華々しいオープニングセレモニーに始まり、長年の営業を経て、最後は「ご愛顧ありがとうございました」と別れの挨拶を告げる───単純ながらも、これぞ経営の集大成。理想の在り方ではなかろうか。
しかし、とあるスーパーマーケットはその道筋を辿れず、結果として完走できなかった。
何とか軌道に乗ってきた頃であったから、経営陣とて「これから」を思い描き張りきっていたことだろう。そう遠くない将来にがらがらと崩落するだなんて微塵も予感しないで。
活気に満ちていたかつての日々───買い物客で賑わい、蛍光灯が隅から隅まで照らし出し、購買意欲をかきたてる多様な商品が工夫を凝らして陳列され、ポップなBGMや特売のアナウンスがひっきりなしに流されて。
今となっては、それら一切合切が遥かかなたに去ってしまったのだけれど。
顧客からの強い支持や深い愛着を得られるほど
その当時五感を刺激する様々な情報であふれかえっていた場所に、往年の面影はない。床の上に積もるガラスの破片や綿埃、表皮が破れて中身が飛び出しているソファ、ひっくり返ったショッピングカート、ひび割れた壁面、稼働することを忘れたレジ……もはや朽ちゆくだけの空間だ。機能を停止させ、時の流れに身を任せ、無抵抗に、自然の一部へと還っていく。
建造物の終焉───廃墟とは、仄かに死を想起させる。ゆえに魅力を覚え、棲みつく者たちがある。
美しい海岸沿いに取り残された人工物、しかも傷みに傷んだ廃屋だ。景観を著しく損なうのだから解体一択であろうに、どれほどの月日が流れようと一向に手のつけられる気配がない。売却もされない。敢えて問題を先送りにして、いつか誰かが何とかしてくれることを漠然と当てにしているみたいだった。たぶん、そうやってたらい回しになってるんでしょうねえ人間のことですし。
実のところ、この大型スーパーが心霊スポットにまで成り下がる事情が愚か極まりなかったりする。事もあろうに、カプ・ブルルのお気に入りだった土地を潰して建立したというのだから。
で、当然のように土地神の逆鱗に触れた挙げ句、しっぺ返しをくらった、と。
始まりがあれば必然と終わりもある。流行り廃りもある。だけどこんな結末ってどうなの?ねえ?
計画の段階で異を唱える者はいなかったのか。なーんでゴーサイン出しちゃうかなあ、バカだねえと呆れるポケモンたちである。あの物臭……あらため、温厚なのんびりや、を、激怒させたのだから大した不敬振りではないか。地鎮祭でもやっときゃァ救いようがあっただろうし、事態もなんぼかマシな方向に転がったかもしれない。神と呼ばれようが所詮はポケモンと侮ったか。いやいや、歴史の古い土着信仰なめたらアカンぜ……等々、くさしてはみるものの。
ぶっちゃけ、全く以てどうでもいい。
現住民にとって、人間側の込み入った事情など些末なものだ。むしろ彼らが考えなしにやらかし(てくれ)たことによって、風雨をしのげる戸建ての住処を手に入れたのだし。薄暗く、湿っぽく、マイホームの雰囲気は上々。加え、普段は誰しもが気味悪がって遠ざかるおかげで静寂が約束されてるときたもんだ。ありがたい。たまに物好きが来たかと思えば島巡り試練への挑戦者だったり、…そうそう、肝試しと称して勘違い系のパリピ連中が荒らしにくることもあるか。そんなときは住民総出でおどかし、悲鳴を搾り取ってやるのだ。不法侵入を敢行する招かれざる客に容赦なぞ不要、一切手を抜かず恐怖を植えつけるあの爽快感といったら!来るなら来いよ返り討ちにしてやるぜってなもんで、完全に愉快なイベントと化している。
この通り、住めば都のスーパー・メガやす跡地なのである。
ンでもって、ここいらで閑話休題だ。
いっそ毒々しいほど赤い夕陽が差し込む時間帯に、住民の一体───ミミッキュが店の奥から姿を現した。何ぞ困りごとがあったらしく、ひょろりとした黒い手で後頭部をがしがし掻いている。
『なあ!ちょっくら手伝ってほしいことがあんだけどー!』
召集のため、声高に鳴いた。
無人の店内で響き渡った声の余韻が消える頃、そこかしこの暗がりから、呼びかけに応じた者たちがぬらりと顔を出す。
『なに?どったの?』
面倒見がよく、翼があることを差し引いてもこうした場面ではいち早く駆けつけてくれるゴルバットを筆頭に、住民たちがミミッキュを取り囲んだ。それなりの数が集まってくれたことに満足しつつも、当のミミッキュは『さっき、そこで霊界の裂け目ができたんだわ』とぼやく。
ミミッキュの指す「そこ」とは、バックヤードの扉を隔てた「向こう側」のことを指している。繕い物の多いミミッキュが夜なべのためによく使用する部屋なのだが、辺り一帯の中では、この部屋が最も霊界に繋がりやすい───いわば霊的感度の高い時空だった。つい数分ほど前のこと、突如として夜なべ部屋が霊界とリンクし、その拍子で生じた割れ目からポケモンが落下してきたのだという。
『ま、とりあえずこっち来いよ。見たら分かるから。要はそのゲストをどうしようかって話なわけでさ。急募、ナイスアイディア』
いつにない出来事に俄然関心を高めた面々は、ミミッキュの後に続いてぞろぞろと進む。
おや。確かに、黒炭に似た塊が伏せている。
なんだなんだと、全員で珍客を見下ろした。
翼プラス全身を覆う羽毛イコール…、簡単だね。これだけで容易く鳥だと断じることができる。どっからどー見ても、鳥ポケモンである、が。
『どこの地方から流れてきたんだろうなあ』
見たことねーやとゴルバットが首をひねる。世の中色んな奴がいるんだなあ、よくもまあここまで華やかさの欠片もねえベタ塗りのやつがいたもんだと感心している始末だ。
『見たことない?なんで?岩場とかで修行してる奴らじゃないスか』
一石を投じたのはゴーストだったが、『はあ?』とミミッキュが異議を申し立てる。現状、言うならば「親方ァッ!空から女の子が!」と叫んで差し支えなさそうなシチュエーションである。物語の開幕を告げる珍事なのだし、実際、降ってきたのはUMA(の、はず)だ。そこらのありふれたものと一緒くたにされてたまるか。そう抗議したいらしい不平顔だ。
現段階でぱっと見の雌雄の別は分からないが、仮に女の子だったら『君が空から降りてきたとき、ドキドキしたんだ。 きっとステキなことが始まったんだって』と言う気満々なのである。せっかくなんだし、一度は例のトランペット少年になりきって言ってみたいじゃないの。『さっきまで、ひょっとすると天使じゃないかって心配してたんだ』…とか。うん、何度思い起こしてもたらしなセリフの数々だ。あの歳にして仕上がりすぎだろうよ、少年。
『脳内フェアリー乙。御見逸れスわ』
ゴーストが鼻で嗤う。しかし、嘲笑まじりではあるが『ステキなことねえ?厄ダネの可能性だって大いにあるスよ』などと割合に冷静な発言を付け加えた。更には『無理すんな。おまえ、異性相手だとコミュ障なんだから』と、貴重なフェアリー仲間なのに庇いもしてくれないクレッフィからの忠告も重なる。勿論、ミミッキュはいずれも聞こえない振りで流した。ただ、その場にいたゲンガーが『え、何それ。私とはふつーに話してるくせに』と男子的にすこぶるめんどくせーところに言及してきたのでついイラつき、身の程を知れと毒づく。
『おまえ相手じゃ舞い上がれねーってこった察しろやブス。メガやすのマドンナになって出直してこい』
一蹴。ミミッキュから扱き下ろされた所為でゲンガーがキーキーと悔し鳴きを発し、余計に煩わしさが増す。で、誰も慰めない。放置だ。しかし、これでも彼らなりの「仲良し」の体現であり、日常の距離感である。
『…ひとまず、ボーイミーツガールになるかどうかは保留ス。
どのみちここじゃ持て余しそうだし、いっそ、同種族ってことで近場の奴らに引き取ってもらったらどうスかね』
『だーから。くどい。しつこい。カゲボウズの方がまだ色があるってレベルの見てくれなんだぞ。この辺に住んでるってんなら逆に目立つわ』
『いや、そいつら自体は別に黒くねーンスよ。むしろすげーカラフルっつーか。…えーっと、…』
ん?
ややこしい。全員が戸惑った。
鳥で。岩場周辺に生息していて。修行好きで。色彩豊か。該当する奴らが、いるにはいる。ええ、いますとも。だけどさ。
『……、…なんなの、まさかおまえ、…ルチャブルのこと言ってる?』
『あー、それそれ』
うっそだー、ただのこげパンじゃーんと方々で疑問の声があがる。『シルエットクイズの要領ス。したら、答えは限定されるっしょ』『ほら、突然変異とかさあ。病気とかさあ。そういう気の毒な奴かもしれねースよ?』と困惑気味ではあるがめげずに意見するゴーストである。
『あのねえ、…別にどうでもいいでしょコイツの正体なんて。本題は「処遇」じゃなくて「処理」の仕方。そういう話だったわよね?』
そういう話だったっけ?
あまり物事を難しく考えないゲンガーは『燃やすのか、埋め立てるのか、リサイクルするのか。ゴミの分別と一緒よ』と言いながらルチャブルもどきを指先でつついた。
『つッめた!
なーんだ、死体じゃないの。遺棄すればいいんだからラクショーね。
店の目の前が海でちょうどよかった。ポイするだけでプルリルあたりが食べてくれるわよ、きっと』
『阿呆。勝手に殺すんじゃねえよ縁起でもない。よく見てからものを言いな、息してるじゃんか。気ィ失ってんだよ』
しらけた目を向けて、すかさずクレッフィが一刀両断をかます。
『はー、…いつもながらお見事だわ。話が一個も進んでねーし。肝心のブツを前にしてあっちにそれるわこっちにそれるわ。ようやくまともなこと喋ったかと思えば帰着点は的外れ。
三体寄ればなんちゃらの知恵って聞いたことあるけどさ、所詮
冷ややかな口調で身も蓋もない発言をして、クレッフィが急かすようにちゃりちゃりと鍵を打ち鳴らした。
そこまで言わなくてもいいのでは…的なしょんぼり空気が醸されつつも、結局、これが鶴の一声だった。そして、何とはなしに、その場の視線がゴーストに集中していく。『何スか。なんでこっちを見てンスか』とたじろぐゴーストへ、周囲は口々に『とぼけんな』『おまえの手が一番でけーじゃん』『ほら、御大、身体があーゆー感じだし』と一斉砲火を浴びせかける。
『あんたら…、オレがガス状ポケモンなの忘れてねースか。御大かかえたら爆散スよ?』
爆ぜろ爆ぜろーきたねえ花火だーとゲラゲラ笑うその他を後目に、いつのネタ言ってンスか古すぎにもほどがあるスよぼんくら共とぶつくさ呟きながら、ゴーストはかったるそうにその場をあとにした。
***
メガやす跡地の住民が「御大」と呼びならわし、ゴーストが戦々恐々で己への引火を危惧するポケモンとは、年老いたシャンデラである。ものすンごい年寄り、ということを皆が了解しているだけで、実年齢は不詳だ。普段は店外の片隅に設置された、とうに故障して使えない自販機の辺りに陣取っていることが多い。
『この自販機同様、儂もほぼほぼ役立たずの粗大ごみさ』とは御大の言なのだが、彼がそのように自覚し且つゴーストがわざわざ迎えにいかねばならなかったことからも分かる通り、この老シャンデラにはある程度の介護が必要だった。シャンデリアでいうところのアームの部分が左右共にぐちゃりとひん曲がっており、本来ならつるりとしているはずの顔面も傷だらけで凹凸が目立つ。まるで巨大な手のひらに全身を握りこまれ、ぎゅっぎゅっと無慈悲に圧縮されたような、壮絶な見た目をしている。歪な形状になり果ててしまったことよって、自力での浮遊もままならないのだった。
周囲は遠慮もくそもないので、どうしてそんな怪我を負うことになったのか、シャンデラにしきりと過去を問うた。その度に、彼は蒼い炎を揺らめかせて薄く笑いながら『昔はこれでもやんちゃしてたんだ』と意味深に話す。その「やんちゃ」の内容を知りたいのに、やいのやいの言ってみても教えてもらえないのが常だ。だから、周囲は一方的に御大の事情を想像し、あれこれと話を膨らませ『こりゃァ相当なワルだったに違いない』『ひゅー!御大かっこいー!』と、今では「知り合いの好々爺が実は伝説の◯◯でした」という具合にラノベ風味で解釈し、勝手に納得しているのだった。概ねそういうお気楽な奴らの集まりなのだ、メガやす跡地は。シャンデラも、そのほうが煙にまきやすいこともあって、根も葉もない噂をたてられようがどこ吹く風で放っておいている。
飄々として掴み所のないこのロートルを、住民は疎んじるどころか慕っていたし、頼りにしていた。協調性というものにやや欠けているのがここに暮らす者たちの傾向であり、各々が野放図なことをやりだすので、知恵者ならではの意見でまとめてくれたり一定の指針を示してくれたりする存在は必然とありがたく、シャンデラは、いわば要石として据えられていたのである。
今回とて、彼は御大という呼称に恥じぬ働きをした。ゴーストに(注意深く)かかえられてやってきたシャンデラは、早速その場にいた者たちに指示を出した。どういう状況であるのか、概要は既にゴーストから聞かされて了解しているらしかった。
『おまえさん方がよってたかって観察してたら、その御仁はいつまでたっても目が覚めないよ。儂らは意図せずして生気や熱を吸ってしまうのだからね。容体が気になるのは当然だが、少し距離を取りなさい』
潮が引くようにさあっと取り巻きが離れた。すぐに従う素直さに微笑みつつ、シャンデラの視線は黒い鳥に注がれている。
『
なんだか、シャンデラの周りだけがセピア色に染まって見える。大切な思い出を懐かしむみたいに、柔和な表情を浮かべている所為だろうか。紡がれた声音も自ずと穏やかなものになった。
なになにー?御大の知り合いなのー?それってすごくねー?奇跡だねーという無邪気な反応に、シャンデラは謎めいた笑みを返すばかりである。
『さて、…彼は霊界から落下してきたのだろう?…その
『
野郎かよと舌打ちするミミッキュ。真っ先に反応するポイントそこですか。シャンデラの話の肝とは全く無関係なところで落胆するものだから、周囲からも『いいじゃねーか言ってやれよドキドキしたってよォ』と野次を飛ばされる羽目になった。一方、イケメンと聞いて色めくのはゲンガーで、直前まで死体遺棄を提案していたというのに『まあ!こうしちゃいられないわ!早速チュウでもしてあげちゃおうかしら!うっとり熱烈なやつ!』などと、けろりとした様子でほざく。どっかの蛙の耳にでも入ったら即座に誅殺されること請け合いの危うい発言である。現金もここまでくるといっそ見上げたものといえようか。真実の愛真実の愛と似合わぬ文言を唱えながら、ちゅぱちゅぱと口の練習に余念がない。
『お、今度こそ永眠させようってか。さすがはオバケ、発想があの世寄りだわ』
『目覚めさせるのよバカッ!!!』
クレッフィに混ぜっ返され、キーキー第二弾のゲンガーである。ジ●リ脳にデ●ズニー脳と、まこと忙しない奴らだ。メガやすの事務室に置いてあるテレビの中にロトムが住んでいるので、その力を借りて夜な夜な映画鑑賞していた結果がこのざまだった。
騒がしさを上塗りする火種はまだあった。今までの流れで、
ゆえに、御大の同席は幸いだった。
じろり、一瞥。
これだけで事足りる。幼稚な言い合いをあっという間に目力で鎮静化し、シャンデラは厳かに通達した。
『近隣に保護施設があったろう?エーテル財団が運営しているやつだ。ゴルバット、その入り口まで彼を運びなさい。あとは職員がよきにはからってくれる』
搬送くらいなら引き受けてやらあと言いながらも、ゴルバットは気遣わしげにルチャブルを見遣る。
『こっちで手当てしとかなくてもいいのかよ。…オレはさ、その、霊界?についてはよくわかんねーけど、聞いてる感じ、特有の影響とか、症状っつーか、障りみてーなもんがあるんだろ?そーゆーのを治せんの、ゴーストタイプだけなんじゃね?あんたらが対処してやったほうがいいんじゃねーの』
『そうしたところに気が回せるのがおまえさんの長所だと常々思っているよ』
シャンデラの目元がふわりと緩んだ。
『どうやら、この御仁に余計なものが憑いているということはなさそうだ。衰弱しておるだけだよ。…もっとも、「だけ」というには程度が甚だしいがね。
これほど弱っているのでは、もはや儂らの手には負えん。技術と知恵に秀でた人間に預けた方がいい。
だから、…なんだ、運ぶ途中で
『信用ねーなオイ。持ち上げといて落とすのやめてくれよ御大』
そもそも冷えた血は好みじゃねーんだわと頬を膨らませつつ、ゴルバットはルチャブルの首根あたりをくわえてばさばさと羽ばたいていった。胴体のほとんどを占める大きな口と強靭な顎の力がなせるわざである。
『あとは、…そうさな…』
出発したゴルバットを見送った後、くるりとシャンデラが辺りを見回した。
『ミミッキュ』
『げっ』
『こら。そうつれない反応をするもんじゃないぞ』
アセロラのお嬢ちゃんにも一報いれておけと言われたミミッキュは、なぜに自分がと目をとがらせてぶうぶうと文句を垂れている。もとが出不精なので、アセロラのもとまでおつかいに行くことを相当に煩わしく思っているようだった。
『おまえさんが第一発見者だろうに。一連の詳細も知っておるんだ、適任だと思うがね』
『…ホントに言う必要あんの?』
『行きたくないからって逃げ道を探そうとするな、ミミッキュ。あの子はここによく見回りにくるし、儂らを気にかけてくれている。ちょっとしたことでも情報を共有しておいた方が互いのためになるはずだ』
ことさらに責めるでもなく、シャンデラの話し方はいたってゆったりとしたものだったが、諭されることにもカチンとくる反抗期そのままの態度を示して、ミミッキュはふんと鼻を鳴らした。
『あーあ、…クソだりぃな。これからは漂着物も拾得物も迷子もぜーんぶ無視してやる』
憎まれ口までしっかりと言い放つクソガキムーブをかまし、いかにも渋々の態度を装いながら、しゅるしゅると床を滑っていった。
太陽は既にほとんどが沈みかけ、先ほどの仰々しい赤みを失っていたが、それでもまだ、空には残り火みたいに朱色が残っていた。そこへ、うっかり倒したインクの小瓶から流れ出てきたような紺色が忍び寄り、二つの色が複雑に絡まり合おうとしている。混ざるうちに、いつしか色彩の比率も濃淡も逆転して、世界は夜に染まっていく───…。