「嘘だろ……」
――それを見つけた瞬間の俺の正直な気持ちだった。
――幻の子持ち人妻、美琴さんが嬉しいカムバック!
――さらに熟れた身体であはん♡ あはん♡
――旦那じゃ物足りない! プロのおち◯んぽでイクイク♡
商品紹介ページの、頭の悪い煽り文句。――けれど、それは『こういったもの』が好きな男の性欲を刺激し、『中身』への期待を抱かせるものだった。
「………」
俺は、恐る恐るサンプル動画を再生してみる。
『――美琴です。AVに出てから十五年以上経ちました』
『――セックスレスな旦那に不満だらけで、偶然再会した監督さんに誘われて出てしまいました♡』
スローモーションで、並木道を歩く現在の母さんに、母さんのナレーションが被さる。それはこの手のAVでありがちな、棒読みのナレーションだった。――けれど、たしかに最近の母さんだという実感があった。
『あぁん……すっごいぃ……太い、ちんぽぉ……♡』
下品な言葉を発しながら、母さんがオマンコにチンコをぶち込まれている。
『五歳だった子供もすっかり大きくなりました――』
――俺のことだ……。
『あんっ♡ あんっ♡ ちんぽ凄いっ♡ 壊れちゃうっ♡』
清楚な感じの、白いカーディガンを着て並木道を歩いている母さんと、全裸でセックスしている母さんの姿が交互に映される。
『子供ももう大きくなったし……そろそろ、自分の時間を作ろうかなって――』
『あっ、あっ、あっ、あっ、イクッ! あぁイクイクイクぅ♡♡♡』
――おかえり、美琴ママ♡
――懐かしデカマラで忘れた♡女♡を取り戻す人妻
――美琴 四十五歳
「――あ」
俺は、いつの間にか息を止めていた。
震える手で、どうにかマウスを操作して――俺は、気が付く。
――中出し
――それは、この動画が『中出し』作品であることを示すタグだった。
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『それじゃあ、お名前、年齢、ご職業を――』
『美琴です。年齢は四十五歳。専業主婦です』
――俺は、母さんの『新作』を購入した。
――俺は、全てを知る必要があった。
――そう自分に言い聞かせた。
事務所の一角、なのだろうか……殺風景な壁を背に、一人掛けのソファーに座る母さんがインタビューを受けている。
『美琴さんはウチのレーベルで以前、出演していただきましたよね』
『はい、五……いえ、三本、でしたっけ……。お世話になりました』
『十五年以上経ちますか……あの頃ペーペーだった自分も、いつの間にかそこそこの場所にいるようになってしまいましたよ。美琴さんも、歳を重ねて色気が増した気がしますよ』
『うふふ、歳をとって、お肉が付いちゃっただけですよ』
『いやいや……』
冒頭は、ありきたりなインタビューというか。どうも、母さんが出演していたAVに参加していた人がこの動画の監督らしい。
『中出しデートの時は本当にお世話になりました。あれでこの業界でどうにかやっていけるようになりました』
『あら、そうだったんですね。それなら嬉しいです』
母さんが微笑む。
――中出しデートというのは、母さんの二本目の作品だ。
――ハメ撮りがメインの作品で、カメラマンがデートの相手役という形で進行する作品だった。
『――で、今回の企画ですが、申し訳ないですが私が相手役でして』
『あら、申し訳なくなんてないですわ……』
『いやあ、やっぱりプロの男優と比べちゃうと……』
『でも、立派なものをお持ちじゃありませんか』
母さんが微笑む。――下唇を、ほんの少し舐めて。
『また、私のことを啼かせてくれるんでしょう?』
『ははは……頑張りますね』
暗転した画面が次に映したのは、どこかのホテルの一室らしき部屋だった。
『それじゃあ、シャワー浴びましょうか』
『はい。――ドキドキしちゃいますね』
そう言って照れる母さん。
――シャー
シャワーの水音。水を弾く母さんの裸体。
脱衣シーンなど無く、場面は早々にシャワールームへと切り替わっていた。
『ん……』
身体を洗いながら、艶めかしい吐息を漏らす母さん。
『美琴さん――』
監督が声をかけると、母さんは笑ってシャワーヘッドを手に取り、監督の身体へとお湯を当てた。
『ふふ……やっぱり大きい』
『旦那さんよりも?』
『ふふ……前に言ったじゃないですか』
『もう一度聞きたいです』
『もう……あの人より、ずっと……ずーっと、大きいです♡』
――ズキリ
たしかに、母さんは過去の作品でそう発言していた。――けれど、それは過去の話だ。
――こうして、『現在の母さん』がそんなことを言っていると……。
――俺は、胸が痛むと共に……酷く興奮していることを自覚した。
――クチュクチュクチュ……
母さんが、男のチンコを扱きだした。そのデカくて太いチンコを扱きながら、母さんは楽しそうに――いや、嬉しそうに微笑んでいる。
『ああ……優しい手コキ、気持ち良いです……』
『ふふ……じゃあ、これはどうかしら……? あむ――』
――母さんが、躊躇せずに男のチンコを咥えた。
『んっ、んっ、んむっ――』
『ああ、美琴さんのフェラチオ、最高ですよ……』
男の下品な声。そこに母さんがチンコをしゃぶって出している音が重なる。
『んっ、んっ、ぐぽっ♡ じゅぽっ♡』
――わざと音を立てている……。
それは、素人らしさの無いフェラチオで。
――母さんが素人とはいえ、何本も出演した『AV女優』なのだと俺に突きつけるようなシーンだった。
『ああ……うっ……美琴さん、出ます……っ』
『んっ、んっ、んっ、んっ――!!』
母さんの動きが止まり――ゆっくりと、離れる。
『んぁ……』
出した舌の上には、白濁液が乗っていて――
『――ごくん♡』
――母さんはそれを、飲み干した。
『いやぁ、すっごく気持ち良いフェラチオでしたよ』
『ふふ……それは良かったです♡』
『じゃあ、ちゃんと身体を洗って――ベッドで、続きをしましょうね?』
『――はい♡』
そう言ってカメラを――男を見上げる母さんは、普段は感じない色気を放っていた。