インフィニット・ストラトス 機人の力を持つ者 作:ナハト・リコリス
演舞をしたいだけじゃないんです。一応は
俺は師匠の一人でもある東方不敗と共に近くにある島に来ていた。
因みにこの島まで海を走ってきたのだが、師匠は息も切らせずに普通にしているが、俺は滅茶苦茶キツく、久々の師匠の扱きについて行けてなかった。
「ふむ。勇太よ、少し技の質等が落ちたか?」
「ハァハァ。すみません。最近は、学園の、生徒会長として、書類仕事が、多かったので、多分」
「なるほどの。それにしてもだが、少々弛んでおるぞ」
師匠から思い切りお叱りを受けてしまったが、仕方ないと諦めた。
そして何とか息を整えながら、東方不敗と共に島の森の中に入り、森の中で話をすることにした。
何しろ本来なら俺の特訓相手であり、俺が神から貰った特別な空間以外では存在できない東方不敗がこの場にいるのは理由があるのだ。
因みに俺の専用機に関しては、清掃道具の性能発表中にシャルロットに預けておいた。
何しろこの手の身体能力に付随して、今回の事案で居場所を特定されるのは色々とキツイからだ。
「神からも聞いておる。お主が呼び出した敵、どうやら並大抵の敵ではないようだな」
「えぇ。最初のクラス対抗戦の時の敵に、この前の学年対抗でのラウラの事案。どう考えてもこの世界で生まれた敵じゃない可能性が有りますからね」
実を言うと学年対抗戦が終わり、ラウラのお姉様発言のあった次の日、俺は転生させた神に再会した。
本来なら何度も現世に関わるのはいけないらしいが、流石にラウラの事案は違ったらしい。
実はあの時のラウラに使われていたのは、なんと神が管理するこの世界とは別に管理する世界に存在する魔物の一種だったらしい。
だがしかし、ラウラの事案に関わったその手の魔物がこの世界に来た事案報告は部下達からは一切なかったらしい。
それだけに飽き足らず、ラウラの事案は元々はVT〘ヴァルキリートレース〙システムという、過去のIS操縦者を真似るだけの品物で、神夜が出てこなくても、本来なら織斑が対処して終わりの事件だったらしい。
だがしかし、今回の場合は神夜が予想したように、下手をすればラウラの命は消え、しかも使われた魔物は織斑に倒されたとしても完全には倒せておらず、ISコアのネットワークで存在して暗躍を続け、最終的には世界中に存在するIS全てを乗っ取り、操縦者を動かす為のパーツとして動くという、最悪の結末が待っていたらしい。
流石の最悪とも言える未来の可能性が発生した事態に神すら驚き、俺にラウラの事件の確認をしに来たのだ。そんな話を聞いたので、俺は調べていたシャルロットの案件を話したら、彼女にもそんな歴史では無いと言われ、俺達も驚いたほどだった。
因みにシャルロットに関しては、本来の神の知る歴史であるなら、デュノア社の人間として何とか生きていくことになっただけで、俺が調べたような案件にはなっていなかったらしい。
結果として俺達を転生させた神すらこの世界の歴史そのものに介入している何者かがいる事が判明し、流石の事態に神によって俺の能力が少しだが変更がされたのだ。
それが目の前の師匠や、シャルロットの判決の際に念の為に影に潜んで護衛をしてもらったシュバルツさんのように、俺の師匠達関係の人達をこの世界に召喚できるようにしてもらったのだ。
だがしかし、俺を鍛えてくれた師匠達のレベルが高過ぎるため、この世界で一度召喚したら、次の召喚にはインターバルが必要になるもので、おまけに多様はしないように言われている。
何しろ下手にこの能力を多用すれば、この世界の崩壊するスピードを早めるとも言われたので、基本的には俺達だけで対応するつもりなのだが、今回は臨海学校で師匠の一人でもある東方不敗に来てもらい、少しでも学園側と話等ができたら良かった程度なのだが、予定は大幅に変更される事態となるのであった。
「して、どうするつもりじゃ?」
「今の姿じゃ情報を仕入れないですが、大方の予想はつきます。あの白騎士事件を起こした篠ノ之束が妹への誕生日プレゼントを渡して終わりって事は無いでしょう。師匠が来る前に来た山田先生の慌てようからして、恐らく何かしろの事件を起こしているはずです。それも恐らく妹に渡したISの性能が無ければ対処できないような事案を」
『正解です。それだけの情報でそこまで読まれるとは』
俺達が声のした方向に向くと、ビークルモードのボルフォッグがいた。
『イスラエルとアメリカが共同で開発した軍用IS【銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)】がハワイ沖で試験運用していたところ、外部からの不正アクセスによってコア・ネットワークから切断され、〘他のIS全てを敵機と誤認する暴走〙を起こし、更に何故か〘一番近くにいる〙という理由でIS学園の専用機所持者達がいるこの場所に向かって進行中。この事態の対処を国家IS委員会が臨海学校にいる生徒に対処しろと命令を先程発しました』
「おいおい(汗)軍用に開発されたISを学生に対処させろって本来無理だろ。それにそんな条件付きとも言える暴走なんてありえない。篠ノ之束の奴、何を考えてやがる(怒)」
「なるほど。お主から白騎士事件の真実を聞いておったが、まさかここまで性根が腐った輩とはな(怒)」
『それに関しては私達も同感です。で、どうしますか?』
「・・・現状は待機と情報収集だ。恐らく現状で予想できる対策は織斑の白式による零落白夜による一撃を入れることだろうが、恐らくこれは失敗に終わるはずだ」
俺がそう言うと、この場にいる二人は不思議そうにしながらも話を聞いてくれた。
「まず最初に敵のいる場所が広い海上である以上、いくら戦闘区域になる場所を封鎖したとしても、戦闘区域内に何かしろの理由で故障等をして移動や連絡が取れなくなった可能性のある船舶や、違法な系列の船舶がいないとも限らない。それにいくら織斑が普段からISの練習をしているとは言っても、こんな状況下での戦闘訓練はした事が無い。それに今回の作戦であの清掃道具が同行する事態になったとしても、ついさっき貰ったばかりの機体の全てを知れる訳がない。おまけに、この作戦的にはエネルギー関係もあって一度失敗したらすぐさま撤退しないといけないものだ」
俺がそう言うと二人は納得し、現状は待機としつつも、俺は東方不敗から軽く修行をしながら待機をしていた。まぁ軽くと言っても、身体を鍛え直しているのだが、滅茶苦茶に落ちているのがよく分かった。
そして数分後、ボルフォッグから作戦は失敗し、同時に織斑が大怪我を負ったと報告された。
流石の事態に俺も驚いて織斑が怪我を負った理由を聞いたのだが、その理由に関しては何とも言えなかった。
「・・・戦闘区域に船舶がいたのは仕方ないが、違法船としか認識してないのか。おまけに何で海の方に行くんだ?その船舶に流れ弾が行くかも知れないと考えてないだろ。そして清掃道具は調子に乗ってエネルギー管理もしてないと。全く、俺の予想した状態よりも酷いな」
『ですが現状はその戦闘で消費したエネルギー回復の為に活動を中止しています。最低限度の戦果としては上げていますが、総合的に見れば評価等は低いですね』
「・・・まぁいいわ。師匠、もう少し修行をお願いします。今の状態じゃ恐らく今回の敵には勝てません」
俺がそう言うと師匠は納得し、俺に修行をつけてくれるのであった。
そしてその日の夕方前に何とか帰って来て、織斑先生達と合流した。
因みに織斑先生から師匠はどうしたのかと聞かれたが、師匠に関してはそのまま旅に出たとし、久々に修行をつけてくれたとだけ話した。
そして現状を聞いたのだが、俺としては織斑が怪我をしたと周りから聞いたのだけを話し、織斑先生も箝口令付で現状の状態を教えてくれたが、基本的にはボルフォッグからの報告と同じなので何とも無かった。
因みに俺は戦闘等には参加しないと発言しておいた。
実は今回の臨海学校における俺の運用装備的な面においては、俺と協力してくれる企業団体等は未だに無く、学園が保有する物品のレンタル運用レベルでしかないのだ。
更に元々俺は臨海学校で行う予定の学園外での特殊訓練を主にした装備のみで、今回の事件の相手とまともに戦えるだけの装備等は一切持ってもいないからだ。
「分かりました。後ですが、その違法船扱いになっている船舶に関しては念の為にもう一度調べ直したほうがいいと思います。もしも何かしろの理由で故障等をしての難破船扱いだった場合、現状話を聞いた限りでは俺達側が大分悪いですからね。最悪の場合になりますが、今回の事案が原因で次から学園がこの旅館での使用を永久禁止される可能性も有ります。それどころか、次からは本来臨海学校で行う予定だったIS学園外での各種特殊訓練等の事案を行う為の宿泊施設の予約がこれから一切取れなくなる可能性も有ります」
「・・・流石にそれは」
「一応は念のためです。もしもここで対応を間違えたら、困るのは来年度からの我々学園側の関係者全員です。泊める側からすれば我々がどれだけ上客だろうと、周囲との関わりがあります。旅館等の宿泊施設運営には周りの協力が必要ですし、今回の事件での対応が酷すぎたら、この旅館から全国、もしくは世界中の宿泊施設の保有するさまざまなネットワークで広がり、受け入れ拒否するリストにIS学園の名が入るかも知れないんです。我々が今回しっかりと対応して頭を下げたらいいだけです。我々がした事案で後々の面々に迷惑はかけれませんからね」
俺がそう言うと織斑先生も納得し、一応だが今回の事件での違法船とされた船舶の方面を後日再度調べることになった。
そして俺は清掃道具を除く他の待機メンバーと合流したら、ラウラがドイツの監視衛星を利用して目標の居場所を見つけたらしい。
だがしかし、彼女達は迎撃する気は全く無かった。何しろ命令違反をする気は無いし、戦いに参加するだけの理由がないとしたからだ。
「・・・そうか。だが念の為に敵の近くで待機してくれ。もしも起動が再開した場合はここに向かってくるからな。だが、俺は今回の戦闘では保有するISの性能や武装的に役立たずだと織斑先生にも報告している。序にあの清掃道具も無理矢理にでも連れて行け。どうせ自己嫌悪に陥って、専用機なんて捨ててやるみたいな事になってるだろうから、すまんが鈴、一緒に来てくれ」
「何で私が一緒に行くのよ?」
「仕方ないだろ?あの清掃道具とお前は織斑の幼馴染だからな。一応だが共通点がある奴がまだマシと思ってな。他の皆は後で来てくれ」
「・・・まぁ確かにそうね。私としては一夏の幼馴染なんて止めた気持ちだけど、今回は仕方無いわね」
俺達は清掃道具の今いる場所を周りから聞き、その場所に行くと、俺の予想通りの事案になっていて、鈴も驚きながらも、清掃道具の言い分に腹が立っていた。
「ふざけんじゃないわよ!あんたの貰ったそれは、簡単に捨てていい物じゃないのよ!!」
「全く。お前が言うだろうと予想していたとは言え、それは望めば簡単に手に入る品物じゃない。それは本来なら本人が相当努力し、それが国や企業等に認められた証でもある。おまけに、学園に何人の各国の代表候補生達がいると思ってる?国家代表候補生だからと言って、絶対に専用機を保有してる訳じゃない。お前が持ったそれが、どれだけ恵まれているものなのか分かってるのか?」
俺達がそう言うと、清掃道具は顔を伏せ、何もできないと言うと、他の面々が敵の居場所が分かっていると宣言した。
そう言うと清掃道具は顔を上げ、そして戦いに赴く闘志を燃やしていたが、俺が参加しない事を言うと侮蔑の目で見たが、周りは口を出さなかったが、清掃道具は完全に信用や信頼は無いに等しいだろうが、今回は口を出さずに見ているだけにしていた。
「俺は武装や保有するISの性能的に今回の敵相手は無理だからここに残る。だが、全員生きて帰ってこいよ」
そして俺以外のメンバーは全員で戦いに赴くのであったが、俺としては篠ノ之束の動向が気になっていた。
「さて、あのウサギは一体これから何をする気だ?」
一応だが戦闘区域内の情報はボルフォッグ達からの連絡待ちであるが、下手に何事もなければいいなぁとしか思っていない。
だがそれ以上に、俺の力に対抗する為だけに何をしでかすのか分からない篠ノ之束が脅威でもあった。
一応現在は神から貰った情報操作の力を使って周りに俺達がバレないように隠れているが、それも何かしろの戦闘で変化があれば行くかも知れないが、あのウサギは下手にヤバい力を持つ系列を使うと、そこから更にヤバい系列を作りそうだと感じてもいたからだ。
何事もなく、全員が生きて帰って来る事のみを期待するしかなかった。