※この作品はR-18です。

業深迷宮日誌   作:黒山羊

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世界観のフレーバー的お話と、エロ魔物の追加回です。


バビロンと魔王のお土産

 ————『渇血紅帝・骸統皇』魔王カニヌより、『業深迷宮』バビロンに、『長距離伝話』が届いています。

 

 突如聞こえた天の声。それは私ことバビロンに向けて、魔王から通信が来たという内容だった。

 

 邪神軍的に考えれば上官からの伝話。断る理由も権限も私には存在していない。

 

 それに魔王カニヌとは何度か伝話で会話したことがある。用向きに関して一応心当たりがない訳でも無い。

 

 ————『業深迷宮』バビロンより了承。双方向通信を開始します。

 

 魔力が吸われる感覚。『長距離伝話』は送受信者双方の魔力によって構築される術式であるためだ。

 

 ……だが、この感覚、かなり近い。

 

 距離に比例して消費魔力が上昇するこの手の術に特有の、『距離感』からすると、魔王はネミツ湿地帯にいる筈だ。

 

『おお、バビロン殿、息災であるか』

「ええ、お陰様で。……して、カニヌ様、今日の用向きは兵力の補給であると愚考しますが、間違い無いですか?」

『流石は話が早い! 知っての通り儂は各地を転戦しておるのだが、此処から更に沼地の中を進軍する予定でな。糧食も休息も要らぬ、不撓不屈の我等不死者の軍勢ではあるが、泥濘の中を進軍するのはちと厄介だ。どうしても速度が出ぬ故な』

 

 渇血紅帝・骸統皇こと、魔王カニヌ。不死者(アンデッド)と鬼系の両者の特性を持つ魔物の一種『吸血鬼』として最強クラスまで上り詰めた武闘派である。

 

 知略に長け、アンデッドの弱点を技能でほぼ無効化している化け物なのだが、話してみると『豪快なおっさん』と言う印象だ。……見た目は線の細い美形なのだが。

 

 で、この魔王カニヌ、邪神軍の遊撃大隊としてアンデッドを引き連れて各地で暴れ続けているのだ。

 

 魔王とはあくまでも人間で言えば『侯爵』あたりのポジション。上には大魔王がおり、その上には邪神がいる。そのため名前の『城などでふんぞり返ってそう』なイメージとは裏腹に、むしろ軍事指揮官として戦争に明け暮れている者が多いのである。

 

 魔王カニヌもそんな指揮官の1人、というわけだ。

 

 そんな彼は、どういうわけか私に兵力の補給を頼む事がままあった。

 

 曰く『搦め手に長けた魔物を一番多く持っているのは業深迷宮だ』との事で、状態異常を無効化するアンデッドと組み合わせて効果的な運用をしているらしい。

 

 かなりの遠方から召喚術でお取寄せなどをして来た際には流石の私も驚いたが、今となっては慣れたものだ。それこそ、魔王カニヌから通信が来れば『魔物の発注かな?』と思う程度には。

 

「なるほど、それで私に沼地に適応した魔物を提供して欲しいという訳で。……お支払いはまたツケておきますか? かれこれ7回分溜まっていますが」

『いや、今、我が軍は其方に向けて進軍中でな。今までの分も含めて纏めて支払いをさせて貰いたい。実のところ、ツケの支払いの方が主な用向きなのだ。貴君の度量に甘えているばかりではいかんのでな』

「それは嬉しい報せですね。しかし、全軍で移動となると、湿地帯を探索中の冒険者に気付かれはしませんか」

『気付かれては居るな。だが、安心するが良い。貴君に迷惑を掛けぬよう、取引後にタビハの街に軍勢を一当てしてから、目的地に進軍する故、大量に派兵されて迷宮が困窮する事態にはならぬ筈だ』

「それは有り難い。しかし、圧倒し過ぎて街を消し飛ばさないで頂きたい。貴重な『食い扶持』ですので」

『無論だとも。街の外壁を根刮ぎブチ壊してから、悠々と逃げてやるつもりだ』

「なるほど、そうなれば街の復興に人足を割かれて、迷宮への侵攻を行う余力はないでしょうな。……む、この感覚は————私へようこそ、魔王カニヌ」

『うむ、失礼する。さて、我々は何処に向かえば良いだろうか』

「その大部屋に軍勢を収容していただければ、部屋ごと此方で移動させましょう」

『そうか、手間をかけるな』

「いえいえ」

 

 そんな会話をしつつも、お互いテキパキと作業を進め、魔王の軍勢を詰め込んだ大部屋が第一階層から切り離されて、第十階層へと下降する。私自身が迷宮であるからこそ可能な荒技だが、正直これが一番早い。階段を延々と降るのも間抜けだしな。

 

 さて、十階層の端末へと意識を移せば、目の前に大量のアンデッドと、貴族然とした装いの美青年。……なるほど、これが魔王カニヌか。実際に会ってみると凄まじい魔力だな。

 

「お初にお目に掛かる、魔王カニヌ。私がバビロンです。……といってもあくまでこの身体は対話の為の端末ですがね」

「うむ。儂が渇血紅帝・骸統皇 魔王カニヌである。……言葉を交わすのみとは言え貴君と儂は既に知己。無駄な手間をかける事もあるまい。早速、取引と行こう」

「了解です。……では、こちらからは轟震強姦(ごうしんごうかん)大喇蛄(おおざりがに)50匹を提供しましょう」

「ほう、聞いたことはないが、以前受け取った六脚回震蝦蛄の上位種か?」

「ええ、詳しくは見た方が早いと思います。……此奴らですね」

 

 そういう私のセリフと共に、配管を通じて輸送していた50匹の轟震強姦大喇蛄が十階層に到着する。

 

 胴だけで長さ2歩、長さ1歩の大きな鋏脚を6つと、歩行用の足が8脚。大きな複眼を4つ持つその姿は、まさにザリガニの化け物と言うべき威容だ。

 

 だが、その体表はザリガニほどトゲトゲしくはなく寧ろ丸いイボが多数付いている。また、大きなハサミを閉じれば、上下の凹凸が綺麗に噛み合って継ぎ目のない弾丸の様な流線型に変形する。

 

 これを獲物の尻穴や膣にブチ込んで高速振動させる習性は、六脚回震蝦蛄の頃から変わっていない。

 

 変わった点は、その体表に常時分泌されている粘液だ。この粘液、口やハサミの先の分泌腺から噴射することもできるのだが、即効性の媚毒効果と筋弛緩効果を持つ『強力な潤滑剤兼軟化剤』なのだ。

 

 これにより、長さ1歩、最大太さ半歩、先端太さ5指の巨大な鋏を勢い良く尻穴にブチ込む事が出来るのである。

 

 無論、普通にそのままブチ込まれれば相手は死ぬ。

 

 だが、潤滑剤の効果によって抵抗が無くなり、軟化剤の効果で骨も皮膚も筋肉もグニャグニャにされることで、まるで良く伸びる餅の様にされた人体は、歪に膨らみつつ巨大な鋏を受け入れてしまうのである。

 

 そしてこの潤滑軟化剤、先程も言った通り、噴射できる。これを浴びせられた上でハサミで殴りつけられれば、どんなに重武装にしていても意味がない。その一方で轟震強姦大喇蛄には粘液の効果は及ばず、鋼鉄よりも硬い外骨格を纏った重騎兵として敵を蹂躙するのだ。

 

 そうして捉えた捕虜は強制極太フィストファックである。

 

 

 沼地への適性と、壁役としての有用性を持ち、状態異常攻撃を保有、格闘もそこそこ強い。最悪、潰して喰っても海老系なので旨いはず。

 

 そんな点から今回は、この轟震強姦大喇蛄を魔王カニヌに引き渡す戦力として選んだのだ。

 

「————という訳です」

「成る程。この様な屈強な魔物を提供してもらえるとは、有り難い限りだ。気遣い痛み入るぞ、バビロン殿」

「いえいえ。ああ、軟化剤の効果は強力な呪詛系状態異常、媚毒は毒系状態異常なので、不死者なら無効化できる筈です。潤滑効果も魔術的な物ですが、一応物理的にも滑るので、進軍の際は足元にお気をつけ下さい」

「ほう、忠告感謝する。……さて、ではこちらから支払いする分だが、今回と今までの分を合わせて不死者を4種用意した。……貴君の迷宮に適応して進化できる様、出来るだけ進化前の物を選んだ故、即戦力にはなり得ないだろうが」

「いえいえ。ご配慮頂き有難うございます。……淫系統に進化させなければ、この迷宮では少々扱いに困りますからね」

「うむ。……では、此方が目録である。隣に小部屋を用意してくれれば、そちらに搬入しておこう」

「あ、お願い致します。よっと……はい、では、そちらの小部屋に」

 

 そう言いながら、私は魔王カニヌから目録を受け取って目を通して行く。

 

 まずは『屍人』。地域によってはキョンシーだのゾンビだのと名前が変わる、人間の死体をベースに発生する不死者系魔物の代表格である。

 

 皮膚が腐って肉が剥き出しの姿は何とも悍ましいが、魔物化した事で腐敗の進行は止まっている。

 

 淫系統の屍人は聞いた事がないが、まぁ居ないわけではないだろう。不死者系と淫系統はどちらも『他の系統にトッピングされる』事が多い系統であり、他の系統と交わり易い。

 

 ならば、淫系統と不死者のミックスが可能でない方がおかしいのだ。

 

 そして次に『幽霊』。霊体型の不死者系魔物であり、死者の残留思念がベースとなっている。

 

 死者の内、肉体は屍人に、精神は幽霊になるという訳だ。魂については神の領分なので魔物化はしないが、逆に言えば残りは魔物化してしまうわけである。火葬と葬式が推奨されているのはこの為だ。

 

 が、悲しい哉、戦場でそんなことをしている暇はないし、そもそも貧乏人は火葬の費用がなかったり、人知れず野たれ死んだりするわけで。屍人も幽霊もいなくなる日は遠そうである。

 

 そして3種めは『骸骨兵』。屍人と同じくポピュラーな不死者だが、骨をベースにしていることと、骨であれば何でもいいのか異種混合で無理矢理人型になっている個体もいることである。

 

 頭が牛の骨だったり、関節が多かったりと個性豊かだ。全身を粉砕されない限りは復活するしぶとさも評価したい。

 

 これが淫系統に進化できるのかは甚だ疑問ではあるが……まぁ、為せば成るだろう。

 

 で、4つめ。今度は『吸血蝙蝠』。同名の動物もいるが、此方は吸血鬼の最下級種である。見た目も名前通り蝙蝠だが、よく見るとミイラ化していて若干キモいのだ。

 此奴は積極的に生者に襲いかかって血を啜る怪物で、血を吸い尽くされると即座に屍人の仲間入りをしてしまう事から意外と恐れられているらしい。

 

 が、所詮は蝙蝠故に脆い。

 

「成る程。色々と考えられそうな……ひとまず、淫気と精気と瘴気を吸わせてどれか進化させるか?」

「よし、搬入が済んだ様だ。バビロン殿、儂達はこれにて退出する故、気兼ね無く魔物の飼育に励んでくれ」

「ええ、有難うございます。ではまた部屋ごと元の場所に戻しますので。お元気で」

「うむ、貴君も息災でな」

 

 気もそぞろに返事を返して魔王カニヌに別れを告げ、私は今手に入れた『屍人』、『幽霊』、『骸骨兵』、『吸血蝙蝠』のどれを育成するのかという選択に頭を悩ませる。

 

 で、数刻考えた結果、『全部1段階は進化させる』事にした。とりあえず淫系統にして、傾向を見つつじっくり育てようという作戦である。

 

 そうして出来たものがこちら。『娼腐』、『憑依霊』、『性骸婦』、『吸精蝙蝠』の4種である。

 

 ……うむ。微妙だ。魔淫蟲を始めて作った時の懐かしさを感じる。

 

 アレも最初は雑魚だったが、育てれば竜種になったのだ。彼等についても気長に構えるべきだろう。

 

 まず、『娼腐』だが、此方は肉感的な女の死体の姿をした屍人である。

 

 知能が低い代わりにタフネスが高く、割と機敏。攻撃は噛みつきや引っ掻き、パンチにキックといった肉弾戦が主で、相手をボコボコに殴って蹴って沈黙させた後、男相手なら強引にセックスに及ぶ。

 

 が、かなりゾンビなので、セックスに失敗することの方が多そうである。

 

 何しろ、膣内は外気温と同じ温度でしかなく、ひんやりしており、肉体の質感もグズグズとしていて凡そ人間らしからぬ手触りだからだ。

 

 これでは幾ら見た目がそれなりでも、股間は萎んでしまうだろう。進化させる為には少々手助けが必要そうである。

 

 そこで役立つのが『憑依霊』だ。

 

 その名の通り他者に憑依する力が強い幽霊で、乗っ取った他者の体をぎこちないながらも動かせる。

 

 その能力で淫らな行為に耽らせるのがコイツの手管なのだが、残念ながら精神が強い連中には憑依出来ない。

 

 というか最悪の場合、気合だけで『破ァ!』と滅される。さすが幽霊、儚い。

 

 だが、娼腐とタッグを組んで戦えば結構イケるのではなかろうか。娼腐にボコボコに殴られた上でレイプされれば、精神も弱るだろうし。

 

 そこまでしても、そもそも娼腐以下の連中しか相手にできないのが切ない所だが。

 

 その一方で思ったより強そうなのが『性骸婦』である。

 

 見た目は真っ白な女性型ゴーレムという感じなのだが、その全身は骨片で出来ている。どの部位も丁寧な作りだが、特に骨から作られた継ぎ目のない顔面は、角度によってさも表情が変わったかの様に見える絶妙な出来だ。

 

 その繊細な構造の通り、筋力的にはあまり強くは無い。が、我が迷宮の特性を考えると中々悪くない能力を持っている。

 

 この魔物、全身に骨の針を仕込んでおり、それを射出するなどして相手に麻痺効果のある媚毒を打ち込めるのである。そうして毒で弱った獲物を頂く、という寸法なのだ。

 

 ちなみにこの魔物の膣は、それはもう芸術的な出来栄えである。

 

 構造としては骨でできた微細なビーズの集合体なのだが、それらが蠢く事で人間の膣ではあり得ない『硬く滑らかなものに優しく包まれる』感覚を齎してくれるのだ。

 

 更に、ビーズの流動により、一切抽送する事なくペニスを扱き上げ、射精へと導くことが可能となっている。

 

 暗い迷宮の中で、飛来する毒針を交わすのは難しかろう。痺れた肉体をゆっくりと味われれば、骨抜きにされてしまうこと間違いない無しだ。

 

「……」

 

 そして、最後の吸精蝙蝠、コイツは文字通り精気を吸うだけだ。至極しょぼい。……気長に構えるとしよう。

 

「……ぇ!」

 

 ……では早速、コイツらを使って何か考えてみるかな…………ん? 

 

「……ねぇってば! バビロン、ご飯要らないの? せっかく食べ頃なのにー」

 

 思考に集中するべく瞑目していた瞼を上げれば、目の前に揺れるおっぱい。滴る乳の雫。頭上で囁かれる甘い声。

 

 それがアンナだと理解した直後、私は反射的にその桜色の乳首に吸い付いて、夢中で母乳を啜っていた。

 

「んっ♡ よーしよし♡ まんまでちゅよー♡」

「私は幼児か何かか……いや、行動的に否定はしづらいが」

「ふふっ♡ 嫌だった?」

「いや……。もっとして欲しい、かもしれない」

「よしよし♡ 素直な良い子でちゅね♡ ご褒美のおっぱいシャワーでちゅよー♡」

 

 そう言いながら、吹き出す母乳を塗り込む様にアンナの手が私の身体を這い回り、別の手がジュポジュポと私の膣内を搔き廻す。

 

 口内に広がる母乳の甘み、そしてアンナから与えられる強烈な精気と淫気に半ば酩酊しながら、私は配下の試験運用を先送りにすることを決めたのだった。

 

「んぅ……アンナ、私、そろそろ……♡」

「んっ♡ 私もバビロンにおっぱいあげてるだけでもう、何回もキてる……♡」

 

 絡み合う私とアンナの交わりはやがて激しさを増し、上と下の唇で熱いキスを交わしながら、粘液と母乳と媚毒に塗れ果てていく。

 

 

 魔王が来たところで、結局私も、この迷宮も、いつも通りの平常運転なのだった。

 

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