アズレン×ラスオリが正面衝突した世界で精液の奪い合いになったけど全員孕ませるから関係ないよね♥️ 作:みころ(鹿)
「なんだこれは...」
母港の仮設本部前の運動場に運び込まれた形容しがたいそれを見て、男は困惑の声をあげる。ドイッチュラントたちが交戦したという機械の化物がそこには横たわっていた。
ドイッチュラントたちはなんと他にも現地人と遭遇したらしく、今は陸路で帰還している。そこで先んじた回収部隊が海路でこれを運んできたというわけだ。ちなみに海上を牽引できるプレートにその現地人を載せられなくなかったが、本人が機械との同乗を拒否したため彼女たちは歩いて帰ることになったらしい。男としてもこんな機械との船旅はごめんなのでその気持ちは解らなくもない。
そしてどうやらその現地人はこの機械について見識を持っているそうだ。これが何なのか知るためには、その人物に尋ねてみるのが早いだろう。
「エセックス、艦載機から放送して全員に帰還命令を出せ」
「了解!」
とにかくその人物が帰ってくるまで待つしかなさそうだった。
ーーー
「なるほどグリフォンちゃんって言うんだねー、よろしく!私はサンディエゴだよ!」
「よ、よろしく」
帰路の途中、ドイッチュラントはサンディエゴが喋りかけている女の子をじっと後ろから観察していた。見かけは金髪で可愛い女の子だが、腰につけたジェットパーツじみた艤装のようなものは得体がしれない。ただ身につけた青色の戦闘服はところどころ切れており、怪我もしているようだった。
今のところ敵意は感じられない。それどころか彼女はあの機械の化物に追われていたらしく、結果的に自分達が助けることになったらしい。助けた相手、だが油断は禁物だとドイッチュラントは自分を戒める。
ところで、とグリフォンと名乗った少女はKANSEN三人を見回して不思議そうな顔をする。
「それにしても私、あなたたちのこと始めて見たんだけどどこの企業に開発されたの?」
「企業?企業というのがどういう意味か解らんが、あえて言うならばアズールレーンだろうか」
「アズールレーン?なにそれ」
高雄の返答に首をかしげるグリフォンだったが、まだ気になることがあったようで続ける。
「それとさっき拠点って言ってたけど、ここから近いの?」
「あぁ、私たちの母港だ。着いたらまずは指揮官と話をしてもらうぞ」
「なるほど、指揮ユニットがいるのね...合点がいったわ。要するにあなたたちはそれに従ってこの島を守り続けてきたってところか...」
何かを納得したらしいグリフォンはしばらく何かをぶつぶつと呟くと、パッと顔をあげた。
「指揮ユニットならそこまで数は多くないし、そいつの特徴か何か教えてくれたら解るかも。何かない?」
「そうだな...見た目は普通だ。性格面で言えばけっこう暴力的だし、私達をモノ扱いする時もあるな。昨晩はそれで散々(セックスで)気絶させられたし」
「(訓練で)気絶かぁ...でも指揮ユニットってそういう厳しい性格多いからなぁ」
「勿論それが全てではないぞ。気遣いもできるし指示も適格で、まさに我々の上に立つのに相応しい人だ」
「へーどんな人なんだろう...」
考えるグリフォンに、気を見計らって今度はドイッチュラントから声をかけた。
「今度はこちらから質問してもいいかしら。まず...あなたはどこから来たの?」
「んー、西の対岸から。作戦中に味方とはぐれちゃって、鉄虫から逃げるためにこの島に渡ってきたんだけど」
鉄虫、それがあの機械怪物の名前らしい。
トントンと腰につけた機械を指で指すとグリフォンは肩をすくめる。
「こっちについてすぐに燃料が切れちゃってね。まぁ海の上じゃなかっただけましだったんだけど、当然こっちの島にも鉄虫がいたから足で走って逃げるしかなかったってわけ。あぁ、できればその母港についたら補給させてもらえると助かるかな」
「もちろんいいよ!」
「ちょっとサンディエゴ、あんたなに勝手に快諾してんのよ!...あっ、いや補給はできると思うけど」
「あはは...」
苦笑いを浮かべるグリフォンの姿を横目でじっと見つめていた高雄が尋ねる。
「...見たところグリフォン殿は戦闘ができるようだが、間違いないか?」
「えぇ、そういう風に設計されてるけど。それが?」
「ならなぜ立ち向かわなかったのだろうか?斬ってみた感触としてはたいした相手ではないように思えたのだが...」
「なぜって...バイオロイドなんだから当然でしょ。攻撃できるんなら即効で破壊してるわ」
どこか噛み合わない会話を高雄が正そうとする前に、森の前方が急に開けた。ようやく母港に帰ってこれたのである。森と敷地内を別けるように置かれたフェンスが味気なくそこにはそびえていた。
フェンスに点在する簡易ドアを開け、母港に入ると四人は運動場に向かう。
「広い...!」
キョロキョロと周囲を見回すグリフォンはどこか懐疑的にも喜んでいるようにも見えた。どちらにせよ興奮した様子のグリフォンは手を叩く。
「驚いた。まだ地上にこんな綺麗な建物が残されてるなんて!それに人も多いし!」
「別に珍しくもないでしょ?」
「いや...これは...!」
周囲を気にするグリフォンを連れ、三人は運動場についた。
広いトラックの中心には先程高雄が斬った鉄虫が転がっており、その前には明石とメイド隊のハーマイオニーが立っていた。そしてその少し隣には何故か人だかりができている。
鉄虫でもなければ何に集まっているのだろうとドイッチュラントが人のなかを覗くと、そこではエセックスとイントレピッド、バンカーヒルの三人がバトル・ロワイアルで相撲をしていた。地面にチョークで描かれた円の中で互いの腰を取り合う彼女たちは激しく身体をぶつけあっており、気迫というか、本気でお互いを押しだそうしている。
「どうして相撲...?」
「ハーマイオニーなら何か知っているんじゃないか?」
高雄がハーマイオニーに話をふると、うーんとうなった彼女は少し困ったような顔になった。
「私が明石さんをお連れしたときには既に始まっていたので詳しいことは解らないのですが...どうやら暇をもてあましたご主人様がエセックス級の皆さんに相撲しろと命令したらしくて」
「うわぁ。その手の無茶ぶり久しぶりに聞くわね」
「それで勝った一人にはご主人様がなんでも1つ言うことを聞くとかであそこまで激しく...」
「はぁ!?なにそれ羨ま...っしくはないけど!?下僕への命令権ですって!?」
KANSENにおいて男に命令できる権利と聞いて目の色を変えない者はいない。それはつまり普段はハーレムがデフォルトな男を一晩独占できるかもしれないということを意味しているからだ。一晩中男とイチャラブセックスして、男から向けられる愛情を一身に受け止められたらそれはどれだけ幸福なことなのだろう。というか何回その妄想でオナニーしてきただろう。
飛び入り参加できないのかとドイッチュラントが考えているあいだ、高雄はハーマイオニーに続けて聞いた。
「それで指揮官はどこにいるんだ?」
「それでしたらテントの方に...あっ、ちょうど」
ハーマイオニーが振り替えると同時に、命令だけしてテントで休んでいた男が出てきた。
こちらに気がついた様子の男は手をふりながら近づいてくる。
「三人ともご苦労、怪我はないか?」
「あぁ、かすり傷1つないぞ」
ハーマイオニーが頭を下げ、男が目の前に立つ。横たわる鉄虫を見下ろした男はふぅと息を漏らした。
「高雄が倒したと聞いたが...感触としてはどうだ」
「たいしたことはないな。まともに体当たりされれば怪我もしかねんが、鉄の身体といっても小口径砲でも充分対処可能な装甲だ」
「そうか。とにかく明石は解析を頼む」
「解ったにゃー...こうなってくるとお腹が邪魔にゃ。先に出産しとくかにゃ...」
ぶつぶつと呟き始める明石を置いてようやく本題に入ろうとしたときだった。全身ボロボロになったエセックスが男の元にやってくる。どうやら勝者は彼女だったようだ。どこか悲しい瞳をした彼女は、しかし口元だけ笑みを浮かべながら男にすがり付いた。
「し、指揮官。私勝ちました。これで、これでなんでも1つ聞いてくれるんですよね...?」
「すまん、エセックス。悪いんだが仕事でな...お前の頼みは聞いてやれそうにない」
首を振る男にエセックスの顔がサッーと青くなっていく。
「そ、そんなぁ...私、勝つために姉妹までこの手にかけたんですよ!?」
「相撲でだろ」
「でもでもでもでも!約束したじゃないですかぁ!それってあんまりじゃないですかぁ!?」
もはや涙目のエセックスは男の足に抱きつくと客人の前だと言うのに憚らず、駄々をこね始める。
「やぁだ~~~~っ指揮官が言うこと聞いてくれないとやぁぁぁぁぁだぁぁぁ~~~~!」
「うっわめんどくさ」
「あああぁぁぁ今めんどくさって言ったぁ~~~~!どーしてそんなこと言えるんですかぁぁぁぁぁ?私に相撲させたらそれで満足ですかぁぁぁあぁぁ!?」
鼻水を垂らしたエセックスは顔をぐちゃぐちゃにして泣き出した。自分の足に抱きつかれ涙やらなんやら染み込まされる男はたまったもんじゃなく、引き剥がす方法もないので折れることにした。
「解ったエセックス、今は無理だが後で言うことを聞いてやる」
「えっ...ほんとですか...?」
「あぁ、約束する。何を頼みたいんだ?」
スルリと男の足から離れたエセックスはとりあえず顔をちり紙で拭う。そして男の顔を見てニヘラと笑い、男の首筋に腕を回すようにして抱きつくと喋りだした。
「えっと、それじゃあですね。ちゅっ...えっと、今晩だけで良いので私のことをお嫁さんにしてくださいませんか...?あなたの妻になって、二人っきりでずっーと...ちゅっ♥️...愛し合いたいです...♥️」
「あぁ、良いぞ」
「やったぁ...ふっー...絶対ですよ、あなた♥️」
最後に息を吹き掛けてエセックスは離れていく。ちなみに周囲の視線は殺意と羨望の混じったそれ一色であり、昨晩の精液がお腹に残っている高雄だけが余裕の雰囲気だった。
「これでドタキャンしたらあいつどんな顔するかな...」
「エセックスをいじるのが楽しいのは解るが流石にそれはやめてやれ...そうはそうと指揮官、客人を待たせているぞ」
「あぁそうだった。すまないだいぶ待たせてしまった、まずは名前をうかがっても...ん、おい大丈夫か?」
男が振り返り喋りかけたグリフォンは固まって動かなくなっていた。男をジッと見つめ唖然としている様子だったグリフォンはやがてカタカタと震え始めると、男を指差しすっとんきょうな声で叫び始めた。
「おっ!?お、おおお、お!?」
「お?」
「男ぉぉぉっ!?おっ、男がなんでいるのよ!?それも指揮官って言われてたし!?」
「あぁ、この母港で指揮官を努めているものだが...」
「えっ...待って、あのもしかして...人間?」
「人間以外に見えるか?」
「...!」
また固まってしまったグリフォンに男は眉根を寄せる。人間であるかどうかなど今までの人生で聞かれたこともなかった。
もしかするとヤバイやつを母港にいれてしまったのかもしれないと考え始めた頃、グリフォンはまた不意に動き始めるとその場をぐるぐると歩き始める。
「どうしようどうしようどうしよう!こんな場所にいるなんて思わなかった!おっ、落ち着くのよグリフォン!これは天啓なんだから!」
「お、おい...大丈夫か?」
「そうだ通信機っ!!」
叫んだグリフォンがおもむろに男に詰め寄った。警戒した高雄が刀を構える。だがグリフォンに攻撃の意思はなく、ただゼロ距離で尋ねただけだった。
「あんた!この近くに浜辺とかないのっ!?」
「あるにはあるが...何をするつもりだ?」
「いいから!こっちは急いでんのよ!」
「...解った、高雄」
「御意に。案内いたす、ついてこい!」
高雄が駆け出し、それにグリフォンも続いて走り始めた。
その後ろ姿を見送り、はぁとため息をついた男にハーマイオニーが声をかける。
「よろしかったのですか?」
「さぁな。でも悪いことにはならんだろ、多分」
ぐっと背伸びした男が身体をほぐす。
「よし、ついてくか。ハーマイオニー」
「かしこまりました、お供いたします」
そして男はハーマイオニーを連れ、二人を追うために浜辺への道をゆっくりと歩き始めたのだった。
ーーー
雑木林を抜けるとそこはビーチになっている。横に広い砂浜はいわゆる海水浴場のようであり、実際夏は遊びに来るKANSENで良く賑わう。時にKANSENたちが出撃するときに使われたりもするが、ゴミ1つない白浜は変わらず清廉さを保っていた。
そんなビーチに男が足を踏み入れると、浜辺の入り口に高雄が立っていることに気がついた。同じくこちらに気がついた高雄はこちらに歩み寄ってくる。
「あの女は?」
「あそこだ」
見ればグリフォンは海と浜の境界に立って何かしている。
男は高雄とハーマイオニーについてくるよう目で合図すると浜辺を歩き出す。近づいていくと彼女が手に持ったトランシーバーのようなものに何かを叫んでいることに気がついた。
「...が、見つかったのよ!」
「ーーー」
「間違いないわ!良いからこの座標まで来て!!」
誰かと連絡しているらしいグリフォン。不審なその姿を見つめた高雄はスッと男に半歩近づくと、耳元で囁いた。
「...今なら無音にて仕留められるが、どうする?」
「...いや今はその必要はない。だが攻撃してくる素振りを見せたら...その時はやれ」
「承知...」
鯉口から親指を離した高雄が一歩引く。海を今か今かといった感じに眺めるグリフォンの姿を三人が見つめていた。穏やかな海からは磯風が漂い、ウミネコが鳴いている。打ち寄せる波だけが規則正しく寄せては引いていく。
「っ...指揮官!あそこに!」
何かに気がついた高雄が海を指差す。しかし男はKANSENである彼女ほど海への警戒力が足りない。
「...昆布が浮いてるな?」
「違う!その下だ!」
そこまで言われてようやく気がつく。巨大な船影のようなものがこの浜辺に近づき、徐々に大きくなっていた。そしてその影は慣性をつけて泊まると、ザパン!と音をたてて浮上した。
「巨大な...潜水艦?」
黄色にカラーリングされたその船は正しく潜水艦であった。しかしその大きさは男の記憶にあるものの百倍はあろうか。海面に出ている部分だけでもジェット旅客機ほどの大きさを思わせる。海面下の体積と会わせればどれだけ巨大なのか計り知れない。
明らかに元の世界のそれを上回る技術力に男は思わず茫然としていると、潜水艦の上部のハッチが開けられる。そして1つの人影が頭を出した。
「コンスタンツァーーーっ!こっちーーーーっ!」
「グリフォンさん!先程の話は本当に...っ!?」
その女性はグリフォンに話しかけると同時に、男の存在に気がつくと驚いたように目を見開いた。
ハッチから飛び出た彼女は潜水艦の上に立つと、潜水艦の表面のボタンを押す。するとオレンジ色のゴムボートが潜水艦から飛び出した。その女性は迷いなくそれに乗り込むと急いでこちらに漕ぎ始める。
十秒とかからず砂浜に到着した女性はゴムボートから降り、慌てて男の元に駆け寄ると、高雄が刀を構えるのもいとわず、男の手をとる。そして興奮した面持ちで困惑する男に話しかけた。
「あぁ、本当にいらっしゃるなんて!初めましてご主人様!私の名前はコンスタンツァと申します!あなた様こそが私たち最後の希望です!」
「スッー...」
男は思わず息を飲んだ。