※この作品はR-18です。

陰キャで非モテの僕にだけ懐いて心を開く同級生の神崎蘭子概念   作:黒胡椒サラミ

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陰キャで非モテの僕にだけ懐いて心を開く同級生の神崎蘭子概念

「神崎さんってさぁ、正直頭おかしいよね~」

 

 女子トイレの前を通りかかって、僕は偶然その言葉を聞いた。女子同士の内緒のヒソヒソ話というには、あまりにも大きな声のトーンで放たれたその言葉を。

 

「ほんとにね~。分かる分かる~」

 

 最初の声に同調して、私もそう思っていたという意見が次々飛び出る。声の感じ、トイレに四、五人くらいは居るみたいだ。

 どうしてこういう女子たちは、トイレでたむろする傾向が有るんだろうか。まるでゴキブリか何かみたいじゃないか。どうしてこういう奴らは、間延びしたムカつく声で話すんだろうか。それに、どうしてこういう性格の悪い女どもは、声のでかい奴の意見に、すぐに同調するんだろうか。

 僕も性格が悪い人間だけど、こいつらほどじゃないと思う。

 

「あの喋り方って、何かのキャラなわけ? 最初は少し面白かったけどさぁ、最近はいい加減ウザい感じ」

「空気読めって感じだよね~」

 

 こういう話を耳にするのは初めてじゃなかった。というか、この学校の女子たちは、いつもいつも人の陰口ばかり言っている気がする。今はたまたま神崎さんの話だけど、他の女子の悪口だって言ってるし、先生の悪口も言ってる。

 とにかく共通しているのは、「そこに居ない人間のことを悪く言う」ってことだ。例えば今このトイレの中に、女子A・B・C・Dが居るとしたら、女子Dが居なくなった瞬間、神崎さんの悪口で盛り上がっているこいつらは、すぐに女子Dの悪口で盛り上がるだろう。

 

(ああ、だから皆でトイレに行くのか。自分が居ない場所で、自分の悪口を言われたくないから……)

 

 なんとなく分かった気がする。僕は女子トイレの前に立ったまま、妙に納得してしまった。

 それにしても最近のこいつらは、良く神崎さんのことを話している気がする。神崎さんが教室から居なくなったタイミングとかで、すかさず彼女のことを悪く言う。まるで、「取りあえず神崎さんを悪く言っておけば仲間内で安心」みたいな暗黙の了解ができているみたいだ。

 ちょっと怖いと思うのは、そういう女子のグループの輪が、少しずつ大きくなっている気がすることだ。この前は、クラスのチャラい男子まで加わって、こいつらと一緒に神崎さんの悪口で盛り上がっていた。

 

 神崎蘭子さん。僕と同じクラスの女の子だ。僕が窓際の一番後ろの席で、神崎さんはその前に座っている。彼女は確かに、独特の雰囲気を持った女の子だった。

 真っ白な肌に、赤く輝いて見える瞳。銀色っぽい長い髪はツインテールに結ばれていて、毛先がふわりとカールしている。制服のシャツは第一ボタンまでしっかり留め、スカートも折ったりしてない。でも、腰が高すぎるせいで、すらりとした脚のラインが良く見える。胸も他の女子たちより大きくて、スタイルが良い。そして何より、可愛い。

 こんなミステリアスで可愛い外見の女の子を、僕はテレビの中でも見たことが無かった。アイドルでもやれば、きっと一気にトップアイドルになるに違いない。

 

「昨日もさ~『煩わしい太陽ね!』とかってドヤ顔で言われたんだけど、あたしにどういう反応して欲しかったんだろ」

「あ~、それわたしも言われた~」

 

 でも、神崎さんがこういう悪口の対象になりやすいだろうなというのは、僕だって分かっていた。ただでさえ浮きやすいずば抜けた容姿をしている上に、彼女には……ちょっと独特な喋り方をする癖があるから。多分その「煩わしい太陽ね」は、ただのおはようの挨拶だと思うけれど、何に付けても、彼女はそういう言い回しを使った。

 

「中二病ってやつだよね、あれ。今度誰かツッコんでみてよ。ツッコミ待ちかもよ」

「あ、じゃあ○○にやらせてみない?」

 

 僕はドキッとしてしまった。その○○の中には、僕の苗字が入っていたからだ。

 

「あれも陰キャのオタク君でしょ? 前髪長くてキモいし、いっつも俯いてるし、机で寝たフリしてるじゃん。神崎さんと話が合うかもよ」

 

 迎合するような笑い声が、トイレの中に響いた。

 

「あはは、てゆーかホントにお似合いなんじゃないかな? ね、ね、○○をそそのかしてさ、神崎さんに告白させてみない?」

「あ、それいーかも」

 

 女子たちは嬉しそうだ。でも当然、僕は嬉しくなかった。

 僕がこんな風に言われることは慣れているけれど、神崎さんが僕なんかと同列に扱われて、こいつらのイジリの対象になってるっていうのが、どうしても許せなかった。

 神崎さんはお前らとは違う。可愛いし、確かに可愛いけど、それ以前にとても真面目で、優しい子だ。彼女は僕にさえ、例の「煩わしい太陽ね」を、ドヤ顔混じりの笑顔で言ってくれる、とても純粋な子なんだ。お前らとは違うし、僕なんかとも違う。

 

「――きゃっ!! な、なに!?」

 

 急に響いた物音に驚いて、トイレの中に居た女子たちが、話を中断して飛び出してくる。でも、廊下に人通りは無い。掃除ロッカーを思いきり蹴飛ばした僕は、曲がり角を曲がって階段を走り下りていた。

 

「………………」

 

 そして、女子たちも気付いていなかったけれど、僕も気付いていなかった。

 物陰に隠れるようにして、もう一人、トイレの中のヒソヒソ話を聞いていた女子生徒がいたことに。

 

「………………○○君?」

 

 女子たちもどこかに散った後、物陰から誰も居なくなった廊下に出てきた神崎蘭子さんが、静かに呟いた。

 

 それが、僕と「神崎さん」が友達になる一か月くらい前の話で、僕と「蘭子」が人に言えない関係になる、数か月前の話だった。

 

 

==

 

「我が友! 現世における再会を、共に祝おうではないか! 束の間の安息、存分に味わったか?」

 

 きっと、「おはよう、久しぶりだね、週末はどうだった?」とでも言いたいのだろう。早朝の教室に一人だけいる僕を見つけて、神崎さんは満面の笑みで近寄って来た。

 相変わらず、大袈裟な言い方だと思う。そもそも、金曜の放課後に別れて、土日を挟んだ月曜に再開したのだから、久しぶりって程ではない。でも、神崎さんは僕に会えたことを本当に喜んでいる。それが分かって、僕は嬉しかった。

 

「おはよう、神崎さん」

「……えへへ」

 

 僕が挨拶を返すと、神崎さんは一瞬だけ素の笑いを見せた。でも、すぐにキリっとした表情に戻ると、僕の前の席にカバンをかけながら、仰々しくため息をついた。

 

「燃え滾る灼熱の太陽は絶え間なく我が身を焦がす。我が『瞳』の力を以てしても、現世の理からは逃れられぬのか……」

「そうだね、神崎さん。こんなに暑いと嫌になるよね……。今日は体育も有るしさ……」

「然り……」

 

 僕も神崎さんも半そでのシャツを着ている。衣替えは終わって、季節は夏になっていた。毎日毎日ジリジリとアスファルトを溶かすような太陽が照り付けて、熊本にも地球温暖化とヒートアイランド現象の影響が有るっていうことを、僕らは身をもって体感していた。

 

「『務め』を背負いし者が現れるまで、我らはこの虚無の空間で、二人だけ取り残されたという訳か……」

「務め……? ……ああ、日直? う、うん、そうだね」

 

 彼女とこうやって話すようになって、神崎さん独特の言い回しは、いちいち聞き返さなくても大体理解できるようになった。それでもたまに、彼女の意図がすぐに飲み込めない時が有る。僕の勘違いじゃなければ、今のは、「日直の人が来るまで、二人きりだね」と言ったんだと思うけれど……。それを口にした時の神崎さんは、僕から目を逸らしていた。

 

 そもそも、神崎さんとこうやって話すようになったきっかけって何だったろうか。僕は思い出そうとしたけれど、思いだせなかった。ある日突然、神崎さんのほうから話しかけてくれて、僕は戸惑いながら、彼女に返事をした。

 

「そうだ神崎さん、借りてた本、凄く良かったよ。返そうと思って持ってきたんだ」

「え……? あ……! そ、そうか同胞よ! ……汝の琴線に触れし言の葉は、何れであろうか……?」

「えっと……この章とかかな」

 

 僕は自分のカバンから、神崎さんからに借りた小説を取り出した。神崎さんはパッと表情を明るくしてから、急におずおずと上目遣いになって、どこが良かったかと感想を聞いてくる。僕はゴシック調のブックカバーがかけられた文庫本を開いて、特に心に残ったと思う個所を指で示した。

 

「……! わ、我も汝と同様だ。……や、やはり我々の魂は、瞬く星辰が共鳴する如くに……」

「え?」

「――! う、ううん、何でもない、よ」

 

 僕のほうにぐいぐいと前のめりになっていた神崎さんは、急にパッと姿勢を正した。

 喋りかた通りと言うか何というか、神崎さんはゴシックな感じの小説や音楽、壮大な世界観のファンタジーなんかが大好きだった。この本のブックカバーとか、カバンに着けている小物なんかからも、彼女の趣味が伝わってくる。僕は制服姿の神崎さんしか見たことがないけれど、家ではゴスロリ的な格好もしているそうだ。

 

「我が友よ!」

 

 いつのころからか、神崎さんは僕のことをそう呼ぶようになった。神崎さんがこの学校で、他の人のことをそう呼ぶのは聞いたことが無い。

 多分、言葉通りに受け取っていいのだろう。僕は神崎さんの友達になった。

 早朝の教室で、僕らはこうやって、貸し借りした本や、おすすめの音楽の話とかをするようになった。もともと僕は家が近かったから、学校にはほぼ一番乗りだったけれど、最近は、神崎さんも朝早くに登校するようになっていた。

 こんな可愛い子が僕のことを友達だと思ってくれるなんて、人生には良いこともあるものだ。昨日見つけた好みのアーティストについて語る神崎さんの顔を眺めながら。僕がぼんやりとそんなことを思っていると、教室の扉がガラリと開いて、今日の日直が入って来た。

 

「オハヨー」

「――!!」

 

 神崎さんは、扉が少しスライドした瞬間、僕のほうに身体を向けるのをやめて、素早く前の黒板のほうに向きなおっていた。

 

「あれぇ……○○と神崎さんだけ……?」

 

 今日の日直の女子生徒は、クラスの女子の中心みたいな奴だった。そいつは意味ありげに「ふぅん」と言うと、自分の机にカバンを置き、気だるげに日直の仕事をし始めた。

 

「…………」

「…………」

 

 神崎さんも、僕も無言だ。

 誰か他の生徒がいる前で、神崎さんが僕に話しかけてくることは無い。それはそうだろう。例え少しくらい趣味が合うと言ったって、僕みたいな根暗と友達だとは、神崎さんも思われたくないに決まっている。僕はそのことを気にしていなかった。それが神崎さんのためでもあるし。

 

「…………っ」

 

 僕は机に突っ伏したが、チラチラと、前の席から視線を感じる気がする。でもやがて、他の生徒が続々と教室に入ってきて、その視線も感じなくなった。

 

 

 

「神崎さんってさぁ、○○と友達なん?」

「○○ってさ、オタクだよね~。あいつの友達もオタクっぽい奴ばっかだし。神崎さんもそう思うでしょ?」

「え……? あ、あはは……」

「なになに~、いつもの感じで笑わないの? 神崎さん緊張してる?」

 

 昼休みのふとした時間、珍しく神崎さんが女子たちの輪の中に居ると思ったら、そんな会話が聞こえてきた。

 ○○というのは僕で、僕はここにいる。別に教室の外に出てる訳じゃない。それなのにこんな聞こえよがしに言っているのは、奴らが馬鹿だから……ではなく、僕に聞かせたいのだろう。クラスの陰キャをイジるのは、こういう奴らのレクリエーションみたいなものだから。

 僕は、僕の男友達と会話していて、その話が聞こえないふりをしていた。

 

「○○ってさぁ、オレらとは全然喋んないけど、神崎さんとはどういう話してんの?」

「えっ……」

「ていうか、神崎さんの趣味って何?」

「えと、その……」

 

 チャラ系の男子が二人、女子たちの会話に加わった。ただでさえ困惑していた神崎さんは、ますますうろたえている。

 他の女子たちがムッとした顔をしたのは、その男子たちが日ごろから明らかに神崎さんを狙っているからだ。神崎さんの顔がどうとか、胸の大きさがどうとか、体育の時とかにいつも話している。でもこんな男子たちも、運動部の中心メンバーで女子たちには人気が有った。

 女子の声のトーンが、少し険悪なものに変わった。

 

「あいつと友達とか、神崎さんもやっぱりオタク?」

「いっつも変な喋り方してるもんね~」

「あ……う……」

 

 止めに入るべきなんだろうか。止めに入りたい。――でもきっと、ここで僕がしゃしゃり出たら、あいつらにとっては格好のエサだ。ますますイジりはエスカレートするだろう。僕が迷っていると、神崎さんが言った。

 

「ち……違う……よ」

 

 思わず僕は振り返っていた。平静を装っていたつもりだけど、正直、動揺したんだと思う。

 すぐに顔をもとの方向に戻したから、あいつらにも、神崎さんにも気付かれなかったはずだ。でも僕は、なんだか冷水を浴びせかけられたような気がしていた。

 

(やっぱり、僕が神崎さんの友達とか、自惚れも良いとこだよな……)

 

 そこから先は、友達との会話の内容も、あいつらと神崎さんとの会話の内容も、それどころか、午後の授業の内容も、よく覚えていない。

 

==

 

「話って、なに……? ……神崎さん」

 

 数日後の放課後、僕は神崎さんに屋上に呼び出されていた。

 この時間帯、屋上に人の気配は無い。蝉の声に混じって、グラウンドから部活中の生徒の掛け声と、音楽室から吹奏楽部が練習する音が聞こえる。太陽は傾き始めていて、僕ら二人は給水塔の陰にいるけれど、温まったコンクリートが、かなりの熱を反射していた。

 

「あ、あの……その……」

 

 神崎さんは少しうつむいて、両手の指をもじもじと絡ませている。ほっそりとした指は爪の先まで綺麗で、まるで大理石像みたいに白くて滑らかだった。汗ばんでさえいなければ、本当に人形のように見えたかもしれない。

 やがて神崎さんは、決意したように呟いた。

 

「どうして最近……お話、してくれないのかな……って……」

 

 いつもの神崎さんの喋り方じゃなかった。神崎さんが気にしていることは、僕にも分かった。最近、僕が神崎さんを避けていたのは事実だ。でもそれは決して、前に神崎さんが僕のことを友達じゃないと言ったから、それに腹を立てていたのではないと思う。ただ単に、僕が彼女の友達に相応しくないってことが、僕自身、腑に落ちたからだ。

 僕と一緒に居るところを見られれば、彼女をイジりたいと思っている奴らに、絶好の材料を与えてしまう。だから、僕は神崎さんと話さないほうが良い。そう思ったからだ。

 

「いや……別に……」

 

 でも、僕はそういう感情を、彼女にどんな風に説明すれば良いか分からず、神崎さんから目を逸らしながら、ひどく素っ気ない答えを返してしまった。

 

「あ……う……」

 

 神崎さんは、ますます深くうつむいてしまった。

 無言の時間が流れる。

 いたたまれなくなって、僕はその場から立ち去ろうとした。

 

「……それじゃ、僕はこれで……」

「待って!」

「――え」

 

 僕は目を白黒させていた。

 神崎さんが大声を出したからじゃない。神崎さんが、その白い手で僕の手を掴んで、僕を無理やり引き留めたからだ。

 

「わ、わたし……あなたのお友達で、居たいの……!」

「神崎さん……」

「ごめんなさい……! 友達じゃないなんて言ってごめんなさい……!」

「…………」

「あの日から、お喋りしてくれなくなったから、きっと聞こえてたんだろうなって、ずっと気になって……! ごめんなさい……!」

 

 神崎さんは、ほとんど涙声で訴えている。

 僕は自分が恥ずかしくなった。

 何を言おうと、僕は結局、斜に構えてカッコつけてただけで、神崎さんの気持ちとかを、ちゃんと考えていなかったんだ。

 

「ごめんなさい……! ごめんなさい……! 謝るから、もう一回わたしとお友達になってください……!」

 

 こんなに必死になって、僕に友達で居て欲しいと願っている彼女のことを、何も。

 

「か、神崎さん……ぼ、僕も――」

「もし……」

「え……?」

 

 僕も君に謝りたいと言おうとした僕の言葉は、神崎さんに遮られた。

 

「も、もしも、もしもあなたが、わたしの友達で居てくれるなら……」

 

 神崎さんの手は、僕の右手を痛いくらいに握りしめている。彼女の手は、夏の暑さでは説明できないくらいにじっとりと汗ばんでいて、小刻みに震えていた。

 

「あなたと、お喋りできるなら……」

 

 そして彼女は、どうしてか真っ赤になった顔を僕に向けて、ゴクリと息をのんだ。

 僕もそれに合わせて、口の中に溜まった唾を飲み込む。

 神崎さんの両手が、僕の右手を、彼女の身体のほうへと引き寄せていった。

 神崎さんの、白いワイシャツ越しに見える、柔らかそうな膨らみのほうへと。

 

「か、神崎さん……?」

 

 僕の右手のひらに、凄く柔らかいものが当たった。

 

(な、なんだこれ、柔らかいぞ。お、おっぱい? 神崎さんの? 神崎さんの胸……え? ま、マズいんじゃないか? 痴漢とかで訴えられたり――……え?)

 

 僕は大混乱だった。神崎さんは、どうして僕の手を自分の胸に押し当てているのだろうか。

 神崎さんは恥ずかしさに耐えるように、目を固く閉じて唇を引き結び、小動物みたいにプルプルと震えていた。

 神崎さんの呼吸は乱れている。でも、僕の呼吸はもっと荒い。

 初めて触れる、女の人の胸の感触。――いや、きっと赤ん坊の時にお母さんの胸を触ったりしただろうから、初めてじゃないんだろうか。――違う、そんなことは重要じゃない。

 

(この状況はマズいだろ……! 誰かに見られたりしたら……それより、神崎さんに悲鳴でも上げられたら)

 

 神崎さん自身が僕の手をそこに導いたのに、僕の脳裏には、大声で「痴漢!」と叫んでいる神崎さんのビジョンが映っている。そこから逮捕投獄までの映像が、次々に思い浮かんだ。

 手を離さないといけない。でも、手が動かない。この柔らかで温かいものに、いつまでも触れていたい。

 

「……んっ」

 

 引き結ばれた神崎さんの口から、ほんの少しだけ声が漏れた。いつもの神崎さんの声よりも、少しだけトーンの高い響きに、僕の頭は痺れた。心臓がうるさい位に鳴っている。部活の音も蝉の声も聞こえなくなった。

 

「ど…………どう、ですか?」

 

 そうして一時間くらい経過して、神崎さんが口を開いた。体感時間がおかしくなっていたから、実際には数分くらいだったのかもしれないけれど。

 僕は神崎さんに聞き返した。喉がすごく乾いていた。

 

「…………え?」

「これで……わたしのお友達を、続けてくれませんか……?」

「な……」

 

 その言葉で、僕にもようやく神崎さんの行動の意図が読み取れた。

 自分のおっぱいを触らせてあげるから、僕に友達で居て欲しい。神崎さんはそう言っている。

 

「そんなことしなくたって、僕は神崎さんの友達だよ!」

 

 僕は神崎さんの胸から手を離し、大声でそう叫んだ。

 ――そうしたつもりのはずなのに、そうするべきだったはずなのに、僕は神崎さんの胸に手を触れたまま、もう一度、彼女に聞き返した。

 

「そ、それって……どういうこと?」

「男の子が、女の子と友達でいるためには……こういうことを、しないとダメだって」

 

 誰の入れ知恵なのか。それとも、ネットとかから得た知識なのか。神崎さんには、こういう思い込みを正してくれたり、事前に諫めてくれる友達は居ない。――そう、だからこそ、僕に友達で居て欲しいといっているのだ。

 神崎さんにこんな行動をさせてしまうほど、知らず知らず彼女を追い詰めていた。ちょっとした行き違いから、彼女から距離を置こうとしていた自分が恥ずかしい。だから僕は、はっきりと彼女に言わなきゃならない。「こんなことをしなくても、僕らは友達だ」って。

 でも……でも、僕は……

 

「んぅっ――」

 

 情けないことに、誘惑に抗えなかった。

 

「っ……」

 

 触れていただけの手のひらに力を籠めると、神崎さんが細い眉を潜め、ほんの少し身じろぎする。

 同級生の胸に、それもこんな美少女の胸に、僕の手が触れている。妄想したことはあっても。現実としてそんな場面に遭遇する日が来るとは、さっきまで思っていなかった。

 神崎さんの胸は、やっぱり大きい。同級生にも、先輩にも、下手したら先生にも、こんな胸の大きな人は、あまりいない。神崎さんは胸以外が細すぎるから、余計にそう感じるのだろうか。

 

「ぁ……っ」

 

 僕にはもう、神崎さんのおっぱいしか見えていなかった。暑さとかも忘れて、血走った目でその膨らみを凝視していた。

 神崎さんは僕の手を掴むのをやめていたが、僕から逃げようともしなかった。たまに鼻にかかった声を漏らしながら、少し顔を背けてこの状況に耐えている。

 

(神崎さんの胸……! 神崎さんの胸……! 神崎さんのおっぱい……!)

 

 鼻血が出そうなくらい、頭に血が上っていた。この感触を一生忘れないように、右手の指先に全神経を集中させていた。

 神崎さんの呼吸に合わせて、胸が上下するのが分かる。神崎さんの胸の奥で、心臓が脈打っているのさえ分かる気がする。

 

(い、いいよな? 右手だけじゃなくって、左手でも――!)

 

 僕には腕が二本あって、神崎さんのおっぱいは二つある。だとしたら、両方の感触を味わってみたいというのが男のサガだ。神崎さんが大人しく耐えていたので、僕は調子に乗った。

 

「――!! んぅ……!」

 

 僕の左手も自分の胸に添えられたのに、神崎さんは驚いて目を見開いた。でも、やっぱり彼女は逃げようとしなかった。それをいいことに、僕は彼女への無法を続けた。

 

「ぁ……! ~~~~っ!」

 

 それでも、僕の揉み方には、まだ神崎さんへの遠慮が残っていた。女の子の胸を揉むのは初めてだったから、どれくらいで痛みを感じるのかとかが分からなかったというのも有る。決して深く指を沈みこませることはせず、さわさわ、さわさわと、表面の感触を確かめるようなソフトタッチを続けた。

 

「はぁ……はぁ……はぁ……んっ ――あっ」

「――!!」

 

 どれくらい経っただろうか。息を荒くした神崎さんが、足元をふらつかせて、少しだけバランスを崩した。

 

「か、神崎さん? 大丈夫?」

 

 一体僕はどんな資格が有って、彼女を心配する言葉を口にできるのだろう。でも、そこでようやく、僕は正気を取り戻した。慌てて神崎さんの胸から手を離し、代わりに彼女の肩を支えた。

 

「だ、だいじょぶ……」

「本当に? 顔が赤いよ? 汗も――……もしかしたら熱中症かも」

「だいじょぶ、だから。…………あ、あの」

「え? な、何?」

「これで…………わたしの友達で、居てくれる?」

「――!! ……う、うん…………」

 

 僕が頷くと、消耗しきった神崎さんは、にっこりと笑った。

 それから神崎さんは、保健室まで付き添おうかと言った僕を屋上に留めて、一人で校舎に戻っていった。彼女は少し内またで、やっぱり足元がふらついていた。

 よろよろと遠ざかっていく神崎さんの背中を眺めながら、僕は彼女の体調を本気で心配していた。――でも同時に、汗だくになった神崎さんの背中に、ブラジャーの黒いヒモが透けて見えるのにも、目を奪われていた。

 

 僕は本当に、最低な奴だ。

 

 その夜、自分の部屋で神崎さんの胸の感触を思い出しながら、僕は4回オナニーした。

 

 

==

 

「煩わしい太陽ね!」

「おはよう、神崎さん」

「ふっふっふ……我が友よ、偽りの楽園を逃れた我らが、こうして穢れた欲望の集う都で邂逅するは、何の運命か……」

 

 日曜日、駅近くの道路で、私服の神崎さんがドヤ顔でポーズを決めている。神崎さんと学校の外で会うのは、これが初めてだった。今日は、神崎さんの好きなアニメのグッズを買うため、駅近くにあるアニメ専門店に行こうと、こうして待ち合わせをした。

 

「世界の真実を覗く“瞳”を持つ者にはなかなか会えぬ……。我には所詮、人と同じ時空を生きることは許されておらぬのだ……。友よ……許せ……」

 

 こうして友達と出かけるのは初めてだから、ちょっとはしゃいでしまった。鬱陶しく思ったなら許して欲しい。ポーズを解くと、神崎さんは途端にモジモジとしおらしくなって、上目遣いで僕を見た。

 

「大丈夫、それくらいで神崎さんを嫌いにならないよ。じゃあ行こうか。早く冷房が効いたところに移動したいでしょ?」

 

 僕がそう言うと、神崎さんはパっと明るい笑顔になって、僕の横に並んで歩きだした。言葉は悪いけれど、神崎さんの動きは、まるで懐いた犬のようだった。

 

「我が友――!」

 

 それを枕詞にして、道すがら彼女は僕に何度も話しかけてきた。趣味について話せる相手とこうして出かける事が、彼女は本当に楽しいみたいだ。

 神崎さんの私服は、やっぱりと言うかゴスロリ風味だ。黒と白基調で、ところどころにレースがあしらわれている。滑らかな光沢のある黒い靴は多分革製で、ヒールがゴツゴツとした感じだ。袖は無く、肩口が見えているけれど、黒いタイツを履いているから他の人より暑そうである。

 そんな神崎さんと一緒に、僕は目的地のアニメ専門店が入っている雑居ビルに到着した。

 

「ここには陽の光すら届かぬ……呪われし者たちの巣窟。我が友よ、決して離れるな」

 

 そう言うと、神崎さんは僕に少しだけ身体を寄せてきた。店内は少し薄暗く、所狭しと並んだ棚は圧迫感が有って、その上ちょっとだけ汗臭い。

 神崎さんが今ハマっているアニメは、僕も視聴している。現代の地上を舞台に、人間に身をやつした天使や堕天使や悪魔が戦う、いかにも神崎さん好みのアニメだ。公式グッズにも、神崎さんが好きそうな宗教関係モチーフのデザインが多い。

 さすがに店内では神崎さんはあまり喋らず、目だけをらんらんと輝かせて、お小遣いで買える範囲のグッズを慎重に物色していた。

 僕はと言えば、それらのグッズにはほとんど目を向けず、しゃがみこんで商品を手に取って選ぶ神崎さんの後ろに立って、彼女のうなじを見下ろしていた。神崎さんの首筋は白く滑らかで、僕が吸血鬼なら迷わずかぶりついている。それを見ていると、どんどんと悶々とした気持ちが湧き起こってくる。

 

「むぅ……何れの神器を手にするべきか……大いなる選択を突き付けられたわ……。友よ、我が友――……あっ」

 

 二つのグッズを両手に持った神崎さんが、僕を振り返る。二人の目が合った。――かと思うと、神崎さんは顔を赤らめて、棚のほうに目を戻した。

 隠していたつもりだが、神崎さんは僕の視線に、何かの感情を読み取ったのだろう。彼女は再び無言で商品を選び始めたが、白かったうなじはほんのりと朱に染まり、一筋の汗が流れていた。

 

 その店でグッズを買うと、神崎さんはおずおずと、もう一つ行きたいお店があると言った。同じ雑居ビルの上階に入っている、服飾専門店だ。

 

「神崎さんは、そのお店でそういう服を買ってるの? それとも、もしかして手作り?」

「必ずしもそうとは限らぬ……。しかし、仮想電脳世界を媒介とした装束の誂えには、いかに我とは言え限界がある……」

 

 ネット販売だけでは、何かと不自由なことも有るそうだ。直接商品を見て選べるなら、それに越したことは無いということだろう。

 狭い階段を上がる時、上から別のお客さんが降りてきた。大学生くらいに見える太った男の人だ。荷物も多く、その上神崎さんはヒールだったので、僕らは階段の途中で足を止めて、その人とすれ違った。

 

「…………」

 

 神崎さんは、その人と目を合わせようとしない。むしろ怯えるようにして、僕のほうに身体を寄せている。ほとんど密着しかかっている僕らを、その男性客はじっと見てから、そのまま下に降りていった。

 二人きりになると、神崎さんは安心したように息を吐いたが、僕の心には、優越感のようなものが生まれていた。

 

「凄いな……カツラとか、生地とかも有るんだね……」

 

 コスプレ衣装やゴスロリも扱う服飾専門店は、アニメの専門店とはまた違った雰囲気の異空間だった。黒い生地とか、レースとかだけで何十種類も並んでいる。その時間、お客は僕ら以外に居なかった。

 神崎さんは、やっぱりここでも目をキラキラ輝かせていた。彼女は既製品の衣装を手に取ってみて、身体にあてて僕に見せてくる。どれが似合うかと聞かれたが、正直、神崎さんが着るなら、どんな服でも可愛く見えてしまうと思った。

 

「良かったら試着されますか?」

 

 ものっ凄いけばけばしい衣装を着た店員さんが寄ってきて、そう言った。神崎さんのお小遣いでは買えそうになかったが、彼女があまりにもその衣装を気に入った様子だったので、着てみたらと僕は言った。

 

「サイズ等で御用が有りましたらお呼びください」

 

 店員さんはそう言って離れていき、神崎さんは衣装を持って試着室に入った。カーテンだけで仕切られた試着室から、衣擦れの音が響く。

 そしてしばらく経って、着替え終わった神崎さんがカーテンを開けた。

 

「…………い、いささか蠱惑的に過ぎる装束やも知れぬ」

 

 神崎さんが恥ずかしがっている理由は分かる。その衣装は、肩と胸が大胆に開いた、かなり大人向けのデザインだった。神崎さんの胸の谷間が、露わになっている。僕はそれに目を奪われていた。

 

「わ、我が友……」

「……え?」

「触れて……みるか?」

 

 蚊の鳴くような音量の声は、可哀そうなくらい上ずっていた。

 

 そう、あれ以来――神崎さんが初めて僕に自分の胸を触らせたあの日以来、この歪な友達関係は継続していた。

 神崎さんは、自分の胸などを触らせることを、僕に友達で居てもらうための当然の対価だと思い込んだままなのだ。そして最低な僕は、そんな彼女の勘違いを訂正もせず、甘んじてその権利を享受していた。

 僕はゴクリと唾を飲み込み、北半球がほぼ露出した神崎さんの胸に手を伸ばす。

 

「……んっ」

 

 こうして揉むのは数回目だが、何度揉んでも柔らかい。ただ、制服じゃない神崎さんは初めてだ。生地のざらついた感触が、学校指定のワイシャツの上から揉んだ時とは、違った印象を与える。

 

「あっ……ん……」

 

 神崎さんは無抵抗だ。それに、初めて触れた時より、僕の手の動きは大胆になっていた。肌には直接触れていないが、谷間が見えているせいで、僕の動きに合わせて神崎さんのおっぱいが変形する様子が良く分かる。

 屋上で、校舎裏の雑木林で、誰も居ない保健室で、こうして彼女の胸を揉んできたけれど、そのたびに、いつまでも揉んでいたいと思わせる。

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 胸を揉むと、神崎さんの息はすぐ上がる。もともとインドア派で体力が無いせいだろうか。それとも、それくらい興奮しているせいだろうか。ここが店員さんが居るお店の中というのも関係しているのかもしれない。

 

「着替えられましたかー?」

 

 と、そこで、その店員さんの声が聞こえた。

 店員さんが来た時には、試着室のカーテンは閉じていて、その前には誰も居ない。

 

「……?」

 

 店員さんが首を傾げた気配が伝わってくる。女の子のほうについては、まだ着替え終わっていないのかと納得がいったはずだ。だけど、連れの男の子はどうしたのだろうと、店員さんは思ったに違いない。――だが少なくとも、その男の子が女の子と一緒に、試着室の中で息を潜めて隠れているとは思っていないはずだ。

 店員さんの気配が、試着室の前から遠ざかっていく。神崎さんは、自分の口を押さえていた手を離した。

 

「わが、とも……」

 

 狭い試着室の中で、僕らは密着していた。神崎さんの身体から、とんでもなく良い匂いが漂ってくる。さっきからの興奮も手伝って、僕は衝動を抑えられなかった。

 

「あっ……んっ……!」

「声を出しちゃダメだよ、神崎さん」

「んぅっ――」

 

 僕は最低な上に卑怯者だった。僕が指摘すると、神崎さんは再び両手で口を押さえた。僕は鼻息を荒くして、そんな彼女の胸を揉むのを再開する。

 

「ん――! ふ……!」

 

 神崎さんの鼻から息が漏れる。

 柔らかい。柔らかい。柔らかい。柔らかい。どうしてこんなに柔らかいんだろう。ふかふかの蒸しパンみたいな感触で、指を跳ね返してくる弾力がある。

 神崎さんはやっぱり抵抗しない。だから僕の動きは、さらに大胆になってしまう。そもそもこんな行為は許されないと分かっている。でも、これはもともと彼女のほうから提案してきたことだ。だから問題ない。

 罪悪感を言い訳で打ち消しながらも、僕はそのたわわな果実に夢中になっていた。

 それに、神崎さんのこの様子なら――

 

(もっと押したら……いけるんじゃないのか?)

 

 神崎さんの肌に直接触れたいという欲望を、僕はこの機会に解き放った。

 

「いいよね、神崎さん。神崎さんが誘ったんだから……!」

「――っ!!」

 

 僕の意図が伝わって、神崎さんは目を見張った。でもやっぱり、彼女は僕を押しのけようとせず、耐えるように目をつぶっただけだ。

 

(くそっ……! 君がそんなだから、僕は――!)

 

 神崎さんに対する理不尽な怒りすら感じながら、僕はついに、開けた上着の隙間から手を差し入れ、神崎さんの肌を、直接手で触った。

 

「――――!!」

 

 暖かい。柔らかい。信じられないくらいきめ細やかで、肌が手のひらに吸い付いてくる。凄い。僕の貧弱な語彙力では、とてもこれを表現できない。ただ凄いとしか言いようがない。しかも、僕が驚いたことがもう一つある。

 

(これ……もしかして)

 

 上着の下に、そこになければならないはずの、下着の感触がしない。つまり神崎さんは、ブラジャーを付けていないということだ。

 

「神崎さん……もしかして、ノーブラなの?」

 

 完璧に変態じみたことを聞いてしまった。普通の状況なら、セクハラで一発退場だ。でも、神崎さんは顔を真っ赤にして、コクリと頷いた。

 

「どうして……? 今日はずっとそうだったの……?」

「ち、違うの……」

「違わないよ……! 実際に付けてないじゃないか……!」

「っ~~!」

 

 僕は神崎さんの背中を、試着室の鏡に押し付けるようにしていた。そうやって、彼女の正面から胸を触っている。少し無理のある体勢だったが、そんなことを気にする余裕すらなかった。

 僕の気迫に押されたのか、神崎さんは、恐る恐るといった感じで答えた。

 

「この服に……着替えようとしたら、思ったより、胸のところが開いてて…………それで……」

「……つまり、ここで脱いだんだ」

「……うん」

 

 神崎さんがちらりと目線をやった先、確かに彼女のものと思しき黒いブラジャーがあった。――色も、デザインも、彼女の年で着けるには大人っぽい。それが彼女の中二病的な趣味から来たものだとは分かっていても、それを目にした僕の頭に、さらに血が上った。

 

「神崎さん……! 神崎さん……!」

 

 囁くように彼女の名前を連呼しながら、いつもより乱暴に彼女の胸をまさぐる。すると、僕の指に、何か硬い突起のようなものが触れた。

 

「ひぅっ――!♡」

 

 その瞬間、神崎さんの身体は強く跳ね上がった。肌の他の部分とは違う感触をした、その突起が何なのか、僕には分かっていた。

 

「これ……乳首?」

「あ……うう……」

「これって、神崎さんの乳首だよね?」

「んぅっ……♡ だ、ダメ……触ったら……」

「どうして? なんで触ったらダメなの?」

「~~~~っっ♡ さ、触られると、くすぐったい、からぁ……! 身体、ビクってしちゃうからぁ……!」

 

 そう言われて触るのを止める男が居るんだろうか。僕は神崎さんのおっぱいを生で触りながら、そのコリコリとした突起を重点的に指で弄んだ。

 

「見せてよ、神崎さん」

「え――」

 

 僕が押せば、この子はどこまでも許してしまう。それが分かってきた僕は、さらに彼女にむごい要求を突きつける。

 

「神崎さんのおっぱいを、僕に直接見せてみて」

 

 そうしなければ、ここで君との友達ごっこはおしまいだ。そういう含みを言外に込めて。友達関係を人質にすれば、神崎さんが断れないのを知っていて。

 神崎さんをイジって遊んでいた女子たちより、神崎さんをいやらしい目で見ていたチャラい男子たちより、僕は何倍も何倍も救いようのない、最低な奴だ。

 

 でも、最低な奴になることで、神崎さんが僕のものになるのなら。

 それなら最低で構わない。この時の僕は、そんな風に開き直っていた。

 

 僕は神崎さんのおっぱいから手を離し、彼女を睨みつけるように見た。僕に壁際に追い詰められた彼女は、流石に決心が付きかねる様子で、しばらく荒い呼吸に胸を上下させていた。

 

「ん……っ。……はい。……わかり、ました」

 

 しかし思った通り、神崎さんはもう僕に逆らえない。彼女は息をのむと、上着の胸の部分を上からペロンとめくるように、僕に生のおっぱいをさらけ出した。

 象牙のように真っ白な、でも確実に血の通った柔らかそうな膨らみが、僕の目に飛び込んできた。

 

「これが……神崎さんの……」

「うう……」

「触るよ」

「は、はい…………んぅっ……♡」

 

 僕は今、同級生の女の子に、学校で――それどころか県で一番可愛い女子に、お店の試着室でおっぱいを露出させて、しかもそのおっぱいを揉みしだいている。

 これはもしかしたら、僕の妄想が生み出した夢か幻覚なのだろうか。でも夢にしては、この感触はあまりにもリアルだ。目に映る白い膨らみと、その先端にある尖った蕾、神崎さんの肌の感触、暖かさ、神崎さんの身体から立ち上る良い匂い、神崎さんが漏らす声、全部――全部が本物だ。視覚、触覚、嗅覚、聴覚を研ぎ澄まして、僕は神崎さんを感じていた。五感であと足りないものは、味覚くらいのものだった。

 そしてそのことに気付くと、どうしてもこの美味しそうな果実を、自分の舌で味わってみたいという欲望が抑えきれなくなった。

 

「舐めるからね」

 

 もう彼女の許可を取るという体裁すら取り繕わなくなって、僕は少し身をかがめると、彼女の胸の先端に舌を伸ばした。

 

「ひっ――――ぁっ♡」

 

 舌先でツンと触れただけで、神崎さんは電気ショックでも流されたように、ビクリと震えた。

 

(汗っぽい……。少し塩辛い……? でも、甘い……。これが神崎さんの味……)

 

 聞かれたら確実にドン引きされる心の声。乳首の先端から控えめな乳輪、乳房全体に舌を這わせて、再び乳首へと戻る。僕は赤ん坊のようにちゅうちゅうと、同級生の女の子の乳首を吸ってみた。

 

「あ……♡ あ……♡ ダメぇ……♡」

 

 神崎さんはそう言うが、今さらそんなことは聞けない。こうなったら、最後まで行ってやる。既にズボンの下で、僕のペニスははち切れそうだ。僕は神崎さんのスカートの下をまさぐろうと、手を伸ばした。

 でも、その時――

 

「いらっしゃいませー」

 

 店員さんの声がして、数人のお客が続けて入ってくる気配がした。そしてその声が、僕を現実へと引き戻した。

 そうだ、ここはお店の試着室だ。いくら何でも、ここで「そういうこと」をしたらバレてしまう。見つかる前に、僕はいそいそと試着室を出た。

 

「元の服に着替えて、神崎さん。……移動するよ」

 

 でも、彼女を逃す気は毛頭ない。僕は、カーテンの向こうで床にへたり込んで息を整えようとしている神崎さんに向けて、高圧的なトーンで声をかけた。

 

==

 

 セックスする。

 僕は今日、絶対に、何が有っても神崎さんとセックスする。

 

 商店街を抜け、神崎さんの手首を引っ張って歩く僕の頭の中には、その決意がぐるぐると渦巻いていた。

 問題は場所だ。僕の家は少し遠い。ラブホテルは、流石に僕たちの年のカップルは入れてくれないと思う。もうこうなったら、外で――そう考えてしまうくらい、僕は性欲に支配されていた。

 

「神崎さんの家はどこ?」

 

 でも、それを確認するくらいの理性が、僕にも残されていた。確か、彼女の家はここから近かったはずだ。

 

「こ、ここから歩いて――」

 

 十分くらいの距離にある一戸建て。場所を聞いた瞬間、僕はそっちの方向に足を向けていた。

 

「家の人は?」

「きょ、今日は、パパもママも、遅くまでお出かけしてるの……」

 

 嘘でも誰か居ると言えばいいのに、神崎さんは素直に答えた。これはもう、同意が有ったとみなして問題ない。神崎さんも僕とセックスしたいに決まってる。逃げもせずに付いてきているのが良い証拠じゃないか。

 セックスしたい。早くセックスしたい。十分程度の道のりは、僕には無限に続く回廊のようにすら思われた。

 神崎さんは、上流階級とまではいかなくとも、十分な経済的余裕を感じさせる家に住んでいた。僕はその家に初めて訪れたにも関わらず、神崎さんに鍵を開けさせ、玄関の扉を神崎さんよりも先に開いた。そして乱雑に靴を脱ぎ捨てると、お邪魔しますとも何も言わず、二階の神崎さんの部屋まで、彼女の手を引いていった。

 

「神崎さん――!」

 

 部屋に入った瞬間、僕は目に映ったベッドに、神崎さんを押し倒していた。

 彼女のゴス趣味が反映された、神崎さんの部屋。神崎さんの匂いで充満した空間。その匂いが、僕に残された最後の理性を奪ってしまった。

 僕は性急に、神崎さんの身体をまさぐる。手でおっぱいを揉んで、首筋に鼻を押し当て匂いを嗅いだ。

 

「○○君……!」

 

 神崎さんは僕のことを、「我が友」ではなく、名前で呼んだ。僕も彼女の名を呼び返す。

 

「か、神崎さん……!! 神崎さん……!!」

 

 僕のものだ。この子は、神崎蘭子は僕のものだ。今日でこの子を僕のものにする。あまりに急ぎすぎて、名前すら喉に詰まってうまく発声できない。手の動きも、相手への思いやりはもちろん、テクニックもクソも無い不器用で身勝手なものだった。ただ鼻息だけは荒く、神崎さんに自分の身体をぶつけるような動きを繰り返した。

 そして、神崎さんも僕と同じようなものだった。蘭子の手は、僕のお腹や腰回り、そしてズボンの股間部分あたりを、恐る恐るという思いが混じった手つきでまさぐっている。

 童貞と処女による、愛撫とも前戯とも呼べないような身体の擦り付け合い。犬や猫が、マーキングのために身体を柱とかに擦りつける動きに似ている。

 

(マンコ……! 神崎さんのマンコに入れたい……!)

 

 まさに「発情した」という言葉がお似合いの、猿並みの思考だ。でも、本当にそれだけしか考えられなかった。避妊とかも考えていなかった。コンドームすら用意していない。

 

「はぁ……っ! はぁ……っ! 神崎さん、脱いで……! 服……! 早く!」

 

 僕はがばりとシャツを脱ぎ、その辺にかなぐり捨てた。手間取りながらベルトを抜き取り、下着ごとズボンを下ろす。勃起したペニスが飛び出て、僕のお腹に勢いよく当たった。

 

「ぁ……ぁ……それ…………おち……」

 

 神崎さんは両手で顔を覆っているけれど、指の隙間から確かに見ている。これが何をするためのモノなのかも、しっかりと分かっている。

 

「脱いで、神崎さん……! 脱げ!」

 

 僕のその言葉は、ほとんど命令だった。観念した神崎さんは、ベッドの上で上体を起こすと服を脱ぎ始める。ゆっくりした動きだったけど、その緩慢さは、逆に僕の性欲を煽った。僕は手を出さず、鼻がくっつきそうな距離から、神崎さんが服を脱ぐのを見ていた。

 

(神崎さんのおっぱい……! 神崎さんのおへそ……! 神崎さんの……!)

 

 神崎さんは、文字通り丸裸だ。ただ、彼女は自分の腕で、肝心の部分を覆い隠している。僕は彼女の手を掴むと、強引に全てをさらけ出させた。

 

「ハァ……ハァ……ハァ……す、すごい……」

 

 脳が沸騰しそうだった。神崎さんが、同級生の美少女が、僕の前で全裸になっている。僕も彼女の前で全裸になっている。学校の男子どもは、神崎さんのおっぱいの形とかを、制服越しに妄想するしかできないのに、僕だけが、彼女の全部を、直接この目に焼き付けている。

 

「は、生えてないんだね……」

 

 彼女の裸体を見て出た最初の一言も、まさに最低だった。僕らの年齢なら生えていて当然の恥毛が、彼女の秘所には一本も生えていない。そういえば、彼女は腋毛も生えていないし、産毛も極端に少ない気がする。肌や髪の色が薄かったりするのと、何か関係が有るんだろうか。

 

「み、みないで……」

 

 神崎さんは蚊の鳴くような声で抗議したが、僕は聞こえないふりをした。もう一度、隅から隅まで穴が開くほど眺めてから、僕は最後に、神崎さんのマンコに視線を置いた。

 

「セックス……セックスするよ、神崎さん」

「…………っ」

 

 神崎さんは何も答えない。目をつぶったまま、真っ赤にした顔を背けるだけだ。僕はそれを、無言の同意だと都合よく解釈した。

 神崎さんを神崎さんのベッドに仰向けに横たえると、僕は自分のペニスの竿を握り、「入り口」に合うように角度を変えた。

 

「あ、あれ?」

 

 でもそれが、気ばかり焦ってなかなかうまくいかない。そもそも、女子のマンコを生で見るのも初体験だ。本当にここで良いのかという不安もあった。

 そんな風に僕が手間取っていると、神崎さんは、わずかに足を広げて、自分の入り口に手を添えた。まるで僕の挿入をサポートするように。割れ目が少し広がって、綺麗なピンク色の中身がちょっとだけ見えた。

 

「こ……ここ……」

 

 神崎さんの顔は耳まで赤い。僕のペニスはもうガチガチを通り越して、神崎さんの顔を見ているだけで射精してしまいそうにビクビクと震えている。早く、早く挿れないと。誰かに盗られる前に、この女の子を僕のモノにしないと。

 僕は神崎さんの膝を掴むと、彼女の胎内を目指して、腰を突き出した。

 閉じた割れ目にパンパンになった亀頭がめり込んで、ミチミチと隙間を押し広げ、こじ開けていく。キツくてペニスが押し返される。でも、入れないほどじゃない。それに、決して十分じゃないにせよ、神崎さんの奥からは潤滑油が染み出していた。

 

「ん――! くぅ…………! ぃ……、たぃ……」

 

 神崎さんは、痛みに眉を潜めながら、荒い呼吸に白いお腹を波打たせる。彼女の目尻には涙が浮かんでいたけれど、それを拭いてあげるのも忘れて、僕は未だかつて経験したことの無かった、女の子の中の感触に浸っていた。

 

(う、うああ……! な、なんだこれ……! おチンチン……チンポ溶ける……!)

 

 冗談じゃなく、熱いものに包まれた瞬間、ペニスが溶けて無くなったような気がした。とにかく圧倒的で、細かいことは良く分からない。とにかく熱くて、気持ち良かった。オナニーとは別世界だ。

 

「か、神崎さん……! 神崎さん……!」

 

 本能のままに、僕は腰を振り始める。その腰振りも傍目から見れば、へこへこと情けない、ひどく不器用で不格好なものに違いない。

 

(で、でる……! こんなのすぐ射精する……!)

 

 男としてさらに情けないことに、神崎さんの中を三往復もすると、僕のペニスに恐ろしいくらいの射精感が昇って来た。精液が尿道をせり上がってくるのがはっきりと自覚できた上に、その感覚すら、歯がガチガチと鳴ってしまうほどに気持ち良かった。

 でも、一分もしないで射精してしまったのでは、セックスとは呼べない気がして、僕はお尻の穴に力を入れて、必死に射精を堪えた。もっともっと、神崎さんの中を味わっていたい。

 僕は神崎さんのおっぱいを揉もうとか、キスをしようとかも考えなかった。とにかく、チンポで感じる神崎さんのマンコに集中していたかった。

 

「――っ! んぅ――!」

 

 純然たる快楽だけを味わっている僕に対して、神崎さんは、初めて異物を胎内に受け入れた痛みに耐えるように、引き寄せたシーツの端を噛み締めていた。ずるると引き抜かれる僕のペニスの竿には、彼女の純潔があえなく散ってしまった証拠の赤色が付着している。

 

「だ、ダメだ! 出る! 出ちゃう!」

「え……! それって、○○君、ダメ……!」

「出すよ神崎さん! 射精するからね!」

「ダメ、○○君! そんなことしたら、赤ちゃんが――」

 

 僕はずっと自分が神崎さんを支配している気になっていたけど、神崎さんのほうが、僕より少しくらいは冷静だったのかもしれない。僕の射精予告に、神崎さんは痛みさえ忘れて、妊娠の危惧を訴えていた。でも、ケダモノになってしまった僕に、その言葉が届くはずもない。

 

「出す! 出すぞ! 神崎さん! うううううっ!!」

「ダメっ! 中で出したら! わたし――あぅっ!♡」

 

 神崎さんの奥に押し付けて射精したい。そのために腰を深くまで打ち付けた時、ペニスの先が、神崎さんのマンコのどこかを、ゴリっと引っ掻いたような気がした。彼女の口から、初めて快感を示す声が漏れる。そして、僕は我慢の限界を迎えた。

 

「う、ぐぁあああ……!」

 

 呻き声を上げてしまうくらい気持ち良かった。こんな快楽を――こんな充足感をしってしまったら、もうオナニーには戻れないだろうと確信できた。

 ペニスだけじゃなくて、腰がビクビクビクビク痙攣して止まらない。僕の精液が、遺伝子が、神崎さんのマンコの中に流れ込んでいる。やっぱり人間も、服を脱げばただの哺乳類に過ぎない。交尾した時にもっとも気持ち良くなれるように作られているんだ。

 いつもなら、ドクドクと少し吐き出したくらいで終わる射精が、この時は異常に長く続いた。量も勢いもかつてなく、ドクンっ、ドクンっと、神崎さんの奥に向かって白いものが次々と発射されていく。これはオナニーとは違う、種付けのための特別な射精だと、僕の身体が理解しているかのようだ。

 とんでも無く気持ち良かった。そのせいで、射精が終わってからもしばらく、僕は魂の抜け殻のようになっていた。

 

「……うっ……うう…………」

 

 そんな僕が一かけらの正気を取り戻したのは、身体の下から、神崎さんがすすり泣く声が聞こえたからだ。

 

「か、神崎さん」

 

 とんでもないことをしたと気付いたのは、その時ようやくだった。

 神崎さんは泣いている。さめざめと、泣き声を殺すように唇をかみしめて。

 レイプ、強姦、犯罪、妊娠、退学、人生の終わり。そういう感じの単語が、頭の中で一斉にひらめいた。

 

「ぼ、ぼく……ご、ごめ……」

 

 今さら謝って何になるのか。でも、僕はそう口にしていた。

 その無責任な謝罪を受けて、神崎さんは――

 

「……うう、ん。……だい、じょうぶ」

 

 首を横に振って、僕を肯定するような言葉を口にした。

 

「わたし……たち。お友達……だもんね?」

 

 この子はまだそれを言うのか。まだこの子は、僕に友達で居てもらうために、自分の身体を捧げていると思っているのか。そうしなければ、僕がこの子を見捨てると思っているのか。

 自分への怒りとか神崎さんへの憤りとか、それから愛おしさとかで、僕の頭はぐちゃぐちゃになってしまった。

 

「神崎さん……!」

「――んっ♡」

 

 僕は神崎さんの唇にむしゃぶりついていた。上から彼女に覆いかぶさり、抱き締める形で。順序が逆だと思わなくもない。でもその時、僕らは初めてのキスをしていた。神崎さんの手も、僕の背中に回ってくる。無我夢中で唇を押し付け合い、お互いを抱きしめた。

 

(これ……! さっきより、一体感が……!)

 

 神崎さんと僕の身体の色々な部分が密着している。素肌同士で触れ合っている。さっきはペニスだけでマンコを感じていたようなものだったが、この体勢だと、まるで神崎さんと本当に一つになったみたいだ。そう思った時、僕は再び腰を振りだしていた。

 

(うああああ……! 出したばっかで、チンポ、敏感になってる……! 神崎さんの中のカタチが、さっきより分かる……!)

 

 粘膜がうねって、僕のモノに絡みついているのが分かる。僕自身の精液で、出し入れするのもスムーズになっていた。ぐちょぐちょといういやらしい音が、神崎さんの匂いが充満した部屋に響き始める。

 

「ちゅ……神崎さん……ちゅぅ……神崎さん……」

「んぅ…………はぁ…………んぁ…………○○、君……○○君……」

 

 ぎしぎし、ぎしぎし、ぎしぎし、ぎしぎし。

 神崎さんがいつも寝ているシングルサイズのベッドが、二人分の体重に悲鳴を上げている。

 

「で、出る……! また出る……! ――うっ!!」

「~~~っ!!♡ ~~~っ!!♡♡」

 

 神崎さんが下になり、僕が上に覆いかぶさるという格好のままで、僕らはひたすらセックスを続けた。

 神崎さんの部屋はカーテンを閉め切って、クーラーすら付けていない。熱気が籠り、お互いの汗と僕の精液の匂いとかが入り混じって、酷いことになっている。そんな中、僕は神崎さんの胎内に、何度も何度も精液を吐き出した。これで一生分を出し切って、二度と射精できなくなるんじゃないかと思うくらいの量だった。

 昼近くからセックスを初めて、夕方になってもセックスしていた。

 神崎さんは、きっとまだ痛みを感じているはずだ。でも彼女は確実に、僕のペニスに慣れてきていた。苦しむような呻きの中に、ほんの少しだけ甘い響きが混じり始めたのがその証拠だ。

 

「蘭子……! 蘭子……! 出すぞ……!」

 

 ほんのわずかな時間で、僕らの関係は一変していた。僕は当然のように神崎さんを下の名前で呼び捨てて、丁寧な言葉遣いもやめていた。

 

「う、うん……! 出して、ください……! ――んっ♡」

 

 代わりに蘭子のほうが、僕に丁寧語を使っている。何度目か分からない射精感が込み上げてきた。

 流石にそろそろ打ち止めだ。さっきの射精も、精液が水っぽくなっていた。だけどもう一回、もう一回だけ、蘭子の一番奥に種付けして終わろう。僕は彼女を今までよりもきつく抱き締めた。そして、僕の生殖器は、既に僕のモノになった女の子の中で、爆発した。

 

「う、ああああ……! で、でる……!」

「~~~~っ!!♡♡ ~~~~~っ!!♡♡」

 

 グリグリと腰を押し付けながらの射精。蘭子の身体が、ほんの少しピクピクと痙攣し、膣内がとんでもなく引き締まった。

 

「な、なんだこれ……! ち、チンポ吸われる……! も、もう一回出る……! う、うあああああ……」

 

 僕の身体は、許容量を上回る快感で壊れてしまったようだ。射精途中だったにも関わらず、僕は次の射精をした。

 でも、それが今日の体力の限界だったらしい。ペニスと腰の震えが収まると、僕はガクッと脱力して、神崎さんの身体の上で荒い息を吐いた。

 

「ハァ……ハァ……ハァ……ハァ……」

「ふぅ……ふぅ……ふぅ……ふぅ……」

 

 お互いに息も絶え絶えだ。

 それでも十数分後、僕らはなんとか身体を起こすと、もう一度だけキスをした。相手の口に舌まで入れたディープキスだ。そして口を離すと、僕は蘭子の瞳を覗いて、彼女に言った。

 

「蘭子……明日からもセックスするからな……」

 

 素直に好きだとか愛しているとか言えばいいものを、僕はやっぱり最低だった。でも、そんな肉欲に支配された僕の言葉を受けても、蘭子は僕に嫌悪の視線を向けたりしなかった。

 

「はい…………」

 

 それどころか、彼女は僕の胸にしなだれかかって、心臓のあたりに頬を当てると、熱い吐息と共に頷いた。

 

 

 

=

 

「なぁなぁ、神崎さんってさ、おっぱい大きいと思わないか?」

 

 僕にも少しくらいは男友達がいる。ある日の体育の時間、体育館の壁際に体育すわりをして、クラスメイト達のバスケのミニゲームを観戦していると、そのうちの一人が急に話しかけてきた。

 僕はその問いかけに、とぼけた答えを返した。

 

「え、あ~、そ、そうかな? あんまり考えたこと無かった」

「なら見てみろって、ほら、女子のコート」

「なに、何の話?」

 

 他の男子も寄ってきて、僕らは女子たちが試合をしているコートのほうに視線を向けた。

 

「すげ……」

 

 一人が思わずつぶやいたけれど、それが誰の何を見てのことなのかは、聞かずとも明らかだった。

 

「神崎って、意外とスタイルいいよな……」

「ああ……制服だと分かりにくいけど、体服の上だと、膨らみがはっきりするし……。揺れてるしさ……。つーか、脚長くね? 腰も細いし……」

「他の女子と比べると、異次元って感じだよな」

「でも、運動はそんなでもないな。あ、ほら、またボール取られた」

「そこが可愛いんじゃないの?」

「いや! お前何言ってるの? あの神崎だぜ? いくら俺がオタクでも、あのキャラはちょっとさ!」

「すっげぇ慌てるじゃん。図星だろ~?」

「そんなんちげぇよ!」

「こら! お前らちゃんと応援しろ!」

 

 体育教師が大きな声を出して、陰キャ男子たちの控えめな猥談は終了した。僕はみんなが話している最中、ずっと苦笑いをして誤魔化していたけど、内心は優越感でいっぱいだった。

 なぜなら、彼らが話題にしていた神崎蘭子は、僕のモノだからだ。彼女が友人だと思っているのは僕だけで、僕だけが、彼女の体操着の下がどうなっているかを知っているからだ。

 

 放課後、僕は蘭子を校舎裏に呼び出した。そこには運動会の時ぐらいしか使われていない体育用具を入れたプレハブが有って、鍵もボロいから、外から開けようと思えば開けられる。

 

「わ、我が友よ……。い、如何なる深慮で、か、神々の託宣に寄りて我をこの地に召還したのか……?」

 

 蘭子は半そでショートパンツの体操着を着ている。体育の時と同じ格好だ。僕にここに呼び出された意味を、彼女は分かっているくせに、分かっていないふりをしていた。僕は無言で蘭子に近寄ると、彼女の鎖骨のあたりに鼻を近づけ、匂いを嗅ぎ始めた。

 

「わ、我が友…………あぅ……」

「二人っきりの時は、『我が友』じゃないだろ、蘭子」

「……○○、君…………。こんなところで、誰か、来たら……」

 

 思春期の少年少女がセックスの味を覚えてしまったら、そうなってしまうのが当然かもしれないが、蘭子と初体験して以来、僕は彼女と猿のようにヤリまくっていた。それこそ、初めてセックスした蘭子の部屋だけじゃなくて、僕の部屋や、こうして学校でも。人目を盗んで身体をまさぐり合い、屋上や空き教室で交尾していた。

 

「じゃあ、誰か来ないうちに済ませないとね、蘭子。ほら、ここに手をついてよ。」

 

 僕は跳び箱をポンポンと叩く。蘭子はもう、僕の性欲に逆らうのを諦めている――っていうか、蘭子もセックスしたがっている。もじもじとしつつも、彼女は僕に言われた通り、跳び箱に手をつき、お尻をくいっと高く上げた。様子をうかがうように、ちょっとだけ顔を後ろに向けているが、そこには恐れと期待が半々に入り混じっている。

 僕は蘭子のショートパンツを下ろすと、すべすべのお尻をしばらく撫でまわしてから、挿入のためにショーツのクロッチ部分をずらした。

 

「入れるよ」

「は、はい…………ぁ……♡ ぅぁ……♡」

「う……ぐ……締め付けヤバい……。腰、勝手に動く……」

「――あっ♡ んっ♡ ああっ♡」

 

 僕が腰を前後させ、チンポでマンコの中を往復すると、途端に蘭子の口から甘い鳴き声が漏れ始めた。初めての時は痛がっていた蘭子だが、彼女はすっかりチンポで感じることを覚えてしまった。

 覚えさせたのは、僕だ。

 

(蘭子は僕のモノだ……! 僕だけのモノだ……!)

 

 頭の中でそう念じながら、僕は一心不乱に腰を振る。

 今日こうして体操着の蘭子を犯そうと思ったのは、体育の時間でのクラスメイトとの会話が、僕の欲望を刺激したからだ。蘭子はとても自己評価の低い子だから、男子どもにあんな風にエロい目で見られているとは考えていないだろう。しかし僕は、いつか蘭子が自分の魅力に気付いて、僕から去っていくんじゃないか気が気でなかった。その歪んだ独占欲が、こうして誰かに見られるかもしれない校舎内でのセックスに、僕を駆り立てるのだろう。

 

「あ~~~~~っ♡ いうっ♡ あっ♡ あ~~~っ♡」

 

 でも、そんなことを抜きにしても、蘭子とのセックスはあまりにも気持ち良かった。彼女のマンコは、突っ込むたびに僕専用の形に変わっていっている気がする。そのせいで、抱くごとに新しい気持ち良さを見つけられる。

 

「出す! 射精するぞ蘭子! チンポから精液出すぞ!! ――うぅっ!!」

「~~~っ!♡ ~~~~~~っっ!!♡♡」

「はぁっ……はぁっ……はぁっ……も、もう一回……!」

 

 もちろん僕らは学生で、別々の家に住んでいるし、親に養われている身だ。だから、いつでも会ってセックスするという訳にはいかない。セックスできない日も多い。そんな日には悶々としたまま、オナニーもできずにベッドで寝がえりを繰り返す。その反動で、こうやってセックスする時には、溜まったものを全部ぶつけるように、何回も何回も射精する。本当に快楽に支配された猿以下の行動だ。

 ただ、初めての時より進歩したのは、コンドームを使うようになったことだ。最初の時に生で中出ししまくって、蘭子が妊娠してたらどうしようと、これまた眠れない夜を過ごしたが、どうやらそれは大丈夫だった。その反省から、基本的には避妊するようにした。――でも、どうしても中出しの快感が忘れられず、蘭子が安全日だと言った時には、生でしてしまう時もあったが。

 

「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……ふぅ……だ、出した……。蘭子も気持ち良かった……?」

「~~~~~っ♡♡ ~~~~っっ♡♡」

「おマンコの中、ビクビクって痙攣してるよ……? 気持ち良かったんだね」

「あっ♡ うぅっ♡」

 

 蘭子はちゃんと僕のペニスで中イキできるようになっていた。敏感になっているイキマンコをグリグリしてやると、腰が震え、脚が生まれたての小鹿のようにガクガクと震えだす。

 

「今日はもうコンドーム無いから終わりにするけど……明後日は土曜だから、お出かけの後にまたセックスするよ。いいね? 返事は?」

「は、はい…………♡」

「いい子だね。ほら、唇出して」

 

 セックスが終わると、僕らは繋がったまま口づけを交わす。蘭子の小さな桃色の唇を食んでいると、ペニスで感じる快楽ではなく、心が幸福な充足感で満ち満ちていくように思える。例え歪な関係でも、彼女を手放すなんていうことは、もう僕にはできなかった。

 土曜日は蘭子とデートの約束をしている。蘭子は単なる友達とのお出かけと思っているのかもしれないが、僕にとってはデートだ。今日はこのまま彼女と別れなければならないし、明日はきっとセックスできないが、明後日のことを思い描いて、僕はそれまで耐えようと思った。

 そして次の日の真夜中、僕が自室のベッドで何気なくスマホを見ていると、蘭子からメッセージが届いた。

 

「なになに……」

 

 ――サターンの司りし安息の日、水龍は水底より目覚め来るだろう。我が半身にして瞳持つ者よ、戦いに備えるがいい。

 

 メッセージにはそんな風に書かれている。眠気でぼんやりとしていた僕は、蘭子独特の言い回しを読み解くのに時間がかかってしまった。

 

(土曜日を楽しみにしてるって言いたいのか……)

 

 僕は思わずニヤついた。僕だって楽しみに決まっている。誤解されてもしょうがないけど、僕は単に性欲で彼女と一緒に居るんじゃない。蘭子の個性とか、引っ込み思案だけど頑張り屋なところとか、そういうところ全部が好きなんだ。もちろん、彼女とセックスするのが好きなのに間違いは無いけれど。

 

(水龍……ってのはどういう意味かな。分かんないけど……返信しておこう。えっと……晴れると良いねは……「灼熱の業火がソドムの市を焼き尽くす時、祝宴の時は訪れる」……こんな感じかな?)

 

 流石に面と向かっては恥ずかしいけれど、メッセージ上では僕も蘭子みたいな言い回しを心掛けている。一度そうやって送ったら、蘭子がすごく喜んだので続けている。

 

「……ん? 画像……?」

 

 メッセージを送信してからしばらくして、蘭子のほうから画像が送られてきた。何かと思ってスクロールしていくと、それは、自分の部屋で水着姿になった蘭子が、照れながらピースサインをしている自撮り画像だった。

 

(め、めちゃくちゃ可愛い……。蘭子らしい、フリルがついたゴスロリっぽいデザインで……。でも、なんで水着……? あっ)

 

 水龍とか水底とかいう単語は、これを暗示していたのか。そういえば、明日は特に行きたい場所を決めていなかった。僕は思わず、「プールに行きたいの?」と素の言葉で問いかけた。「うん」という短い返事が返ってきたのは、すぐだった。

 僕はしばらくベッドの上で、スマホを眺めたり抱き締めたりしながら悶えていた。

 

「あ、また画像だ……もう一枚自撮りしたのかな? ……――!!」

 

 追加で送られてきた画像は、さっきよりずっとキワドイものだった。蘭子は水着の肩紐をずらして、おっぱいを片方露出させている。続いてもう何枚か、卑猥な自撮り画像が送られてきた。

 蘭子はそれを「友達料」として送ってきているのは分かっているけれど、やっぱりあの子は天然の淫魔か堕天使なのかもしれない。明日まで我慢しようと思ったのに、チンポを扱きたくてたまらなくなってしまった。

 

(うう……)

 

 僕はその夜、ビキビキに反り返ったままのチンポをなだめて、何とか眠ろうと努力した。

 

 土曜日、僕らは駅で待ち合わせして、そこから電車で市外のプール施設に移動することにした。駅に居る僕を見つけると、蘭子は満面の笑顔になって、子犬のように駆け寄ってきた。

 

「我が半身よ――!」

「蘭子、かかとが高い靴で走ったら危ないだろ」

「ご、ごめんなさい……」

 

 蘭子は謝りながらも、僕の腕に手を回してくる。もう散々セックスしたにも関わらず、シャツ越しの胸が二の腕に当たって、僕はドキっとしてしまった。

 僕らはまるで恋人同士のように腕を組んで、改札を抜けて電車に乗った。電車内でも、蘭子は僕の隣に座って、ほとんど僕に寄りかかるようにしていた。

 僕らが訪れたプール施設は、ホテルなども併設したかなり大型のレジャーランド的なところだった。更衣室前で僕と蘭子は一旦別れ、着替えてから再開した。

 

「似合ってるよ、蘭子」

「え、えへへ……」

 

 僕が褒めると、蘭子はサイドテールをくるくると指で弄びながら、はにかむ笑顔を見せた。ゴスロリビキニとでも言えばいいのだろうか、自撮り画像の中でも見たが、本当に蘭子に良く似合っていた。――ただ、ちょっと下着っぽく見えてしまうので、他の男もいるこんな場所でその姿を晒されるのは、正直複雑でもあった。

 蘭子は泳ぎが得意なわけではないし、日差しが強いのも苦手な子だったから、プールでは、水にただぷかぷかと浮かんだり、プールサイドの日傘の下でまったりした。それでも蘭子は十分に楽しいようだし、僕も蘭子と一緒に居られるというだけで楽しかった。朝の開園から施設に居て、昼ごはんも食べて、午後3時くらいにそこを出た。

 帰りの鈍行電車では、蘭子は少しはしゃぎ疲れた様子で、トロリとした表情で僕の肩に頭を預けていた。この前はああ言ったけど、蘭子がこの調子なら、今日はセックスするのを我慢してもいい。僕がそう思っていると、うたた寝から目を覚ました蘭子が、電車の窓を外を見た。

 

「あ……」

「ん? 何か有った?」

 

 僕も蘭子に釣られて、窓の外を見た。

 線路脇に建っているのは、ピンク色の電飾看板に彩られたラブホテルだ。それを認識したとたん、蘭子も僕も完全に無言になり、お互いの手を強く握った。

 ちょうど都合よく、電車が止まる。目的地の数駅手前だったけれど、僕らは一緒に電車を降りた。

 

「○○君……! ○○君……!」

 

 蘭子が僕の名前を連呼している。エレベーターを降り、ホテルの部屋に入った瞬間、彼女は僕の胸に顔を擦り付けるように抱き着いてきた。

 僕らの年でこういうホテルに入れるのかと不安だったが、結構何とかなるものだ。入り口は自動で清算するシステムで、お小遣い的には痛かったけれど、それよりもセックスしたかった。

 

「すー……はー……○○君……」

 

 蘭子は僕のシャツの匂いを嗅いでうっとりとしている。何かのスイッチが入ったのか、今日はやけに積極的だ。もとより僕は、蘭子とセックスできるならいつでもどこでもOKである。

 という訳で、早速服を脱いでセックスしよう。キスをし、胸とお尻を揉んで、蘭子の服を脱がせにかかると、彼女はそこで、可愛らしいくしゃみをした。

 

「――くちゅん!」

「蘭子、大丈夫? 風邪?」

「う、ううん……」

「プールで冷えちゃったのかな」

「だ、大丈夫……。○○君が、抱き締めてくれたら……すぐに、あったかくなるから」

 

 あまりに可愛いことを言われたので、思わず押し倒してめちゃくちゃにしてやりたくなった。だけど、流石にこのままというのは……。

 

「――そうだ! 蘭子、お風呂に入ろう」

「お風呂……?」

 

 その通り、お風呂である。こういう場所には風呂が有るのは知っている。

 

「ほら蘭子」

「え……? え……? 一緒に……?」

「決まってるだろ?」

 

 そうすれば一石二鳥である。我ながら名案だ。僕はガラス張りの戸を開けて、蘭子を浴室へと引っ張っていった。

 

「く……ああ……す、すごいよ蘭子……」

「ンく……ちゅる……んぁぅ……」

「し、舌が……! そこ、カリのとこ、もっと舐めて……!」

「ちゅるぅ……。こ、こう……? はぁむ……」

 

 浴槽のヘリに腰掛けた僕のチンポを、僕の前に跪いた蘭子が舐めしゃぶっている。ラブホテルの浴室で、こんな美少女に僕の汚いモノをフェラチオさせているなんて、数か月前の僕が聞いても絶対に信じない。

 

(マンコとは違うけど……これはこれで……うっ)

 

 蘭子が口をすぼめて亀頭をちゅうっと吸ったので、僕は思わず首をのけぞらせた。

 背後では、どぼどぼと浴槽にお湯が溜まっていく音がしている。壁を見ると大きな鏡が有って、蘭子が僕のチンポを咥え込んでいる様子が丸見えだ。

 友達の少ない蘭子は世間に疎い上、もともと人の言うことを信じやすい純真な心を持っている。それはつまり、騙されやすいということでもある。フェラチオくらいみんなやってるという僕の言葉をあっさりと信じて、こうしてチンポを咥えているのが良い証拠だ。

 こうやって、蘭子はますます僕に都合の良い女の子になっていってる気がする。

 

「で、出る……! 蘭子、奥まで咥えて!」

「はむ……? んぅ……」

「そうだよ……そのまま……ああ……出る……! うううっ!」

「んぐぅっ⁉」

 

 調子に乗っている僕は、蘭子にフェラチオさせたまま、彼女の口内に自分の欲望を吐き出した。蘭子は驚いたみたいだけど、僕に嫌われるのを恐れている彼女は、何とか喉を動かして、ねばっこいドロドロを飲み干していく。

 

「す、すごい出る……! 蘭子のフェラ、凄い……!」

 

 鏡の中の僕は、快感で馬鹿になった、とてもみっともない表情をしていた。

 蘭子に自分の精液を飲ませたという背徳感は、僕をさらに興奮させた。彼女の綺麗なマンコも、口も、僕の汚いチンポと精液で穢してやったのだ。だけど、まだまだ足りない。

 

「あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」

「どうしたの蘭子、いつもより声が出てるよ」

「だ、だって……こ、この格好、好きぃ……♡ ○○君が、良く見えるからぁ……♡」

「……! クソっ……! そんなエロい顔しやがって……! 射精我慢できなくなるだろ……!」

 

 フェラチオの後は、湯船に浸かって、じゃぶじゃぶとお湯を波立たせながらの対面座位セックスだ。蘭子のマンコは相変わらずすごい締め付けだし、すぐ目の前で揺れるお湯に濡れたおっぱいも、とても興奮する。僕の両肩に手を置いて、蘭子が自分で腰を振っているというのもたまらない。

 

「蘭子、もっと腰上下させて……マンコに力入れて……! そう……そう……う、うああ……! チンポちぎれる……! 射精する……! 蘭子!」

 

 射精の瞬間、僕は蘭子の身体を捕まえて、彼女を硬く抱き締めた。蘭子も僕を強く抱き返し、僕の射精に合わせて、彼女もイッた。

 

「あっ、あ……♡ く~~~~~~っ♡♡♡ んんぅ~~~~~~っ!!♡♡♡♡」

 

 お互いに同時に絶頂するコツというかタイミングを、僕らは繰り返すセックスの中で掴んでいた。二人一緒にイクと、一人でイクより何十倍も気持ちいい。

 

「○○君……♡ キス、してぇ……♡ キス、ください……♡」

「ああいいよ、蘭子……」

「ん……♡ ちゅ……♡ ちゅぅ……♡」

 

 僕は蘭子の求めに応じて、彼女と口づけを交わした。さっき僕のチンポを咥えていた口とキスをすることも、不思議なくらい気にならない。僕がキスしながら彼女のおっぱいを揉むと、蘭子は蕩けた表情で、僕の首に手を回してくる。その情熱的なキスの間も、僕のチンポは彼女のマンコに入ったままだった。

 風呂場でのセックスを終えると、お互いの身体をイチャイチャイチャイチャしながら隅々まで洗ってから、僕らはベッドに移動した。

 ラブホテルのベッドというのは、僕や蘭子の部屋のものとは全然違う。なんて言うか、僕らの部屋のベッドは寝るための場所って感じだけれど、ラブホテルのは、セックスするための道具っていう感じが出てて、端的に言ってエロい。

 そのセックスのための道具の上で、僕は蘭子と正常位で繋がった。

 

「蘭子! 蘭子! 蘭子!」

「○○君! ○○君!」

 

 性器同士で結合し、何十回も名前を呼び合いながら、果てを目指して高まっていく。もう蘭子とセックスできない人生には戻れない。蘭子が居ない世界には、一ミリも存在価値が無い。僕はすっかり、神崎蘭子という存在に深く依存してしまっていた。

 

「うううううっ! 出るぅ……!」

 

 僕のチンポからびゅくびゅくと精が放たれ、それと同時に蘭子も絶頂する。今日三回目の射精だけど、もう一、二回はできそうだ。いや、ひょっとしたらもう三、四回くらいはいけるかもしれない。僕は再び腰を蘭子に打ち付け始めた。

 そんな無我夢中のセックスの最中、蘭子は妙なことを言い始めた。

 

「○○君……! ○○君……! ご、ごめんね……!」

「な、なんだよ蘭子、どうして謝るの?」

「ごめんね……! ごめんなさい……!」

 

 どうして彼女はセックスしながら、僕に謝罪しているのだろう。分からない。別に喧嘩をしたわけでもないし、お互いに気持ち良くなれている。謝ることなんか何もない。僕が腰を振り続けていると、蘭子はついに目から涙をこぼし始めた。そして、気持ちを抑えられないという風に、謝りながら僕に言った。

 

「ごめんなさい……! 好きです……! ごめんなさい……!」

「ら、蘭子……?」

「わたし……あなたのことが、好きなの……!」

 

 僕は腰を止めた。蘭子は泣きじゃくっている。

 彼女は言った。僕が彼女と嫌々友達をやっているのは知っているけれど、僕が友達になってくれて嬉しかったと。その前から、クラスで浮いている自分を気にかけてくれたことが嬉しかったのだと。

 友達になれただけで満足だったのに、好きになってしまったと。嫌いにならないで欲しいだけだったのに、好きになって欲しくなってしまったと。言わないでおくつもりだったのに、言葉と感情が止められなくなってしまったのだと。

 

「ごめんね……○○君……。好きなんです……」

 

 言うだけ言って満足したから、もう言わないから、だから嫌いにならないでと、蘭子は最後に、しゃくり上げながら付け加えた。

 そんな彼女を前にして、僕は――

 

「……何だよ、それ」

「○○君……? きゃっ」

「クソっ! こんなのずるいだろ……!」

「あっ♡ あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡ つ、よいっ♡ はげしっ♡ ○○君――!♡♡」

「君が、蘭子がいけないんだからな!」

 

 僕だって、蘭子のことが好きに決まっているのに、そんな風に言うなんてずるい。謝るのは僕のほうなのに、蘭子が先に謝るのは許せない。

 

「好きだ蘭子! 蘭子! 蘭子! 好きだ!」

 

 僕は叫びながら、ガチガチになった肉棒で、ひたすら蘭子の奥を突いた。

 

「あっ♡ ああっ♡ あっ♡あっ♡あっ♡ ――ほ、ほんとに?」

「好きに決まってるだろ! 君は僕のモノだ! 誰にも渡すもんか!」

「あぅっ!♡ うあぁっ!♡ あっ!♡ ふ、といよぉ!♡ うれしぃよぉ!♡」

「出すぞ蘭子! 出す!」

「う、うん!♡ 出して♡ いっぱい出して!♡」

「ううううううっ!!」

「んっ♡ あっ♡ ~~~~~~~~~~っっ!!!!♡♡♡♡♡ ~~~~♡~~~♡~~っっっっっ!!!!♡♡♡♡♡」

 

 これまでのセックスも気持ち良かったけど、お互いに好きだと言い合ってするセックスは、その何百倍も気持ち良い。僕は目の前がくらくらするくらい大量の射精をしながら、そのことを思い知っていた。

 神崎蘭子。ちょっと――いや、かなり中二病が入った、僕の同級生でクラスメイト。とんでもない美少女で、凄く可愛い性格の持ち主。そして、僕の好きな女の子で、これまでは僕の友達――今日からは僕の彼女だ。

 

「○○君…………♡」

 

 僕の射精が終わると、蘭子はキスをねだる顔になる。僕は精一杯の愛おしさを込めて、その唇を塞いだ。




参考までに、以下がこの短編の元となったお題です。
飛鳥を登場させられなかったし、純愛ENDっぽいのはお題の趣旨から外れたかもしれないけど…ごめんなさい。


アイドルマスターシンデレラガールズの神崎蘭子

一人称男視点

同級生神崎蘭子概念!クラスで浮き気味なあの娘が話をわかってあげる僕にだけ依存してくる概念!おっぱい揉ませるくらいで友達続けてくれるなら……してくれる概念!

神崎...「男の子と女の子が友達でいるためにはえっちしなきゃいけないんでしょ」なんて、そんなことないよ...。そんなことないのに「友達でいたいから」って胸を差し出して.... 僕は、僕は....

女子に神崎って頭おかしいよねwって影口叩かれてるのを聞いて凹むんだけど主人公くんと出会った途端に駄犬のように駆け寄ってきていつものノリになるくらい依存してるのでおっぱい揉ませるの嫌がって友達関係損ねたくないと思ってる蘭子……

「神崎って頭おかしいけど乳でっけえよな~」「彼女にしたくはないけどセフレにはしたいわw」とか童貞男子が必死に虚勢を張っている中で主人公くんだけは蘭子の乳房に歯型を残しても、優しく頭をよしよししてもらえるのすごすぎない?「普通に喋って」ってえっちのときに耳元で囁きたい

蘭子にちんちんしゃぶってって言って汗臭くて皮も向いてなくてチンカスがこびりついているようなおちんちんを舐めさせたい…らんらんも男女の行為に詳しくないから「それが普通」って思いこめば汚くて臭くても舌をちろちろ伸ばしちゃうし、それが普通になればもうどこでも即尺できちゃうよね

あ~、蘭子と一緒にとらのあなにいって、らんらんが好きそうな普通の漫画コーナーをうろうろしていたらいつの間にかエロ漫画エロ同人コーナーにまぎれこんで、中学生の制服着たデカ乳コスプレゴスロリ女がうろうろしていることでオタク達にオナネタ提供して~

男の子がエロ自撮りほし~ってSNSで呟いているのを見て、どういうのが喜んでもらえるか悩んだ結果、おっぱいやお尻の自撮りを通り越して初っ端からオナニー無修正動画を送り付けて星井


欲を言えば二宮飛鳥が蘭子と彼のエッチに混ざるとき、汗臭ちんちん即尺とかアナル舐めが蘭子には普通だから、流れで二宮飛鳥もやらなきゃいけなくなるやつが好き

二宮飛鳥と蘭子が自分が普段寝てる汗臭いベッドの上でお尻突き出して処女まんくぱぁしながら「こっちで童貞を捨ててほしい」ってアピールしてくるやつ、顔を完全にベッドに押しつけて尻を突き上げて、その距離が長いほど屈服してると思ってる2人
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