キノの旅 Girls' journey 作:わしはトマトが嫌いじゃ
「どう、キノ? 人はいるように見える?」
「……」
一緒に旅をしているカエデに聞かれたキノは、パースエイダー(注・パースエイダーは銃器)のスコープを覗き込んで、小高い山の上から“入国”した国一帯を見回す。
不思議な国だった。国全体が青々と茂る木々に浸食された灰色のビル群に覆われているが、その中央には透明のドームが存在し、その中は緑っぽく見えた。
「だめだ、二本足で立っている動物はいないよ」
「四本足は?」
「鹿と牛が何頭か見える。あっ、あっちに羊もいる」
「ジビエと牛とラム肉、どれがいい?」
「どれにしようか……」
「ちょっとー。モトラドに括り付けた鶏肉のことを忘れないようにねー」
センタースタンドで立たせられたエルメスが抗議する。それは少し前に、カエデが上下に銃身が二つ付いている散弾パースエイダー、『狩人』で仕留めた獲物だった。
「そうだね。じゃあここで鶏肉の昼ご飯を食べて――」
「食べて?」
「とりあえず、ドームに向かおう」
一行の方針が決定した。
ビルなどの建物がほとんど綺麗な状態であることに対し、まるで何百年何千年と時が経ったかのような植物の生い茂り方に、キノたちは疑問を感じていた。
「建物の風化具合と植物の成長具合が釣り合っていないね、物凄い速度で成長しているみたいだよ」
「数十年前まではちゃんとした国があったって聞いたんだけど、木が生えて草が伸び放題であること以外は特に戦争とかの痕跡もない。人が急に消えて長い間立っているかのようだ……」
「謎は深まるばかりだけど、人類滅亡後の世界ってこうなるのかなって思うわね」
都心であるのに森の中のような感覚。二人と一台は疑問を拭えないまま、超巨大なドームへたどり着いた。
「これは……もしかして植物園?」
「いや、温室かもよキノ。どうも一般の人が立ち入るようにはなっていないみたい」
六角形のガラス板で曲面を構成されたドームは、その入り口は厳重そうな施設になっており、一般向けの建物とはとても思えないものであった。
「一応入れるみたいだけど……どうする?」
「もちろん行きましょう! なんだかおもしろそうだし!」
「カエデなら言うと思ったよ」
もともとは封鎖されていたと思われるシャッターは、木の幹の浸食によって変形して崩落しており、一行は悠々と門を通り抜けられた。
しかしなお内部の電源は生きているようで、通路上の明かりが明滅し、天井のファンが緩やかに回っていた。
「発電所がどこかにあるのかな?」
「にしても……ちょっと暑い……」
「外はもうすぐ冬だっていうのに、この中は初夏みたいだね」
着こんだコート姿では暑すぎると感じであり、ジャケットも併せて二人は脱いだ。白いワイシャツは汗でやや湿り、肌に張り付く。
「あっ、ドームの中についたね」
「これは……すごいな……!」
ドームの中はまさにジャングルだった。元々この国がある地域一帯の気候は夏でも涼しいぐらいであったが、ドームの中だけは南の地方からそのまま土地を持ってきたかのような有様だった。高さ二十メートル以上はある木々と、それらに絡まるツタが織りなすのは自然の迷路。いや、施設の中であるから天然でありながら人工の迷路ともいうべきものだった。
「湿度が高いことを除けば、外より断然過ごしやすいよ……」
「冬の間ここに籠る? どうやら果物も生っているみたいだし、外には獲物もいるし」
「三か月もサバイバル生活? 楽しそうだけどやだなぁ」
「やらないよ。この国を出たら別の場所を――待った」
キノは右太もものホルスターに納まるリヴォルバーに手を触れ、辺りを警戒する。カエデも散弾パースエイダーを自分のモトラドから取り出して、いつでも撃てる準備をした。
「何かいたの? キノ」
「……見たわけじゃないんだけど。何かがいる、気がする。」
「勘?」
「勘」
しかし、待てども何かが姿が現すことも物音を立てることもなく、ドーム内にいる鳥や虫の鳴き声しか聞こえなかった。
「……気のせいか」
「キノの勘ってなかなか侮れないんだけどね。どうする? 引き返す?」
「えーっ! まだちょっと入ったばかりよ? もっと奥まで探検したいわ! 何かが出てきても、キノがバッタバッタと倒してくれるだろうし」
エルメスの提案にカエデは猛抗議。キノはため息を一つつきながらも、カエデの意思を尊重することにした。
「カエデはもう少し警戒心を持ってほしいな。……まあ、まだ何かあるって決まったわけじゃないから、もう少し奥まで行こうか」
「やったっ」
「それに果物もなっているらしいから……いくつか貰っていこう。食べられそうならバナナだったら房ごとエルメスに引っ掛けられるし」
「まあ鶏肉よりはぶら下げられるのはマシかな」
キノたちはそれぞれのモトラドを押して、自然で人口のジャングルの中に足を踏み入れる。幸いもともと人が通ることを想定されていたようで、キチンと細かい石が埋め込まれた通路が存在していた。
「天井に散水装置がついているよ、それに道の端にある看板には植物の名前が番号で割り触れられているし、どうやらここは研究施設のようだね」
「研究? 何のために……」
「さあ? それはここの人に聞いてみないと。いればの話だけどね」
「むぐむぐ……人の手は入ってなくても果物はちゃんと育っているわね」
「カエデ、いつの間にバナナを……」
「甘くておいしいわよ」
どこからかもいできた黄色く熟したバナナをキノに渡すカエデ。
「研究所だというのなら、植わっている植物は遺伝子改造されたものかもしれないんだ。安易に口に入れちゃだめだよ。ちゃんと調べないと……」
「だって普通に鳥についばまれたやつだったし……」
「まあ、品種改良ならどの国でもやっていることだし、あんまり警戒する必要はないんじゃない? どのみち人間に必要な研究をしていたのなら害はないだろうし」
「食べないからって安直に判断しちゃだめだよ、エルメス」
「あー! あっちにパイナップルが生っているよ! すごーい、こういう風に実るんだ!」
カエデはモトラドを止めて、一人で木々の奥に入り込んでいった。移動速度はかなり早く、もうキノたちからは姿が見えなくなった。
「こういう時は行動が速い……」
「このままだとどんどん一人で奥まで行っちゃうよ?」
「そうだね。悪いけどエルメス、連れ戻すからここで待ってて」
「うん、待ってるよ。待つしかないけど」
エルメスをスタンドで立たせて止めたキノは、カエデの後を追う。踏まれた跡のある草を目印に、少しずつドームの中央側へと入り込む。
「屋内とは思えないな……」
秩序無くツタが伸びて絡まったジャングルは非常に視界が悪く、移動しづらいものであった。
「よくあんな速度で走り抜けられるな……」
感心とも呆れともつかない言葉を漏らしつつも、少しずつキノは前に進む。すると――。
しゅるん。
「っ!?」
反応して、パースエイダーに手を伸ばそうとしたがすでに遅かった。両腕にツタが絡まり、そのまま腕を頭の上まで引っ張られて固定されたのだから。
「これは……!?」
両足が完全に地面から離れて宙ぶらりんになるキノ。周囲には様々な太さのツタがうぞうぞと蠢いていた。
「研究していたのって……この植物のことか……」
人を捕らえ、拘束する植物。きっかけは分からないが、たぶん人との争いのために作られたものではないかとキノは予測した。とすればこの国が滅んだ理由もまた、この系統の植物であろうという事も。
「抜け……出せない……っ!」
空中でもがくがびくともせず、キノはただ体力を消耗するだけと判断し、早々に暴れるのをやめた。
まさかこのまま一生宙づりにされるのではと考え始めた時、更なる異変が起きた。周囲でうごめいていたツタが数本キノに向かって伸び、ソレにまとっていた透明な粘液を塗りたくってきたのだ。ぬるぬるぺたぺたと、服と肌が張りつき、ワイシャツからキノの白っぽい肌が透けて見えるようになる。
「くう……気持ちが悪い……」
ただでさえ室温と湿度が高い子の環境で、じっとりと汗ばんでいたキノの不快感は増すばかり。不可解で気色の悪い行動に眉を顰めるキノであったが、しかしその効果はすぐに表れた。
「……なっ!? ふ、服が……」
その粘液が触れた個所を中心として、キノが身に着けていたものが溶け出したのだ。ジャケットとコートはすでに脱いでいたので被害はないが、ワイシャツ、ズボン、そしてもちろん下着類も穴だらけになる。
消化液――そんな言葉がキノの脳裏によぎって背筋が凍り付く。が、いつまでたってもキノ自身の体が溶けるどころか、肌がかぶれるといった現象すら起きなかったので、ひとまずキノは安堵した。
だが体が溶けないからと言って、ならよかったとも断ずることも出来ない。すでに衣類は原形をとどめておらず、肌の大半は露出。胸や局部も丸見えになっていた。幸いにも皮製品は溶けるようすはなく、ベルトとホルスターは無事であった。
「こんな格好じゃあ……」
人がいない国の中だとは言え、ジャングルでこの格好ではとてもカエデを探せないと感じたキノ。着替えならあるが、そのためにはエルメスのところまで戻る必要があった。
そして、キノに向かって一本のツタが伸びた。
「……!?」
一瞬、ソレが何なのか理解しかねたが、女性の本能的な部分で察せられて、キノはぞくっと鳥肌が立った。
太さはキノの腕の半分程度、先端には小さく穴が開いていて、先ほど塗りこめられた透明の粘液がにじみ出ていた。先端部分は開きかけのキノコの傘のようになっていて、そこから下は大量のイボがびっしりとついていた。
そう、率直に言ってしまえば、そのデザインは男性器のそれと酷似していた。色やイボの存在などの差異があるが、そんなことは重要ではない。それがキノの眼前に持ち上げられ、狙いをつけているような動きを見せていたのだから。
「なっ――うぶぅっ!?」
何かをしゃべろうとキノが口を開いた、その瞬間を逃さずツタ――いや、触手はキノの口に突っ込まれた。
「んぐうっ、んぶうん~~!?」
触手の先端は喉奥まで達してキノは嘔吐感にさいなまれるが、キノは吐き出すこともできず逆に触手の先端の穴から先ほどとは違い、白く、そしてとゼリーのようにドロドロの粘液が注ぎ込まれた。
「ぐっ、んぶぶ、んぐ~~~!?」
両足をばたつかせ、体をよじるキノ。しかしそれしかできないからそうしたのであって、それが触手の動きに影響を与えることは全くなかった。
時計の針が一周回るか回らないかの時間が経過したころ、ようやくゆっくりと触手がキノの口内から引き抜かれた。粘液の噴射は止まっておらず、それがキノの口の中や顔や体にかかる。シロップを何倍にも濃くしたような甘ったるさが、キノの口に残された。
「んげほっ、こほっ……なんで、こんなことを……」
涙目になって、誰ともなく聞くキノ。当然植物に人の話を聞くような耳はなく、仮に返答されたとしてもそれ気にする余裕はキノにはなかったことだろう。なぜなら。
「んああ、あ、あああ!?」
急に体の芯が火照り、そして胸の先っぽとキノの女性器が激しくうずいたのだから。
「はあ、はあ、な、なんで……さっき飲まされた、のが……?」
一瞬キノは吐き出すことも考えたが、そうしたところでこれだけ即効性のある粘液の効果をどれだけ減らせることか。実際にはそんなことをして、全く効果はないのだった。
そうこうしているとキノの体の変化に気をよくしたように、先ほどの触手に加えて同じ見た目の触手が大量にキノの周囲に現れた。それらのうち二本が、それぞれキノの足首に巻き付いて強引に股を割り開かせる。
「ま、まさか。くっ……やめ……ろ……!」
何とか脱出しようと必死にもがくキノ。だが拘束の力は先ほどよりも強まり、体が火照り、発情させられた体ではとても抜け出せることは出来なかった。
そして、ついに取り囲んだ数ある職種のうちの一本が、代表のようにキノの開かれた股の間に接近し、そのイボイボをキノの入り口にこすりつけ始めた。
「うああ、ああああああ、いあっ、かはぁああっ!?」
その刺激は強烈で、陰核の上をイボが通り過ぎるたびに派生する快感は、粘液で感度を高められたキノには何倍も強く感じられた。たちまち絶頂までたどり着き、盛大に潮を陰唇から噴き出した。
「あっ、あぐっ、うう……」
人ですらない植物に達せられたという事実に羞恥で顔をゆがめる。普段の精悍な顔立ちはすでになく、顔は涙とよだれによって汚れ、息も乱れて肌を上気させた女の姿があった。
ずるりと、今までより一回り大きい触手が現れた。明らかにその先端は、キノの陰唇に向けられていて、少しずつ近づいていく。
「あっ……だめ、だ、そんなのは、入らない……」
ふるふると震えるキノにお構いなしに、細い触手が数本伸びてきて濡れそぼったスリットを無理やり開かせる。キノの言葉と態度とは裏腹に、受け入れる準備は整っていた。愛液が滴り、地面に落ちる。
そして、じゅぶりと、その凶悪な強直が、キノのナカに付き込まれた。
「あがっ――」
挿入された瞬間失禁してしまうキノ。人間では到底到達しえないサイズに膀胱が押し上げられ、そこにイボが膣内を刺激したことにより、耐えきれず決壊したのだ。
ごりっ、ごりっ、と抜き差しされ。放尿している合間も容赦なく攻め立てられる。さらにそこに他の触手が攻めに参加し、キノの乳首をそのイボで刺激し始めたのだ。
「ふぎゅ、あ、こ、壊れる……!?」
膣穴の奥まで突き込まれ、子宮を押し上げられ、敏感になった両胸はイボで蹂躙される。放尿は収まっていたが、今度は陰唇と強直の隙間から愛液が飛び散っていた。
「わ、かった……なんで、人がいないのか……」
唐突にキノは理解した。植物に体を犯されながら。白と透明の粘液で体を汚しながら。
もともと植物の研究が盛んだったこの国で、ある実験植物が誕生した。それがこの植物。女性を、もしかしたら男性も襲うその植物は制御できずに、やがて人々は国ごと放棄して逃げて行った。以降、管理する者がいなくなった植物たちは驚異的なスピードで成長を遂げ、国中が森のようになるまでに至った――。
「こんなことをする、理由、はっ……ああぐっ!?」
今までキノの膣を掻きまわしていた触手が、子宮口を無理やりこじ開け子宮内に到達した。今まで誰も受け入れたことのない聖域を汚され、キノは腰を震わせる。
そして、触手は膨張を始めた。先端の穴からだらだらと透明の粘液がにじみ出て、最初にキノの口にやったように放射する準備をした。
「は、んしょ、く……のため、に……ふぁああああっ!」
子宮に先端が埋まった状態で、再び前後運動が開始される。今までよりさらに早く、激しく。キノを穿つ。
「イクッ……またイク、から……もうやめ……」
焦点の定まっていない目が、虚空を向く。肌を、胸を、膣内を、すべてが蹂躙されて、キノはもはや抵抗するという考えが頭から抜け落ちていた。
そして、その時が来た。膣内の触手を含むすべての触手が、一斉に白い粘液をキノめがけて噴射した。
「んあああああぁああ!?」
日光によって温められたその粘液はとても熱く、本物の精液のようにどろどろとキノを汚す。子宮内にも直接出され、瞬く間に満杯になった。
放出が開始されてから三十秒ほどが経ち、それが収まるのとほぼ同時にキノは解放された。べちゃりと草むらの上に落ち、ヒクヒクと痙攣するキノ。触手たちは満足したのか、するすると離れていく。
「キノー、見てみてこんなに果物が採れ――ってどうしたのキノ!?」
両腕一杯に果物を抱えたカエデが、最初にキノが来た方向とは反対方向から現れ、その惨状に目を丸くして慌てて駆け寄った。
その後、カエデはキノを連れ帰って体の汚れを偶然見つけた噴水にて洗い流すのだが、キノはしばらくの間植物のツタがトラウマになるのはまた別の話である。
結局のところキノだけがぐちゃぐちゃになりましたね。普段強い娘がなすすべもなくエッチな目にあわされている所ってすごいドキドキしませんか?