「やっぱりこの辺りまで来ると、日差しも強いねぇー」
「日焼け止めが欠かせませんわね……ほんとに」
艦娘になって、歳を取らなくなったけど、肌のしみ・そばかすと戦わないといけないのは、学生をやっていた頃と変わらない。
オフホワイトのチュニックワンピに黒のレギパン、茶系統のショートブーツのコーデに、日傘を差している熊野のボヤキじゃないけど、悩みの種だ。動きやすい格好を目指しましたと言うのに、可愛いと思えるのはさすが熊野。私の恋人だけあるよねー。
私は、ミントグリーンと白のボーダーに、 白のカーゴパンツ。前止めのない、緩く羽織るタイプの風通しのいい、薄手のロングカーディガンといった出で立ち。あ、私は麦わら帽子着用です。夏らしくていいと思うんだ!
艤装を装着している時は仕組みはわかんないけど、暑さにも寒さにも強くなるし、日差しに焼けることも無くなるから便利なのに、陸ではあんまり着けても居られないらしい。手入れが大変だとかどうとかで。ただ、日本でも南端に近いこの島の日差しは特に強いけど、一年通して温暖な気候と言われる、この島だったら過ごすのも悪くないな、とも思う。
ん? 提督? 襟は外せないよねーってことで、七分袖のオリーブ色のシャツにチノパンといった装い。提督の私服の中から、二人で見立てるのは楽しい時間だったよねー。またやろうね、熊野。
「海に面したコテージだなんて、鈴谷達が頑張ってる甲斐があるって感じ?」
水着もバッチリ用意してあるんだ。私は黒ビキニ、熊野がキャミタイプ+スカートのタンキニに華やかな柄のパレオ。提督も永遠の高校生の二人を侍らせて悪い気分はしないはず……!
******
「って、予定のはずだったのに……」
「うぅ……腕や足が痛いですわ……」
はしゃぎ過ぎた熊野が日焼け止めを塗るのをサボった結果、全身の痛みを訴えていた。あちこちに氷嚢を乗せた熊野の姿はちょっと笑えるけれど、提督を悩殺するどころか、完全に子ども扱いされてるじゃん。
戻れば、最悪艤装を纏ってドック入りすればいい、実質小破扱いだろう、などと提督は言う。
「提督ぅー、なんだか不完全燃焼だよー」
コテージのテラスで、二本のストローが差されたトロピカルドリンクを飲みながら、私は不満を口にする。このドリンクだって、提督は平然とした顔をして飲んでいる。恋人飲みなのに、ちょっとはドキドキしてくれてもいいのにさ。
椅子に深く腰掛けて、背もたれに身体を預けている提督の膝の上に馬乗りになる。私はカーディガンを羽織っているものの、その下は悩殺するために着たはずの黒ビキニそのままだ。
「鈴谷達のはしゃぐ姿を見ていて楽しかったし、目の保養になったって……うー、なんでそんなに余裕なのさー」
その余裕を崩したくて、提督から鈴谷達を求めるようにしたくて、頑張ってるのに私よりも大人なこの人には、空回りばっかりだ。
「泣いて、なんか無いし」
優しく抱き寄せて、あやすようにポンポンと背中を叩く仕草に、身体はすぐ素直に甘えそうになる。どんだけ私は、この人に飼いならされてしまってるんだろう。
「……うう、鈴谷を泣かせるなんて、感心しませんわ、って痛いですわぁ……」
騎士のごとく颯爽と、なんてことはなく、啖呵を切りかけて、痛みに悶える熊野。ああ、もう、駄目可愛い、ってええぇ? いや、捕まってろって、こ、これってお姫様抱っこみたいじゃん!?
「あうう、私も運んで下さるかしら……」
提督は応と返事をして、私と熊野を順番に寝台へ運んでみせた。事務仕事が長いはずなのに、軽々と私達をお姫様抱っこをしてみせる提督は、悔しいけどやっぱカッコいい。
そして、痛みを一時的にでも忘れてしまうほどに、私と鈴谷は彼に昂らされてしまい、美味しく頂かれてしまうのだった。熱に浮かされた私達が並んでお尻を高く掲げて挿入をおねだりしたり、匂いに中てられた私が胸に挟んでおしゃぶりに夢中になったりしたのは、いかに私達が提督に躾けられてしまっているかっていう証明みたいなもので、やっぱり悔しい、という思いを改めて抱いたのだった。
○○○には勝てなかったよ……。