの中]
錬金釜で力を行使する時、一定の時間の「支払い」が発生する。その間……灰色の洞窟的な場所である、この場所に居なくてはいけないのだけど、ひんやりと寒い。
[ティベリウスの口]
ティベリウスの中にある、広い洞窟的な場所の端っこにある、これまた小さな洞窟的な場所。金色のうにょうにょが生えていて、この場所だけは暖かい。
[金色のうにょうにょ]
ハチミツ色に輝く、金色のうにょうにょしたヒモみたいなやつ。纏まって椅子になれたりコップになれたりスプーンになれたり、多彩。太くも細くもなれる。
[ハダカの汁採取]
ティベリウスの食事。ティベリウスがパワーアップする。
[ハダカ族]
服を着ていない状態。
[てかてかハダカ族]
ハダカ族+透明なトロトロ……金色に輝くうにょうにょの光を受けて、エロい事この上なし。
[ハジケる]
びくん!びくん!する。
[おヒゲ]
お股の毛。
[中継所小屋]
4時間とか歩くと疲れるし、休憩場所が点在している。
[魔界の箱]
フィリスのオモチャ箱。錬金術に使える素材、使えない素材とごちゃまぜに入っていた。それが時間と共に劣化して……魔界となった。