※この作品はR-18です。

闇の中のユーラシア   作:まあエロい

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こちら「愛玩少女は、クソ級ド変態おじ様を、愛でて→愛でて→愛で倒します!」
に出てくる、おじさまことユー君の物語です。

闇多めですが、途中からド変態の扉が開きますので注意してください。


その1

目を、閉じれば。

目の前に広がる、闇。

 

闇に包まれ、私は私をなくす。

 

闇が、怖い。

 

闇が、恐ろしい。

 

目を、閉じるのが、怖い。

 

毎日、気を失うようにして、眠りにつく私は。

夢を見ない。

夢など、必要ない。

 

誰か、誰か。

 

私を救い出してくれ。

この孤独な私を、助けてくれ。

 

願いは、今日も、叶わない。

私はただ一人、ロッキングチェアに凭れ掛かったまま、意識を失った。

 

 

 

私のもとに、少女が来ることになった。

 

この、役立たずの、我が身。

王家から排除された、汚点の極みである私のもとに、何も知らぬ少女が来るのだ。

 

地方の領主が快楽に染まり、ハーレムでその身を窶した挙句、存続に失敗し、暴動の果てにすべてを失ったと聞いている。

 

その領主の、一人娘。

 

娼館へと売られる手筈が整っていたが、王家が買い取った。

何も知らぬ、少女を、出来損ないの不能者である私に、充てがう為に。

 

娘の身の上を、不憫に思う。

名を奪われ、身一つで、この出来損ないの元へと、来るのだ。

憐れな、少女。

 

私は、少女に、エターナル・プリティ・ロリータの名を、与えようと決めた。

 

この世界で、一番の慈愛に溢れる、女神の名前。

幼い日に、私が心奪われ、恋慕した、女神の名前。

 

少女は、何を思って、私の元へ、来るのだろうか。

父親の、放蕩な様子を、目の当たりにして、私に何を、思うのだろうか。

 

…快楽に、染まるなど。

ハーレムを、存続するなど。

 

震えあがるほどの、嫌悪感が私を、包む。

吐き気が、する。

 

孤独な私に、水を差し出すものは、いない。

私は、吐き気をこらえて、水を飲むため、食堂へ向かった。

 

広い食堂には、大きなテーブルと、たくさんの椅子が並んでいる。

こんなにも、私は、孤独だというのに。

 

椅子に掛けて、水差しを呼ぶ。

闇の中から、水差しが現れた。

 

ぬるい水が、さらに吐き気を、呼ぶ。

 

今日は、特に調子が悪い。

通信を行ったら、闇に包まれて、身動きが取れなくなってしまうかもしれない。

今日の食事は、必要ない。

また、気分の良い時に、取り寄せればいいだろう。

 

 

 

 

今日、少女が私のもとに来る。

私は、少女を、どのように扱っていいのか、わからない。

 

出来損ないの、欠陥品である私のために、王家がよこしてくれた、少女。

少女で褥を理解し、褥を学べと、王よりお言葉を、頂いた。

 

褥など。

必要ないというのに。

 

弟は、すでに二人目の姫を迎えたではないか。

私など、必要ないのだ。

必要ないものが、褥を学ぶなど。

 

やりきれない、私の気持ちが、闇を呼びそうだ。

少しでも、気持ちの緊張の糸が振れてしまったら。

私の闇が、私の中からあふれ出し、混沌を生み出すに違いない。

 

少女が、私に何をもたらすのか。

 

私は、底知れぬ恐怖を抱えたまま、少女の元へ、急いだ。

 

 

 

初めて見る、少女。

薄い色彩の、長い髪が、風になびいている。

…エターナル・プリティ・ロリータの、面影を感じる。

 

幼き日の、女神への心酔を、思い出した。

 

噴水で、ただ微笑みを浮かべ、私の前に立っていた、エターナル・プリティ・ロリータ像。

動かぬ、石の肌を持つ女神に、心を奪われていた、あの頃。

 

この少女は、私の目の前で、震えて、いる。

 

「震えているのか…?かわいそうに。」

 

たった一人で。

こんな場所に。

出来損ないの慰めのために。

 

憐れな少女を目の前にして、私の心が、痛む。

 

「おいで、私の、エターナル・プリティ・ロリータ…。」

 

声を、恐る恐るかけると、少女が…!!

この、僕に!!

 

「ふふ、ふふふふっ!はじめまして、おじさ、ま!!」

 

少女は、こんな僕(・)に向かって、微笑みをくれた。

 

思わず、気が、緩む。

僕は、私という仮面を、投げ捨てた。

 

今まで、貫き通してきた、自分の矜持。

 

子供じみた、僕という表現を、かなぐり捨てたあの時。

あの時から。

無理やり私(・)という仮面をかぶって、生きてきたというのに。

 

ああ、僕だなんて。

威厳がなくなるから使うなと、いつも怒られていたあの頃の記憶が、私を包み始めた。

まずい。

闇が、少し、出てきそうだ。

 

少女は、無邪気に私に笑顔を向ける。

 

私とともに、過ごすことになる少女。

少女は、かなり、幼い。

 

幼いならば。

威厳を表す、必要は、ないだろう。

 

「はじめまして、私は、ユーラシアというんだよ。」

 

「なんとお呼びしたら、よろしいですか。」

 

ああ、目線が、遠い。

心地よい、かわいらしい声が、少し、遠い、

僕は、少女の目の高さに、自分の目線を合わせる。

 

空の色をした、美しい、瞳が、僕の目を、じっと見つめる。

ああ、僕の闇が、晴れ渡って、ゆく。

 

「そうだね、おじさまと呼んでもらって、いいよ…。僕と君は、ずいぶん、年が離れているから。」

 

この、僕よりも幼い少女が。

僕の闇を、払ってくれた。

 

そっと、手を取る。

温かい、華奢な、手。

 

僕のそばに、いてくれるだろうか。

僕とともに、いてくれるだろうか。

 

少し、手が震えているようだ。

僕のことを、怖がっているの、かもしれない。

 

「怖がらなくていいよ。さあ、屋敷へ行こう。少し歩くから、馬に乗せてあげよう。」

 

ハイセイコ号の、背中に少女をのせる。

この馬は、とてもやさしいから。

君の恐怖を、きっと吸い取ってくれる。

 

なにも、怖がらなくて、いいんだよ。

 

「うわぁー!あったかーい!たかーい!!ふさふさー!!!」

 

少女は、とてもいい笑顔で、ハイセイコ号に、揺られている。

良かった。

エターナル・プリティ・ロリータの笑顔が、僕に降ってくる。

 

この笑顔があれば。

 

僕は、自分の闇に、立ち向かえるようになれるかも、知れない。

 

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