うっせぇな!!…だが、それがいい!一階から聞こえてくる喘ぎ声に全私が全力でハアハア!!! 作:まあエロい
一階の住人、今回の主人公:島田朔夜(29)
運命って、あると思う。
僕は、およそ8年前、恋に、落ちた。友人の、結婚式の会場で、だ。
「サクちゃんもロリまん狙ったらどおwww」
僕のツレは真性ロリコンで、怪しげなアプリに引っかかってる幼気な少女を次々に食い散らかし、ついに孕ませることに成功してしまい…結婚することになったのだ。幼馴染という事もあって、なかなか縁が切れないまま、ずっと続いてしまっていることに、疲れ始めていた、時。
「いや…僕はいいよ、浩二はそろそろ落ち着いた方がいいよ、父親になるんだろ?」
「ぎゅふふ!!ペドデビューは近いぜwww」
……我慢の、限界だったんだ。もう、これを機に、縁を切ろう、そう、思っていた僕の目に。
「ねねwwwお友達、赤ちゃん作っちゃったねwww」
「君も作りたくない?俺らが教えてあげようかwww」
幼馴染の、怪しげなサークル仲間が、幼気な女子を囲んでいるのが、見えた。
慌てて駆け寄り、少女に対して強気なオタクどもを、蹴散らした。
少女は、泣きながら…式場を後にした。
あの時の、涙でぐっちゃぐちゃの、女子。
僕は、彼女に…恋をしてしまったのだ。
彼女は無事に家につけたのか。
彼女はクソ幼馴染に付け込まれはしないか。
彼女は笑う事ができたのだろうか。
悶々としながら、毎日パンを、焼いていた。
その頃作った怨念パンという名の歯ごたえ抜群のフランスパンは、まあまあ人気が、出た。
パン屋に就職して二年目、22歳の時の話だ。初めてのヒット商品賞をもらった僕は、一人暮らしを始めた。
何もない部屋に、結婚式の時の写真を…飾った。
少女の、ぎこちない笑顔を毎日見ながら、パンを、焼く、日々。
「あれ…サク君、この子、知ってるの?」
「……え?」
いとこの、敏君がうちに遊びに来た時の事だ。
壁に貼られている写真を見て、驚く…いとこ。
「出来ちゃった結婚したんだよ、この子。すぐ横のこの子ね、親友なんだけど、結婚式で旦那の悪い友達?に目つけられたみたいでさ、キモい奴らが学校に乗り込んできて大変だったんだ。俺が成敗したけど、しつこくってさあ…。」
「……そうなの?!それ、いつの話!!僕にできることがあるなら、手伝うよ!!!」
目を丸くしたいとこに、全てを打ち明けるのに時間はかからなかった。
「マジか…ごめん、アルナの唇、もらっちゃった。…返すわ!!!」
ぶちゅ!!!
「返されても!!!…アルナちゃんに、ちゃんと気持ちを返してあげてくれよ。」
「無理かなあ、一緒にいて、話してて楽しいけど…友達にしか、思えない。恋の相手には、なれないよ…。親愛的な意味で、チューはしちゃったけどさあ。…まずったなあ、うち、親ともしょっちゅうチューしてるからつい、くせで…。」
敏君は、いわゆる…ゲイだった。恋を知らない、恋に憧れる敏君は、それなりにいろいろと悩んでいた。僕は割と敏君の悩みをたくさん聞いてきていたし、それなりに一緒に悩んできた。一人っ子同士の僕と敏君は、兄弟のような関係だったのだ。まあ、僕は頼れるタイプではないけどね…。情けなくて、助けてやらずにはいられない、ダメ兄貴タイプというか。
「サク君には世話になったからね、いや、今後も世話になる気満々だけど。…協力、するぜ?」
ご丁寧に、アルナの唇をもらうたびに僕にきっちり渡してくれる敏君には少々閉口したものの。
彼は彼なりに、いろいろと画策してくれたのだ。
部屋に盗聴器を仕掛けようとしてくれたりさ。…実行はできなかったけど。
引っ越し先を絶妙に誘導して、僕の部屋の上に決めさせたのは、実に優秀過ぎた。
おだてて動画チャンネルを開設させたのは、もはや神と崇めてもいい。
……接点があったことに、接点ができたことに、はっちゃけちゃったんだ、僕も。
天井に、収音器を設置した。
音を立てずに、毎日生活音を拾った。
アルナの生活をすべて聞き逃してなるものかと、必死だった。
トイレの音で、健康状態を知り。
せき込む声に健康回復の祈りをささげ。
小刻みにきしむベッドの音で絶頂を目指して一心不乱になっている状況を知り、突如訪れた静寂に絶頂を得た瞬間を知り、共に果てて。
欠かさず生配信を視聴した。
欠かさず動画配信に良いねボタンを押した。
欠かさず投げ銭して、名前を覚えてもらった。
ツレが逮捕されたり、心配のタネも尽きなかったけど……。
ギリギリ犯罪ラインを越えてはいないと、信じ続けて、僕は僕なりに…アルナを見守り続けて、居た。
このまま、満たされつつも、満たされない日々が、続くと思っていた。
いつか、あと一歩踏み込んだ関係性が築けることを、願っていた。
そんな時、おやじが事故に遭った。
僕のおやじは、ずいぶん前に妻…つまり僕の母親を亡くしていて、マンションで一人暮らしをしていた。
とっかえひっかえ女を連れ込んでいて、それが嫌で僕は一人暮らしを始めたのだ。
たまたま、几帳面な女と別れた直後に、事故に遭ったらしい。
ずいぶんこぎれいな部屋の中には、おやじの私物は少なくて…僕は、判断を、誤ってしまった。
親父を埋葬した後、おやじの部屋を相続することにしたのだ。
毎月のアパート代がなくなれば、これまで以上にアルナに投げ銭できると思ってしまった。
浅はかだった。
アルナの生活音の魅力を、なぜ僕は手放してしまったのか。
高層階のマンションは、それなりに過ごしやすい空間ではあった。
だが!!!
アルナの生々しいオナニーがなければ、僕は!!!
アルナの生々しいトイレットペーパーを巻き取る音がなければ僕は!
アルナの生々しい快腸の証を聞かなければ僕は!
まさかの、三十代を目の前にして滾ることがなくなってしまったのだ。
あれほど毎日アルナで抜きまくっていた僕が?!
・・・・・・ありえない!!!
「すみません、あの部屋が空いたら連絡してもらえませんか。」
「わかりました。」
賃貸会社に手を回し、チャンスを祈る日々が続く。
「あの部屋、空くことになりましたよ。」
「契約します!!!」
再びアルナの下の部屋で暮らせることになった。
大喜びで、音を拾う準備を始めた。
天井に直接耳を張り付けることができるように、二段ベッドも買う事にし、準備万端で過ごす日々。
そんなある日、アルナのライブを視聴していると。
「なんかね、うちのアパート、すごく床が薄いの、それで声が丸聞こえでね…」
!!!!!!!!!!!!!!!!!
アルナに…床の薄さが、バレた!!!!!!!!!
これでは、もう…前のような、無防備な行動は…しない、してくれないのでは?!
「そうだね、謝っとこうか、一階に住んでたおじ…いや、お兄さん!!!ずっとうるさくしててすみませんでした!!反省しています!笑って許してください!…許してもらえたかな?許してもらえたと信じて!今日はこの辺で…バイバーイ!!!」
!!!!!!!!!!!!!!!!
今、おじ、おじさんって言った、言ってたよね?!一応、まだギリ20代なんだけど?!
パニクる頭を抱えながら、「あはは!!!許す許す!」と、朗らかな文字を打ち込んだ僕は、メンズエステの予約を入れ、お洒落なヘアサロンにメールを出した。音が発生しない以上、音を漏らさない努力をアルナが始めてしまう以上、僕が乗り出して、直アルナをゲットしなければ…ダメだ!!!
・・・・・・僕の努力は、実を結び。
僕は生アルナを、思う存分堪能できるようになり。
今だって、気絶しちゃったアルナを…思う存分、堪能しているわけだけど。
今でも、僕の宝物は。
アルナの、エッチな、音声だったり、する。
…こらえてイッちゃう、オナニーの吐息とか。
…初めて指でイかせた声とか。
…処女もらった時の泣き声とか。
…今の気絶の嬌声も、取っとかないとね。
僕は枕元のティッシュの箱の底に忍ばせた、録音スティックを…そっと、取り出した。