第五章の世界観
■ これまでの簡単なおさらい
・ゲッコウガ♂ × ルチャブル♂ のポケモンBL
・ふたりは様々な世界に転生し、何度も巡り合うことになる。
・ゲッコウガは前世の記憶を保持した状態で転生する。
ルチャブルはどの世界線でも前世のことを覚えていない。
■ 第五章におけるゲッコウガとルチャブル
・ゲッコウガ
各地を放浪する
悪評をたてられると他の集落に入れなくなるため、表向きは善良な薬師を演じている。
・ルチャブル
とある理由から『日本晴れ』と『雨乞い』を習得している稀有な個体。集落の者たちからは、便利な労働力としていいようにこき使われている。
■ 作中では言及しない第五章の世界観
① 人類がいない世界
かつては人類とポケモンが共存していたが、人類は二百年ほど前に惑星外へと出ていってしまった。
【 人類不在の理由 】
人口増加によるゴミ問題や度重なる世界大戦など、複数の要因が絡まり合った果てに自然環境が破綻。惑星全体が汚染し尽くされたことでもはや正常化は不可能と判断し、人類は世代宇宙船に乗り込んで星外へと脱出した。
【 世代宇宙船とは 】
数世代~数十世代にわたる星間航行を実現させるための巨大な宇宙船。多数の男女が乗り込み、船内で子どもを産み育てながら新天地探しの旅をする(例:ディズニー映画『 WALL・E 』など)
搭載可能な限りの知識や技術が持ち込まれており、搭乗員が安全かつ健康に過ごすための設備が整っている。
【 船内で暮らすポケモン 】
人類にとって有用なエネルギーを生産できるポケモンや、懐きやすく従順な性格のポケモンは、少数ではあるが宇宙船に同乗しており、人類の船内生活を補助している。貴重な労働力として大切に養育される一方、ポケモンは超人的な能力を持つ者がほとんどなので、船内では厳しい管理下に置かれている。また、船内設備を破壊する可能性があるため、ポケモンバトルは禁じられている。
【 人類の現在 】
・惑星内 → 人類は滅亡している。
初代の搭乗員として選ばれなかった人類は非業なる最期を迎えた。ライフラインが完全にストップしていたことに加え、汚染された環境では呼吸もままならず、まともな食糧も水も手に入らないため、宇宙船に乗れなかった時点で詰みが確定。ゴミ山と化した惑星内に遺棄された者たちの絶望は筆舌に尽くしがたい。
ポケモンの協力を得られていたらまだ生き残れる可能性もあったはずで、実際、「全ての人間が悪いわけではない」と庇ってくれたポケモンもいたのだが、悲しいかなそうしたポケモンは少数派であり、「人間=世界を破滅させた元凶」という圧倒的多数の怨嗟を前にしてはなす術がなかった。
やがて、食糧不足と劣悪な環境に起因した疫病の蔓延、化学物質や放射線を浴び続けたことに依る生殖能力の退化によって、加速度的に人口減少が進む。汚染の影響で狂暴化したポケモンに襲われる犠牲者も相次ぎ、惑星に取り残された人類は半世紀と経たず死滅した。
・惑星外 → 今もなお人類の生き残りが宇宙船で暮らしている。ようやくテラフォーミング出来そうな星を発見したため、生存拠点を拡大すべく奮闘している最中。
【 武力調停ができなかったジガルデ 】
本来なら、人間によって生態系が破壊された時点で降臨し、パーフェクトフォルムを顕現させるはずだった。ところが、過剰な汚染によって肝心のセルが傷つき、結集する力を喪失。監視者・調停者としての使命を果たせず辛酸を舐める羽目になった。
② ポケモンたちの楽園
一言で表すならば「ポケモン不思議のダンジョン(略称:ポケダン)」の舞台
【 一時的な狂暴化 】
環境汚染に耐えられず淘汰されたポケモンもいるが、残されたポケモンたちの多くは生き延びることに貪欲だった。汚染が進んだ過酷な環境で生き抜くために狂暴化する者が頻出したが、それがある種の心身強化にも繋がり、多数の種族が生存を果たすこととなった。
【 浄化された世界 】
荒廃した環境に於いて、活躍が目覚ましかったのは「ゴミや有毒物を主食とする」生態を持ったポケモンたちである。表層にあるゴミにとどまらず、海底や地下に埋められたゴミを食べるべく「毒単タイプだった者が毒・水、毒・地などの複合タイプへと独自進化を遂げる」事例さえ見受けられた。ゴミが山積した世界は廃棄物を好むポケモンたちにとって恰好の餌場であり、結果、大繁殖。ゴミを食べ尽くし、地中・水中・大気中の汚染成分を吸い尽くし、百年ほどかけて凡そ完璧といってよい自然環境を復活させた。
ところが、世界の浄化に伴い、次は「浄化に貢献したポケモンが餌不足で激減する」という事態に陥る。奇跡的な浄化を成し遂げたことで
【 人類に対する認識 】
長寿のポケモンは人類の所業を覚えており、「世界を破壊し尽くしたあとで無責任にも逃げ出した連中」という共通認識を以て憎んでいる。特にレックウザはブチギレており、仮に人類の宇宙船が帰還してこようものなら徹底的に迎撃するつもり。大して仲が良くないデオキシスにも声をかけ、万が一の場合は共闘して人類を追い払うということで意見が一致している。
その他一般のポケモンは、「かつてこの世に『ニンゲン』と呼ばれた生き物がいた」という知識を持っているだけで、実物を知らずに過ごしている。人間たちが住んでいたとされる建物(廃墟)の多くは、巣として再利用されている。
【「知」の伝道者 】
「人類の罪は許しがたいが、高度文明の産物である知識や技術はポケモンたちの幸福のために利用する」という方針を打ち立てたのがミュウツーだった(生い立ちを考えると皮肉なものである)。
予てから人類によって汚染されゆく世界に心を痛めており、一旦は先んじて人類を殲滅することを考えたものの、己が手を下さずともそう遠くない未来に人類がこの世から消え失せることを予見していたため「人類のいないポケモンだけの世界」を想定した準備に取り掛かった。
かつて潜伏していたミュウツー城*1を再稼働させて情報の拠点とし、更には同様の施設を世界各地に建造した。
情報収集は人間社会に溶け込んでいるポケモンに依頼した方が効率がいいと考え、めぼしいポケモンと秘密裏に接触。ミュウツーから協力を打診されて断るポケモンはおらず、水面下で進められた「あらゆる分野の知識と技術の収集」は極めて順調だった。
→ 強力な催眠能力を持つポケモンを通じて有識者から情報を聞き出す
→ 優秀な変身能力を持つポケモンを通じて有識者の記憶をコピーする
→ ハッキング能力を持つポケモンを通じて研究データ等をかき集める
それぞれのポケモンの強みを活かしたことで、膨大な情報奪取に成功。己の根城を通じて黙々とアーカイブを整えていった。念には念を入れ、「生命種保存カプセル」まで用意している(生命種保存カプセルとは、いわゆる『方舟』である。多様な動植物の生命種が保管されている)。
最後はミュウツー自身の遺伝子に細工し、不老化。元が「遺伝子ポケモン」に分類される存在であるため、不老の身となるのは造作もないことだった。ついでにクローン体も複数つくり、浄化された世界における情報提供者としての立場を手分けして担うことにした(各地にある城を管理させるためにもクローンが必要だった)。
こうして、ミュウツーもまた荒廃した世界を生き延び、生き残った他のポケモンたちへ知識と技術を伝えていった。ミュウツーの働きによってポケモンたちの間で農業が浸透し、道具を用いるようになり、保存食などの簡易な食品加工の方法が一般化し、物々交換の概念が生じ、果てには他種族同士が集落をつくって自治を始めるといった変化が現れた。
神話・伝説級のポケモンたちからは「人間に作られたポケモンが人間の真似事でポケモン界を統治しようとしている」と揶揄されながらも、ミュウツーは己の信念に沿って行動し続ける。
独善的な部分も目立ち、全ての情報を開示しているわけではないため事実上の独裁であることはミュウツー自身が自覚しているところだが、もたらされた知識と技術がポケモンたちの生活を豊かにし、平和が保たれていることもまた事実である。
【 知識を広めるうえでの役割 】
・ミュウツー
→ SFでいうところのマザーコンピューターの立場。
・ジガルデ
→ 通信基地局の立場。頻繁にミュウツーと交信しており、世界各地に散らばるセルがミュウツーから受け取った知識を広めている。一般のポケモンにとっては「セル=賢者」という認識であり、新たな学びや困ったときの解決方法を得たいときに頼る相手。ジガルデの完全体(及びその役割)や、ミュウツーの存在は知られていない。
【 ポケモンたちの集落における一般的な「住居」の外観 】
多くは傾斜地を利用しており、トンネルを掘る要領で丘の中腹に水平に穴をあけて住居にする。器用なポケモンなら出入り口に扉をつけることも。『指輪物語』に登場するホビットたちの住まいを想像すれば分かりやすい。
竪穴式住居もよく見られる。内部の掘立柱や
※もちろん、上記のものがメジャーというだけで、ポケモンたちそれぞれの個性に合わせた巣の在り方は他にも多数存在する。
【 弱肉強食 】
ポケモンたちが理性的な自治活動をするようになったとはいえ、弱肉強食の原則が完全になくなったわけではない。被捕食の関係は依然として残っているため、以下の決め事がなされた。
→ 自分が暮らす集落の住民を狩ってはならない
→ 他の集落を襲ってはならない
特定の集落に属して生活することは防衛面でのメリットがあり、暮らしへの安心度は増す(ただし、世の中には良識のない賊もおり、集落ごと狩り場として襲われることもある)。
集落の外に出たら無法地帯に等しく、襲われても自己責任ということになっている。集落に属さずひとりで暮らす場合も、自衛含め自己責任。
肉食のポケモンのみが暮らす集落もあり、そういう場所では組織的な狩りと肉の加工がおこなわれ、頻繁に殺生しなくて済むよう工夫されている。対価を支払うなら、集落外の者にも肉を分けてくれる。様々なしがらみの中で思うように狩りができないポケモンたちが訪ねてくるため、保存のきく干し肉などはよく捌ける。