※この作品はR-18です。

錬金術のアトリエF   作:東京のぷるぷる

5 / 17
フィリスの家
☆ フィリスのアトリエ (すぐ庭先)
アガルマばあちゃんの家(近所)
4時間 南↓↑北
☆
おばちゃんの中継所小屋
☆
2時間 南↓↑北
☆
中心クリスタル広場
☆
1時間 南↓↑北
☆
中心クリスタル広場南中継所小屋
☆
8時間 南↓↑北
☆
パーストン一家の中継所小屋 兼トロッコ置き場。パーストンのご隠居
☆
4時間 南↓↑北
☆
空の見える場所兼釣り場
☆
1時間 東↓↑北
☆
坑道入り口中継所小屋



錬金術のアトリエF 4

☆

錬金術のアトリエF 4

 

「リア姉……分身しながら追い掛けて来ないで……むにゃむにゃ……」

アガルマばあちゃんの家のベッドで、フィリスは爆睡してる。

既に起きているアガルマばあちゃんと、リア姉は旅人のロッククッキーと、甘竹の水筒の準備をしていた。

 

「ここも中継所小屋になるの?」

リア姉が、アガルマばあちゃんに尋ねる。

「さあ、北の果てに中継所小屋が必要か、まだわからないみたいだけどね。北を掘る話があるのかね?」

アガルマばあちゃんは準備の手を動かしながら、そう答える。

なかなかの手際だった。

「フィリスちゃんは錬金術師になって、エルトナの外を旅をするんだー!って本格的なんだけど……」

 

リア姉がそう話す。

幼い頃からの付き合い。

まるで本当のおばあちゃんみたいな人だから、伝えておかないといけない。

「それで元気いっぱいなのかねぇ……やりたい事があるなら、やりたい事をすればいいわ。寂しくなるけどね」

アガルマばあちゃんは、そう話してどこか遠い目をした。

 

 

「ありがとねー!薬、バッチリ作るから!」

フィリスも起きて、アガルマばあちゃんの家を出る。

そんな朝の7時。そして2人は家の前、ティベリウスのツノ……アトリエへと帰る。

「よ~し!錬金術、頑張っちゃうぞ~♪」

まずは収穫した鉱石等々をコンテナに流し込み、そして意気揚々と錬金釜に向かうフィリス。

作れる物はフラムという名前の爆弾だけみたいで、こちらも12時間掛かるみたいだ。

 

「錬金釜に、色々と映るのねぇ……」

リア姉もそんな錬金釜を眺める。

「取り敢えずフラムを作ってみよう!それしかないもんね!」

フィリスは錬金釜にかき混ぜ棒を差し込む。

そして何度か混ぜて混ぜて……

部屋が灰色になって、ひんやりとした空気になる。

 

「今回は12時間だね」

ティベリウスの声がして、フィリスとリア姉は辺りを探す。

ティベリウスのゴーストは、既に行き止まりのうにょうにょ地帯、ティベリウスの口の場所に居た。

「はっ!寝てきたばっかりだから12時間が長い!そんな気がする!」

フィリスは気付き、そう言って目を見開いた。

「ティベリウスと一緒に錬金術してるみたいだし、錬金術の話を聞いてみたらどうかしら?」

リア姉がマトモな事を言う。

フィリスは思わず真顔でリア姉を見る。

 

「………」

なんか、ヘンタイリア姉の事だから……

なんて思っていたけれど、そうでもないみたいで。

「な、何?」

そんなフィリスの顔を見て、リア姉は怯む。

「さすがリア姉!ティベリウスに、がっちり聞いてみよう!12時間、お勉強してたらあっと言う間だよね!」

フィリスは、ティベリウスのゴーストの場所へと駆け出す。

相変わらず、ひんやりと寒い。

2人はティベリウスの口へと入る。

この場所だけが暖かいのだから、無理もない話だ。

 

「おお~……」

ティベリウスの口、うにょうにょが纏まってソファーになっていたり、机が出来ていたりする。

つまり過ごしやすい空間なのだ。

フィリスもリア姉も、そのでかいソファーにぽすっ、と座る。

「なんか……座り心地よすぎるよぉ~」

フィリスは目を細めて呟く。

「それよりも、錬金術の話をして間を持たせないといけないわね」

リア姉は、しっかりしてた。

 

「錬金術に関しては、一通りソフィーとプラフタに、僕が習ってるから、今はほとんど僕が作ってるみたいなものだからね」

ティベリウスのゴーストはそう言って、ぽんぽんと跳ねる。

そしてソファーの前にうにょうにょを伸ばし、錬金釜になり、上から伸びて来たうにょうにょは、かき混ぜ棒になる。

 

「フラム調合の練習、しとこうかな。フィリスの頭のタイプだと、理屈が苦手っぽいんだよね。これから先も、結構な時間、僕と二人三脚の調合になるだろうし」

ティベリウスのゴーストの、錬金術講座が始まる。

 

それはうにょうにょ製錬金釜と、かき混ぜ棒を使って、分かりやすい教え方で、フィリスはすっかり夢中になる。

 

 

……それでも12時間は長い。

あと6時間、ここで過ごさなくてはいけない時間が残っている。

「じゃあ、ハダカの汁でも頂こうかな、と言いたい所だけど、フラム投げ方実習を……あ……僕がマトになるんだけど、僕がまだ素早く動けないや」

ティベリウスのゴーストは、目をぱちくりしながらそう言って、リア姉に手を向ける。

「リアーネなら、素早く動けるよね?玉投げ訓練ってだけだから、やってみようか」

それからはフィリスの玉投げ訓練、となった。

動き回るリア姉の足許辺りを狙って、うにょうにょ地帯の周りに咲いた花を投げる訓練で、花は白く光り、そして意外な事に、ぽよんぽよんしてる。

 

 

「やる事って、あるもんだねぇ……」

残り1時間となり、フィリスは呟く。

逃げる訓練や、杖から魔法を撃ち出す、通常攻撃の訓練なんてのもあるのだ。

 

その後、結局ハダカの汁を吸われながら、温かいうにうに地帯に身を任せる。

汗とか吸ってくれて、キレイになるから有難い。

 

「はうぅ~……」

なんか走り回らされて、へろへろになったフィリスはため息を吐く。

ヘンタイを突き抜けるのは、なんか疲れたりしちゃうんだけど、ヘンタイを突き抜けないとなると、単純に気持ちいい。

……温かいし。

 

 

そして錬金釜のある、アトリエに戻る。

あのティベリウスの中から、景色が変わる。

……みたいな戻り方をするので、なんか夢から醒めたみたいな感覚になる。

 

「これが……フラム!」

フィリスは出来上がった赤い爆弾を手に、それを床に置く。

「フィリスちゃん!?ここで爆発させるのは……!」

リア姉が慌てる。

「……さすがに、ここで爆発させたりはしないよ~。手作り品と比べっこしようと思って……」

フィリスは慌てるリア姉に顔を向ける。

 

ともかく、フィリスとリア姉はフラムを見比べる。

爆発もさせていないのに、明らかに錬金術製のフラムの方が綺麗だし、強そうなのだ。

純度も錬金術の方が高く出来るし、複雑な素材の組み合わせも可能だったりするので、威力を上げやすそうだし。

「フィリスちゃん!沢山フラムを作ったんだね!やっぱり基本的に頼りにする物だから、沢山必要だよね!」

少し顔の赤いソフィーがやって来て、やたらと誉める。

「ん?ソフィーさん!飲んでます!?」

リア姉が気づく。

バッチリお酒臭かったりするのだ。

「へへ~……ルーカスさんに誘われてね?久しぶりに飲んでます!飲んでますとも!」

ソフィーはそう言うと、2番目の部屋へと向かい、床に寝転んだ。

「う~……あう~……」

そして眠ってしまったようだ。

 

「……吐いたりしそうね……」

リア姉が呟く。

「……よし!フラムは危ないから、コンテナに入れておこう!」

フィリスはそんなソフィーをよそに、マイペースで並べたフラム達をコンテナに入れる。

箱の中の虹色の水面に、フラム達をぽいぽいと入れる。

虹色の水面にぽいぽいと入り、何事も無かったかのように、虹色の水面は虹色の水面のまんま。

 

「うう……フィリスちゃ~ん……」

2番目の部屋で寝るソフィーが呼ぶ。

「師匠!」

素早く反応するフィリス。

寝ころんだまま、ソフィーは仰向けになる。

「師匠……いい響き……苦しゅうないぞ……」

ソフィーは言う。

「師匠……お酒くさいです……お父さんのダメな匂いがする……」

フィリスは言う。

ソフィーのめっちゃ近くで座り込んで、ソフィーの赤い髪を指先でぱらぱらしてる。

「ふふふ……今頃フィリスちゃんのお父さんも……ダウンしてるハズだよ!……それはともかく……師匠からヒント……宿屋……なめし液……」

ソフィーはそう言うと、がくっ、と力尽きた。

「し、師匠~!」

ノリの良いフィリス。

 

「……何かしらあの茶番」

「ソフィーも……何をしているのやら……」

そんな2人をジト目で見守る、リア姉とプラフタが居たり。

 

ともかく、フィリスとリア姉で宿屋へと向かう事にする。

 

「出でよ!ティベリウス!」

フィリスは杖を地面に立てる。

影が膨らみ、周りの景色がティベリウスの中に変わる!

「宿屋まで!」

フィリスは杖を持ち上げ、そう言い放つ。

「なんかフィリスちゃん!カッコいいわ!」

リア姉もノリノリだ。

「寒い……やっぱり寒いや……」

フィリスはティベリウスの口へと向かう。

リア姉もそれに続いた。

「ほんの僅かに暖かくなってるんだけど、僅か過ぎて分からないよね」

ティベリウスのゴーストも、ぽんぽんと2人に続く。

 

ぽかぽかのうにょうにょ地帯で少し休むと、すぐに宿屋に到着。

めっちゃ宿屋の扉の前に現れた。

……確かに誰も居ない……

 

 

そして階段を降りて、エルトナの道へと出ると、その道端にテアさんが居た。

いつもの定位置でもある。

「なめし液~……」

フィリスが唱えると、テアさんはびくっ!と反応した。

「フィリス!?どんな現れ方なのよ!リアーネも!」

背後から、珍妙なアプローチをされたテアさんは、驚いて言う。

ともあれ、なめし液の需要は本当にあるみたいで、その作り方も聞いてみる。

 

 

その後……

「よし!ぽかぽか石を沢山取りたい!そしてお外でも戦えるようにならないと!」

そしてフィリスはテアさんから見えない場所へ行くと、杖を持ち上げる。

「なんか頼もしいわ!フィリスちゃん!」

「ティベリウス!」

そして影に杖を突き立てる。

また、周囲の景色が、ティベリウスの中になる。

 

 

南の坑道へと出て、それからは杖で手頃な岩を叩く。

「おりゃ~!とりゃ~!そりゃ~!てりゃ~!」

バゴンッ!ガラガラ……

岩が砕けて、鉱石入りの岩の破片を集める。

「なんか、頼もしいわね……長老がフィリスちゃんを採掘組に呼ぶのも分かるわぁ……」

リア姉がその姿を感心しながら眺める。

つるはしではない。杖なのだ。

「でも、採掘エリートもここまで!私は錬金術士になっちゃうんだから!」

フィリスは張り切る。

一応、壊れそうな岩だけ壊せるんだけど……

 

とにかく壊しまくり拾いまくる。

「リア姉!それは……」

リア姉は中身の無い岩を拾いまくってる。

「ん?何?フィリスちゃん!」

満面の笑みで振り返るリア姉。

「いや……何でもない……」

まあ、いいか的に諦めるフィリス。

なんか特殊能力的な見極めなので、一言二言で解るハズも無い訳だし……

でも、ティベリウスに入れると岩が取れて、純粋エルトナイトになったりカーエン石になったりするのは、本当にありがたいし、凄い。

採掘にも思わず力が入ると言うものだ。

 

 

そして限界まで拾う18時間。

重すぎて帰れない量だけど……

「よ~し!帰るよリア姉!」

黒い砂がふわふわする都合で、黒く汚れまくったフィリスがリア姉に近寄る。

「ふう……これだけあればもう……フィリスちゃんの錬金術もノンストップね!」

ここで時間を掛けても、移動に時間が掛からない素敵さ。

「じゃあ……ティベリウス!」

フィリスは杖を持ち上げ、杖を突き立てる。

 

 

……コーン……

朝6時のフィリスの家の前。

ティベリウスの中で、のんびりしてると辿り着く素敵さ。

しかもうにょうにょ大草原に身を任せれば、髪の毛も綺麗にピカピカ!

……ティベリウス……あまりにも素敵過ぎる。

エルトナの南端~北端……

しかも歩くと20時間くらい掛かる道が、ほんの2時間、3時間。

しかも歩いてないのに、大草原でうにょうにょ大草原の中でうにょうにょしていれば、到着なのだ。

 

 

そして早速アトリエへ。

「フラムを!じゃんじゃん調合しなきゃ~!」

なめし液の事も忘れて、フィリスはフラムの調合に掛かる事にする。

「やる気だね!フィリスちゃん!」

ソフィーはそんなフィリスを眺めて、2番目の部屋に避難する。

 

「支払いは、12時間だね……」

調合をすると現れる、ティベリウスのゴースト。

「しまった!お腹減ったよぉ!」

フィリスは叫ぶ。

「……食事は大事だよ?色々と預かってるから、食事を用意するよ」

ティベリウスの口に出来たテーブルに、ウサギ肉のローストが準備される。

更にミルクまで。

ロッククッキーも出て来た。

「おお~!なんでこんなに良いものあるの!?」

「確かに。しかも美味しいわね……ロッククッキーもお菓子!って感じじゃなくて、ウサギのローストに合わせた味付けなのね」

フィリスとリア姉は、目の前の食事に感激して、そして疑問に思う。

 

「ソフィーとプラフタが用意してくれたんだよ。マナの柱である僕の栄養は、今の所フィリスとリアーネ頼みでしょ?そのフィリスとリアーネが美味しい物を食べているのなら……僕も美味しいハダカの汁採取が、出来るからね」

ティベリウスのゴーストはそう話す。

「なるほど~……コンテナに入れた物ってどこに行くの?」

フィリスは尋ねる。

「こことは逆の所だね。今は寒いから馴染みの無い場所だろうけれど、そのうち暖かくなって、その場所も良くなるかもね」

ティベリウスのゴーストは、舌をふらふらさせる。

 

 

それからはリア姉と、てかてかハダカ族となり、存分にエロエロして……

「あんんっ!……あふぅぅっ!」

エロいハダカの汁をお股から吐き出し、フィリスは大いにびくんびくんする。

「フィリスちゃん!可愛い過ぎるわっ!お姉ちゃんも……もう空っぽになりそう!」

リア姉も、お股からエロいハダカの汁を吐き出しながら、フィリスにしがみつく。

そんなエロエロうねうね姉妹。

 

「……ここってこんななってるんだ~……」

てかてかハダカ族フィリスは、てかてかハダカ族リア姉のお股を探る。

今まではおしっこが出るトコってだけで、やっぱり臭いトコだし、興味も湧かなかったけれど、この場所でてかてかハダカ族になると、エロの中心みたいなトコロ。

なんかここから、エロいハダカの汁が出る訳だし。

リア姉は、うにょうにょされ過ぎて、すっかりダウンしていたり。

フィリスとしてもダウンしていて、復活したばかりだけれども。

そしてフィリスは自分のお股も探ってみる。

お股の穴に、うにょうにょが差し込まれているままで、お尻の方にも差し込まれている。

「……なんでこんな風に穴があるんだろ?」

てかてかハダカ族フィリスは呟く。

「……赤ちゃんが産まれる穴だよね?」

ティベリウスが答える。

「そうなの?あ……そっか!お尻の穴から出る場合、赤ちゃんは大き過ぎるもんねぇ……こっちなら行けるの!?」

てかてかハダカ族フィリスは、うにょうにょ大草原に尋ねる。

「フィリスは自分の事を、知らなかったようだね?僕は自分の餌の事だから詳しいよ。どこが痛いとか病気になりやすい所とかね」

うにょうにょ大草原の上から、ティベリウスの声が答える。

「ほうほう……確かに詳しそうだよね。私はヘンタイを突き抜ける感じとか、よく分からないもん」

てかてかハダカ族フィリスは、呑気にそう話す。

「まあ、そんな感じだよね。でもこの辺りはヘンタイを突き抜けるには不向きだよね。病気のリスクがあるから、そうそうヘンタイを突き抜けてらんないトコがあるね」

ティベリウスの声は、そう話す。

ティベリウスの中だと、病気になるリスクがほとんど無いのだけれど、外の世界……しかもエルトナみたいな洞窟の中だと、目に見えない小さな生き物が沢山居るので、注意が必要なんだとか。

そんな話をして過ごす。

 

そして更になめし液の予習をして……

戦闘の練習もして過ごす。

12時間の支払いが終わると、フラム完成となった。

 

 

「12時間って長いよねぇ……でもなめし液も作らないと!」

出来上がったけれど、フィリスは更に錬金釜に向かう。

「待ってフィリスちゃん!1回おうちに顔を出しておきましょう!結構帰ってないし……お腹も減ってるし」

リア姉は言う。

確かに食べてから10時間くらい経ってるから、お腹も減ってる感じだ。

「え~?」

フィリスはイヤそうな顔をする。

「錬金術に夢中なのは分かるけど、お父さんとお母さんも大事でしょ?」

リア姉はそう言って、フィリスをアトリエから引き摺り出す。

 

 

……けれど、家には誰も居なかった。

そして書き置きがあって、また中央へ行ってるみたいだ。

テーブルの上には、ミストルート印のお洒落な甘竹の水筒と、干し肉チップのクッキーが置いてある。

「居なかったね……」

フィリスは呟く。

「ソフィーさんも居なかったわね……どうしたのかしら?」

リア姉も呟く。

 

 

ともかく、アトリエに戻ってなめし液!

井戸水を汲んで、アトリエに戻る。

そして勿論、なめし液の調合を始める。

支払いは、18時間。3個分、出来上がる。

 

「キノコで作るなめし液……狩人組だとやっぱり木で作るんだけど……キノコは見た事ないわね」

リア姉は呟く。

フィリスの家……

ミストルート家は、服とかアクセサリーを作る職人なので、なめし皮もよく作る。

なめし液も作るのだけど、キノコは使われない。

 

 

……眠ったり走り回ったり、食事をしたりハダカの汁採取されたり……

そんな18時間が終わり、なめし液を完成させてアトリエに戻る。

 

 

「あ!フィリスちゃん!」

ティベリウスの中からアトリエに戻ると、ソフィーとプラフタが居た。

「師匠~♪」

フィリスはソフィーに抱きつく。

リア姉は、なめし液を眺めている。

「見て見て!フィリスちゃん!錬金術を学ぶ用の教科書を作ったんだよ!」

ソフィーは1冊の本をフィリスに見せる。

「本当ですか!?早速見てもいいですか!?」

「うん!早速見てみてよ!」

アトリエ2番目の部屋で、ソフィーは作ったばかりの教科書を開く。

 

「赤プニはいちご味……緑プニはメロン味……」

絵心のない絵と、少ない文章。

つい先日、ベルント長老とルーカスとニコラ、ソフィーとプラフタと集まった、お酒パーティーの場所で出来上がったのが、これだと言う。

ページはやたら多いんだけど、内容はそれぞれスッカスカという、錬金術落書き帳という仕上がり。

 

「お父さん、絵が上手い~!」

気づくと、リア姉も楽しみながらその教科書に夢中になった。

「長老の絵なの?これ、もう完全に酔って力尽きてるじゃない!」

……恐ろしい程に楽しい教科書……

 

「それでね、これからフィリスちゃんのおうちで、これからパーティーなんだよ!」

ソフィーとプラフタは、やたらとフィリスの両親と仲良くなっているみたいで、ベルント長老とも話してフィリスが外に旅立つ計画も、進んでいるみたいだ。

「おお~!行きます!」

フィリスもそんな話を聞いて、ノリノリになった。

頭ごなしに、外出はダメだとか言われる感じでは無いみたいで。

 

 

「あのお母さんが、フィリスちゃんを外に出す話に賛成するなんて、考えづらいわよね……」

リア姉が呟く。

実際に猛反対してたのはお母さんなので、フィリスも首を傾げる。

「確かに……でも長老さんも協力してくれたからかなぁ……師匠の力は偉大だね!」

フィリスは、ご機嫌で話す。

 

そしてフィリスの家……

アガルマばあちゃんとソフィーとプラフタ、お父さんとお母さんでのパーティーだった。

「長老さんは、来ないの?」

フィリスが尋ねる。

「ベルント長老にとって、結構長い道だからねぇ……ソフィーさんの持って来た、幸せのワインがあっても、ちょっとおいそれとは来れないみたいだね」

父親、ルーカスはそう話す。

「先日、酔って力尽きたから。来れないというだけではないでしょうか?」

「あはは、宿屋の人も困ってたくらい、べろんべろんだったもんね」

プラフタとソフィーはそう話す。

 

いつになく豪華な食事に、フィリスは更にご機嫌になるけれど……

「フィリスが外に出る前に、長老様がテストをするみたいだからね。外に出れば魔物のエサになる、って長老様が判断したなら、外に出る話は無くなるんだから、ちゃんと頑張る所は、頑張るのよ?」

というお母さんの言葉。

「そこは、テストをクリア出来るように頑張っていますので!大丈夫です!」

と、ソフィーは言っていたけど……

 

 

ともかく、楽しいパーティーが終わって、アトリエに帰る。

「テストって……なんだろ?」

フィリスはリア姉とソフィー、プラフタに尋ねる。

「ん~……外に魔物は居るからねぇ……戦闘のテストとかあるのかも……」

ソフィーは赤い髪を掻き上げて話す。

「母親として、魔物のエサになるのであれば許可出来ない……そういう話はフィリス、あなたを想っての事なのでしょう。母親を安心させるべく、精進しなければなりませんね」

プラフタはそう話す。

 

 

ともかく、アトリエでフラムの調合をする。

結局は爆弾を上手く使うというのが、フィリスにとって強くなる1番の近道!

 

「さて、支払いは12時間だね」

いつものように寒い空間。

ティベリウスの中に入る。

「ティベリウス!私、強くなりたい!」

やる気みなぎるフィリスは、ティベリウスのゴーストに言う。

言ってしまう。

「じゃあ、今回はダメージを受ける訓練をしようかな。このゴーストは、本物のゴーストと同じような攻撃も出来るからね」

ティベリウスのゴーストは、事も無げに言う。

ゴーストパンチ、ゴーストべろべろアタック、ゴーストファイア、ゴースト凍らせアタックと、使えるそうで。

 

 

「あう~……」

ゴーストパンチ2発でダウンするフィリス。

ティベリウスのゴーストはそこそこ大きいので、パンチの威力は本物以上だったりするのだけど、フィリスはそんな事、知る由もない。

ティベリウスの口の中で身体を休める。

「また、身体が元気になったら、この訓練はしておこうかな」

ティベリウスのゴーストはいつものように、ぽんぽんと

弾みながら言う。

……しかも、せっかくだから……

……とか言われてダメージ状態でフラム投げ訓練、通常攻撃訓練なんかもするし。

 

 

ともかく、フラム完成!

アトリエに戻って来れた。

「うう……身体が痛い……」

「フィリスちゃん、思ったよりも華奢で……可愛いわぁ~」

リア姉は能天気にそう言ってうっとりしてる。

リア姉もゴーストパンチとかダメージ訓練したけど、パンチ、ファイア、凍らせ、呪い、パンチ、パンチ、べろべろアタック、パンチ……と耐えてた。

……思った以上にリア姉強い。

……どうなってんだレベルで強い。

 

 

そんなこんなで調合と訓練の日々は続く。

フラム完成を繰り返して……

 

 

「フィリス!ウチにいらっしゃい!」

そんな時、お母さんとお父さんにフィリスは呼び出される。

「な、何~?」

なんかハイテンションで、どこかにやけているような、そんな両親に、フィリスは少し怯む。

「リアーネも!こっちにいらっしゃい!」

同じようなテンションで、リア姉も呼ばれた。

 

 

そしてフィリスの家の中……

服飾職人のお母さん、装飾職人のお父さんに、更にソフィーとプラフタの技術も加えた、フィリスの服が準備されていた。

「……うええぇぇ~!?何これ~!?」

水色のクレリック衣装、リチュアルクレリックが、そこにはあった。

「着てみてごらん!フィリス!」

「さあ!私達の傑作に……私達の傑作を着せる時が……今!」

そして着替えさせられるフィリスとリアーネ。

 

 

「うわぁ~!?凄い似合ってる!」

ソフィーが手を合わせて絶賛する。

水色で涼しい感じの、信仰心溢れる僧侶の衣装。

「……な、なんか賢くなったような……そんな気分」

フィリスは照れながらも、高級そうな革と染色の衣装を見る。

「さ、最高だわ!フィリスちゃん!ああ……お姉ちゃん浄化されてしまいそう!」

「うぎゃ~!?リア姉鼻血が!鼻血が付いちゃうから!」

そして追いかけっこが始まる。

「これはベルント長老にも、御披露目しないとだよね!」

ソフィーが言い出して、皆して中央クリスタル広場、ベルント長老の家へと向かう事になった。

 

「フラム作る時間がぁ……」

そんな道中、フィリスはリア姉にこぼす。

「まあまあ……お父さんもお母さんもご機嫌だし、なんか外に送り出す気持ちもあるみたいだし……」

リチュアルクレリック姿のリア姉も、そう話して歩く。

そんなフィリスとリア姉を、井戸の側でアガルマばあちゃんが拝んでいたり。

 

 

……そして4時間程歩くと、おばちゃんの中継所小屋。

勿論、休憩ついでに御披露目していく。

「ルーカスさん!またも傑作だねぇ……こんな衣装まで作れるなんて、凄過ぎるだろう……」

おばちゃんの中継所小屋を守っていたおじさんが、そう言って絶賛し、寝ているおばちゃんを起こして来る。

そして長話に花を咲かせて……

 

 

……中継所小屋をようやく解放されて、ミストルート家一行+ソフィーとプラフタは、中央クリスタル広場を目指す。

おばちゃんの中継所からは、歩いて2時間程だ。

 

 

……中央クリスタル広場に着くと、ちょうど作業組のおじさん達と、ベルント長老が集まって立ち話大会していた。

「おおお!フィリスちゃんか!」

「うお!ありがたやありがたや……」

「ミストルートブランド、これは世界に羽ばたける出来だな!」

「これは……リアーネも聖職者に……!」

なんか大絶賛の嵐を受けて、酒場へとなだれ込む流れになった。

 

 

「あーすりすり、あーすりすり……これは!水牛の革じゃな!なんと霊験顕かな……」

お酒の匂いの中、ベルント長老に抱きつかれるフィリス。

べろんべろんのベルント長老は、そう言って目を見開き、そしてまた眠たい目になる。

「お父さん……水牛の革なの?」

隣のルーカスに、フィリスは尋ねる。

「はっはっはっ!何を隠そう、うにのトゲを加工して作った革なんだよ!凄いだろう!」

こちらも、べろんべろんのおじさん。

そしてベルント長老とルーカスは、抱き合って眠ってしまった。

 

「ああ……実は俺……母ちゃんに内緒で小遣いを……」

「俺も……母ちゃんに内緒で……」

「俺も……」

リチュアルクレリック姿のリア姉の所では、酔ったおじさん達が懺悔していた。

「良いのです。顔を上げて下さい。主は今、黙って首を横に振っておられます」

リア姉は無慈悲にそう告げる。

「うぎゃ~!」

「そんな~!」

「嘘だぁ~!」

なんかノリノリの1角がそこにあった。

 

 

……そして帰りも歩いて6時間の道。

プラフタから発生した巨大な腕に、酔いどれルーカスと、酔いどれニコラが乗せられ、帰る。

「……まさかそんな事が出来るなんて……」

しかもプラフタはすい~っ、と浮かんで移動しているのだ。

「まあ……これもソフィーの錬金術の賜物です。それにしてもフィリス。貴方は暖かい人々に囲まれているのですね」

「へへへ……こんなはしゃいでる所、全然見なかったんですけど……」

フィリスは頭の帽子を両手でぽんぽんと叩きながら、そう話す。

「本当よねぇ……こんな凄い衣装を作っていたなんて、知らなかったわ……」

リア姉もそう話す。

……そんな薄暗い、エルトナの帰り道。

 

 




ここには、ゲームには無い、勝手に付け加えた設定を書いておく所。

[甘竹の水筒]
エルトナを往来する人々の飲み水を担保する水筒。中継所小屋から持って行き、どこであれ中継所小屋に空っぽの水筒を返す。そういう繰り返しをしている水筒。
[旅人のロッククッキー]
日持ちのする携帯食糧。中継所小屋で配っていたりする。あまり美味しくはない。
[中継所小屋]
エルトナの中に点在する休憩場所。
[ぽかぽか石]
カーエン石の事。
[てかてかハダカ族]
ティベリウスのうにょうにょエキスまみれの、ただならぬエロさを持つハダカ族。うにょうにょエキスが汗とか汚れとかと同化して、うにょうにょに吸われて行く。そしてまた、純粋うにょうにょエキスを塗りたくられるループ。

[エロいハダカの汁]
白い。ティベリウスにとって、これが1番のご馳走なんだとか。でも血が原料らしい。
[ミストルート印のお洒落な甘竹の水筒]
甘竹がベルトをしていて、しかもうにのアクセサリーも付いてる。
[干し肉チップのクッキー]
保存の効く食糧。少ししょっぱいのが美味しい。
[錬金術の教科書]
お酒の席での悪ノリの産物。
[リチュアルクレリック]
ゲームでも着せ替えで登場。ただ、別に誰が作った、とかは無い。更にリアーネ用のリチュアルクレリックも、無い。

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