※この作品はR-18です。

アズレン×ラスオリが正面衝突した世界で精液の奪い合いになったけど全員孕ませるから関係ないよね♥️   作:みころ(鹿)

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妊娠という言葉はKANSENにとって悲劇を意味する。

 

なぜか?その理由はいくつかあるが、結局のところ本当の子供が産まれないということに尽きる。KANSENは人間に似た子宮を持つが、着床といった機能を持たない。

代わりに男性の精を受け、擬似卵子に奇跡的に受精すると、KANSENの身体は子宮内に青く輝くメンタルキューブのような物資を蓄え始めるのだ。原理は未だ解明されていない。ただこの楕円形の卵のような物質はKANSENの艤装を強める効果があり、あるいはメンタルキューブに加工できるという。

そしてそれは子供ではない。いくらKANSENが愛した男と逢瀬を交わし、孕んだとしても、産めるのは資源だけ。相手との子供を残すことはできない。膨らんだ腹を蹴る我が子はそこに存在しない。

産む時の痛みさえないのだ。各母港にいる明石に補助され、ただ排出し、我が子を抱くこともなく出産は終わる。残るのはただ虚無感だけ。愛する人との子供を産むことのできない身体だけだった。

それでも妊娠を望むKANSENはいる。特に男の母港はその殆どがそうだ。その物質を愛の結晶だと見なせばそこそこ満足はできるし、お腹が膨らんでいるあいだは他のKANSENへの優越感を持てるからだ。

とはいえ皆一度目の出産は悲しみ、涙を落とす。そして無いものねだりしても仕方がないと気がついたとき、いかに男の気を引けるかの戦いへとその雌の焦点は変わるのだ。それは本当の子供を産むことを諦めたからこその境地とも言える。

 

ならば本当に妊娠できる他の雌がいたら、この状況はどうなるのだろうか。

 

ーーー

 

「緊急事態よ!」

時刻は2200、ロイヤル寮の会議室にて。集められた各陣営代表者の前でクイーンエリザベスはそう宣言する。会議室には母港に重桜、鉄血、ユニオンから始まり、サディア、アイリスヴィシア、北方連合、東煌の各陣営代表が円卓に座り、随伴艦がその後ろに控えている。

母校にいる全陣営の全ての代表者を集めた緊急会議、それは即ち全員で取り組まねばならない母港全体の問題があることを意味していた。

「みんなベルファストの書いた報告書は読んだわね?この世界のこととか有益な情報は多かったけど...それ以上に、問題は指揮官があのオルカの司令官も兼任することになったことよ!」

一度息を吸い込んだクイーンエリザベスは続ける。

「彼女たちの目的は人類の復活!そのために指揮官とエッチして子供を作るつもりでいるわ!それは即ちーーーNTR!!極論を言えば、もう私たち相手にされないかもしれない!」

その時、部屋にいる全てのKANSENが震えた。海に立てば一騎当千の彼女達だが、一皮剥けば共通のご主人様を持つ雌奴隷に過ぎない。同時に重度のおちんぽガチ恋勢でもある彼女達にとって、おまんこしてもらえないのは死活問題であった。

そして男が妊娠する雌と妊娠しない雌のどちらを抱くかは明白である。

立ち上がったビスマルクが冷酷な表情で口を開いた。

「殺すわ」

「それは不可能よ。指揮官の女を殺したら普通に嫌われて本末転倒だもの...あ、鉄血がその汚名を全部被ってくれるなら話は別だけど」

「...冗談じゃないわ」

ビスマルクが再び腰かける。クイーンエリザベスは続けて口を開く。

「それに、オルカの食料生産設備は母港の食料事情を解決するために必要よ。バイオロイド側をどうにかするのは無理ね」

KANSENたちがざわつく。敵はただ砲弾で撃てば良い相手ではない。それどころか表向きは協力しなくてはないないのだ。

「人類のためという大義名分は大きいぞ」

「相手が望んでいるなら指揮官も躊躇わないわよね」

「し、指揮官に捨てられたりしないだろうな...」

それぞれが話し合いを始めてしまうなか、クイーンエリザベスがカツンと錫杖をうちならしてもう一度注目を集める。

「みんな不安になる気持ちは解るわ。でも困難な問題だからこそ全員で協力するのよ」

いかにもロイヤルらしい語り口だったが、確かに緊急事態であることにかわりはないので全員が口を閉じる。

そんな中で手を挙げたのはアイリス盟主のリシュリーだった。

「しかし具体的にはどうすれば?指揮官様の気を引くにしても限度がありますし、そもそもバイオロイド側の戦力はいかほどなのでしょう」

「それについては見てきた本人から説明した方が早いわね。ベルファスト、説明なさい」

「かしこまりました」

エリザベスの背後に控えていたベルファストは一歩踏み出すと、お辞儀をしてから喋り始めた。

「まず本日でご主人様は三人のバイオロイドに会いましたが、その内の二人には強く興奮なさっておいででした。また容姿についてですがKANSENとそう大差はありません、胸は私より少し大きい程度でしたが」

「つまり彼我の差はやはり妊娠できるか否かという訳か...」

北方連合のロシアが顎に指をあてて納得する。それに続いて眉を寄せたリシュリーが口を開く。

「容姿が同じであり、バイオロイドの数もこれから増える。我々に勝ち目はあるのだろうか?」

「残念だけどないわ...今のままならね」

答えたクイーンエリザベスの意味ありげな言葉に全員の視線が集まる。ふぅと息をついたエリザベスは力強い視線を全員に向け返した。

「実は秘密兵器があるの。長門も良いわね?」

「構わぬ、もはやこの事態では明かさぬわけにもいくまい」

ロイヤルと重桜が繋がっていた事実に全員の顔が強張る。長門が頷いたのを見たクイーンエリザベスは扉を見て呼んだ。

「明石!入ってきても良いわよ」

「失礼するにゃー」

ガチャリと会議室の扉をあけて入ってきたのはいつの間にかお腹が平らになった明石。恐らく帝王切開で取り除いたのだろう。例え手術しても修復機(お風呂)にはいれば傷口もすぐに塞がるのでKANSENとは本当に便利な身体だ。

てくてくとクイーンエリザベスの側まで明石は歩いて近づくと、その横で臣下のように立ち止まり全員を見渡した。

「落ち着いて聞いて欲しいにゃー。実は2年前からロイヤルの資金援助の元に重桜は研究を進めてたにゃ」

「ずいぶんと大掛かりな計画ね」

「それだけ面に出したらヤバい案件だったってことにゃ。下手すると大本営に粛清されかねないレベルにゃからずっと秘密裏に進めてきたんだにゃ」

一部のKANSENが息を飲み、また一部のKANSENはその計画の内容を推察しまさかと驚きに目を見開いた。

期待と注目が寄せられるなか、明石はその内容を発表する!

「その名もおまんこ補填計画...!」

「明石、ふざけないで」

「ごめんにゃ。プロジェクトに名前はないにゃ。ただこの計画が完遂すれば、KANSENは人間と同じく妊娠できるようになるってことにゃ」

部屋の中を静寂が包む。

そして次の瞬間にはわッ!と会議室の中を大興奮が沸き上がった。期待に胸を膨らませ大声で喋り出すもの、訳がわからず泣き出すもの、冷静を保とうとして手が震えてるもの、反応は様々だったが全員喜んでいることに代わりはなかった。

「どうして今まで教えてくれなかったんだ!?」

「だから秘密計画だったって言ってるにゃー」

「ごめんなさいエンタープライズ。知る人が多いほど秘密は脆くなるから。これを知ってるのは私と長門、明石だけだったの。ベルファストだって知らないわ」

「えぇ、正直今私もとても驚いています...」

ベルファストの頬も心なしか赤く染まっている気がする。一気に騒がしくなった会議室の中、今度は北方のガングートがエリザベスに声をかけた。

「それで!?今すぐにでも指揮官の子を孕めるようになるのか!?」

スッと会議室が一瞬にして静まる、重要情報は聞き逃せない。

「あー、そのことなのだけれど。明石、説明頼むわ」

「オホン、現状二つばかし問題があるにゃ」

そう言うと明石は自らの腹を指差す。

「まずここにある子宮を本人の細胞から作った...あー、ちゃんとした卵子の出せる特殊生体子宮と入れ換える手術をするんにゃけど、その後の適応手術でどうしても副作用が出るにゃ」

「適応手術と言うと?」

「そもそも生体子宮を埋め込んだところでKANSENの身体は受け付けないにゃ。そこでKANSENの身体側を改造して適応させる...具体的にはメンタルキューブをちょっといじくって身体をより人間に近づけるにゃ」

「そんなことできるの!?」

「だてに2年も研究してないにゃ、できる」

はぁとため息をついた明石が続ける。

「だけどここに問題があるにゃ。どうしても人間に近づく分KANSENとしての強みが弱まっちゃうにゃ。具体的に言えば艤装の出力もそうにゃけど、例えば...太りやすくなるとか、生理がキツくなるとか」

今度は全員が息を飲んだ。

今までならばどれだけ暴飲暴食夜更かししても肌はそんなに荒れないし、腹もたいして出なかった。生理と言っても痛まず、少し血が出る程度だった。それが全部来る。太りやすくなるという地獄がそこには待っている。

「でもまぁ指揮官の子供は産みたいし...それくらい受け入れられるわよ」

「そうですね。今まではスタート地点に立ってもいないわけですし、それくらいの代償は必然かと」

ビスマルクとリシュリーが頷き、副作用はとりあえず受け入れられた。今までがズルだったと思い込むことにしたのである。

「それで二つ目の問題はなんなの?」

「時間的な問題にゃ。実を言うとまだその技術は完成してないにゃ」

「えっ...じゃあ、いつできるのです?」

腕を組んだ明石が難しい顔を浮かべ、うーんと唸る。

「大っぴらにできるようになったぶん前より作業速度は上がるにゃ...でも本気で取り組んでもまだ一ヶ月はかかる気がするにゃ」

「一ヶ月...それから手術もすると考えると長いわね」

明石から明かされた一ヶ月という時間、再び立ち上がったクイーンエリザベスが告げる。

「一ヶ月!つまりそれがゴールラインよ!私たちが妊娠できるようになるまで、指揮官がバイオロイドに夢中にならないようにすればいい!」

明確な目標が見えたことでKANSENたちの瞳に力が宿る。まぁぶっちゃけ孕まないからといって男はKANSENを捨てるはずもないがそれはそれ。

「手段は問わないわ!各陣営ごとでも何でも構わないから、とにかく指揮官を誘惑するの!」

「なるほど、イベントも繰り上げで行っても良いかもしれないな」

「ええ。イベントの主催はユニオンとロイヤルがほとんどだし、また後で詰めましょう」

エンタープライズの言葉にクイーンエリザベスが頷き返す。各陣営もどのように指揮官をおもてなし♥️するか考え始めた。

話すことはもうないと立ち上がったクイーンエリザベスが閉会を告げる。

「協力できるところはみんなで協力して一ヶ月乗り切りましょう!ではこれで解さーーー」

 

「待ちなさい、1つだけ聞きたいことがあるわ」

 

その言葉をぶった切ったのはビスマルクだった。クイーンエリザベスとしてはこのまま乗り切りたかったのだが、邪魔をするのは鉄血ならば逆にそれは必然とも言えた。二人の鋭い視線が交錯する。

「その技術が完成したとして、誰が1番最初に手術を受けられるのかしら?」

あなたのような勘の良いKANSENは嫌いよ、とクイーンエリザベスは内心で呟く。

誰が1番最初に孕むのか。

そもそもの話この計画が隠蔽されていたのは、もちろん大本営にばれないためというのもあるが、1番はどの陣営よりも先駆けてロイヤルと重桜が手術を受けて孕むためである。もちろんマウントをとった後は技術提供するつもりだったが。

対して今、誰もがハッとそのことに気がついてしまっている現状。1番最初に孕むためなら戦争が起きかねない混沌が一瞬にして生まれてしまっていた。

だから秘密にしておきたかったのよ!と内心で叫んでももはや覆水不返。楽に手に入るはずだった1番目はもはや遠い。しかしそれで諦めるクイーンエリザベスではなかった。

「それはやはり技術開発に貢献したロイヤルと重桜のトップからよ...ね!?長門、ねっ!?」

「そ、その通り!やっぱりこう...貢献って大事じゃし!?」

それは非常に雑な仲間作りであった。

対して冷静なビスマルクは指先を組む。

「なるほど一理あるわね。でもそれはこっち側の都合であって指揮官とは関係ないわよね?」

「うぐっ!?」

「それに1番最初の人はKANSENが赤ちゃんを産めるんだってことを伝える重要な役割なんだし、できるだけ魅力的な人が良いわよね?」

「た、確かにそれはそうだけど...」

チラリとビスマルクがエリザベスと長門の二人を見た。

「二人じゃ役不足じゃないかしら?」

「「あ゛ぁ゛!?」」

ガタリと椅子を蹴っ飛ばして二人が立ち上がる。どうしても認められない事実がそこにはあった。

「あなたちょっと身体が大きいからって調子に乗ってるんじゃないかしら巨乳は全員死ねっ!」

「それに指揮官は私たちにも勃起しますぅーー!?充分魅力的なんじゃがーーー!?」

「あら、でも指揮官はおっぱいの大きい方を良く部屋に呼ぶわよね」

「「グハァッ!?」」

あれ自分達って夜伽に呼ばれる回数他の娘より少なくない?と思っていた二人の内心をビスマルクの言葉が的確に撃ち抜いた。

腕を組みその巨胸を強調したビスマルクがフフンと笑い、長くスラッとした足を組む。

「その点私は胸も大きいし、まぁ適任よね。そう考えるとリシュリューも適任かしら」

「そうですね私もそう思います(食い気味)」

そして鉄血の仲間作りが始まる。ロイヤルと重桜はそれを指を咥えてみているしかない、主に身体的特徴によって。

「そう考えるとロシアも適任かしら」

「ふむ、確かにな。我が身体を偉大なる使命のために捧ぐのも悪くない」

「そう考えるとリットリオもそうじゃない?」

「あぁ!私も指揮官との子供を産みたいと思っていたし丁度良い!」

四人が同盟を組む。そこでビスマルクの隣に座っていた東煌代表の逸仙がおずおずと手を挙げた。

「あ、あのうすいません...その条件でしたら私も...」

「また割譲されたいかしら?」

「ヒエッ...すいませんすいませんなんでもないです...」

弱小勢力はお呼びではなかったのである。

対して巨大勢力であるにも関わらず呼ばれてないエンタープライズが声をかけた。

「な、なぁビスマルク?私は?」

「チッ...まぁ良いわ、仲良くいきましょう」

「わーい...」

ユニオンも加わり、これで驚異の五か国連合が結成された。東西の盟主さえ加わった超巨大連合。対する日英同盟になすすべはない。

ビスマルクの狙いは明らかに主導権を握ること。というかもう握ってるかも。

このままではまずい。焦ったクイーンエリザベスは明石に振り返ると目配せする。こくりと頷いた明石は条約調印寸前だった五人に声をかけた。

「ちょっと待つにゃ!いっぺんに五人も手術はできないにゃ!」

ナイスよ明石!とエリザベスはぐっと机の下で拳を握る。実際、明石の言葉に五人が一斉に身構えた。席が少ないのなら全員敵だ。少なくともこれで連合の成立は阻めた。

「何人までならいけるの?」

「試験運用だから...ふ、二人までにゃ」

「ふぅん...」

席は二つのみ。

「リシュリューはちょっとおっぱい小さいし向かないのではないか?」

「いや脱いだら誰よりも凄いですし。それに全体の調和を含めて綺麗ですからね、私は」

始まるけなし合い。

「ちょっと!私が指揮官に愛されてるってことには変わりないわ!」

「でもおっぱい大きい方が指揮官が興奮するのは事実よね?なんならそっちのメイドの方が適役なんじゃない?」

「そ、そんなことは...!」

「陛下、恐れながら...事実かと」

「ベルファスト!?」

上下関係に亀裂が入る。

会議室の中は混沌を極め、下剋上すらありうる戦国時代。もはや味方はどこにもいない。妊娠権をかけ、戦争が始まりかけようとしたその時、

 

「くだらァァーーーーーんッッ!!!」

 

会議室の扉が爆発した。

パラパラと木屑が舞い散り、誰もが唖然として入り口を見た。そこに立っていた扉爆破の張本人は、堂々とした態度で部屋の中に入ってくると、おもむろに円卓の上に飛び乗った。

面倒な奴が来た、という視線を全く気にせず悠々と円卓の上を歩きながら、彼女は各陣営代表者を一人一人一瞥して口を開く。

「...貢献したとか、胸の大きさだとか、くだらないにもほどがある。所詮貴様ら有象無象では私に勝つことはできん!」

カツンと足音を響かせたそのKANSENは口上と共にその右手を掲げる。細く白魚のような美しい手、そしてその薬指には宝石のついた綺麗な指輪がはめられていた。

「正妻である、このモナークにはなぁ!」

会議室にいる全てのKANSENが苦虫を噛み潰したような顔で嫌悪感を露にした。

ロイヤル戦艦のモナーク。開発艦である彼女は、この母港で指揮官との誓約を結んだ唯一のKANSENである。

その見た目は、確かに美人だ。しかしその内面はというとは高圧的にも関わらずメンタルが弱いという非常に面倒くさい性格をしている。

何故指揮官がこんな面倒くさい女と結婚したかは誰も知らない。ともかく指輪を手にいれたモナークはそれから元々の気質もあいまってそれはもう増長したのだ。度重なる結婚マウントは止まることを知らず、全員からウザがられてるが今もなお続いている。

「そもそも。私の旦那とセックスをできるという前提からして間違っているとは思わないか?浮気は犯罪なのだぞ、この淫乱どもめ」

「そ、そんなこと言ったって指揮官から求められることもあるし...!」

「フン。そんなことは解っている、言ってみただけだ...全くあの浮気者め、私だけ抱いておけば良いものを...」

ぶつぶつと呟くモナークを前に全員の心は早く帰りたいという気持ちで統一されていた。誰がすき好んで結婚マウントなどとられたいというのか。

「とにかく話は聞かせてもらった。1番最初に手術を受けるのは私だ、異論は認めん」

「なによ急に現れて偉そうに!」

「何様だ貴様は!」

「正妻様だが文句あるかぁ~~?」

非常に腹立たしいが彼女の言い分は正論である。確かに妻であるならば優先されて然るべきだろう。ただこいつの言い分を認めるのは癪なので全員肯定も否定もできなかった。

しかしそんな状況に一石を投じるのはビスマルク。澄んだ青色の瞳でモナークを冷ややかに見つめると口を開いた。

「調子に乗らないことね。束縛の強い女は嫌われるわよ」

「安い挑発だな...あぁ、そういえば枠は二つあるらしいじゃないか。ビスマルクはどうだ?特別に私が許してやっても良いが」

「ンン.........スッー...お断りよ」

「だいぶ今間があったわよね!?」

「いや違うのよエリザベス、ちょっと勝ち馬に見えただけで、うん」

二人のやり取りを見下ろしていたモナークはニヤリと口を歪めると、笑い始める。

「なんと張り合いのない!これで陣営トップとは聞いてあきれるな!」

「あなたの陣営はそちらの片方だと思うんですが...」

「口を挟むな!...オホン、とにかく最初に孕むのは私だということだ。あいつのたった一人の妻であるこの私がな!」

大笑するモナーク。頼みの綱だったビスマルクも陥落した。もはや誰も彼女を止められないのか。そんな時、部屋にいた一人のKANSENがその手を挙げる。

「モナーク様、恐れながら1つだけよろしいですか?」

「メイドか。なんだ?」

手を挙げたのはベルファストだった。尊大な態度を見せるモナークにかしこまる。

「いえ細かいことなのですが、今のモナーク様は妻ではないかと」

「は?どういう意味だ?」

「実は指揮官様は今晩だけはエセックス様を妻にすると約束していましたので、今のモナーク様は厳密に言えば妻ではないかと...」

「...」

モナークの動きが完全に止まる。そしてカタカタと震え始める。

「...今?」

「もう既に」

「...マジ?」

「マジです」

ベルファストが頷く。顔を青ざめさせたモナークは天を仰ぎ、そしてそのままバタンと円卓の上に倒れこんだ。

自らのアイデンティティの一角にして精神の拠りどころを失い、即座にメンタルが壊れたのだ。指揮官の妻であることはモナークにとって1番の強みであり、同時に弱点でもある。ちなみにベルファストはこうなると解っていてそう言った。早く帰りたかったからである。

モナークは目尻に涙を浮かべながらカタカタと震え続けている。

「いやだぁー!...あんなに好きって言ってくれたじゃないかぁ...浮気だって許すからぁ...捨てないでくれあなたぁ!」

ついにモナークはグスグスと泣き始めた。

闇の帝王の陥落、しかし面々はむしろいたたまれない気持ちになった。

異様な疲労感に苛まれたクイーンエリザベスは改めて手を挙げて宣言する。

「はい、順番とかは後で決めましょう。今日はもう解散よ解散。お疲れー」

「お疲れ様ー」

「おやすみー」

ぞろぞろと全員は会議室から出ていく。もう夜も遅い。残されたのは円卓の上で幸せな幻想を見始めたモナークだけだった。

「えへへ...♥️あなたっ...私たちの子供だぞ...抱いてみてくれ♥️きゃっ♥️誰が私ごと抱けといった、この愚か者♥️んへへ♥️」

 

果たしてKANSENたちは一ヶ月のあいだ指揮官を魅了し続けられるのだろうか?

 

ーーー

 




書いてから気がついたけどサディアの代表ってヴェネト...?まぁ代理とかそんなん
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