商談先の天音竹工房で辟易とさせられた五郎は、いつものように店を探すことに。
五郎が選んだ店は、なんとあの万々歳だった…
※エロ無しです
――神浜市 工匠区
ゴロー「ごめん下さーい」
タケ「はーい、お客さんっすか?」
ゴロー「あっすいません私、井之頭五郎と申します。親方さんはいらっしゃいますでしょうか?」
タケ「あー親方いまちょっと出てるんすよ!まあ中どうぞ!」
タケ「輸入雑貨商?なんか凄そうな仕事っすね」
ゴロー「ええ…」
タケ「あの…ちょっと聞きにくいんすけど…ぶっちゃけ年収いくらなんすか?」ボソボソ
ゴロー「年収、ですか…」
タケ「やっぱ輸入って儲かるんすかね?」
ゴロー「ええ…いえあの…大した額では~…」
タケ「またまた~結構稼いでるんでしょ?俺なんて親方がケチだから雀の涙なんすよ~」
ゴロー「ああ…はは…(地獄だ…)」
タケ「いや俺もね?もっと給料上げてくれって頼んでんすけどこれがなかなか……あっ」
月咲「タ~ケ~さ~ん~!?」
タケ「つ、月咲ちゃん!いやこれはちょっと…」
月咲「お客さんになに絡んでるの!いいから早く仕事戻って!」
タケ「す、すいません~」タタッ
月咲「すみませんうちのお弟子さんがご迷惑を…。お父ちゃ…親方、もうしばらく掛かるみたいで…」
ゴロー「はは…一旦出直します」
月咲「ホントすみません…」
ゴロー(はあ…めちゃくちゃ疲れた…)
ゴロー(疲れたらなんか………腹が…減った…)
トゥン♪ トゥン♪ トゥン♪
ゴロー(よし、店を探そう)
理子「いらっしゃいませー!」
マメジ「ワンッ!」
ゴロー(弁当屋かあ…。ここで済ませるのもいいが、今の俺の腹はガッツリを求めている…)
――北養区
ゴロー(ずいぶん遠くまで来てしまった…)
ゴロー(『洋食屋ウォールナッツ』…洋食か……ここはキープ…)
――参京区
ゴロー(『中華飯店万々歳』…、おお…この古びた佇まい、如何にも町の中華屋さんって感じ…いいじゃないか…!よし、ここに決めた!)
ガチャッ
鶴乃「いらっしゃいませー!お好きな席へどうぞー!」
隅のテーブル席に座るゴロー。
ゴロー「はあ~っ(疲れた…)」
鶴乃「お冷やどうぞ~!」
ゴロー「あっ、ありがとうございます」ゴクゴク…
ゴロー(火照った身体に染み渡る…)
お冷やで身体を冷やし、壁に貼られたメニューを見る。
ゴロー(やはり町中華といった並び……ん?
『悠久のボリューム! 究極四千年定食! きゅーきょくうまい!』…?
並々ならぬ自信を感じる…)
ゴロー「あっ、すみません」
鶴乃「はーい!」
ゴロー「この、究極四千年定食って…」
鶴乃「おっ、お客さん良いところに目を付けましたね!この究極四千年定食は万々歳のおすすめメニューなんですよ!」
ゴロー「へぇ~、じゃあそれ頂きます」
鶴乃「かしこまりました!お飲み物はどうします?暑いので生ビールなんていかがですか?」
ゴロー「あ、私『下戸』なもんで…」
鶴乃「えっ、そうなんですか?強そうだと思ったんだけどな~」
ゴロー「よく言われます…じゃあウーロン茶ください」
鶴乃「かしこまりました~!少々おまちくださ~い!ふんふん!」
ゴロー(元気いっぱい…まさに看板娘…)
フェリシア「あのお客さん飲まねーの?」
鶴乃「下戸なんだって」
フェリシア「へ~、強そーなのに」
タケ「こんちはー」
鶴乃「あっ、タケさんいらっしゃい!好きなとこ座って!」
タケ「はーい……あっ、さっきの…」ペコッ
ゴロー「どうも…(はあ…)」ペコッ
鶴乃「お待たせしました!究極四千年定食です!!」デーン!
ゴロー(おぉ~…!)
<究極四千年定食>
きゅーきょくうまい!量もすごい!
お店秘伝の四千年の味!
ゴロー(蒸籠が何段も積まれている…一番上は…チャーハン!)
蒸籠をどんどん開けていくゴロー。
中にはチャーハン、酢豚、小籠包など様々な料理が…。
ゴロー(これは気合いを入れないと…では!)
ゴロー「いただきます」
ゴロー(まずはチャーハンから……あむっ!うん…うん……うまい)
ゴロー(飯と具材が良い感じに油でコーティングされていて…うん…一般的な中華料理屋といった紋様…いいじゃないか)
タケ「ごちそうさまー」
鶴乃「ありがとうございました!」
フェリシア「したー!」
ゴロー(小籠包…レンゲに取って…箸を…ズブリ! …汁は控えめ…)
ゴロー(ふーっ、ふーっ、あむっ!…うん…うん…それほど熱くない…猫舌には優しい設計…)
純美雨「こんにちは」
鶴乃「いらっしゃいませー。おっ、美雨先生!」
美雨「醤油ラーメン一つ頼むヨ」
鶴乃「かしこまりました~!」
ゴロー(お次は酢豚……う~ん、この酸味の効いた香りが食欲を刺激する…あむっ)
ゴロー(…うん…うん…なるほど、ここの酢豚の野菜はシナシナ系…)
ゴロー(肉は…パサパサ系…う~む、町中華というより家庭で作る中華といった雰囲気…これはこれで良い…)
フェリシア「今日はかこ来ねーの?」
美雨「かこは家の用事で忙しネ」
鶴乃「かこちゃんの家って古本屋さんだっけ」
美雨「そうヨ。今日はあきらもななかもいないネ」
フェリシア「…常磐ななか…アイツは別に来なくていーや」
鶴乃「もーフェリシア!万々歳の貴重なお客さんなんだよ!?」
ゴロー(ふぅ…さて、と…)
気合いを入れたゴローは、料理を次々と口に入れていく。
ゴローの胃袋の中へと吸い込まれていく本格?中華の数々…。
ゴロー(ここの料理、家庭料理風の味わいだが、この物量は紛れもなく本格中華…気分はさながら秦の始皇帝…!)
チャーハンの米粒一つ残さず食べていくゴロー。
最後にウーロン茶を一気飲みして…
ゴロー「ふぅ~……ごちそうさまでした」
ゴロー「(杏仁豆腐…胡麻団子…うーむ…)すいません」
鶴乃「あっ、はーい。フェリシアお勘定!」
ゴロー「あっ、いえ…杏仁豆腐お願いします」
鶴乃「ふぇっ? …あ、はい!かしこまりました…」
フェリシア「あのおっちゃんまだ食べんのかよ…」
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鶴乃「ありがとうございました~!」
フェリシア「したー!」
ゴロー(ふぅ…まさに満漢全席…ん?)
レナ「なんか小腹空いちゃった。万々歳寄ってかない?」
いろは「え? …う~ん……今は…洋食の気分かな…(困り笑顔)」
ゴロー(洋食…そういえばここに来る前に気になる洋食屋があったな…)
ゴロー(次に神浜に来た時は行ってみるか…)
ゴロー♪ゴロー♪ゴロー♪イッノッガシーラッ♪フゥー
ゴロー♪ゴロー♪ゴロー♪イッノッガシーラッ♪フゥー
ゴロー♪ゴロー♪ゴロー♪イッノッガシーラッ♪ふぅ~~~
次回、孤独のグルメ「東の海、海上レストランバラティエの『エレファントホンマグロのグリル』」
お楽しみに!