時は夕暮れ。
時子からの厳しい補習&説教タイムが小太郎の拘束時間を大幅に延ばした。
夕闇に染まる空の下、とぼとぼと相変わらず気のない歩みで小太郎が進んでいると、
「遅かったわね。待ちくたびれちゃった」
学園の校門で待つきららの姿が。
特に約束をした訳ではない。
それでもきららは登下校時はなるべく一緒に居たいがために、健気に小太郎を待っている。
流石に任務が入ればそうもいかないが、今日は何も無かったので待っていたのだ。
「……帰っても良かったんですよ?」
「嫌よ、そんなの。一緒に居れる時間が減るじゃない」
「明日も会えますよ」
「そうじゃなくて……ああもう、いいから帰るわよ!」
きららはそう言うと、小太郎の左腕に両腕を絡めてピッタリと身を寄せる。そんな彼女が可愛くて、小太郎も思わず微笑んだ。
――――
帰りはいつもきららによる『今日のお弁当はどうだった?』という感想という名の尋問が始まる。
変に「美味しかった」と言えば、「どのおかずが?」、「どの味付けが?」と怒涛の質問鬼ラッシュ。
しかしそこは頭の回転が早い小太郎。それはもう慣れたもので、「これが良かった」、「次はあれが食べたい」、「今度は〇〇ベースがいい」と返していけば、きららは満足そうに頷いて満点の笑顔に。
「そっかそっか〜、良かった♪ 明日は和食にするから、楽しみにしててね♪」
今日のきらら弁当は小太郎が今まで食べた中でも三本の指に入る出来だった。それは弁当では珍しいオムライス。
特にこれといって凝った工夫はしてないが、シンプルイズベスト。チキンライスも絶妙な塩梅で巻いてあった玉子も厚過ぎず、かといって薄過ぎない。何より冷めてても美味しかった。
「和食ですか。楽しみしてます……でも無理だけはしないでくださいね」
「そんなこと分かってるわよ。私がしたいからしてるの」
そこまで言われれば小太郎も何も言うことはない。なのでせめてものお礼に、きららの頬にそっとキスをした。
「ぁん……んふふっ、ありがと♪」
「こちらこそ」
――――
仲睦まじく、雑談をしながら二人はそのままふうま屋敷へと帰ってきた。
きららがこうなのももう見慣れた光景で、屋敷にいる者たちは何の違和感も無く『お帰りなさいませ』と言う。
先に帰っていた鶴に「お風呂にしますか? それともお食事にしますか? それとも私を――」と言われ……てはいない。言い切る前にきららが冷気で空気を凍らせて、鶴の口を強制的に閉ざしたからだ。
小太郎に至っては苦笑いを浮かべながら「風呂にするよ」と返して、きららと別れて風呂場へ向かった。
――――
小太郎を待っている間、きららは小太郎の部屋で気儘に待つ。
彼から「一緒にどうです?」と誘われれば何だかんだ言いながら入るきららだが、そうでなければ基本は風呂は別々。
一方で天音が居れば小太郎を守るのに一時も離れないが、鶴が言うには暫くの間は任務で居ないらしい。鶴も小太郎が望めば身体を差し出すが、小太郎はきららと付き合ってからそんな申し出をしなくなった上に、鶴も襲うなんてことはしないので至って安全な子なのだ。
「風呂、空きましたよ」
「あ、はーい。なら頂くわね」
そして今度はきららの番。もうきららがほぼほぼふうま家の人間になってあるので、替えの下着も寝間着も小太郎の部屋に置いているのだ。流石に下着もあることから、同じタンスではなくきらら専用に用意されたタンスにそれは収納されている。
――――――
「……毎回思うけど、不思議」
「まだ慣れませんか?」
「……うん。基本一人で夜ご飯は食べてたから」
夕飯を食べ終えて、また小太郎の部屋へ戻ってきた二人。しかしそのあとのきららはいつもどこか上の空になる。
ふうま家の食卓は基本的に賑やかだ。居候の面々も居るし、小太郎に仕えている者たちも集う。仕事や任務があれば見ない顔もあるが、きららにとっては慣れない光景なのである。
そこにきららも何の違和感も無く当然のように輪に入っているのだから、きららの心境は不思議なことだらけだろう。更に鬼と対魔忍のハーフであることもここにいる人間たちは全く気にする素振りも無いのだから。
「まあいつか慣れますよ。最終的にこの家がきらら先輩にとって帰る家になるでしょうし」
「そうね……って、ええぇぇぇ!?」
「……俺ってそんなに信用ありません? まあ、確かに俺はそれだけのことをして来ましたが……」
「違っ、そういう訳じゃなくて……。きゅ、急に言われたら誰だって……」
「俺だって男ですからね。いつかはそうなりたいって思ってますし、ふうま宗家の当主として子孫も残したいです」
「う、うん……」
プロポーズ並みの小太郎の言葉にきららは顔が熱くなる。でもそれと同じく、自分も同じ気持ちだった。
「まあお互い今はまだ学生の身ですからね。そうなるいつかまでは恋人で我慢しましょう。待たせるのは俺の方ですけど」
「何カッコつけてんのよ、バカ……でも大好きよ、ふうま」
互いに引き寄せられるようにキスをし、短いキスが終わるときららは満面の笑みを浮かべていた。
それが余りにも輝いていて、小太郎は思わず彼女をベッドへ押し倒してしまう。
「……するの?」
「きらら先輩が可愛いから」
「……ねぇ」
「はい?」
「その……け、結婚も視野に入ってるなら、そろそろ呼び捨てにしたら? 結婚してからも先輩って呼ばれるの、私嫌なんだけど……あと敬語も」
「…………きらら」
「っ!!?」
躊躇いながらも聞こえてきた小太郎の低音ボイスで鼓膜を撫でられたきららは、思わずドキッとし、鼓動が早くなった。
「きらら?」
「……え、えへへ、嬉しくて癖になっちゃうかも」
「これから何度だって呼ぶさ、きらら」
「はにゃあ……ん〜、ふうま好きぃ!」
蕩けた顔で心底嬉しそうに声を弾ませ、小太郎の首に両手を回して抱きしめくるきらら。
このまま彼女の豊満な胸の中に居るのもいいが、小太郎はあることを思い出して一旦きららから離れ、ベッドから降り、向かった机の引き出しから長方形の箱を持って戻ってくる。
「? なぁに、それ?」
「日頃のお礼の品。いつもリボンとか小物だったけど、この前またまた鹿之助と遊びに行った先でなんか宣伝してたチョコレートだ。美味しそうだったから、いいかなって」
「そんなお礼なんかいいのに……でもありがと」
小太郎からチョコレートを受け取り、微笑むきらら。
するときららは何か思い付いた顔をして、そそくさと箱を開けるとその一つを咥えて、小太郎に差し出すように瞼を閉じて突き出した。
そんな彼女を小太郎はただただ愛おしく思い、しっかりと優しく抱きしめてチョコときららの唇を堪能する。
――――
「んんっ……ちゅっ、ちゅむ……くちゅ、んちゅぅ。……ふぁ、はぁっ……好き……大好きよ、ふうまぁ……」
二人がキスをし始めてから、どれくらいの時間が経っただろう。
日頃のお礼に、と買ってきたチョコを口に含み、それにお互いの舌を絡めて溶かす。
そんな淫らな愛戯を、もう何十分も……いや、何時間もしている二人。
「はむんっ……ん、ちゅく、ちゅる、れりゅぅ……っ」
「ん……ちゅっ、ちゅむ……っ」
「……ぷぁっ、はぁ、はぁぁ……ふうまの舌、甘くて、とろとろで……おいしぃ……」
「きららの舌だって」
「ん……もっと、食べさせて……。ん、っふ……んん、ちゅ、ちゅぁ……はむっ……っ、くちゅ、あむっ、れる、れろ、れるぅぅ……」
小太郎の舌に残る甘味を残らず舐め取ろうと、肉厚な舌を懸命に伸ばし絡ませるきらら。そんな彼女が小太郎は堪らなく可愛らしく思う。
すっかり虜になっているきららにキスをするのは任せ、焦る気持ちを落ち着かせるように彼女の寝間着を脱がせる小太郎。
「ぷはぁ……はぁ、ぁ……ふ、ふうま……もう……キスは、おしまいなの……?」
膨らみきった亀頭の先を小太郎がきららの膣口に据えると、きららは少し物足りなさそうに小太郎を見上げた。
「まだ終わりじゃないさ」
小太郎はそう告げると、まだ残っているチョコを一つ、唇の先で咥えて彼女の顔へ近付ける。
「はぁぁっ、ふうま……早く、欲しいぃ。キス……もっとキスしてぇ……ふうまぁ……っ」
キスして欲しいのかチョコが欲しいのか、そのどちらともつかない切な気な表情で、きららは餌を求める雛鳥のように懸命に小太郎の方へ顔を寄せていく。
その愛らしいお強請りに小太郎は苦笑いしつつ、彼は彼女の望み通りに顔を寄せてキスし、同時に腰を押し出して内部へ侵入した。
「んっ……んぅんんんんん〜〜〜っ! ひゃめ……きすと、同時だなんて……ぁっ……やあぁんっ!」
濃厚なキスの応酬で感度が高まっていたせいか、小太郎が深く挿入しただけできららは達してしまった。
肉厚の膣道が身悶えるようにうねり、そのせいで小太郎も少しも動いていないのに腰奥が甘く疼き始める。
「きらら……くっ……」
「んんぅ……ちゅ、ちゅぷ、くちゅぅ……っ。……ふぁっ、はぁ、はぁ……ふうまぁ……っ」
「……きらら」
「これ……ん、ちゅっ、ちゅむぅ……っ、ふぁ、ん……ち、チンポ……挿れられながらキスするの、気持ち良過ぎて……ふぁぁ……と、溶けちゃいそう……っ」
「ああ、っ……同感だ……」
「はぁ、んっ……ちゅ、ちゅぅぅ……もっと……もっと、一緒に気持ちいいこと……しよ」
そう言われて小太郎が名残惜しくきららから唇を離すと、彼女は頭上の小太郎を愛情に満ちた視線出見詰めた。
小太郎は頷いて、きららの綺麗な恥裂の隅に顔を出す、小さな肉芽に濡らした指先をあてがった。
そのまま肉芽を引いては突き、引いては突きを繰り返し、きららの最深部と快楽の芯を亀頭と指で同時に刺激していく。
「ひゃあんっ!? ひゃっ、らめっ……んんっ! そこ……らめっ……同時に、だなんて……あぁぁぁっ……らめぇっ……ひゃあんっ!」
「好きなくせに何が駄目だって言うんだ?」
裏返った嬌声と共に大きな尻が跳ね、肉棒を咥え込んだ膣がぐっと縮んで二度目の絶頂を訴える。
「ふわぁあぁ……らめっ……らめなのぉ……っ。んぅっ……わらひ、ばっかり……ずるい……っ」
「ずるくない。好きなだけイケばいい」
「あっ、あっ……い、イッてりゅのに……んぁっ……、チンポ……んっ……ずっと、ニュルニュルってして……、はふぅっ……あ、あたま、おかしくなりゅぅ……っ」
茹だったような表情で頭上の小太郎を見上げるきらら。
早くも三度目の絶頂を迎えようとしているきららに、小太郎が「きららはエロいな」と意地悪な囁きを落とす。
出会った当初はこちらに敵意を向けていた彼女が、今や自ら股を開き、淫涎を垂らして男根を咥え込んでいるのだ。小太郎にとっては何とも言えない満足感が込み上げてくる。
「ふぁあっ、はぁっ……だ、だってぇ……っ、わ、私……んぁぅ……ふうまが、好きで、大好きで……」
「うん、それで?」
「す、好きな人と……んんぅっ……、気持ち良くなるのって、いいことでしょ……? そもそも、ふうまが……そう、言ったんだからぁ……責任、取りなさい、よぉ……っ」
そんなこと言ったか、と小太郎はひと突き毎に蓄積される甘い痺れに酔いしれながら思った。
だが、真偽がどうであれ、きららが自分との交わりを心から望んでくれていることが小太郎は嬉しかった。
よしよし、と小太郎がきららの頭を優しく撫で、
「なら責任を取って、もっと気持ち良くさせてやる」
と囁いた。
「はぁ、ぁ……だ、ダメ……私ばっかり、ずるい……」
「いつものお礼だ。遠慮なく受け取れ」
「そ、そんなぁ……ずるい……」
切な気に揺れる瞳できららがそう訴えると、きららは下腹に力を込めて膣内の小太郎をぎゅっと抱きしめる。
そのいじらしい僅かな抵抗に、小太郎は胸が痛い程高鳴った。
「わ、私だって、ふうまを……んっ、気持ち良くさせる……私を選んでくれた、お礼、させなさい……っ」
「きらら……」
「私、あんたが思ってるより……すっとすっと、嫉妬深くて、欲張りなんだから……」
「知ってる」
「知らない……それだけ、あんたのこと、好きなの……エッチなことだって負けないんだから」
きららは震えながらそう宣言すると、確かな決意を感じさせる力でもって小太郎の腰に両脚を巻き付け、両手も背中に絡ませて抱きしめる。
いつも隠れている恥ずかしがり屋な乳首も顔を出しており、小太郎は思わず目の前にあったそれに吸い付いた。
「はぁ、はぁっ……もう、赤ちゃんみたい……んっ、好き。大好きよ、ふうま……来て」
「…………きらら」
「好きなだけ、私の中に射精して……私だけの小太郎になって……私も小太郎だけになるから」
そう言ってキスをしてくるきららに、小太郎は応えるように舌を絡ませた。
愛しい彼女の髪の香りや甘い唾液の味を堪能し、小太郎は頬に、首筋に、恥ずかしがり屋な乳首に、キスの雨を降らせていく。
「ひゃうっ……あぁっ、乳首、気持ちいい……んんっ……」
「俺も気持ちいいぞ、きらら」
「こ、小太郎……ぁっ、わ、私……、お腹の奥が、キュンキュンして……切ない……っ」
「ああ、分かった」
きららの言葉に小太郎が同意すると、挿入されたまま焦らされ続けたきららの膣が歓喜するように蠢いた。
その刺激に射精欲を煽られるのを感じながら、小太郎は腰で円を描いて膣奥の丸みを捏ねるように刺激する。
「んぁっ! 小太郎……あっ、あぁあんっ! そこっ……ひぁあっ……お、お腹の奥ぅ……、グリグリしちゃ……や……ひゃぁあんっ!」
子宮への執拗な愛撫にあっさり陥落し、端なく腰を浮かせて絶頂に達するきらら。
目の奥にハートマークを浮かべるきららを愛おしく見詰めながら、小太郎は絶頂と同時に締まりを強めた膣内に激しい刺突を繰り返し、爆発寸前の吐精衝動をより一層高まらせていく。
恥ずかしがり屋ながら懸命に想いを伝えてくれた愛しい彼女に、今度は小太郎が思いの丈を打ち明ける番。
「あっ、い、イクッ……んんんっ! ま、また……ふぁあっ、イ、イッちゃう……っ!」
「俺も、イクぞ……きららっ!」
「ひぁあっ、あっ、も、もう……早くっ……んっ! 一緒に……んにゃぁっ、イキたいのぉっ!」
過激な快楽にきららは懇願するように小太郎へ射精を強請る。
小太郎は腹の奥から突き上げる衝動が耐えられない域に達し、目の前のきららに「射精すぞ!」と宣言した。
「うん……んんっ……射精して、一緒にぃ……っ!」
「きらら!」
「んんっ……小太郎のっ……熱いの……、私の……ふぁあっ、お、オマンコに……、いっぱい、射精して……あっ、あっ……あぁあんっ!」
「膣内に射精すぞっ!」
「小太郎の……熱いので……私の……んぁっ……心も身体も……小太郎のにしてぇ……っ!」
ぎゅっと、小太郎の腰に巻き付けられたきららの両脚に力が入る。
その小さな刺激が引き金となり、切なる愛しさを内包した灼熱の精液がきららの女の中心部を満たしていった。
「あっ……あ、あうっ! あ、熱いっ……あ、ああぁあん!!」
「くぉっ……お、おぉ……っ!」
悲鳴にも近い歓喜の叫びがきららの口から出ると、彼女の身体が電撃に貫かれたかのように激しく踊った。
仰け反りながらも必死にしがみついてくるきららに、小太郎は熱い思いを存分に注ぎ込む。
「ふわぁああぁ……んぅっ……まだ、でてるぅ……。ぁ……また、びゅーって……はぅぅ……ら、らめぇ……こんなの……気持ちよしゅぎて……またイッちゃうぅ……っ」
甘く気怠い幸福感と絶頂感が休み無く押し寄せる中、小太郎は「愛してる」ときららへ囁く。
するときららはそれに応えるように膣肉をより締めて、最後の絶頂を迎えた。
信じられないくらい息の長い射精が終わっても、きららは小太郎から離れる気配がなく、小太郎もまた彼女から離れたいとは微塵も思っていなかった。
熱い吐息を零し続けるきららを小太郎は抱き上げ、汗ばんだ互いの身体をぴったりと密着させる。
「はぁ、はぁぁ……小太郎ぉ……っ。今日の小太郎……凄かった……」
「そうか?」
「いつもより、いっぱい射精してくれた……。私も……いつもより、すっごく気持ち良くて……。はぁぁ……幸せ、よ……んふっ♪」
そう言って小太郎の胸板に頬擦りしてきたきららに、小太郎は「俺もだ」と優しく囁いた。
「んふ〜♪ 小太郎、だぁい好きっ! 好き好き好き〜っ!」
愛を爆発させたきららはまだ連結したままであっても、暫くの間キスの嵐を小太郎に浴びせるのであった。
「あ……中に出したから、パイズリする? 前にマナーだとかあんた言ってたなかった?」
「……いや、マナーとかどうでもいい。暫くこのままで居たい」
「そっかそっか♪ 私もよ……ん〜、ちゅっ」
そのあとで汗を流すのに共に風呂へ入り、そこまでまた……といった睦み合いを、家の者たちは『ふうまの将来は安泰だ』と思いながら迷惑には目を瞑ったという――。
読んで頂き本当にありがとうございました!