一応本編最終回です
始まりの証(本編エピローグ)
「……終わったなぁ」
「……あぁ」
「これで……あいつの望みも叶ったかねぇ」
「……多分な」
ここはあるアイテム眠る地、エジプト。
そこに2つの影があった。
中肉中背、沢山の人に紛れたら消えてしまいそうな人物達であった。
服装は互いに黒いアカデミアの制服。
片方は不気味かつ鋭い目をしており、もう片方は獰猛さを隠し切れない目をしていた。
彼らの名は直也と直人。
先ほどある儀式を行い、二人となった元、同一人物である。
「……なぁ折角だし、少し振り返らねぇか?」
「もう会わないわけじゃないだろ?」
「だが会う機会は減る。 ブッキングするのは、ごめんだろ?」
「あぁ分かった。 じゃあ少し座るか」
岩の上に二人して腰を降ろす。
お互いの目線が遠いものになる。
長い付き合いだ。
お互いを見ずに砂や空を見た方が良いに決まっていた。
「ゾークの欠片をあいつが見つけて俺らが産まれた」
「デュエルで高まる力。 初めはオレらも男と戦ってばかりだったな」
「それじゃあ全然貯まらないことにもう少し早く気付きたかったよ」
「違いねぇ」
お互い見てなくとも苦笑しているのが分かる。
もう遠い思い出。
始まりの頃の話はお互い黒歴史なのだ。
「初めて負けた時は……キツかったな」
「ユーリの奴にきみ弱くなった? だもんな。 強くなったつもりの俺らには響いたよなぁ」
「オレはあれでユーリが少し嫌いになった」
「ハハッまぁ厳密にはユーリの言うあいつより弱かっただけなんだけどな。 初めての時間移動で闇の力も弱まってたし」
「それでもだ」
直人が不貞腐れたように息を吐く。
あいつの影響が少ない直人はユーリとの友情を感じ辛いのだろう。
直也にとっては割といつも通りだから気にならなかったが。
「結局強い女のデュエリストをデュエルで負かせて、犯すのが一番効率が良いことに気付かせて貰ったあの姉妹には頭が上がらないよな」
「あぁオレらの童貞卒業の相手だしな」
「グロリアを壊したから結局時間を戻してプラマイゼロだったけどな」
「殆ど孕まないはずのオレらの体でグレースを孕ませた俺には言われたくない」
昔の失敗を指摘してもお互い知ってるため不毛だった。
それが分かっているため、直人から話題を変える。
「そういや、あれで本当に良かったのか?」
「あれ? あぁ……仕方ないだろ。 俺らじゃズァークには勝てない……それにアレはあいつじゃなくても俺も避けたいからな」
直人の言うあれがすぐには分からなかった直也だが、理解すると小石を拾い投げた。
そう、直也達のいや彼らの元になった人物の目的はズァーク復活の阻止だった。
「全ての次元の融合か。 まぁあれでセレナ達が消えるのはなぁ」
「柚子の中に居るのかもしれないが、ユーリも消て、セレナ達も居なくなるなんて納得出来ない。 まぁ結局、ユーリやユーゴ、ユートは居なくなったけどさ」
「まぁそっちは仕方ねぇだろ。 ズァークは一つに集まろうとする。 あっちを防ぐ方法はアレしかねぇからな」
直也はズァークを復活させないため、最悪の手段を取った。
闇の罰ゲームマインド・カードによってユーリと戦っていたユーゴに奇襲を仕掛け、体ごとカードに封印したのだ。
それがセレナの一時的に放っておくほどに大事な直也の目的だった。
そしてココ、エジプトに櫃に収めたユーゴのカードを封印しに来たのだ。
世界を超えて逃げた直也を追って来るとしたらアカデミアくらいだが、今頃はもう崩壊しているだろう。
ユーゴは行方不明になったが、アカデミアの脅威もなくなり柚子達みんなも無事。
それが直也の考えた最良の結末だった。
だが、別に直也も直人もユーゴを犠牲にしたことを悔やんでないわけではない。
だからどことなく暗くなった雰囲気を変えるべく、直也が口を開いた。
「まぁそれより、俺らなんだかんだ沢山犯ったよな」
「む? まぁな」
「なら、誰が一番良かった?」
「それは、肉体的な意味か?」
「あ〜色々だな。 肉体的には俺はアキだけど」
「肉体的ならオレは明日香だ」
空気を変えるなら猥談。
それは人間ではなくとも男ならば当然だった。
むしろ性欲の高い彼らなら尽きることのない話題だ。
「まぁ気に入ってると言えば、龍可だが」
「ありゃオレに惚れてるだろうからな」
「……やはりそうか?」
「俺に対する態度見ろ。 嫌われてはいないが、おまけ扱いだぞ」
「それならオレは俺の気に入ってるだろう璃緒に嫌われてるぞ」
「璃緒は仕方ない」
「……だな」
アンナも含めた喧嘩を思い出した直人は素直に頷くしかなかった。
直也に似ているだけあって璃緒は重いのだから。
「というか柚子達は結局一度も抱かなかったが良いのか?」
「ん? あぁ……まぁあいつの好みだしな。 オレは……リンなら抱きたかったかな」
「お、リンか。 相変わらずギリギリ被らないな」
「俺は瑠璃だろう? 最後まで気にしやがって」
「まぁな」
長い旅路を二人で語り合う。
尽きない話題、楽しい時間だが、いつまでもこうしてるわけにはいかない。
そのためにわざわざここまで儀式をしに来てまで二人に別れたのだから。
「……そろそろ行くか」
「……オレはこれからどうするんだ?」
「まずはこのままイシズを抱きに行く。 寂しい思いをしてるだろうからな」
「あれ? 結構気に入ってたのか?」
「あぁ静香の奴も出来ればな」
「へぇ……」
「そんな俺はどうする?」
「……どうしてるか気になるからな。 柚子やセレナに会って来る」
「ならリンは残しておけよ」
「……どうかな?」
「…………」
そこで初めて二人は向かい合った。
鏡に写った自分のような存在だが、別れた以上はどこかでぶつかる可能性がある。
それはお互い分かっていることだ。
そしてお互いが立ち上がり、デュエルディスクを構えた。
これはお互い勝敗に関係なく必要なことなのだから。
「直也の貧弱なデッキでオレのデッキの破壊力に耐えられるか?」
「直人の破壊力なんて簡単に受け止めてやるさ。 俺までは届かないよ」
俺とオレと呼ばずに互いを初めて名前で呼ぶ。
それはお互いが別の存在になった証だ。
これは決別ではない、
「「デュエル!」」
彼らの物語の始まりの証だ。
(良かったのかい? ここまで来たのに)
「あぁ。 あいつらが明日香達を泣かせるってんなら考えたけど。 多分あいつらなら大丈夫だろ」
(まぁボクらも普通ではないから、言いたいことは分かるけどさ)
「ただ、アレは何とかしねぇとな。 遊戯さんや遊星、遊馬なんか呼べば何とかなるだろ」
(ボクはきみがそうするなら付いていくだけさ)
「頼んだぜ! ユベル!」
(勿論さ。 十代)
とりあえずこれで闇のゲーム本編は終了です。
ありがとうございました。
最終回ですが、まだ続きます。
番外編もまだまだ書きますし、求められていないでしょうが、裏話の詰め合わせの設定も出すつもりです。
ただ更新頻度は多少落ちると思いますが。
とりあえずここまでありがとうございました!
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