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業深迷宮に暮らしていると非常に忘れがちなことではあるが、迷宮というものは『時空の魔物』であると同時に邪神が10年を掛けて1つ1つを直々に生み出している『邪神軍の軍事要塞』である。
業深迷宮もその例に漏れず、邪神軍では貴重な『技術畑』に属するインテリの巣窟だ。
『あれ? インテリってインモラル・テリブルの略だっけ?』などという声が聞こえて来そうだが、実際問題業深迷宮が生産する大量の『魔薬』や『瘴気生産装置』などは邪神軍を大いに助け、また知能の高い魔物達を各所に派遣することで邪神軍全体の後方支援を行なっているのだ。
だが、進化を続けている業深迷宮の開発力は現状維持に要するレベルを大幅に超えており、些か暇を持て余し気味だった。
故にこそ『スケベグッズばっかり作っている』面があるのだ。
しかしこの度、業深迷宮と縁深い邪神軍の将軍『渇血紅帝・骸統皇』 こと魔王カニヌから兵器製造の要請があった事で、アバドン主催の軍事コンペティションが開催される運びとなったのである。
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「死の淵にて未だ微睡む業深忘我・迷宮王バビロンに代わりまして、第1225-1迷宮核アバドンが弊迷宮を代表しご来場の皆様にご挨拶申し上げます。本日はお忙しい中、本兵器展にご参加いただき誠にありがとうございます————」
館内放送としてそんなアナウンスが流れるのは、広大な用地を確保して作られた展示会場。各地の迷宮の最奥に通じる転送装置によって来客が次々に訪れるその場所は、
————魔王カニヌの要望が元ではあるが、せっかく兵器を作るのならば広く邪神軍全体に広めたい。
そんなアバドンの考えの元開催されたこの展示会には迷宮の頭脳たちがそれぞれ思い思いの兵器を出展しており、訪れた賓客達を存分に楽しませていた。
そう、『賓客』だ。耳馴染みの良い言葉に言い換えればVIPである。
迷宮の転移装置を駆動させて来場するという構造上来場資格が自然と『転移を実現するだけの莫大な魔力』となっており、訪れる客層が魔王かそれに類する者、或いは魔王から魔力を込めた礼装などを一時的に貸与された特使ばかりになっているのである。
そんな来客達を迎える正面ゲートを通った先、彼らが最初に目にする兵器は、アバドンの判定で『1番真面目に見える』とされた超ガチ兵器である。
『乳濁液爆薬』。半固形の油中にコロイドとして硝酸アンモニウム溶液を分散させ、更にそれをホイップしたバタークリーム状の爆薬である。
この爆弾の油脂部分に用いられているのは、大蝦蟇姫の媚毒ワックスと性豪鼠娘の乳脂肪。そして硝酸アンモニウムを溶かす水性溶媒には沙汰童子の媚毒液を採用している。
袋詰めにされたこの『乳濁液爆薬』の使用法は、セット売りされている小型で簡素な起爆魔道具をプスっと刺しておいて任意のタイミングで術式を起動させるだけ。
その爆発力はちょっとした爆撃魔術ほどもあるが、この兵器の素晴らしい点は魔力反応がない事だ。
加えて爆薬自体がクリーム状であるがゆえに、邪神軍向きの非道な手段にも向いている。
兵器のプレゼン側から運用例として出しているのは『捕虜の腸内に流し込んで敢えて逃がし、敵陣地で起爆』『事前に
さらにいえば、この爆薬は先に書いたとおり媚毒の混合物でもある。爆発すれば媚毒の煙を巻き上げ、周辺を汚染する鬼畜兵器として、戦争を変え得る性能を持っているのだ。
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そんな『真面目』な乳濁液爆薬の展示ブースの周囲に配されているのは、それに次いで真面目に開発された兵器3種。
奇しくも『解放連盟』『苦悶の求道者』『繁殖教団』がそれぞれプロデュースしたそれらは、確かな実用性と共に露骨に邪教徒達の教義を反映したものになっている。
まずは解放連盟のブース。代表者の『
一応分類としては『杖』に該当するこのマジックアイテムは、先端からただ一つの邪神式魔術をブッ放す事に特化した一種の礼装であり、魔力さえ持っていれば引き金を引くだけで魔術が飛び出す優れものだ。
さて、では何が飛び出すのかといえば、用途別に3種の魔道具が用意されている。
機構を流用しているので構造が良く似ているのだが、種類は魔道具本体の色によって簡単に区別できるようになっている親切設計だ。
バリエーションはド派手な『蛍光ピンク』、シックな『マットブラック』、上品な『エナメルホワイト』の3種。
この内最も安定して有用なのが『エナメルホワイト』に装填されている『はかいこうせん』だろう。
『ブッピガァン! バシュゥ!』という2段階の快音と共に放たれるピンク色の光線が進路を阻む物をブチ抜くというシンプルな兵器であり、解放連盟が作ったとは思えないクソ真面目なガチ兵器である。
ただ、展示サンプルに付けられたキャプションが『製作最終盤に、真面目な奴も出さないと怒られそうなので開発チーム全員でヌきまくって賢者モードで開発しました。そこから因んだ光沢のある精液色が特徴です』なので台無しなのはご愛嬌だろう。
その一方で、業深迷宮らしいのがピンクと黒。
まずピンクだがぱっと見では音が『キュピーン♡』という何やら女児向けな感じの煌めく様な高音になった以外は白と同様に見える。
だがその先端から放たれる光線はあらゆるものをすり抜けて500歩ほど直進する非殺傷仕様だ。
その正体は『アクメビーム』。その名の通り生物を透過した場合透過した経路に激甚な快感を走らせオホ声アヘ顔痙攣アクメをさせるというのが特徴だ。
このピンクに関しては飛距離を5歩に抑えた実機が射撃体験用として展示されており、ちょっとした射撃ブースで効果の確認が出来る様になっている。
そこで射的の的にされ「お゛ッほぉぉ゛お゛ぉン♡」と激しいアクメボイスを上げて母乳を撒き散らかし潮を噴きまくるのはカマゲイと同じくコンパニオン様の超ミニワンピを身に纏った解放連盟の女性スタッフ達。
彼女らは皆『公衆の面前で滅茶苦茶に辱められたい』という性癖を解放している超適任者であるため、ブースの壁には『スタッフは特殊な性癖を持っています。真似しないでください』という張り紙が貼られていたりするが、元ネタを理解してクスリとしたのは異世界出身の融邪ファントムぐらいのものだ。
ところで白とピンクは分かったが『黒』はどうなのか?
その答えは、やはり此方もピンクのビームが出るところまでは同じだが、ある意味で最も悪辣な効果かもしれない。
銃身に『ぽんぽんぺいん』とよくわからない製品名が刻まれているこの魔道具は、ビームを浴びた者に『この世の終わりみたいな腹痛と便意』を味わせるという非殺傷武器なのだが、問題なのはその威力。
射程を僅か5指にまで縮められた効果体験用デモ機は自己責任で自分に向けて打つことが可能になっており、体験エリアには仮設トイレが10基も設置されている安心仕様。
だが、仮にも魔王級の参加者が『青い顔で脂汗をかいてトイレに駆け込む』という恐ろし過ぎるその威力は、最高の広告効果を発揮しており、非殺傷兵器としての売れ行きは好調である。
その結果、アクメビーム、腹痛ビーム、破壊光線。どれもこれも凶悪ながら見た目の良く似たそれらの攻撃は、後に聖神勢力にとって忌々しい悪夢の象徴となり、ピンクの悪魔と呼ばれるようになるのだが、それはもう少し未来の話だ。
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解放連盟の兵器は至極便利な光線銃。では苦悶の求道者は?
その答えはズバリ、『盾』だった。
その見た目はがっしりとした無骨な金属の大盾。しかしそれが通常の盾と異なるのは、その表側に取り付けられた『拘束具』だ。
まるで磔台のようなその形状は、真実人間を磔にする為のもの。手脚と首を拘束する強力な鉄枷はこの盾が『表に人間を磔にして使うもの』なのだと強く主張している。
『磔刑式多機能大盾』と題されたそれは、組み込んだ人間に苦痛を与えつつも同時に自動回復魔術も行使することで鮮度を保ち、余剰分の瘴気を装備者に回す事でリジェネ効果を齎すタンク役垂涎の効果を持つ逸品だ。
さらに、拘束した人間から魔力を引き出すことで防御術式を展開する事で魔術、物理の両面で優秀な防御耐性を有する為盾としても大変有能。
極め付けに、この盾『使用者が負う傷を盾に拘束された人間に転嫁する』という恐ろしい呪いを備えており、捕虜さえ捕獲できればまさに『最高のメイン盾』として運用できるのである。
そして苦悶の求道者が『えげつない』のは、抱き合わせ商法にあった。
『今ならオプションで人間付き!』と題して人間が組み込まれた状態で販売しているのだ。
なおこの人間、迷宮に鹵獲されたものの『低品質』と判断され実験用に回されていた冒険者諸君である。
迷宮住民はバビロンやその娘達の寵愛を受けているので売りに出すなどとんでもないが、捕虜なら別というわけだ。
もちろん購入者の魔王達も捕虜ぐらい持っているのだが、お得なセット商法に弱いのは知的生命体のサガなのか、割と売れ行きがいいのである。
そんな盾の売り子をしているのは、小柄で不死身な美少女ロリババア一族こと『ミダワル』の一族だ。
全裸に思い思いの拷問具を装備して接客する少女達というのは実に苦悶の求道者的かつ業深迷宮的であり、来訪者からの受けも良好である。
特にこの盾の開発に大きく貢献した迷宮の拷問官『ミダシナ』は今日という日のためにとっておきの『拷問具』を着込んでおり、来訪者に記念撮影を求められることもしばしばである。
まずは普段着である全身の肉と皮膚を内側から貫く鉄杭。その根本にアタッチメントとして取り付けられた魔術の燭台によって鉄杭が赤熱し、内外から彼女の身体を焼き焦している為、今日の彼女は焼肉風味の美味しそうな匂いをさせている。
そして経産婦とは思えぬ小ぶりでピンクなロリおっぱいでは乳腺一本一本に返しのついた吸入菅が捩じ込まれ、そこから絞った母乳はクリトリスにつけられたピアスに吊られたミルクタンクに溜まっていく。
他にも腰に付けられた回転ドリルブレードが尻穴を無限に掘削していたり、頭部には『全自動右目くり抜き機』が取り付けられて再生する端からくり抜かれる目玉がチューブを伝って下腹部まで運ばれ、子宮にひたすらねじ込まれたりと実にエグい姿の彼女。
記念撮影でも一発取っとくか、と魔王達が思うほどのその存在感は、確かな広告塔として苦悶の求道者のブースを盛り上げているのだった。
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思いの外真面目だった解放連盟と苦悶の求道者。その一方で真面目になりきれないのが、繁殖教団の面々だ。
そもそも論だが、繁殖教団は『セックス! そんなことよりセックスだ! 生ハメセックスは全てを解決する!』的なアホの集まり。
そんな連中がこういった武器開発コンペに出展出来ている時点で奇跡と言ってもいいのだ。真面目に徹しろというのは、過大要求というものである。
そして、そんな奇跡の結果生まれた兵器は、意外にもぱっと見はまともなものだった。
ズバリ、ド直球に爆弾である。漆塗りの黒くテカリのある球体に繋がる導火線というまさに爆弾としか言いようのないデザインのそれは、使い捨ての魔道具であり、導火線に見える紐は使用時に掴んでクルクル回して遠心力による飛距離を稼ぐためのものだ。
起爆は基本タイマー式であり、専用の術式で自由に設定が可能。そして起爆した場合、爆風や爆炎ではなく『大量のスモークを一気に拡散する』のがこの爆弾の特徴だ。
そしてこのスモークこそが、この兵器の最大の肝である。この煙を構成するのは繁殖教団の意味不明技術の結晶『懐妊薬』だ。
避妊薬ではなく? と思うかもしれないが、懐妊薬で正解だ。この薬、『吸入、経皮摂取により即座に臨月になる』という意味の分からない作用を持っている薬なのだが、その効果は字面以上に狂っている。
まず、何を妊娠するのかという話だが、繁殖教団の誰かと被害者との間の子である。『超微粒子化ザーメン配合技術』なる意味の分からない技術により『
次におかしいのが、その受胎数。煙が指先に付着しただけで3人は孕むとされるその効果は絶大で、煙に飲まれ吸入してしまった場合、一気に数百人を受胎することになる。
更におかしいのは対象の広さ。老若男女不問という悍ましいその効果は、あろうことか『この薬の効果で受胎した胎児が受胎する』という地獄を生み出してしまう。
そして最後に際立つ異常効果は『非致死性』だ。逆に言えば『薬の効果が切れるまで死ねない』が正しい。どれだけ腹が膨れても、骨盤と背骨が自重で圧壊しても、『赤ちゃんを全て産み切るまで』決して死ぬことなく無理矢理生かされるのだ。
その結果として、この爆弾の爆発した周囲には生きながらに膨らんだ歪で巨大な肉の塊が残る事となる。邪教徒の子を孕まされ、死ぬにも死にきれず、胎内の胎児が孕んでいるという異常事態で膨れ続ける胎。
さらに煙は起爆から半月ほど残留するため、土地の汚染性も高く、雨水などで広範囲に流出しうるという凶悪兵器である。
……が、この兵器、欠点も多い。
まず、対象を取らなさすぎる点。煙を浴びれば魔物でも容赦なく妊娠してしまうので、生命活動のない不死族や生殖機構の無い魔物でない限り、諸共に自滅してしまう。
更にその効果は自然動物にも及ぶ為、環境被害も中々だ。ドスケベ邪教徒遺伝子を組み込まれた生物が大発生し、自ら生み出す瘴気で淫系統魔物化する事で、周囲が半ば業深迷宮化してしまうのである。
植物が孕めばその子は夢魔睡蓮などになり、虫が孕めば魔淫蟲やその他の蟲系淫魔となり、と言った具合に周囲を淫獄に変えるその効果は、邪悪にも程があると言うべきだろう。
だが、取り扱いの危険性に見合ったメリットも当然にある。上手く使えば大量の奴隷を手に入れられるという点は邪神軍にとっては見過ごせない。
更になんなら赤子は骨も身も柔らかく食料にもってこいなので、都市区画をまるっと魔物の晩飯に変えてやることも可能となるだろう。
そんなこの激ヤバ『繁殖爆弾』、なんと販売促進のデモンストレーションとして『煙の成分を被験者に注射する』という頭のおかしい展示を行なっており、来場者の度肝を抜いている。
実験体となるのは、繁殖教団からの志願者達。衆人環視の中で薬液を注入された彼らの激しい変化の様は、購買意欲をくすぐるには十分すぎた。
まず、『ズドン』という衝撃音すら伴って一気に膨れる腹のインパクト。女性であれば子宮、男性であれば前立腺が内側から胎児によって膨らまされ、直径3歩はある巨大なボテ腹が一瞬で発生するのだ。
無論、常人なら腹の皮は裂け、骨も砕けるのだが、繁殖教団の面々の場合はそれらの損傷はケツ穴で大量に飼っている淫猥大蟲などの媚毒で直ぐに治癒する。
だが、彼らの腹の膨らみはじわじわと継続する。
まず、即時効果が発生した後もしばらくは懐胎が続くというのが一つ。次に、胎児が受胎するのが一つ。
これらの要因によって、最終的に直径10歩以上に膨らんだ腹によって被験者は押し潰され、もはや肌色のドームと化してしまう。
それから程なくして、始まるのは出産だ。経膣分娩ならまだ負担はないが、男性であれば経チンポ分娩なので確実にチンコが裂ける。
まぁ、これも産みまくりの日々を過ごす繁殖教団には当てはまらない為、会場で行われるのは安産だ。
そしてマンコやチンポをこじ開けて生まれてくるのは、『妊娠した胎児』。
流石に多胎妊娠している個体はほぼ居ないとはいえ、大玉スイカ以上の球体を産むのと変わらないその出産は非常にハードである。
そうして100人あまりを出産し、それらの子らが出産する事で220人ほどに増えた赤子に囲まれて力尽きる被験者は、巨大なボテ腹だった肉袋の下敷きになっており、まさにドスケベ惨劇としか言えない光景を見せつける。
もちろん、ここは業深迷宮。彼らは展示のために一時的に技能を制限しているだけで体内空間拡張系技能を持っている為、それらを起動して媚毒を一気飲みすれば彼らの身体は元通りだし、生まれた赤子についてもスタッフが迅速に回収して肥育のために人間牧場に送られるので混乱もなくスムーズに『後片付け』が行われる。
が、戦場でこれが起これば凄まじい事態になるのは目に見えている。
それを悟った邪神軍の面々がこぞってこの『繁殖爆弾』を買い求めたのは言うまでもなく、繁殖教団の展示は概ね成功を収めたのだった。