初日の夜は意外と何もなかった。
クレアと吾輩に挟まれての夕食となったのだが、クレアはひたすらごはんを搔き込み、吾輩はちらちらと人間さんを盗み見ては目が合うたびに素早く目を逸らして酒を流し込むのみ。
湯上がりの浴衣美少女のポロリを期待すれば向かい側のティンカに突っ込まれるという繰り返しだ。
食べすぎて動けなくなったクレアと飲みすぎて倒れた吾輩をティンカと介抱して、お互いに疲れてそのまま部屋で寝るだけになった。
そして翌日。
朝食後に女将から、麓の集落で祭りがある事を聞いた。たまき自身は行った事がないのだが、行くなら馬車も出してくれるという。
「……」
乗客二人の快適な車内。クレアは山へジョギングに、ティンカは川で鍋の修理だ。
隣り合って座り、女将に借りた浴衣姿の吾輩を盗み見る、というかガッツリ視姦した。
着痩せする吾輩は実はむっちりとしたそそるボディラインで、おっぱいと尻が素晴らしいと思っていたのだが、長い黒髪を後ろで縛って纏めた姿を見ればうなじもかなりのモノであると人間さんは一人頷き認識を改める。
「えっと、あああのっ!……な、なんでもない」
目があって、何か言いかけて、猫耳をしゅんとさせて俯く。非常に嗜虐心が刺激されるが、まだまだ純真な吾輩はイジメられて歓ぶタイプでもない。
なので彼女の膝の上、握ったり開いたり、浮いたり落ちたりと落ち着かない手に人間さんは自分の手を重ねて包み、笑いかけた。
「あっ!……わ、吾輩、あのっ!ししししあわっ!」
昨日の風呂場での告白が夢だったのではないかと思える平常運転である。言葉少なに時が流れる。
ガタゴトと揺れる馬車の中、手を繋いでゆったりとした時間を過ごした。
麓の集落はまさに山間部の田舎の村、といった風情で、小屋と水車と畑と牛、これに尽きる。
果たして本当に祭りがあるのだろうかと地元の農婦を捕まえて聞いてみれば。
「他所から来たのかい?へえ〜、ほほー」
と意味ありげに吾輩の身体を舐め回すように眺め、道の向こうに続く石段をしわくちゃの手で指差した。
「
IC○かな?魂まで手放しそうとか、昔のお祭りならそういうのもあるかもしれない。期待と少しの不安を胸に石段を登る。それにしてもカップルの発音うまかったな。おかげで吾輩が慌てずに済んでいた。
と、登りきって現れたのは日本の田舎の神社でやるような祭りの光景だった。
「出店がいっぱいだね!」
ノボリが立っていてイモやら野菜巻きやらの屋台が並んでいる。道の狭さに対して人の入りもなかなか多く、なるほど手を離せばすぐにはぐれてしまうのかもと納得した。
「……どこも売り切れだね」
さてせっかくだから二人で何か食べようかと周り始めたのだが、なぜかどこも昼過ぎにして完売である。しゅんとする吾輩が不憫で露天商に聞いてみると、‘’黒いフードを被った子がドカ食いしてる‘’との事だ。正直嫌な予感しかしない。
「あっ。人間、吾輩。デート?」
そして奥へ奥へと進んだ先に案の定クレアがいた。ここまで走ってきたそうで。
「ででデートっ!?ちが、そんな、ででもっ……ちょっとは……」
「人間、お願いがある」
咄嗟に手を離しあたふたと顔をおさえてテンパる吾輩を他所に、クレアは人間さんの裾を掴むと今いる参道よりさらに奥の、境内に差し掛かる手前の屋台を指差した。
「あっち、おいしいたこ焼きがあるけど、出禁になった」
聞けばクレアが買い占めて一度食材が尽きて、先ほど新しく焼き始めたのだが売ってくれないという。つまり代わりに買ってほしいということだ。
クレアがグイグイと急かすので吾輩に声を掛けてみたのだが、彼女はまだ顔を真っ赤にして悶え続けていた。そこで少しの距離だからと人間さんは吾輩を置いてたこ焼きの屋台に向かう事にした。
「んぐ。おいしい。タコじゃないけど、人間にも一個あげる」
一個かよ!と内心突っ込みながら口に入れると、なるほど確かに旨い。外はさっくりとして、中はふんわりと粉っぽさもなくアツアツだ。ポン酢に似た調味料で味付けされくどさもない……具は柔らかくクニクニしてタコではないようだが。
「吾輩。居ない?」
そしてタコ(?)焼きを持って元いた場所に戻ると、吾輩が忽然と姿を消していた。
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「こっちも居なかった」
クレアと二人、吾輩を探して走り回った。参道に居た露天商にも聞いてみたが手掛かりは得られず、道を外れた林の中にまで捜索を広げていた。
「人間」
くいっとクレアが裾を掴む。何か見つけたのかと彼女を見ると、フードの下で顔を赤くしていた。息も荒く濡れた唇が薄く開き、潤んだ瞳で見上げてくる。
「エッチしたい」
こんな時に何を、と言うはずが、無言でクレアを木に押し付けていた。心臓がばくばくいって、チンポが痛いくらいに膨れ上がっている。
何度か経験がある媚薬のような。思考がバラバラになって頭が回らない。色々な記憶が飛び交って、次第にドロドロと霞んでいく。
「ううああぁああっっ♡」
人間さんは引き千切るようにクレアの服を剥ぎ取って熱い剛直を蜜壺に突き立てた。前戯らしきものは一切ないのに、クレアの方もソレを受け入れ喘ぐ。決して緩いわけではなく、むしろキツく締め付けるおまんこを間髪入れずに貪る。
「あうっ♡あうっ♡……やっ、おまんこ!もっとおまんこしてええぇぇ♡♡」
どちゅっ、どちゅっ、ドチュッ!
獣のように唸り声を上げて初っ端から激しく交尾する人間さんとクレア。
二人は知る由もないが、たこ焼きの追加した材料に問題があった。
プレイヤーなら経験した事があるだろう。かわいい子を引いて強化して進化、あるいは特典エピソードを村人か、人間かとワクワクしながら開く。そしてこう叫ぶ『ウナギかよ!』と。
「〜〜〜っっ♡、はあっ♡アッ♡あ゛あ゛!」
どぴゅううっ!どぷ、どちゅうっ!
大量の精子を放出しながらも硬さを維持して突き続ける人間さんに、クレアはしがみついて爪を立て肩に噛み付く。痛みすら快感に繫がる。
「んぐっ、ふぁあああっ♡」
どくっ、どくんっ、ずっ、ずぷっ
幾度目かの射精で、ようやく人間さんとクレアの意識が少しだけ戻り始めた。けれど慣性で痺れるような快楽を求めてお互いに腰を擦り付け続ける。
「んちゅ、ちゅく、くちゅる……はっ、ぁ……人間」
対面座位で繋がっていたクレアが急にフードをかぶり直し動きを止めた。
どうした?とグリグリ子宮を押し上げながら聞くと。
「んふぅぅっ♡、や、だめ♡……見られてる、から」
人間さんが顔を上げると、すぐ近くに村人と思われる男が数人、恥ずかしがるクレアの尻を凝視している。中にはチンポをしごいている奴もいた。
何事かと見回せば、林の中のそこらじゅうでクロスしている男女が居た。たこ焼きでそうなったのか、あるいは元からそういう祭りなのか。
「人間。もう、やめよ。吾輩、探さなきゃ」
しかし蜜壺は離れがたいとばかりに吸い付いている。
「んああっ♡だめえっ♡♡」
試しに一度ピストンしてみると、明らかにいい反応を見せる。恥ずかしい状況に興奮しているようだ。
「だめ、だめ……っ!見られ♡……ああっ♡」
であれば足を開いて観衆の前にさらけ出す。
男どもは前のめりになって人間さんのチンポを咥え込むクレアの秘所と彼女のトロ顔を交互に眺める。
「恥ずかしい……のに、私、こんな♡」
「やべ俺もう出そうだべ」
「イキ顔見せてけろ!」
「やだっ、見なっ、見ないでええぇぇ♡♡」
どびゅううう!
過去最高の具合の良さに、何度も出した後とは思えない精液をクレアの中にぶちまける。混ざりあった体液が繋がった場所どころか草むらにまでドロリと広がる。
「思わず無駄撃ちしちまったべ」
「種神様に怒られちまうべな」
クレアの恥態で抜いた男たちはそんなことを言いながら林の中に消え、放心状態のクレアと人間さんだけが残った。
二人が捜索に復帰するのはさらに少し後になる。
▼
人間さんがまだふらつく足取りでポーッとしたクレアの手を引いて再び露店通りに来ると、中年紳士に連れられた吾輩とバッタリ出くわした。
「良かったですね。無事見つかりましたよ」
犬のおまわりさんのような柔和な笑みで紳士が吾輩の背を軽く押すと、慣れない草履にふらつくように胸に飛び込んできた。
「人間、殿」
吾輩は赤い顔でふにゃりと笑う。しかし頬に涙の跡があり、人間さんが抱きしめた彼女は小さく震えていた。きっとはぐれて怖かったのだろうと頭を優しく撫でる。
「私はそろそろ宿に戻りますが……」
一足先に宿に戻る紳士が言うには、もう少ししたら花火が上がるそうだ。
相変わらずふにゃふにゃのクレアと吾輩を左右に連れ、見晴らしの良い場所へ来ると、同じく花火を観に来た大勢にまたはぐれてしまいそうだと思えた。
「ん、あ。人間、殿……っ」
手を腰に回し引き寄せると、吾輩は瞳を潤ませ見上げてきた。
空に光の輪が咲くと同時に、吾輩の濡れた唇が開く。
どーーーん!
ワッと歓声があがる。
人間さんが吾輩を抱き寄せて、耳に直接口を付けて『花火の音で何を言ったか聞こえなかった』と言うと、吾輩はガクガクと震えながら勇気を絞り、背伸びをして頬に口付けるように囁いた。
どーーーん!
また歓声があがる。
しかし今度ははっきり聞こえていた。
『夜に部屋にいくから待ってて』と。