「兄貴。これ」
登校日の昼休みのことだった。友人と机を囲んでいる智也の背後から女性の声が聞こえてきた。
「唯」
妹の唯が弁当包みを突き出して立っていた。
「おう。悪い」
智也がそれを受け取ると、唯は足早に教室を出て行った。
「……お前、妹と喧嘩でもしたのか?」
友人が弁当を食べながら話しかけてきた。
「は? なんだよ急に」
「いや、なんか妹の態度が冷たいっていうか……」
「そりゃいつものことだろ」
適当に流して弁当包みを開ける智也だが、そこに別の友人が口をはさんできた。
「いやいや明らかにいつもより冷たいって。僕らがわかるくらいなんだから智也にだってわかってるでしょ」
「知らん。虫の居所が悪いだけじゃねぇの」
そう吐き捨てるように言って智也は窓の外に視線を逃がした。教室の窓から見える空は曇り空だった。
本当は当然わかっている。先日、真奈美との件を目撃されてから唯はずっと智也に冷たくしている。いや、冷たいというよりわざと接触を絶っている印象。
だがどうすることもできず、ここのところずっと妹との間には気まずい空気が流れている。
「最近、妹さんとはどう?」
並んで座布団の上に座っている真奈美が遠慮がちに聞いてきた。
今は真奈美の家のリビングで二人でテレビを見ている。最近は妹と顔を合わせるのが気まずくて、真奈美の家に入り浸っている。
「特に何も変わってない。ろくに口きかねぇし。同じ家にいるのに他人みたいな感じだよ」
「……そっか」
真奈美はぽつりとつぶやいた。
あれから真奈美ともどことなく気まずい。
「あのさ、智也くん」
「ん」
「こんなこと私がいえる立場じゃないけどさ、やっぱり妹さんとちゃんと話さないと何も変わらないと思う」
真奈美は智也の目をまっすぐに見て言った。
「んなこと言っても、話そうとしてもあいつ逃げちまうんだよ」
ぽりぽりと頭を書きながら智也は真奈美から視線をそらした。
「……それに、”そういうこと”もしなくなったし悪いことでもないんじゃねーか」
「でも、それは妹さんには必要なことだったんでしょう?」
「そりゃそうかもしれないけど……」
言葉を濁す智也に、真奈美は畳みかけるように続ける。
「それに、そういうこと抜きにしてもずっと険悪なままなんて悲しいじゃない」
そういって真奈美は目を伏せた。まるで自分のことのように悲しんでいる様子だった。
「わ、わかったよ。今日帰ったらちゃんと話し合ってみる」
「うん。それがいいと思うよ」
少しだけ顔を綻ばせる真奈美。そのどこか儚い笑顔に見惚れてしまった。
「じゃあ俺、今日はもう帰るよ。雨も降ってきそうだし」
それをごまかすように、そう言って腰をあげた。
窓から見える空は今にも降り出しそうだった。
「あ、うん。わかった。妹さんとのこと、うまくいくように願ってるから」
「おう。ありがとな」
真奈美に見送られた後、なんとか雨が降る前に帰ってこれた。
鍵を開けてドアを開ける。
最近は妹から返ってこないから、「ただいま」は言わなかった。靴を脱いで中に上がる。
中の電気は付いていない。だが、妹の部屋から音がした。
──まさか。嫌な予感がした智也は、閉まっているドアに耳をそばだててみた。
「ねえ、別にいいじゃん。生でしようよ」
「いや、さすがにそれはやめてくださ……あっ、ちょっと!」
「ちゃんと外に出すからさ。ね? お兄さん大学に行かせてあげたいでしょ?」
「……わかりました」
妹と母親の彼氏の声だった。悪びれもしない男の言葉と、明らかに嫌がっている唯の声。
それを聞いた智也は、一瞬で頭に血が上った。
「おい」
ばん、と扉を開ける。
ベッドの上の二人が顔をあげて智也を見た。脱ぎ散らかされた妹の制服。下着も半脱ぎの状態だった。
男は自身の下半身を露出させ、妹を押し倒していた。あと少しで妹を犯すところだったのだろう。
「何してんだお前」
掴みかかりたいところだったが、なんとか抑えて智也は言った。
「何って……見ればわかるでしょ? 智也くん」
「知らねぇよ。とりあえずさっさと妹から離れろ」
怒りに満ちた智也の目に、男ははぁ、とため息を吐いて言った。
「智也くん、これは合意の上のことなんだからそんな怒んないでよ」
「そんな風には見えねぇんだけど」
さっきの会話といい、無理やり脱がされた形跡のある唯の下着がそれを物語っている。
「とりあえず母さんにこのこと教えるから」
「いいのかな、そんなことして」
「あ?」
「君や唯ちゃんの学費、払えなくなっちゃうよ? それでもいいのかい?」
あくまで男は少しも悪びれもしないでそんなことを口走った。余裕そうな笑みを浮かべながら。
それが智也の抑えていた怒りを少しずつあふれさせる。その怒りでわなわなと体が震える。
「わかったら部屋出てってくれるかな?」
言葉を返さない智也に、男はそう告げた。そして行為の続きをしようと、妹の首に唇を近づけた。
それが最後の引き金となった。
「ふざけたこと抜かしてんじゃねーぞ!!」
鈍い音が部屋に響く。智也のこぶしが男の頬を思い切り殴った音だ。
どん、と男の体が壁に叩きつけられる。智也自身のこぶしもじんじんと痛むが、そんなことに構ってる場合じゃない。
「おい、唯! こっちこい!」
ぐい、と強引に唯の腕を引っ張ってベッドから連れ出す。そして床に落ちている制服を拾って部屋から出る。
「唯、早くこれ着ろ!」
突然のことに驚いていた唯だったが、鬼気迫る兄の言葉に従った。
そして唯が制服を着終えると、智也はその手をとって家から飛び出した。
住宅街の中をぱしゃぱしゃと二人分の足音が響く。外は雨が降っていた。傘も持たずに飛び出してきた二人の体はびしょびしょに濡れていた。
「ねぇ……っ、兄貴、もう走れないよ……っ」
智也に腕を引っ張られていた唯が、たまらず足を止めた。
「あ……悪い、唯。走らせすぎちまった」
立ち止まって唯のほうを振り返ると、膝に手をついて苦しそうにしていた。無我夢中だったとはいえ、無理をさせてしまった。
「……てかなにやってんの、兄貴」
まだ呼吸が整わないまま、唯は顔を上げて言った。
「なにがだよ」
「あんなことしてさ、あたしらの学費絶対やばいでしょ」
「そうだな」
智也は唯から視線を外した。
「でも俺はお前があんな目に遭うのはこれ以上見過ごせない。お前だっていやだろ。あんなこと続けるの」
唯は智也に言い返そうとしたが、言いかけたところで口を閉じた。その代わりなのか、「ばか」と一言だけつぶやいた。
「で、これからどうすんの。家出てきちゃったけど、あたしホテル泊まるお金とか持ってないんだけど」
「……行くあてはあるから心配すんな」
実のところ智也も特に何も考えていなかったのだが、妹を安心させるためにそう口にした。唯はそんな兄に「ほんと?」と疑いの目線を向けた。
「嘘じゃねぇよ。ほら、行くぞ」
唯の手を引っ張って再び歩き出す。ふと頭に思い浮かんだ場所に向かって。
「ここ誰んち?」
二人はとある一軒家の前に立っていた。木造の古い二階建ての建物。
「真奈美の家」
「真奈美ってだれ──」
言いかけたところで唯ははっとした目で智也を見た。
「ちょっと、兄貴! あたしここにきちゃまずいって!」
先日の件を思い出したのだろう。唯は取り乱した様子で兄貴の腕をつかんでぐい、と反対方向へ引っ張った。
だが、それは智也が既に呼び鈴を押した後だった。
「はーい。……って、あれ? 智也くん、どうし──あっ」
玄関を開けて制服姿の真奈美が出てきた。そして唯の顔を見るなり口に手を当てて驚いた様子を見せた。
「悪い、真奈美。ちょっとあって……その、入れてくれるか?」
少しの間あっけにとられていた真奈美だったが、その言葉やずぶ濡れの二人を見て中に招き入れた。
「──そっか。大変だったね、二人とも」
智也から訳を聞き終えて、真奈美は労わるような声でそう言った。
相変わらず質素な真奈美の部屋の中、四角いテーブルの周りに三人で座っている。真奈美と唯が向かい合わせで、その間に智也がいる形。
「今日は私一人しかいないから、ほかに行くところがないなら泊って行って平気だよ」
「悪いな、真奈美。いきなり来てそこまでしてもらって。……ほら、お前も礼くらい言えよ」
真奈美から貸してもらったタオルで髪を拭いている唯に、あごでほら、と促す。
「えっと……あ、ありがとうございます。佐倉先輩」
目をタオルで隠したまま、唯は軽く頭を下げた。
「ううん。えっと……唯ちゃん、だよね。大変な目に遭ったんだから、気にしなくていいんだよ」
優しい言葉をかける真奈美。だが、どこかきまりがわるそうな顔をしている。
そのまま無言の時間がしばらく続く。先日の件で、それぞれが気まずさや申し訳なさを感じているから、それも仕方ないが。
唯はとっくに乾いている髪をタオルで拭いているし、真奈美はちびちびとお茶をすすっている。
「あ、あの」
その沈黙を破ったのは意外にも唯だった。タオルを傍らにおいて、視線は正面の真奈美に向けている。
「すみませんでした」
ぺこりと頭を下げて謝る唯に、真奈美は面食らっている様子だった。
「その、佐倉先輩はもう知ってるんですよね。あたしと兄貴のこと」
「あ……えっと、うん」
真奈美は飲んでいたお茶をテーブルに置いて唯を見た。
「でも聞いてたと思うけど、私、別に二人の関係にとやかくいうつもりはないんだよ」
「はい、それはわかってます」
「でも」と置いて唯は続ける。
「あたし、佐倉先輩が兄貴のこと本当に好きなんだって知って、あたしなんかが二人の邪魔しちゃいけないって思ったんです。こんな関係、もう終わりにしなきゃって」
「だからお前、最近俺と距離置いてたのか」
うん、と唯は智也にすまなそうな視線を向けた。
「今だってさっきあいつに犯されそうになったのが忘れられなくて、今すぐにでも兄貴に慰めてほしいって考えてる。……こんなあたしが二人の間に割って入るなんてそんなの許されるわけない」
唯はそう震えた声で口にした。いたたまれなくなったのか、俯いて自らを恥じるように腕を握りしめている。
「あのね、唯ちゃん」
そんな唯に優しく声をかけたのは真奈美だった。
「つらいことを我慢してまで自分のことを責める必要はないと私は思うよ」
「でも──」
「部外者の私が簡単に言っていいことじゃないけど、男の人にひどいことされるつらさは私にもわかるから」
やはりその話をするのは苦しいのか、真奈美の表情が少し曇る。それでも、唯をなだめるように優しい口調で続ける。
「つらいことがあったなら慰めてほしいって思うのは何もおかしいことじゃない。唯ちゃんはその形がすこしだけみんなとは違っただけ」
「だからって佐倉先輩と兄貴の関係を邪魔することが正当化されるわけじゃないです。……佐倉先輩はあたしのこと恨んだりしないんですか」
「しないよ。そんなこと」
きっぱりと真奈美は言い切った。
「私だって、胸を張って智也くんのことが好きですって言えるわけじゃない」
ちらりと智也に視線を向ける真奈美。
「親からあんまりいい扱いされてないからさ、私。だからその癒しを智也くんに求めてたの。好きな気持ちは本当だけどそんなにきれいなものじゃないんだ」
ごめん、と真奈美の視線が智也に訴えていた。
「だから、唯ちゃんがそんなに気負う必要はないんだよ」
「……でもあたし──」
それでもどうしても唯は後ろめたさが消えないようで、うつむいたままでいる。
そんな唯を見かねたのか、真奈美は「じゃあさ」と遠慮がちに一言付け加えた。
「三人で……してみない?」
「え?」
「は?」
思わず兄妹そろって声を上げてしまった。
さすがに当の真奈美本人も少し恥ずかしいのか、視線を泳がせている。
「ちょ、真奈美何言ってんだ。『してみない?』って、その、そういうことをかよ」
「えっと、うん。だって唯ちゃん、今だって智也くんにしてほしいんだよね?」
「えっ……いや、確かにそう言いましたけど……」
ごにょごにょと唯は言葉を濁す。だが、こんなことを突然申し入れられるなんて動揺して当然だ。
「いや、真奈美はいいのかよ? 三人でそんなことするなんて……」
「私はまあ、そういうのもアリかなって」
えへへ、と恥ずかしそうに真奈美は笑った。
「それに、唯ちゃんに少しでも楽になってもらうにはこれがいいのかなって思うから」
その言葉を受けた智也は、視線を唯に移した。唯はそれに気づくと逃げるように視線を下に落とした。
やはり罪悪感が抵抗しているのだろう。だが本能的に兄を求めているのも事実。
しばらく悩んだ末、唯は顔をあげて真奈美を見据えた。
「じゃあ……えっと、お願いします」
ベッドの上、座っている智也の前に唯と真奈美が四つん這いで迫っている。二人ともブラウスのボタンを外している。
白いブラウスの間から、きれいな素肌と下着が見え隠れしているのが、智也の心臓をどくんと跳ねさせる。
「兄貴……」
頬を朱に染めた唯。今すぐにも抱きついてきそうな表情なのに、真奈美に遠慮しているのか今一つ智也に近づけずにいた。
「唯ちゃん、お先にどうぞ」
そんな唯を見かねたのか、真奈美は優しくそう口にした。
「え、いいんですか? 佐倉先輩」
「うん。私はあとでいいから」
それと、と真奈美はそこに付け加える。
「よかったら真奈美、って呼んでほしいな」
「あ……えっと、はい。──その、ありがとうございます、真奈美さん」
少し恥ずかしそうに言った唯に、真奈美は柔らかく微笑んだ。
唯はおずおずと智也の肩に手をかけると、ゆっくりと顔を近づけてきた。
「兄貴──」
「唯……っん──」
くちゅん、と唇が触れ合う。雨に打たれていたせいか、いつもより湿り気に富んでいる。
その唇で上唇を啄まれる。ぴたりとくっつく感覚が気持ちいい。なんとなくいつもより甘えている気がした。
「ん、ふ……ぁふ、っン……」
数度啄まれたあと、するりと舌を差し込んできた。智也の口内に侵入してきたそれは、蛇のように這いまわる。
やがて智也の濡れた舌先と触れ合うと、ぐっと顔を寄せてきた。必然的に深く絡まる二枚の舌。
唯はそれべちょべちょといやらしくこすり合わせる。貪るようなディープキス。
「わ……唯ちゃん、すごく熱いキスだね。……ちょっと妬けちゃうな」
少し冗談っぽく言った真奈美だったが、唯は一度唇を離した。
「ん……じゃあ次は真奈美さん、しますか?」
「え、もういいの?」
「はい。だって私ばっかりじゃ不公平ですから」
真奈美は唯にありがとう、と礼を言うとゆっくりと這い寄ってきた。ぎし、とベッドが軋む。
「智也くん……好きだよ」
眼鏡の下の瞼をそっと閉じて、真奈美は智也の唇を塞いできた。むにゅ、と左腕に真奈美の胸が押し当てられる。
その感触に浸る間もなく、真奈美は智也の口の中に舌を挿入してきた。
「んっ、んん、ぁ、ふ……智也くん……」
それを智也のほうからも受け止めた。互いの口の間でれろ、とた二枚の濡れたものが絡まりあう。
唯のように情熱的な動きではないが、より深くまで絡めてくる。そして濃厚に絡まったもので唾液をじゅるじゅるとすすられる。
「うわ、すご……なんかすごくえっちなキス……兄貴と真奈美さんていつもそんなキスしてるんだ──」
それを傍らで見ていた唯が、惚けた顔で呟いた。
すると口寂しくなったのか、智也の股間に顔を埋めてきた。そして慣れた手つきでベルトを外して智也の勃起したものを露出させた。
「こんなデカくして……真奈美さんのキスそんな気持ちいいんだ。──じゃあこっちはあたしが気持ちよくしたげる」
唯は両手で竿をつかむと、亀頭を自らの口に含んだ。その快感に、思わず体が跳ねる。
そんなことには構わず、唯は口内の亀頭を舐め回してきた。ぎこちない舌遣いだが、興奮で敏感になっている智也には十分な快感だ。
「ん、ふ……は、智也くん……妹さんのおクチ、気持ちいい?」
「は──っ、ああ」
「じゃあ私たちもえっちなキス、もっとしよっか……」
興奮で上気した真奈美の顔。半開きの口からは二人の唾液がこぼれている。
それだけでも十分煽情的なのに、真奈美はおもむろにブラウスをはだけた。さらされる真奈美の素肌。ブラジャーに包まれた豊満な乳房が真奈美の吐息で揺れている。
「智也くん……んっ」
「ん、む……真奈美……」
首に手を回されて深く唇が繋がる。のどまで届きそうなほど舌が突き入れられてぞくぞくする。
どろどろの粘膜が触れ合う感触も気持ちいいが、真奈美の荒い吐息も興奮を誘う。ふー、ふー、と情欲があふれだすようなそれは、智也の感度を無理やり引き上げてくるようだった。
「んっ、兄貴……ぁむっ、ん、ちゅっ、ぢゅ、っん……っ」
真奈美のキスに負けじと、唯の口淫も熱を増していく。
はしたなく口を窄めて、精液を搾り取るみたいに唇を擦らせてくる。敏感な亀頭を激しく愛撫されて、智也の生殖器はますます硬くなっていく。
「んっ、ぁ、れろ……唯ちゃんのフェラ、気持ちいいんだね……っん、ちゅ……もっと気持ちよくなっていいんだよ──」
キスの合間に吐息交じりの声で情欲を煽ってくる真奈美。それに導かれて、陰嚢の中で精液がぐつぐつと煮えたぎってくる。
そこに追い打ちをかけるみたいに、唯の両手が竿をごしごしと扱いてくる。こらえきれなくなったものが先走りとなって溢れ出る。
「んっ、はぁ、っ兄貴のちんぽ……すっごく固い──ぁむっ、は、ちゅ、んんっ……」
真奈美のディープキスと唯のフェラチオで、少しずつ精液が昇ってくる。必然的に、唯の口に射精するところを想像してしまう。どろどろの白濁を妹の小さなクチに思い切り吐き出す瞬間を。
その想像を現実のものにせんとばかりに、唯の愛撫は激しくなっていく。唇でカリのところをくぷくぷと擦り上げ、両手でぎゅっと握った竿を激しく扱かれる。
「は、あっ──身体びくびくしてるよ、智也くん……ほら、精液出しちゃお……?」
限界に近い智也を、キスをしながら真奈美が煽ってくる。体の快感に加えて言葉でも射精を促されて、生殖器が激しく痙攣しだす。
「ぁは……あ、兄貴、せーえき出る? ん、ちゅっ、ぁむっ、出してっ、あたしの口に好きなだけ射精して──!」
興奮を隠す気もない表情でれろれろと先端を舐め回してくる唯。切なそうにうるんだ瞳は、その言葉通り智也の射精を待ち望んでいるようだった。
「……っ!」
どくん、と大きな衝撃が全身に走る。その瞬間に、唯は咥えていた亀頭から口を離して大きく口を開けた。
そこへ導かれるまま、びゅくん、びゅくん、と精液を吐き出す。唯と真奈美の二人に限界まで凝縮されたそれは、勢いも量も智也が驚くくらいだった。
「あっ……! ん、ぁ、はぁ、兄貴のせーし……ん、ぶ……っ、やば、こんないっぱいっ……!」
「んっ、ん、は、ほら、もっと出そ? ちゅっ、む……っ、唯ちゃんのおクチにびゅーって──」
射精中も真奈美は唇と舌をぴちゃぴちゃと貪ってくる。それに押し出されて濃厚な白濁汁が吐き出される。
腰が抜けるほどの快楽。ただひたすらに唯の口に精液を注ぎ続けることしかできない。
あまりの勢いに、唯の顔にぴち、とかかるほどの射精。だが唯は嫌な顔一つせず、むしろ嬉々として智也の白濁を受け止めている。
「ん……んっ、んぷ……ン、くっ──」
ようやく出し終わった後、唯はごくん、と口の中の白濁を飲み下した。
「っはあ……唯、全部飲んだのか」
「うわ……にっが……」
唯は初めて味わう精液の味に顔を歪ませた。
「唯ちゃん、もしかして飲むのって初めて?」
「はい……苦いとは聞いてたけど、思ったよりきつい……」
真奈美はそんな唯にあはは、と苦笑を漏らした。
「あ、唯ちゃん、顔に精子ついちゃってる」
「え……ひゃっ!」
真奈美はおもむろに唯に顔を寄せると、ぺろ、と頬についたものを舐めとった。
「ん……きれいにしてあげるね」
そのまま唯の顔に飛び散っている白濁を、真奈美は丹念に舐めとる。ぺろぺろと毛づくろいをするかのような仕草。
唯はそれにくすぐったそうにしていたが、まんざらでもないのか真奈美にゆだねていた。
「はい、これで大丈夫」
こくん、と飲み下して、真奈美は唯に微笑みかけた。
「あの、苦くないんですか? 真奈美さん」
「さすがにちょっと苦いよ。でも好きな人のだから全然大丈夫」
にこりと真奈美は笑ったが、智也は当然のように言い放つ彼女に少し照れてしまった。
そんな智也に、ふと唯が視線を向ける。
「ねぇ、兄貴。まだできる?」
もじもじと恥ずかしそうに唯は言った。
「ああ、一応まだできるよ」
「最近、私とも全然してなかったもんね」
真奈美も智也に振り向いて言った。
「じゃあ……続き、するか?」
問いかける智也に、唯はうん、と控えめにうなずいた。
眼前に突き出された二人の肉付きのいい臀部。唯と真奈美は、共にベッドに四つん這いになっている。
制服は着たままだが、スカートはめくりあがり、履いていた下着はもう脱ぎ捨てている。おかげで果実のような尻の肉がすべて智也の目にさらされている。その肉の割れ目の秘部からは、先ほどまでの行為で昂ったものがとろりとこぼれていた。
二人の美少女がそんなふうに自分に身を任せている事実が、智也の背徳感と征服欲を刺激する。
「智也くん──私と唯ちゃん、どっちから挿れる? 智也くんの好きなようにしていいんだよ」
「どっちでもいいから早く決めてよ、兄貴……これ結構恥ずいんだから」
二人が顔をこちらに向ける。真奈美は妖麗な笑みを、唯は少し切なげな表情を浮かべている。だが、興奮に顔を上気させ、もどかしそうな吐息を漏らしているのは同じだった。
その、あまりに現実感のない光景に息を呑む。智也は少し迷ったのちに、唯の尻に両手を這わせた。
「あ──」
ぴくん、と軽く唯の体が跳ねる。
汗と雨で湿った尻の谷間に自らの肉棒をあてがってみる。ぬと、と軽くべたついた感じ。
少しだけ腰を前後させてみると、お互いに伝わる快感で声を漏らしてしまう。
「ンっ……ねぇ、焦らさないで、兄貴……早くちんぽハメてよ──」
たまらず唯が振り向く。切なさで染まったその顔に、ああと頷いた。
谷間に這わせていたものの先端をずらして、蜜壺の口に触れさせる。ひくひくと物欲しそうに反応するそこに、ぐっと突き入れた。
「ぁんっ……!」
軽く反り返る唯の体。それを押しとどめるように腰をがっしりと掴んで挿入していく。
よほど欲しかったのか、いつもより締め付けがきつい。愛液もどろどろに溢れているから、竿にぴったりと吸いついてくる。
それを貫くように、ずん、と一番奥に突き入れた。
「あっ、あっ、ン、ちんぽっ……おっき、い──! 兄貴、突いてっ……思いっきりシて──っ!」
たまらないといった表情で唯がねだってくる。
その望み通り、ぱんっ、と思い切り腰を打ち付けた。
「あうっ──!」
亀頭から根元まで一気に扱かれる感覚。一度味わっただけでもたまらないその快楽をもっと味わおうと、何度も腰を叩きつける。
智也が好きなように肉棒を突き刺すと、それに合わせて膣肉が変動する。ぐにゅぐにゅと、唯のナカはまるで別の生き物のようにうねっている。
それに煽られて、勝手に腰の動きが速くなっていく。
「あんっ、ぁ、あ、あ、ンっ、兄貴っ! ヤバいっ、ちんぽヤバいっ! ひあっ、あっ、おっ、んんっ! んあっ、あんっ、ア、っや、あぁんっ、気持ちいぃっ!」
どちゅん、と一番奥を犯すと、唯の口から獣のような嬌声が押し出される。妹とはいえ、目の前の少女が自分の生殖器でよがっている事実に、智也の欲望はどんどん膨れ上がっていく。
「智也くん──」
唐突に耳元で真奈美の声が囁かれる。それに振り向く前に、後ろから手を回されて乳首をつままれた。
「ぅあっ──! ま、真奈美?」
「私のことはいいから、ほら……唯ちゃんのこともっと気持ちよくしてあげて? ぱん、ぱん、っていっぱい腰振って一番奥まで犯してあげようね──」
艶めかしい声で囁く真奈美。その言葉と、乳首への刺激でナカに入れている性器がさらに大きくなってしまう。そのおかげで、奥に突き入れるたびに子宮口をごりごりとえぐっていく。
「あっ、おっ、ふぁっ、おく、キてるっ! んっ、ん、アっ……あんっ、あにきっ、あたし、もお、イクっ、イっちゃうっ!」
ぎゅう、と蜜穴の入口がすぼまる。その締め付けで、精液が昇ってくる。
それを加速させるように、唯の体に体重をかけて腰を振る。もう頭の中は射精することでいっぱいだ。
「智也くん──唯ちゃんイっちゃうって……智也くんも精子くるでしょ? 唯ちゃんと一緒にイって思いっきり中出ししちゃお?」
むにゅ、と体を押し付けながら真奈美は射精を煽ってくる。そして唯の身体から伝わってくる快感で、射精感は少しも留めることができない。
「唯……っ、出る、イクっ!」
「あっ、あっ、出してっ、兄貴──!」
ばん、と思い切り腰を押し付けて、亀頭を子宮にえぐりこませる。その一番気持ちいいところで、抑えていたものを解放した。
「ふぁあっ! あっ、ァ、んん……あにき……あっ、出てる……っ、ん、おなか、あっつい……」
どくどくと無遠慮に精液を唯に注ぎ入れる。
その衝動に反応するみたいに唯の体がびくびくと痙攣している。それが射精中のものにも伝わって心地いい刺激となる。
「唯──抜くぞ……」
「ん……」
ぬるん、と出し終わったものを引き抜いた。精液と愛液が混ざったものが、とろりと膣口からあふれ出ている。
「は、あ……気持ちよかった……」
力が入らないのか、とさ、と唯がベッドに倒れこんだ。
すると、抱きついてた真奈美がその隣に四つん這いになる。
「じゃあ、次は私ともシてほしいな──」
むき出しになった尻を、ゆさ、と振ってねだる真奈美。大きくて見た目からでもやわらかいことがわかるその肉に、手を伸ばす。
がし、とわしづかみにして自分のほうに引き寄せた。くちゅ、と触れ合う互いの秘部。唯のよりも濡れているそれは、挿入を待ち望んでいるようだった。
「真奈美……っ!」
その誘惑に抗おうともせず、ずぷん、と真奈美の濡れた場所に押し入った。真奈美の膣はふわりと柔らかく、その潤いと合わさってあっという間に奥にたどり着いた。いや、飲み込まれたと言うほうが正しいか。
「んっ、ぁ……すごいね……二回出したのに、まだおっきい……私のおく、えぐられちゃってる──っ」
陶酔するような声とともに、真奈美はこちらに嬉しそうな顔を向けた。
「じゃあ真奈美、動くから……」
「うん、唯ちゃんにしたみたいに激しくしてほしいな……」
真奈美はそう言うと、上下に優しく腰を振ってきた。膣肉がうねって、中の生殖器が愛撫される。
それで我慢が利かなくなって、ピストン運動を始めた。度重なる情事で増幅されて性欲に、最初から飛ばした。
ばん、ばん、と真奈美の尻をつぶしてしまいそうなほど激しく腰を振る。
「あっ、あんっ、お、ぁうっ、んっ、あっ、すごっ! 智也くんっ、おちんちん、気持ちいっ、んあっ、おっ、はぁ、んっ!」
そんな智也の乱暴な行為に、真奈美は心底気持ちよさそうな声を上げる。肉棒を受けれいている媚肉も、智也の動きに合わせてカタチを変えて快感を刺激する。そんな快楽に、夢中になって真奈美とのセックスに没頭してしまう。
だがそこへ、さっき真奈美がしたように唯が横から抱きついてきた。
「兄貴……真奈美さんのまんこそんなに気持ちいいの?」
「ゆ、唯?」
「ねぇ、あたしのまんこも弄ってよ……見てるだけじゃ切ないの……」
甘えきった声で懇願してくる唯。そんな唯をないがしろになどできず、智也は片手を唯の秘部に触れさせた。
そしてちゅぶ、と指を蜜穴の中へ突き入れた。
「んっ……あっ、んっ、兄貴……それ、ずっとしてて──っ」
唯への愛撫を続けながら、真奈美の膣奥を肉棒の先端で犯し続ける。
「ぁんっ、や、ふぁんっ、あは……っ、ともやくんっ、好きっ、あっ、大好きっ! んっ、はっ、はっ、ぁ、おちんちんっ、すごい、よぉ……っ!」
自分の目の前で唯と真奈美の二人が淫らな声をあげて乱れている。夢のようなその光景に、智也の興奮はますます増してしまう。
唯の膣肉をぐちゅぐちゅと弄ぶと同時に、真奈美の腰にぱんぱんと叩きつける。智也のその責めに、二人は素直に声をあげて悦んでいる。
その声はどんどん高まっていって、絶頂が近いことを教えていた。
「んっ、あっ、兄貴っ、んんっ! まんこ弄られるの、ヤバい──っ! あたし、んっ、ん、アっ、イクっ、イクっ──!」
「あっ、ア、あ、あんっ、ン、あん──! 智也くんっ、わたしも、ん、あっ、ひあっ、イっちゃうっ!」
きゅん、と智也を求めてくる真奈美の媚肉。それを限界まで味わおうと、射精をこられながら腰を振る。
精液はもう出口の一歩手前まで来ていて、少しでも気を抜けばあふれ出てしまいそうだ。
「っく──真奈美っ!」
そして我慢ができなくなった瞬間、ぐっ、と思い切り真奈美の尻に腰を押し付けた。きゅぽ、と亀頭を飲み込む真奈美の子宮口。そこへ遠慮なく精液を吐き出した。
「んああっ、智也くんっ──!」
「兄貴っ──イクっ!」
それと同時に、真奈美と唯の二人も同時に果てた。ぎちぎちと締まる膣。
智也のものをとらえて離さない真奈美のナカへ、どぷどぷと精液を注ぎ入れる。二回出したあとなのに、全然止まらない。入りきらなくなったものが結合部から溢れ出る。
「ん──あは……智也くんのせーえき、すごいいっぱぁい……」
ぬるん、と射精が終わったものを引き抜く。亀頭と膣口の間をどろどろの淫液が糸を引いている。それはやがてぷつりと切れて床へと落ちた。
「っ……はぁ、はあ……」
さすがに疲れて、智也は床に座り込んだ。それと同時に真奈美と唯の二人もベッドにへたりこんだ。
「ねぇ、唯ちゃん……」
寝ころんだまま、真奈美が唯に話しかける。
「三人でするの、どうだったかな」
「えっと……結構──っていうか、すごく良かったです」
「そっか。それならよかった」
にこ、と唯に微笑む真奈美。
「ねえ、兄貴。兄貴はよかった?」
顔だけこちらに向けて唯が問いかけてきた。
「ああ。よくなかったらこんなに出せねぇって」
智也は床から腰をあげて、二人と同じようにベッドに体を寝かせながら答えた。
「はー……疲れた。ねぇ、二人ともさ、このまま寝ちゃおっか」
満たされた表情で真奈美が言う。智也も唯もほぼ同じ気持ちだったのか、こく、と揃って頷いた。そして、誰からともなく眠りに入っていく。
性交の残り香が漂う部屋の中は、少しもしないうちに三人の寝息だけで満たされた。
「あ、真奈美さーん、兄貴ー! こっちこっちー!」
人ごみと桜の花びらの中、制服姿の唯が手を振っている。
それに気づいた智也と真奈美は、軽く手を振り返した。
「来てくれたんだ、唯ちゃん。ありがとね」
「来てくれたのはありがたいんだが……お前今日学校はどうしたんだよ」
「サボってきた。こっちのほうが大事だもん」
今日は智也と真奈美の大学の入学式だった。キャンパス内は新入生とその親たちでざわついている。
ちなみに智也と真奈美の親は不在だ。
「あ、ダメだよ。唯ちゃん。学校の勉強だって大事なんだから」
「うっ……ごめんなさい、真奈美さん」
「まあいいんじゃねぇか? いつもは真面目に登校してんだしさ」
真奈美は智也の言葉に、しょうがないな、と困ったように笑った。
「とにかく、二人とも無事に大学入学できてよかった。おめでとう」
にこ、と唯は満面の笑みを浮かべた。最近になって、やっと唯はこんなふうに純粋に笑えるようになった。
それも、やっとあの男と母の縁が切れたおかげだ。
あの日のあと、智也は唯と男の間の関係をすべて母に打ち明けた。その後当然二人はすぐに別れた。
幸運にも、智也が殴ったことは問題にはならなかった。あちらも唯とのことがあったから強く出られなかったのだろう。
「まあ、入学まではなんとかな。でも、これからバイトで金稼いでかないとだ」
学費の問題は現状はなんとかなっている。というのも、あの男が言っていたのはいささか過剰で、智也がアルバイトをすればまかなえる程度には余裕があった。
だがその代わりに藤崎家の生活水準は大分落ちてしまったが。それでも、なにごともなく学校に通えるだけで二人は満足だった。
「その、ごめんね、兄貴。あたしの分の学費まで……」
「やめろやめろ。気にすんなって言っただろ?」
「そうそう。今日はとりあえずそのことは置いとこうよ」
一瞬暗い顔をした唯だが、真奈美にぽんぽんと肩を叩かれて表情をやわらげた。
「ありがとう、真奈美さん」
「ううん、いいの」
唯と真奈美の仲も、大分良くなった。特に唯はしばらくの間真奈美に罪悪感を感じていたが、今はだいぶ少なくなった。
「それで、今日はこのあとどうする?」
「いつも通りでいんじゃねぇか?」
「あたしは別になんでも」
だが、時折唯はあの男にされていた記憶が蘇るようで、その時に智也を求めてくる。
だから、唯と真奈美、智也の関係はまだ続いていた。というか、いつの間にかそれが普通になった。
「じゃあいつも通り、私の家いこっか」
今回でこの作品は最終回とさせて頂きます。
ここまで読んで頂いてありがとうございました。