アズレン×ラスオリが正面衝突した世界で精液の奪い合いになったけど全員孕ませるから関係ないよね♥️ 作:みころ(鹿)
翌日の1300。西の大陸、その工業地帯にて。
ひび割れた工場が廃墟として立ち並ぶ。美しく澄んだ青空は排気ガスが止まったゆえの景色なのだろうか。
植物に侵食されたコンクリート道をたどりながら、重桜の空母である瑞鶴は人のいなくなった終末の世界を進んでいた。
「それでさ、その化け猿は実はムカデに操られてるから倒せてなかったってわけ」
「なるほど...着ぐるみをしていたということですね」
「そうそう!あ、なんなら今度私の部屋来る?オススメのゲームあるから一緒にやらない?」
「あ、は、はい...瑞鶴さんが良ければ...!」
現在、瑞鶴はバイオロイドのノームと共に工業地帯北にあるという洋服工場へと向かっている。なんでもそこには特殊な技能を持ったバイオロイドがいるらしく、今後の生活に彩りが出るとかなんとか。
そして剣術の心得があった瑞鶴は作戦に参加し、高雄たち本隊とは別に工場の裏口を目指していたのだった。
「レプリコンはどう?来る?」
「...そんな簡単に行っていいものなのでしょうか?」
「大丈夫大丈夫!仲間だもんね!」
「げ?」
「いや、ね」
もう一人の同行者であるレプリコンは最初は難しそうな顔をしていたが最終的には頷いた。
二人を招待することができた瑞鶴はニコニコと笑いながら、同時に一緒に歩く彼女たちの姿を注意深く観察する。
(二人ともおっぱい大きいなぁ...)
バイオロイドを男に近づけないようにする作戦は瑞鶴にも伝わっている。男をとられない措置だとして同意した。だが同時に仲良くしたいという思いもあった。競争相手かもしれないが、男の下では全員が平等でもあるからである。
しかし実際に目の前にしてみるとそれはかなり甘い考えかもしれないと瑞鶴は思い直されていた。紫髪のノームの身体は同性から見てもドスケベだし、レプリコンのおっぱいは今にも戦闘服からはちきれそうなほど豊満だ。エッチな女の子を手篭めにすることが大好きな指揮官はまず放っておかないだろう。自分だって胸は大きいが、確かに指揮官が孕ませられる彼女たちだけに夢中になってしまわないかという不安はあった。
そんなわけで内心で瑞鶴が少しだけ警戒レベルを引き上げていると、ノームの腰から電子音が聞こえてきた。無線機を取り出したノームは馴れた様子で通信を開く。
『こちらグリフォン、そろそろ作戦予定時刻だけど目的地にはついてる?』
「すいません、あと1ブロックでつきます」
『...確認したわ。進路上に敵は見えないからそのまま進んで大丈夫よ!』
瑞鶴が空を見上げるとエンジンの見せる光が尾を引いていくところだった。
上空を飛ぶグリフォンとナイトエンジェルの二人は地上部隊のサポートを行ってくれている。上空からの索敵やあるいは火力支援などがその主な仕事だ。
「少し急ぎましょうか」
頷いた瑞鶴は二人と共に軽く走り始める。
いくつかの建物の前を横切り、ノームが足を止めたのは巨大な箱形の建造物だった。
シャノルという企業のロゴマークがついた工場は軽く4階ほどはある高さと、それに見あった横幅を兼ね備えている。この広い敷地内のどこかにノームの知るバイオロイドがいるというが、骨が折れそうだった。
「予定時刻確認、これより突入します」
ノームが時間を確認し、三人は工場のこじんまりとした裏口から建物の中に入った。恐らく時間を同じくして高雄とブラウニーたちも正面玄関から入っているはずである。
建物の中は薄暗く、物で散乱していた。倒壊などはしていないが長く人の手が入っていないことは明らかだった。
「とりあえず警備室に向かうんだったよね」
「はい」
瑞鶴たち別働隊が裏口から入ったのにはバイオロイドの捜索もそうだが、警備室が近かったからだ。警備室が生きていれば隔壁なんかも操作できるし、何より監視カメラで屋内の広範囲を確認できて正面部隊の援護ができる。
ノームによれば警備室があるのは2階の端。目的地を目指し、階段を登りながら瑞鶴はアサルトライフルを構えるノームに声をかける。
「それにしても意外だな、もう人はいないのに電力が通ってる可能性が高いって」
「...それがそうでもないんです。電力施設を維持している存在についてはバイオロイドやAGSも多いですし...その中には鉄虫もいます」
「あ、もしかしてロボットだから?」
「はい。鉄虫も機械の身体である以上は電気がないと生きていけませんから」
むしろ電力施設を維持しているのは鉄虫の方が多いらしい。
そんなことを聞きながら瑞鶴は2階に到着する。どうやら2階はオフィススペースだったようだ。1階と同じように荒らされた廊下にはゴミが散乱し、割れたガラス壁からは色を失ったデスクが寂しく並んでいるのが見てとれた。
そのまま通路を進んだ三人はふと違和感に気がつく。何かがこちらを見ている。
「来ます!」
ノームとレプリコンが銃を構え、瑞鶴が刀を抜いたところで鉄虫が飛びだしてきた。その数4体。それほど広いとは言えない通路を鉄虫たちは雪崩のように突っ込んでくる。
同時に、二人のアサルトライフルが火を噴いた。放たれた弾丸の雨が先頭を駆けていた鉄虫一体の身体に殺到し、一秒と待たずに爆発せしめる。
「せやっ!」
次いだ鉄虫に瑞鶴が日本刀を振るった。
地上での艤装の使用には多大な制約がかかる。事実瑞鶴が今持っているのは日本刀だけであり、艦載機は例え持っていたとしても十全に使うことはできない。
しかし例え5分の1の力だとしても鉄虫を切り飛ばすには充分だった。斬撃を真正面から受けた鉄虫は一刀両断とまではいかなくとも空中で爆発してバラバラに散らばった。
「あちゃー高雄みたいにはいかないなっと...!」
残るは2体。近づいてきた片割れにノームとレプリコンが引き金をひき、難なく処理に成功する。しかし残り一体に照準を向けたところで二人とも残弾が切れた。残された最後の鉄虫は仲間の死体を飛び越えると、弾倉を入れ換えている最中の二人に爪を振り上げた。
「どっせーい!」
その横っ面を瑞鶴が蹴りつける。
金属の凹む音が鳴り響く。壁に激突させられ動けなくなった鉄虫にノームたちが銃口を向けた。放たれた弾丸が鉄虫の動きを完全に止めたところでノームは息をつく。
「戦闘終了です...すいません瑞鶴さん、助かりました」
「え?あー、いーのいーの!チームなんだから!」
「いえ助けていただかなかったら確実に怪我していましたし...はぁ...」
瑞鶴は結果オーライならなんでも良かったのだが、ノームは隙を晒したことを気にしているらしい。口にこそ出さないがレプリコンも反省しているようだった。
鉄虫の死亡を確認した三人は再び歩き始める。するとすぐに件の警備室の前に辿り着いた。部屋の中には鉄虫が一匹潜んでいたが瑞鶴が一太刀で切り伏せ、警備室を制圧することに成功した。
「ブレーカーあげるよー」
「はい、お願いします」
瑞鶴がレバーをあげると暗かった工場内に光がついた。監視モニターの前にいたノームがコンソールを動かすと幾つかの画面が起動する。
「あ、高雄だ」
生き残っていた幾つかの監視カメラのうちの1つがちょうど高雄たち正面部隊を捉えていた。
予定通りなら現在彼女たちは救出対象が最後に確認された第1デザイン室に向かっているはずである。
「ねぇ、これ放送とかってできる?」
「...マイクが壊れてますから無理ですね。無線を試してみます」
そう言ってノームは無線を試み始めるが、期待度はそこまで高くない。というのも鉄虫の仕業か工業地帯全体を弱めのジャミングが覆っているからだ。屋外ならグリフォンたち空中ユニットを中継して長距離通信が可能だが、屋内では通信途絶することがままあった。
この世界の機械に明るくない瑞鶴はノームからレプリコンの方に視線を向ける。コンソールに向かって片端から隔壁を開けていた彼女は今はその手を止めてジッと監視カメラのモニターを見つめていた。
そしておもむろに片手をあげると、そのモニターのうちの1つを指差した。
「あそこ、誰か映っていませんか?」
幾つもあるモニターのうちからレプリコンが指差した1つ、薄汚れた画面は他と変わらない荒れた光景を映し出していたが他とは違うところが1つだけあった。
「銀髪?」
「えっ、本当ですか?」
瑞鶴の呟きに反応したノームも画面に視線を向ける。その画面には確かに人影が映っていた。遠くに見えるだけなので顔は良く解らないが確かにその人影は長い銀髪を携えているように見えた。
「あれ救出対象の人じゃない!?」
「は、はい。多分..そう、かと...?」
瑞鶴がはしゃいでいると、その人影は画面の奥を横切り部屋の中に入って見えなくなってしまった。だがこの広い工場内で場所が解っただけでも大きい。
「よーし、行こう!場所は?」
「...第3デザイン室のようですね」
「おお、ちょうど私たちが行くとこじゃん!」
元々正面部隊が第1第2、瑞鶴たち裏口部隊が第3第4デザイン室を回る予定だった。ノーム曰く第1デザイン室にいる可能性が高いとのことだったが、移動したのだろうか。
「ですが正面部隊に連絡しなくても大丈夫でしょうか?」
「目標確保した後でも良くない?それに急がないといなくなっちゃうかもしれないし」
「なるほど、一理あります」
レプリコンが頷き、部屋の外に出ようとした瑞鶴はいまだに頭を悩ませているノームに声をかける。
「どうしたの、行くよー!?」
「あっ、はっ、はい!...うーん...でもあんなに長い髪だったっけ...?」
ーーー
部屋を後にした三人は廊下を進み、目的の第3デザイン室へとやって来る。部屋の前の通路はやけに小綺麗になっており、最近まで人がいた痕跡を感じることができた。
もしこの中に目的のバイオロイドがいるのなら、さすがに鉄虫と同居しているはずもない。瑞鶴がノックして三人は部屋に入る。
「...なんというか、不気味ですね」
レプリコンが呟く。事実、部屋の中には奇々怪々とした光景が広がっている。
部屋の中に入ると、そこには幾つものマネキンが並べられ壁を作っていた。着飾られた人形たちのファッションショーは迷宮のように三人の前に立ちはだかっている。一つ一つは普通のマネキンでもこうも数が揃うと不気味だった。
とはいえただのマネキンであることに変わりはない。三人はマネキンを避けて部屋の中を進み始める。
「誰かいませんかー...?」
どことなく通路と思われる場所を歩きながら呼び掛けてみるが反応はない。
ふと瑞鶴はマネキンの一体が着ている服に目を止める。
「うわ、ちょっとこの服見て。すっごい可愛くない?」
「...確かに」
大量に並べば不気味なマネキンたちだが、それぞれを見るとかなりクオリティの高い服を着ていることが解った。こんな状況でなけば試着したかったなと瑞鶴は胸のうちで呟く。
三人は乙女らしく可愛い服に目を移しながら、ついに部屋の一番奥へ辿り着いた。
「いない...」
「ですが、人がいたことは間違いないようですね」
どことなく生活感を感じるその空間には服が散乱していた。加えて食事した痕のようなものが残っており、どことなく生活感を感じた。
ここで彼女が生活していたことは間違いないだろう。問題はその彼女が今ここにいないことである。
「もう移動しちゃったのかな?」
「それにしては早すぎるように思いますが...」
監視カメラで見てから5分も経っていない。部屋の外に出たのか、それともまだこの部屋にいるのか。
三人が議論を始めようとしたその時、散乱した服の一山がガサリと音をたてて動いた。
「鉄虫!?」
「いや、これは...」
その人物はどうやら服に埋もれて寝ていたらしい。
洋服を重ねたベッドから起き上がった彼女は寝ぼけ眼を擦りながら、瑞鶴たちに不審そうに視線を向ける。
「なんですか、あなたたちは...」
「おぉ!あなたがオードリー?私は瑞鶴、あなたを助けに来たの!」
「いや人違いです」
「?」
割と確信を持っていた瑞鶴の頭を疑問符が覆う。
その後ろからおずおずと手をあげたノームが答えた。
「私もおかしいなぁとは思ってたんですが、同じ銀髪ってことで間違えたのかも...」
救出対象のバイオロイドも銀髪、目の前のバイオロイドも銀髪である。どうやらそこで勘違いが起こったらしい。とはいえ誰が同じ場所に似たバイオロイドが2体いると考えるだろうか。
「うぇーじゃあ無駄足だったってこと?」
「いえ彼女も救出できますので無駄ではないかと...」
どのみちバイオロイドは全員回収だ。目標ではなかったが、大きな目的のうちに彼女は入っている。
「えっーとお名前は?」
「ソワン」
「そういう訳だからソワンも一緒に」
「お断りします」
「??????????」
断られると思っていなかったのだろう瑞鶴はまたも大量に疑問符を浮かべることになる。
にべもなく断ったソワンは表情1つ変えることなく壁を見つめ、憂いに満ちたため息をついた。
「私の能力はたった一人、仕える主様のため以外に使う気はない。仕えるべき人間がいなくなった今、私はここで朽ち果てることに決めたのです」
なかなか職人気質なバイオロイドらしい。とはいえ存在理由である人間が絶滅しませんですけど何したとあってはこういう思考になるのも順当なのかもしれない。
「あー...覚悟ガンギマリのとこ悪いんだけど、まだ人間いるよ?」
「なっ!?それは本当ですか!!?」
「うん、私たちの指揮官。これ」
瑞鶴が自前のスマホを見せる。画面に映った瑞鶴と男のツーショットを見てソワンは目を見開いた後、顔を輝かせた。
「私も行きます!早く行きましょう!」
「ちょっーと待ったぁ!来てくれる気になったのは嬉しいんだけど、こっちにはまだ用事があるんだよね」
急に生き生きとし始めたソワンを瑞鶴が止める。少し不機嫌そうな表情を見せるソワンに、レプリコンが尋ねた。
「まだこの工場に一人バイオロイドがいませんか?私たちはその人を探しているのですが」
「はぁ。あぁ、オードリーなら確かにこの工場にいますよ。というか普段はここで共に寝泊まりしてましたし」
「どこに行ったか解りますか?」
「確か組み立てラインに行ったはずですが...」
ソワンの発言は決定的だ。今度こそオードリーはそこにいるはずだ。かくしてソワンを加えた四人はデザイン室から出ると、工場の中枢へと向かったのだった。
ーーー
「待って、何かいる」
長大な生産ラインに足を踏み入れた四人は物音に足を止める。
鉄虫がいるのか、顔を見合わせた瑞鶴とノームは忍び足で音の鳴る方へと向かう。ベルトコンベアの陰から覗きこんでみると、そこにいるのは2本足のロボットたちだった。
「鉄虫...じゃないよね?」
「良かった。あれはAGSです」
AGSとはバイオロイドとは別に鉄虫に抗うロボットの軍団のようなものだ。彼らは主人である人間がいなくなったあとも戦争を続けており、基本的にはバイオロイドとは協力関係にある。
薄暗がりの中を何かを探すようにうろつくAGSの姿は少し不気味だが、味方であることは間違いないだろう。
「もしかしてオードリーのことも知ってるかも?」
「そうですね。聞いてみましょう...す、すいません!」
AGSに近づいたノームが声をかける。
緩慢な動きでこちらに振り返ったロボットたちはその単眼のレンズをノームに合わせた。
「私たちはこの近くで人を探しているのですが、見ていませんか?」
「...」
ノームの問いかけにAGSは沈黙を返す。
それが2秒、3秒と続いていき、何かおかしいと感じたその時AGSは動いた。
『p...バ、バ、回帰ヲ実行セヨ。回帰ヲォは実行セヨ。33,366,611,111,111ニ祝福ヲ。繰返ス、辷空籤e*y@ニ絶滅ヲ』
調子外れな機械音を撒き散らしながら、AGSたちが一斉に持ち上げたのはガトリングガンの銃口だった。
「鉄虫に汚染されてッ...!!?」
「危ないッ!!」
弾丸の嵐が吹き荒れるのと、瑞鶴がノームを突き飛ばすのは同時だった。放たれた無数の弾丸は瑞鶴の身体に殺到した。
「瑞鶴さんッ!」
立ち上る白煙に目を見開いたノームがおののく。
自分を助けるために彼女は犠牲になってしまったのか。蜂の巣にされる瑞鶴の姿が脳裏に浮かぶ。絶望的な幻影にノームが震えていると、おもむろに声が響いた。
「いてて、流石に無茶だったかな...!」
「瑞鶴さん!?」
白煙が晴れ、そこに立っていたのは五体満足な瑞鶴の姿だった。
KANSENの防御力は戦艦並であり、ガトリング程度耐えられる。ただ集中砲火かつ、直撃したということを考えると大破してもおかしくはなかった。
気丈に笑う瑞鶴は服はボロボロに破け、全身血まみれではあったが、確かに生きた状態でそこに立っていた。
「ほら、なに泣きそうな顔してんのさ!反撃するよ!」
「は、はい...!」
瑞鶴が刀を構え、立ち上がったノームもアサルトライフルを構える。後方でもレプリコンがアサルトライフルを構えて援護体制に入っていた。
ーーー
「これで最後っ!」
振り抜いた一閃が正確にAGSの身体を捉える。確かな手応えに瑞鶴は全身の力を込めると、そのまま敵の身体を真っ二つに両断した。
オイルの滴る刀が払われ、二つに割れた鉄屑が地面を転がっていく。殲滅を完了した三人がホッと息をついた。
「お疲れ様です」
「うん、お疲れ。ふぃー、強かったね」
AGSは戦闘用に作られたロボットなだけあって装甲も固く、ガトリングの火力も高かった。
複数相手取るのは苦戦を強いられたが、とはいえ結果だけ見れば瑞鶴の最初の被弾以外こちらの損害はゼロだ。レプリコンとノームが射撃で注意を引き、その間に瑞鶴が一体ずつ仕留めていったのである。三人の連携が勝利を導いたのだった。
「それで、オードリーだけど...」
「もうここにはいないでしょうね...」
AGS鉄虫がうろついていた場所に留まっていたとは考えにくい。もしいたとしても先程の戦闘の間に逃げてしまったことだろう。
捜索は振り出しに戻ってしまうことになる。一度正面部隊と連絡をとるか、あるいは先程の寝床に戻ってみるか。瑞鶴たちが話始めようとしたその時、ガチャン!と金属音が響いた。
振り返った四人。音は最初AGSたちがうろついていたあたりから聞こえてきた。そこには錆び付いた産業用ロボットの残骸が幾つか転がっているだけだった。
「まさか...」
慎重に近づいていく四人。金属音は徐々に大きくなっていき、やがてドゴン!と一際大きな音をたてるとロボットの一体がはねあがり、蓋のような頭部が弾けとんだ。
「おっはようございま~~~すっ!」
その中から現れたのは銀髪を短めに切り揃えた女だった。面食らう瑞鶴たちの前でニコニコと笑うそのバイオロイドはロボットの中から出ると、モデルのような歩き方で瑞鶴たちの方へと寄ってくる。
「いやぁ助かったわ~ロボットくんたちに追われてあの中に隠れてたんだけど、全然諦めてくれないからあなたたちが来てくれなかったら一生缶詰めだったかもしれないわね!」
自分からロボット内に隠れたはいいものの、出るに出られなかったらしい。次いでそのバイオロイドは瑞鶴の姿を改めて見て、目の色を変えた。
「ぶ...ブラーヴォッ!なんて可愛いのあなた!素晴らしい...素晴らしいわッ!」
そのまま興奮した様子の彼女は瑞鶴に飛び付くと、どこからともなく取り出したメジャーをその身体にあてた。
「な、なにを!?」
「なにって!採寸しなくちゃ服は作れないでしょ!?」
「えぇ...」
有無を言わさぬ勢いになされるがままの瑞鶴に代わり、おずおずとノームが歩みでた。
「あ、あのオードリーさん。お久しぶりです」
「あらノームじゃない、久しぶりね。元気してた?」
「はい。それでえっと、助けに来ましたのでそのあたりでやめていただけると...」
オードリーは肩をすくめると瑞鶴からメジャーを離した。そして長い脚をしならせくるりと振り替えると、癖なのかモデルっぽいポーズをとった。そして腕を組みしばらく考え込んだ後、思案顔で人さし指をピンとたてた。
「もしかして、人間が見つかった...?」
「え、あっ、はい。よく解りましたね」
「もしかして、可愛い女の子たちがいっぱい集まってる...?」
「へ、確かにバイオロイドは集まってますけーー」
「行くわ!!今すぐ行きましょう!待ってて私の可愛いモデルちゃんたちーー!」
「えぇ...あっちょっと待ってくださいー!?」
行き先も解らないだろうに先行するオードリーをなぜか救出部隊の方が追いかけていく。かくしてオードリー救出作戦はぬるっと終わったのだった。
ーーー