※この作品はR-18です。

艦これ短編集   作:ですてに

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これは鈴谷と提督のお話。
鈴谷は熊野が大好きです。それは切っても離せないものだと思います。
そこに提督を絡めようと思うと、こんな感じになりました。

R18の部分が短いのは、うん、ごめんなさい。
続きの妄想はあるんですが、どうしたものか。

*pixivにも並行投稿しているものです。


谷底に、気づけば落ちて【鈴谷】

 「もう、提督ぅ、そんなに鈴谷の甲板ニーソ好きなの? 仕方ないね、って、あんっ」

 

 M字に足を開いた鈴谷の外陰部に舌を這わせ、とろとろと滲み出してくる愛液を舐め取りながら、ニーソックスというより、長さ的にサイハイソックスに近い、彼女の靴下の心地良い肌触りを楽しみつつ、提督は彼女を快楽の連続する刺激へ追い込みつつあった。

 充血し膨らんだ蕾を優しく吸い上げ、周辺に口付け、舐め上げ……割れ目の奥には、惜しくもニーソから離れた片手の指が一本入り込み、熱を持つ肉壷を解していく。

 

「あ、あんっ、そんなされたら、鈴谷、はぁぁ! が、我慢できなくぅ……ひゃん!」

 

 彼の性欲に繋がる部分を挑発し続けた自分が悪いとは思うが、一度、上司と部下の関係を超えてしまってからは、実のところ自分が性経験が無いことが筒抜けとなり、彼にこうして翻弄されることが多い。

 最初こそ痛かったものの、普段の手癖が悪いとはいえ、基本、艦娘に優しい彼の愛撫は、鈴谷をのめりこませるには十分で、自分から露骨に誘うのは恥ずかしく、今日もわざとらしい挑発を繰り返して、襲ってもらう体を作り出したのだ。艦娘になり年を取り難い身体となった自分は恋愛など出来ないと諦めていたから、『悪くないじゃん』と思えた提督に愛される日常というのは、鈴谷はおおむね満足している。

 

「うん、いいよ……私の中、入ってきてよ」

 

 手淫と口淫に一度登りつめされられた鈴谷は、お腹の一番奥の部分がじりじりとする感覚に襲われていた。早く、太い剛直で一番深い所を貫いて欲しい──とても口に出せることではないが、渇きにも似た情欲が身体を支配していた。

 

「はぁっ……ん! ああ、これぇ、欲しかったん、だぁ……!」

 

 前開きの制服とカッターシャツは全開になっていて、フロントホックも外されて、服の間から形の良い大きめの二つの丘が見え隠れしている。でも、実際に鈴谷が脱ぎ捨てているのは、ショーツだけ。ボタンさえ止めて、紅潮した頬さえ色が戻れば、澄まして取り繕うことだって出来る格好。

 着衣セックス、と呼ばれるものだと、知識だけは先行していた鈴谷は判っていたが、最初の繋がりが執務室だったから、気づけば慣れっこになっていた。今だって提督の椅子に身体を預ける格好でヴァギナを責め立てられ、貫かれている今は位置を変え、腰掛けている提督に抱き抱えられる形で、鈴谷は子宮口を断続的に叩かれ続けている。

 

「いわ、ないで、よぉ……わたしはぁ、提督のおちんちんしか、知らなぃんだから、形だってぇ」

 

 最初は挿入すらきつかったのに、今では提督の陰茎を容易く受け入れられる自分を揶揄され、鈴谷の羞恥心が掻き立てられていく。薄っすらと自覚はしているのだ、自分の女性器が提督の形を覚え、結合の快感をより感じやすくなるよう、日々変化をしていることに。

 

「あ、あぁ、当たり前で、しょ? ちゃん、とぉ、引き締める、トレーニングして、ぁぁん!」

 

 いじらしい言葉に、提督の動きは激しさを増し、鈴谷はもうまともに言葉を発せられず、再び臨界点へとひた走る。

 

「吸っ、てぇ、すってぇ! だきし、めてぇっ」

 

 言葉足らずでも、意図を正しく読み取った彼は、鈴谷の乳首を強く吸い上げ、がっちり抱き締めた状態で、腰の動きを早めていく。彼とて、限界が近い。尿道を駆け上がる迸りを、鈴谷の中へと放つために、気遣いを残していたピストン運動を、荒々しいものへと変えた。

 視界が、白一面に染まる。身体の一番深い場所がきゅう、きゅうと締め付けられて、提督が吐き出した精液を子宮が喜んで飲み干していくような、そんな感覚に囚われて。自分が登りつめた悦びの声を叫ぶのすら、鈴谷は遥か遠くに聞いていた。

 長いような、短いような、幾秒かの絶頂から、鈴谷はゆっくりと降りてくる。ふわふわした、お風呂に身を浮かべているような心持で。身体を彼に預けて、温もりと慣れ親しんだ落ち着く匂いを嗅ぎながら、身体の制御を再び、自分のものに戻して、彼女は少しずつ息を整えていく。

 

「てーとくぅ、一緒に、お風呂、はいろ?」

 

 身体は悪くない倦怠感に包まれているが、もう少し、くっついていたい気分だった。

 

(心というのは、なかなか贅沢なもんだよねぇ)

 

 流石に入渠ドッグに併設する大浴場を使うわけにもいかず、執務室に隣接する仮眠部屋の内風呂になるが、浴槽が総檜造りで二人で入るのは十分な広さ。提督が寮に戻らず、実質、毎日ここで寝泊りしているのも無理は無いと鈴谷は思う。

 秘書艦の日にはここで浸かって、寮の部屋に戻ることもある。大浴場も悪くないが、貸切状態で港の風景を一望できるこの部屋の檜風呂が、鈴谷は密かなお気に入りだった。

 

「……ん、大丈夫。ここで流石に眠らないよ、熊野じゃあるまいし」

 

 提督を背もたれにして、浴槽の中で足を伸ばす。寄りかかった自分の翡翠色の髪を繰り返しそっと梳いている彼だが、あえて鈴谷は好きにさせていた。大切にされている、という満足感がこの時間をより格別にしてくれる。緩やかな眠気が忍び寄ってきているのは確かだが、多忙の彼と堂々と触れ合える時間はそう多くはないのだから。

 交代制での秘書艦としての職務中に、熊野はたまに船を漕ぐことがあるという。それは、提督の書類作成などで、彼女が待機状態にある時に起こるらしい。自分なら許可をもらった上で、携帯プレーヤーで音楽を聞いて時間を潰したりするところを、妙に真面目な部分がある熊野は直立不動で頑張ろうとして、緊張の糸が切れるのだそうだ。

 

「てーとくはその辺りの融通は利くのにねぇ。扶桑さんみたいに、ある程度まで書類作成出来たり、それこそ高雄さんみたく、ずっと待機状態でいられるのなら別だけどさー。元がお嬢様育ちの熊野はそんな訓練をしてないんだし?」

 

 艦娘になる前の染み付いた経験というやつらしい。人だった頃の記憶を持つ者、艤装側の擬似人格に記憶を塗り潰される者……個人差はあるが、ともかく、扶桑や高雄は事務や秘書業務に慣れていたという話だ。

 

「……私が熊野のこと相変わらず大好き、って? あったりまえじゃん? 熊野だよ? いいとこのお嬢様ってこともあって、品があるし凛としてるのにさー。戦闘になれば突拍子もない声上げて砲撃したり、実は方向音痴だとかさ、ギャップがもう可愛くて仕方ないじゃん! 風呂上りに髪の毛梳いてくれって甘えてくる時なんて、もーたまんないねぇ。おんなじ部屋でどれだけ私が理性保つのに苦労してると思ってるのさー」

 

 一気にまくし立てて、鈴谷はふぅっと息を吐き出す。告げるわけにはいかない秘める想いの苦しさに潰れそうになり、提督には酷い話かもしれないが、代替手段として彼に寄り掛かったのが、最初に彼を誘惑した理由。

 過剰なスキンシップをしてきても、一線を越えることは決してない。自分から求めることはなく、鈴谷が求めた時だけ、丁寧に優しく高みへと導いてくれる。熊野への想いは薄れなくても、渇きや理由の判らない焦りを埋めてくれたのは、間違いなく彼のお陰だと、鈴谷は判っていた。

 

「ありがと、提督。私、提督のことも『ちゃんと』好きだからね?」

 

 気にすることはない、自分だって楽しませてもらっていると、彼は言う。

 

「うん、一番は熊野。それは変わらない。ただ、私、欲張りだよね。提と……」

 

 提督も、離したくない。そう言おうとした唇を彼は塞ぐ。なんで、と優しい口づけを振り払って、文句を口にしようとしたのに、彼は静かに微笑んでいる。

 

「そろそろ元の関係に戻っていこう……、って、えっ、なんでさ!」

 

 身を焦がすような時期を過ぎ、静かな想いに昇華出来たのなら、役割は終わりだと。抱き締める腕はとても優しいのに、頭を撫でる手はいつもの彼のものなのに。口にされた言葉は、残酷だ。

 ああ、そうだ。提督は心の空白を埋めるための相手だった。その通りの筈だ。だのに、どうして視界が真っ暗になっているのか。受け入れたくないと、心が悲鳴を上げる。

 

「どうしようもなく寂しい時は構わないけど、って、え、ちょ、ちょっとわけがわかんないよ!」

 

 彼の言葉は意味不明だ。

 熊野への愛情を壊れることなく抱えていけるようになったのは確か。ずっと彼女が望む限り、傍にいる。そう思えるようになった。自分の身を滅ぼしかねない熱情を、変化させることが出来た。ただ、それは、彼が埋めてくれたから。何も言わずに、鈴谷が求めただけ、愛情を与えてくれたから。

 

「!……熊野が?」

 

 彼の元を訪ねる頻度が秘書艦等の仕事を理由にするには、限界だと。熊野の強い苦情があったと彼は言う。気づいている節もある、と。

 

「そう、だけど、さ。熊野と提督を選べと言われたら、私は……」

 

 それからどうやって部屋に戻ったのか、鈴谷は覚えていない。完全に彼の温もりを失うわけではない。だが、好きなように求めることは、もう出来ない。そう思うと、身体が勝手に震えて止まらなかった。

 ベッドに入り、声を押し殺し、止まらない涙を流す。自分でも気づかないほどに大きく育っていた彼への感情に、鈴谷はどうしたらいいのか、もう判らなくなってしまった。

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