さて、進化後に発生した第二の問題である、レーニアとプルナの案件がとりあえず空間隔離で解決をみた直後、バビロンが感知したのは、また少し異なる問題の発生だ。
まずは、レーニアとプルナの寝室から流出する大量の母乳ザーメンカクテル。まぁそれだけであれば迷宮で普段発生しているものと同等に『精気抽出の上残渣は廃棄』でも良さげではあるのだが、問題はレーニアの凶暴なザーメンがスライムモンスターと化している事である。
これを現行の処理工程に流せば確実に問題が起こるだろうと容易に想像できる以上、何か専用の濾過工程は必要だろう。
そして、僅かな思索の後『濾過工程』としてバビロンが選んだのはセルゥだった。
セルゥは、バビロンが死んでいる間にアバドンが開催して居たらしい第三回苗床オーディションでその才能を見せつけ、最終的にアバドンによってチンポの中に建国されたという超絶的な『おちんぽ苗床』を持つ業深迷宮きってのドスケベメス男子である。
もちろん死んでいたので直接会ったことはないのだが、バビロンの情報によればセルゥはレーニアの熱心なファン。レーニアの精液の捌け口にされるのを喜ぶのは間違いない。
ならば、と早速セルゥの胎内にある『業深迷宮の飛び地』の端末を通じて彼に渡りをつけてみれば、帰ってきたのはやはり快諾だった。
「レーニアさんのザーメンですかぁっ♡♡♡ 全部くらしゃい!!!」
などと喜びの声と共に超巨大パフィーニップル——内部の乳腺が超成長し、たわわに実った爆乳に見えるが色が黒く、本質が『ぷっくり乳輪』だと強く主張するセルゥのおっぱい——から歓喜の精子入り母乳を噴き出し、嬉ションのごとく精子を噴き出すセルゥ。
そんな彼の乳腺とチンポに迷宮の極太配管を突き刺し、無尽蔵に溢れるレーニアの精液を注ぎ込んでやれば、セルゥは恍惚の表情で「えへへ♡」と可愛らしい声を漏らしつつ、全ての精液を一滴残らず飲み込んでいく。
彼の精子は『卵子』でもある為、レーニアの廃棄精子は全てセルゥの精子にホモ受精し、凶暴性を失った可愛いガチホモ受精卵としてセルゥの精巣に着床していく。もちろんその数たるや尋常なものではないが、セルゥはレーニアと一度セックス した経験もある為、その事態には慣れたものだ。
元より彼の体内には数垓個の受精卵が着床状態で待機しており、ちょっとその数が『数穣個』になっただけである。
そしてセルゥの胎内の『迷宮の飛び地』では『人間同士のセックスは禁止』という法が敷かれ、子供達は皆魔物の苗床にされている為、全員が末代。迷宮居住区の人口爆発の心配はないだろう。
セルゥのチンポやおっぱいから生きて出られるのは、彼の子供が産んだ魔物だけであり、それらは総じて魔淫蟲や震撃蝦蛄、粘液魔などの『雑魚魔物』なのである。
アナルに関しては、セルゥ自身を苗床として用いて上位魔物も育てられているが、これはレーニア精液の影響を元々受けない。
かくして無事に迷宮にレーニア精液パンデミックが起きるという事態は1人の苗床青年の尊い犠牲により防がれたのであった。
* * * * * *
さて、そんな風に大きな問題から潰して行ってはいるバビロンだが、根本的に解決できない問題というものは存在する。
そのうちの一つが、各界層の界層支配者から届いている『界層が広がりすぎていて現状では把握不可能』という苦言だ。
何せ『最も狭い』第1界層の霧の水没神殿ですら、面積は1兆平方歩を超える。業深迷宮の各界層は円形なので中心から端まで57万歩というわけだ。そして各界層は一つ上の界層の2倍の広さになっている。それはまぁ、把握不能と苦情がくるのも仕方はないだろう。
勇者ファントムより借りパクしている神スマホ知識で言えば、第1界層が『エジプト』なる国と同じ程度の面積であるのに対し、第10界層は異世界である『地球(海込み)』より若干広いのである。
そして、実は現在の業深迷宮、ふざけた事に界層が増えており、ダンジョン13界層+玉座の間+居住区という全15界層構造になっているのだ。
もちろん、元の状態から5界層も増えたダンジョン部分については現状空き地だ。
なおこれ、『土地面積』なので構造物なども含めれば総床面積は異常なことになっているのは言うまでもない。
そんな状況なので、バビロンとしては『とにかく眷属を増やして情報共有して欲しい』という回答しかできないのだ。
一応バビロン自身は自分の体内なので把握はしているのだが、総面積ざっくり3京3千兆歩の全情報を処理できる存在が彼女とその子機である娘達以外にいないのが問題なのである。
差し当たって、この問題はバビロン端末が積極的に各界層をサポートする形で対症療法的解決を図ることとなったのであった。
「昔の、必死に迷宮を切り盛りしていた頃のようだなこれでは。悪くはないが」
などと溜息を漏らすバビロンだが、種々の問題は突如として強大化したバビロン自身のスペックの反作用だ。苦しいのは今のうち、と己に言い聞かせ、彼女は復活早々の重労働をこなしていくのであった。