アズレン×ラスオリが正面衝突した世界で精液の奪い合いになったけど全員孕ませるから関係ないよね♥️ 作:みころ(鹿)
1600。母港の執務室にて。突如現れた美人メイド、コンスタンツァの話を男は聞いていた。
「つまりなんだ。この世界の人類はもう滅亡していて、残っているのは君たちのようなバイオロイドだけだと?」
「はい。大まかに言えばそうなります」
目の前に座るコンスタンツァが頷く。その隣に座っているのはグリフォン。二人はバイオロイドと呼ばれる人造人間であり、その身体は普通の人類とは違うそうだ。その特徴からしてどことなくKANSENを思わせるが、彼女たちはより人間に近いらしい。
そしてこの世界には他にも鉄虫と呼ばれる化物がいる。いわゆるコンピューターウイルスのようなものであり、感染すると機械は暴走する。なんでもこれが世界滅亡の一因であり、今は世界中をこの化け物たちが支配しているそうだ。
「そこで我々はラビアタというバイオロイドを中心に人類復活プロジェクトを進めていたのですが、それを始めるにはどうしても人類が一人は必要でした」
「それで?」
「本来であれば保存されていた男性様を私とグリフォンで回収する予定だったのです。しかし我々が向かったときには既に設備は破壊されたあとで...そのあとは潜水艦で海に逃げるしかなく」
「なるほど...」
深くソファに腰かけた男が息をつく。警護代わりに立っている高雄に動じている様子はない。隣に座ったシャングリラは少し考えている様子だ。
「お茶をお持ちしました」
ガチャリと執務室の扉を開けてベルファストが入ってくる。ちなみに執務室の茶葉は安物しかないので出せない。クイーンエリザベスから融通してもらったなけなしの高級茶葉をベルファストに淹れてもらったのである。
机の上に四人ぶんの紅茶と茶菓子が並んだ。男はあまり手をつける気にならず、ようやく考えがまとまる。
「そもそも、どうして人間が必要なんだ?」
紅茶に口をつけていたコンスタンツァの代わりにグリフォンが応える。
「私たちバイオロイドが人間に奉仕するために作られているからよ。簡単に言えば安全装置。私たちは人間の命令がないと物を破壊することができないの」
「...鉄虫に対抗する手段はあっても、対抗するきっかけを持てなかったというわけか」
「そんなところよ」
ふん、と鼻を鳴らしたグリフォンはお茶請けのクッキーに手を伸ばす。
同時に紅茶を丁寧に机に戻したコンスタンツァが続けた。
「それと倫理的な問題もありました。私達だけで産み出した人間は果たして純粋な人類なのかと」
かえるの子はかえる、とも違う気がするが、確かにそれはクローンがクローンを作るようなものだ。健全な種の保存とは言い難い気がする。
「ですから最後の人類様がいたはずのシェルターが壊されていたときはもう全てが終わりだと思いました。でも、ここにはあなた様がいてくださった...!」
ニッコリと笑みを浮かべたコンスタンツァは立ち上がると、改めて男を見た。
「なのでどうか、お願いします最後の人間様。我々の司令官になりこの世界をお救いいただけませんでしょうか?」
深々とコンスタンツァが頭を下げる。
無言の時間が続いた。とりあえず男は延長を試みることにした。
「とりあえず、こちらで一度話し合ってみても良いか?」
「はい、構いません。でしたら一度私達は潜水艦...オルカに戻っております。よければご主人様からお越し頂けますか?実は人間様でないと開放できない機能がありまして、それも兼ねて詳しい話をいたしましょう」
そう言うと立ち上がったコンスタンツァはグリフォンを連れて部屋の外に出ていった。
どっと肩の力を抜いた男が全身を弛緩させる。
「いや...人類滅亡とはな...」
「まさかこんなにハードな世界だとは思っていませんでしたね」
シャングリラが頷き、紅茶に手を伸ばした。先程までコンスタンツァが座っていた場所に高雄が座り、クッキーに手を伸ばすと口に入れる。
「とりあえず状況を整理しよう。俺はスカウトされてる。罠の可能性は?」
「絶体ないとは言い切れんが、限りなく低いと拙者は思う。騙すにしてはあの潜水艦は大がかり過ぎるからな」
「私もそう思います。彼女たちは二人とも嘘をついてはいませんでした」
高雄とベルファストの言葉に男は頷く。顎に手を当てて少し考え込むと、全員を見回した。
「じゃあ潜水艦に行くとして、一応最悪を想定していこうと思う。まずは連れていく人員だが、屋内を撤退する可能性から少数精鋭が望ましい」
「それなら拙者が...」
「悪いが高雄の刀だと艦内で振るえない場合があるから今回はパスだ」
「むむ...了解した」
頷いた高雄を置いて、次を男は指揮する。
「まずベルファストとシェフィールドは連れていこうと思う。状況判断も早いし動きも迅速だからな」
「お褒めいただきありがとうございます、ではシェフィールドを呼んでまいりますので今しばらくお待ちください」
ベルファストが退室する。それを見送ったところでシャングリラが男に声をかけた。
「それと夕立を連れていくのはどうでしょうか。動きも良いですし、何より鼻が利きます」
「確かにな。高雄、呼んできてくれるか?」
「承った」
続いて高雄が退出する。
残ったシャングリラに男が声をかける。
「護衛はそれくらいで良いとして、それと潜水艦隊を出して近海で待機させておいてくれ。外部から異常があればすぐ連絡できるようにな。万一のときはあのオルカという潜水艦に攻撃させろ」
「ですがそれでは指揮官の身の安全が...!」
「なに、抑止力だ。それにあれだけ大きいなら攻撃しても脱出するまで沈みはしないだろ」
男は紅茶を一息に飲み干すと立ち上がり、ふとコンスタンツァとグリフォンのことを思い出す。KANSENにもひけをとらない美貌と、扇情的に膨らんだ胸。思い出すと股間と期待が膨らんだ。
ーーー
「お待ちしておりました、ご主人様」
砂浜に着くと、ゴムボートの前で待っていたコンスタンツァが頭を下げて男を出迎えた。
ベルファスト、シェフィールド、夕立を連れた男は一人ゴムボートに乗り込む。
「お連れの方は...」
「お気遣いなく。我々はこれで」
KANSENである三人がそのまま海の上に立つと、コンスタンツァはわずかに目を見開く。
「KANSENと言いましたか、確かに我々とは違うのですね」
コンスタンツァがボートに乗り込み、櫓を漕ぎ始める。すぐにオルカの甲板へと着くと、男はコンスタンツァに手を貸されながら潜水艦の上に乗る。
「こちらのハッチから中へ行けます、お足元にお気をつけください」
「では私から参ります」
ベルファストから順に全員が梯子を伝って潜水艦の中に降りていく。
降り立った艦内は思いのほか広かった。常備灯のついた廊下は長く、天上も高いため閉塞感は感じられない。
「ではさっそくデッキに向かいましょう」
コンスタンツァに従い、五人は艦内の通路を進んでいく。そして一際頑丈そうな機械扉の前に来ると、コンスタンツァは扉脇のパネルを操作して開けた。
「ようこそ、オルカの中枢部へ」
そこには一面の海が広がっていた。
ガラス張りになった壁からは海の中が一望できる。青色の海の中は光で満ち、色とりどりの魚たちが遊泳していた。
「おおぉーー!すっげーー!」
絶景に大興奮した様子の夕立が駆け出した。壁際に取りついた夕立はブンブンと尻尾を振りながら優雅に泳ぐ魚たちを目で追い始める。もはや護衛のことなど忘れていそうだ。
「ここは?」
「指令室です。オルカ全体への指揮がここで行えますよ」
指令室の中には司令官用の椅子があったり、オペレーター用のものなのか座席が並んでいたりとどこか宇宙世紀を思わせる。
コンスタンツァの誘導に従い、男が指令室手前のソファに腰かける。ベルファストとシェフィールドの二人はその後ろに控えた。対面のソファにコンスタンツァも腰かけ、数十分前の会話と同じ体制をとった。
「話に入る前に1つだけよろしいですか?」
「なんだ?」
「先程も少しだけ伺いましたが...そちらの方々はKANSENという存在で、バイオロイドではないのですよね。ご主人様はいったいどうやって...あの拠点もそうですが、手にいれなさったのですか?」
「それは...信じられないかもしれないが」
それから男は元の世界でKANSENを率いて指揮官をしていたこと、異世界からこちらの世界へ母港ごと転移してきたこと、彼女たちは船の記憶を宿した存在であり自分の指揮下にあることを嘘偽りなく説明した。
どれも突拍子もない話だ。自分で言っていて胡散臭い。
「なるほど、わかりました」
しかしコンスタンツァは頷いた。
「信じられるのか?」
「もしご主人様がいなければ我々はただ滅びを待つだけの存在でした。重要なことは人間様が今ここに存在してくださっていることだけです、それが例え異世界から来た人間様だとしても」
それは悪い言い方をすれば病的な盲信かもしれない。目的のためならば彼女は、いや彼女たちは決して止まらない。自我を持ちながら、しかし自由ではない歪な存在。それはどこかKANSENにも似ていると男は感じていた。
「...もし俺がお前たちの司令官にならなかったらどうなる?」
「この世界は終わり、バイオロイドたちも全員死ぬでしょうね」
「実質選択肢はないみたいなもんか...」
ため息をついた男は天上を見上げる。ここまで来ると頭にあるのは兼任の二文字。どうせ元の世界へ戻る手だても、軍司令部への報告手段もないのだ。彼女たちの司令官になり、KANSENとバイオロイドを引き連れ世界を救う。もちろん第一は母港の皆を食わせていくことだが、この世界の手勢も増やせるならそれも悪くないのではなかろうか。
「ベルファストはどう思う?」
「私はご主人様の御心に従うのみです」
「シェフィールドは?」
「これ以上女の子を侍らせてどうしたいんですかこの性欲猿が、とは思っておりませんので勝手になさってください」
「シェフィ、ご主人様に失礼ですよ。確かにご主人様は世間的には節操なしの浮気最低男に分類されてしまうかもしれませんが、それでもたくましい男性様です。悪口はいけません」
「うーん辛辣」
遠回しな罵倒を受け流した男はコンスタンツァに向き直る。もう一度目を閉じて考えると、自分を納得させて頷いた。
「解った。俺が司令官になろう」
「!...ありがとうございます!ご主人様!」
そう深く頭を下げたコンスタンツァの瞳に涙が浮かんでいるのが見えた。
「それで具体的にはこれからどうするつもりなんだ?確か本部とか言ってたはずだが」
コンスタンツァが再び座ったところで男が尋ねる。しかしコンスタンツァは顔をわずかに曇らせた。
「そのことなのですが、どうやらつい先日、本部が強襲されたらしくて...ラビアタお姉さまは重体、他のバイオロイドたちは各地に逃げたということです。ですからまずは地上を探索して鉄虫を殲滅しつつ、仲間を見つけていくのが良いかと」
「なるほど」
それから地形や気候といった基本的なことから、バイオロイドやKANSENの戦力について男とコンスタンツァは情報交換しあった。現在オルカに在籍するバイオロイドはコンスタンツァ、グリフォンを含めて3人しかいないという。
「そもそもバイオロイドは人間様に奉仕するために産み出されました。そのため中には戦闘目的以外のユニットも存在しますが、基本的な身体能力は人間様より強いんです」
「だからこその安全装置か」
「はい。基本的にバイオロイドは持ち主の命令に逆らえませんし、持ち主以外の命令は受けつけません。まぁ今はご主人様しか人間がいないので関係ないですが...」
「はぁ...なんか聞けば聞くほどKANSENみたいだな...」
腕を組んだ男は暫し逡巡する。
絶体命令権。つまり目の前のコンスタンツァも男の言いなりだというわけだ。
「ちなみに人類復活はバイオロイドの身体を使って行われる予定でした。私達は人間の遺伝子で作られているので内臓系は人間と同じなんです。つまりその...ご命令いただければ、子供を設けることが可能です」
「...それはお前ともか?」
「はい。こちらに子宮がございますので...その、ご主人様との子供を育む準備はできております」
そう言うとコンスタンツァは顔を真っ赤に染め上げてうつむいた。これから自分のモノになる新品の雌からのあなたの赤ちゃんいつでも産めます宣言に男の興奮は一気に進み、フッーフッーと荒い呼吸をし始める。
これに焦ったのはベルファストだった。慌てて男の耳元に口を寄せると囁く。
「今ここでセックスするのは無防備が過ぎるかと...」
「...」
「それにこのあと潜水艦内を案内されるなら時間も足りません」
「...そう、だな」
呼吸が一定になり、男の理性が戻ってくる。
同じく冷静さを取り戻し、立ち上がったコンスタンツァが男に声をかけた。
「では次はご主人様のものであるオルカを案内いたします。実を言うと人間様がいなかったので今のオルカは全体の5%ほどの機能しか働いていないのです。開放がてら回りましょう、どうぞこちらに」
「おーい夕立、行くぞ」
そして五人は艦橋から出ると廊下を進み始めるのだった。
ーーー
オルカ艦内はハイテクの一言に尽きた。明らかに元の世界よりも技術力で優っている。
今見てきた動力室などもそうだ。このオルカ全体の電力を賄っているのだから当然だが、一戸建ての家ぐらいの大きさもある発電機が並列で置かれていた。
「次はこちらです。司令官様、お手を」
廊下の途中にある巨大なガラス窓。その隣に設置されたタッチパネルに手を置くと、窓の中に光がつき、巨大な機械が稼働し始めた。
「工場か?」
窓越しに見る部屋の中では、ベルトコンベアが並び、何かを缶詰にしているようだった。
「はい、こちら捕まえた魚を加工する食品工場となっております」
見れば部屋の奥には水槽があり、そこから流れ作業で魚たちが加工されている。コンスタンツァいわく最終的にはツナ缶ができるそうだ。
「これはどれくらい作れるんだ?」
「資料によりますと日に500人は賄えるとありますが...今は完全に供給過多ですね」
「凄まじいな」
男の頭を希望がよぎる。これで母港の食料問題を解決できるかもしれない。これからバイオロイドも増えるだろうが、これだけ巨大な工場ならKANSENにも食料供給できるはずだ。
「えー魚かー、肉ないの肉?俺肉食べたーい」
「申し訳ありません。オルカに他の食料工場はありませんので...」
「うー」
工場に最初は目を輝かせた夕立が残念そうに窓から離れ、次の場所へ。
「こちらは工房です」
案内された扉の中は理路整然とした研究室のようになっており、あまり工房という感じはしない。明石の工廠が煩雑としているイメージが強いからだろうか。
「ここには担当のバイオロイドがいるので、その方に説明してもらいます。フォーチュンさーん」
「はーい、ここよー」
後ろからの声に振り替えると、何もかもデカイピンク髪の女が工房の中に入ってくるところだった。巨身長巨乳巨臀部と全てグレートサイズに加えて、青くぴったりとしたツナギで露になったボディラインに男の目が奪われる。
「あなたが最後の人間様ね!会えて光栄だわ、私はフォーチュン!この工房を預かってるの、よろしくね!」
「あぁ、よろしく...フッー...!」
握手を交わした男はフォーチュンの巨大な胸の接近に再び発情状態に入る。
これに焦ったのはベルファストだった。今ここでKANSEN以外の雌とご主人様をセックスさせる訳にはいかない。
「がまん!がまんですよご主人様!どうしてもがまんできないとしたらあれです!キャラ崩壊するくらいの変顔をしますよ!シェフィールドが!」
「は?」
思わずシェフィールドの口から殺気が漏れる。即座にベルファストに向くと、僅かに語気を強めた。
「お姉さま、それはいったいどういう意味でしょうか」
「あぁシェフィ、これはロイヤル...いえ、KANSEN全員のための尊い犠牲なのよ。解ってもらえないかしら」
「そこまでいうのでしたらお姉さまがなさってはいかがでしょう」
「私はほらキャラじゃないですし...ご主人様に嫌われたくないから」
「あ?」
「あら?」
姉妹間に険悪な雰囲気が流れ、もはや夕立が一番大人しい状況にフォーチュンが手を挙げて注目を集める。
「はいはーい、仲良しなのはお姉さんいいと思うけどそろそろ説明しても良いかな?とりあえず皆こっちに来てー」
フォーチュンの指示に従い、全員で工房を移動する。
「えっーとこれが装備開発用のデスクで普段私がいるところ。こっちのベッドはバイオロイドの機能拡張用の端末ね。これは資材分解機」
流れ作業で説明を終えるフォーチュンは最後にカプセルのようなものの前に立つと、振り返った。
「そしてこれがこの工房一番の目玉!バイオロイド製造機よ!」
「おぉ、バイオロイドも製造できるのか」
スンと発情状態が治った男が声を漏らす。KANSENの製造機のようなものかと円柱型の液体槽を眺めていると、フォーチュンが奥から何かを取り出してきて見せた。
「この遺伝子の種を使って作るの。これがバイオロイドの元になるのよ」
手のひら大の大きさの容器には緑色の滴のようなオブジェクトが入れられていた。
「遺伝子の種...というぐらいだから、この中に作られるバイオロイドの設計図が入ってるということか?」
「そんなところよー。試しに一体作ってみる?」
「そうだな...戦力補強はしたいし、頼む」
頷いたフォーチュンが製造機の後ろに回り、遺伝子の種をセットする。製造開始のボタンは男しか押せないらしく、押すと製造機のカプセル内がブクブクと泡で包まれた。
「もう始まってるのか?」
「そうよ。遺伝子の種に入ってる設計図に必要な分の各資材が自動的に投入されて身体と...バイオロイドによっては装備も作られるの。それぞれのバイオロイドによって製造時間は違うけど、だいたい24時間前後はかかるわね」
「逆に24時間でできるのか...」
KANSENも似たようなものなので驚きこそしなかったが。
とりあえず製造機の説明が終わり、工房最後の区画に向かう。工房の左端の扉を抜けると、そこはもうひとつの部屋になっていた。その部屋には何かの製造ラインが中心にあり、先程までのシステマチックな研究室とは違って、どことなく機械工場を思わせた。
「こっちはAGS...ロボット開発所よ。研究が進めば戦闘ロボットを作れるわ。司令官はロボットは好き?」
「あぁ、好きだぞ」
「ふふ、男の子だもんね」
工房の説明が一通り終わり、フォーチュンと別れた五人は再び廊下を進む。
するとすぐに赤十字の標識の立てられた部屋の前に来た。
「こちらは医務室です。人間様への治療も勿論、怪我をしたバイオロイドの修復もできます。何の変哲も無いといえばそうですが...ご覧になられますか?」
「いや、後でも良いだろう。次に行こう」
またしばらくは歩く。
すると今度は多くの扉が並ぶ廊下にやって来た。
「ここからは居住区画ですね、他にも食堂やレクリエーションルームが併設されています。ご主人様の部屋もすぐに用意いたしますのでお待ちください」
全ての部屋を見回る訳にもいかず、要所要所を歩いて回った。一際大きい部屋を紹介され、ここが男の部屋にする予定であると伝えられた。他にも食堂とレクリエーションルームに向かったが、どちらも巨大である印象を受けた。
「これで艦内の基本的な機能は以上ですね。ただ空きスペースはありますので資源さえあれば新しい施設も作れますよ」
「まだ入れられるのか...」
「あまり重くしすぎてしまうと潜行に影響が出かねませんが、多少であれば」
感心しながらオルカの階段を男は昇っていく。もう時間的には夕方だ。そろそろ帰らないとKANSENたちに心配されるだろう。
廊下を進み、ハッチのあるところへ着くと廊下にもたれかかるようにグリフォンが立っていた。こちらに気がついたグリフォンは慌てて前髪をいじりながら歩き始めた。
「あ、あら偶然ねこんなところで会うなんて」
いや思いっきり待ってだろと全員が思ったが口には出さなかった。
「何か用か?」
「偶然って言ってんでしょ!...いや、だからそのぉー」
しばらく言いづらそうにモジモジとしていたグリフォンだったが、意を決したらしく顔をあげる。
「これからよろしくっ!それだけっ!」
そう言うとグリフォンは走り去る。その後姿を見送る男の袖をくいくいと夕立が引っ張った。
「どうした?」
「今の女めっちゃ雌臭かったぞ」
「本人には言ってやるなよ...」
「わふ」
男のオルカ探索はこうして終了したのだった。