黒歌の眷属性活 作:こくもつさん
エロにたどり着くまでが長いのをどうにかしろもちごめ。
「……え?今日はえっちするんじゃないの?」
と、マスターの座する執務机に寄りかかる黒歌は首を傾けた。
マスターの元で暮らし始めてはや一月、今日も今日とて呼び出され、怪我が完治しリハビリに勤しむ白音に送り出されてやってきたというのに、しかしどうやら要件はいつもの性欲処理ではないという。ズボンのふくらみに落ちていた物欲しげな眼を制せられ、ほんのり残念そうな様子の黒歌に、マスターは卓上に広げた書類にペンを走らせながら鼻を鳴らした。
「ったりめぇだろ、俺は今仕事中だ」
「机の下にもぐってしゃぶればいいのかって思ってたにゃん」
「だから集中できなくなるっつってんだろォがバカ。ヤる時に余計なもんは持ち込まねェのが俺の主義なんだよ」
書き終えた書類を片付け、身体を捻ると背後の書架を漁り始める。その手つきはペンを握る右手と同様にこころなしイラついているように見えたが、しかし黒歌は委縮するでもなく、むしろ逆にニマニマと頬を歪めながら周囲、初めて入った執務室を見回した。
「ていうか、マスターってちゃんとお仕事もしてるのね。いつも『ヤらせろ』ばっかりだし、それに貴族ってみんなお金持ちで常に遊びまわってるものだって思ってたにゃん」
「なわけねェだろ。不労所得で屋敷を持てるのは精々大王家のジジババ共くらいだ。しがない分家の当主は、真面目に領地運営やらなんやらやらねぇと飯が食えねェんだよ。……で、肝心のお前を呼び出した理由だが――」
書架から一冊のファイルを取り出し、ペンを置いたマスターは肩ひじを突きながらそれを開いた。その中に閉じられた一枚の書類を示し、言う。
「領民の家畜やらペットやらが消える被害が相次いでる、っつー報告書だ。少数ならまあおかしな話でもねェんだが、上がってくる数がある日を境に爆発的に増えた。件数も範囲も、異常なほどにな。見りゃァわかると思うが」
「……えっと……うん」
示されたデータにたちまちニマニマ笑いを引っ込めた黒歌に肩をすくめつつ、マスターは続ける。
「そんで最近になってようやく犯人が目撃された。報告によればそれは緑の肌に矮小な体躯を持つ人型生物、つまりゴブリンとかそこらへんだ。他所の野郎の領地なら発覚した時点で駆除、山狩りでもしてぶっ殺すのが普通なんだが……」
一つ息。黒歌も、言わんとされたことを理解した。
マスターが頷く。
「俺の眷属、
黒歌の記憶にあるオルゴランも、いかにもそんなことを言いそうな偉丈夫だった。
武人然としたストイックさを持ちながら、情に厚い。曰くマスターの眷属となったのもなり上がって王となり、迫害されがちなオークたち亜人が暮らせる国を作るためだそうで、見捨てられなかった理由も容易に頷けるものだった。
ただ、オルゴランは決してただの夢想家ではない。その腕っぷしも、黒歌と同じく転生に駒二つを消費しただけに高く、獲物の特大剣であらゆるものを叩き切る剛腕を誇っていたそうだ。
「それで一任していたんだが、連絡が途絶えた」
だからこそ、それはあまりにも不自然だった。調べに時間が掛かっている、などであればともかく、どうなっているのかもわからないとなれば明らかに異常。その深刻さはマスターも当然理解しているようで、話す口は段々と深刻さを帯びていった。
「あいつはまあ、俺ほどじゃねェが王の器だ。ゴブリン共との関係も良好だった。あいつの存在があってこっちに移住してきたっつぅのも多かったからな。……なのにこれだ。あいつが話し合いで下手を打った可能性は低い上、もしそうだったとしても俺に何の連絡も寄こさねぇことなんぞあり得ねェ。とっ捕まってるとも考え難い。何かしらの想定外が発生したこと確実だ」
「……だからそれを調べてこいってこと?でも、なんで私なのよ。自分で言うのもヘンな感じだけど……私の仕事ってみんなの性欲処理でしょ?それ以外なんてしたことないし、そういうのって例えばボーとか――」
と反論を並べる黒歌。しかしマスターは遮り、答えた。
「ゴブリンが浚った獲物は、そのほとんどがメスだ。性欲旺盛で且つメスが少ねェ種族だからな、用途はほとんどがシコるためだろうよ」
眼が黒歌に向く。ファイルがしまわれ、黒歌もそれを見つめ返す。
「とはいえ突っ込む穴は所詮獣。亜人の奴らに合うのは、やっぱり同じ人型なわけだ。今まで悪魔の女が攫われたっつぅ被害がねぇのはゴブリン自身に魔力を扱う悪魔を捕まえられる力がねェってだけで、奴らはいつも狙ってる」
だからつまり、マスターは――
「餌になってこいって、宣ったわけよ」
と数時間前、屋敷を出る前にマスターと交わした会話を語ってみせた黒歌は、寄りかかる執務机役の大岩から身を離し、回想の終わりに不機嫌をまとめて吐き出した。
ゴブリンの住処があるという鬱蒼とした森の中、赤々と燃える焚火を見つめる黒歌。そこいらで手折った生木をたっぷりくべているために湧き出る煙を、最近ようやく扱い慣れてきた魔力で空へと運びながら、さらに心のしたしこりをさらけ出す。
「酷くない?確かにウチって男所帯だし、屋敷のメイドさんにやらせるわけにはいかないだろうけど……だからってゴブリン相手に“女”を売ってこいなんてさ、そんなこと言われて喜べるほど変態じゃないにゃん、私」
「主様もそこまでは言っていませんよ。餌といってもただの囮、犯されずとも彼らのコロニーを探し当てればいいんです。オルゴランしか知らないその場所を我々が知らない、といことが一番の問題であるわけですから」
「……そうだけど、そうじゃなくってさ……」
応えが返る。黒歌はその言葉、声に顔をしかめ、そっちを見やった。
だが聴覚に加えて視覚にも認めれば、それはもうちょっとした不機嫌なんて掻き消してしまう。しかめっ面にはすぐさま困惑が混入し、取って代わった。
森の前で合流したこの相手があまりにも自然に、それが普通でおかしいことなど何もないかのようにふるまうので今まで突っ込むに突っ込めなかったのだが、きっかけを得た黒歌はとうとうその決心を固めた。
「……っていうかさ」
焚火の傍に腰かけ薪をくべる同行者に、黒歌は言った。
「……なんで
「おや、もしや一人がお好みでしたか?しかし生憎、貴女にはこういった仕事の経験がない。さすがの主様も初仕事に一人っきりで挑ませるような――」
「いやそうでもなくってさ!」
また話が逸れてはたまらないと、黒歌は慌てて首を振る。そう、困惑の本質は
「なんであんたが
姿形も、面影は残せどほとんど別人。細身だが男らしい筋肉に覆われていた肢体からは硬い凹凸が消え、代わりに柔らかそうな脂肪が各所を覆っている。桃色、というよりピンク色のさらさら髪はツインテールで、胸は黒歌と同じくらいに飽満、そして折れそうなほど細い腰と一転して肉付きのいいお尻が、大分縮んだ身長と相俟って強烈に強調するのは、間違いなく女。
インキュバスだったはずなのに、いかにもサキュバスといったふうな男好きするメスの身体になっていたのだ。
そんな
「なんでと言われれば、それは私が元淫魔であるからです。生気を糧とする種族ですので、例えば顔や性格や、あるいはそもそも性別が好みでないなどといわれれば食いっぱぐれてしまうでしょう?元来、性別から変化する能力を有しているんです。性自認は男なので、普段はあまりこの姿にはならないんですがね」
などといういつもの丁寧口調をその声色で言うせいで生じるすさまじい違和感を、黒歌は今までの慣れでどうにか呑み込んでため息に変換した。
吐き出し、再び大岩の上に顎を乗せてじとーっと見つめる。
「……なら最初っから、私、巣探しに必要なかったんじゃないの。みんなの性欲処理とかも、
目を合わせるだけで絶頂まで導けるのだから、私がやるよりもよっぽど簡単にあの性豪たちを満足させられるだろう。そう思う黒歌だが、
「マスター曰く、『外面はメスでも中身がオスならそれはオス。俺はホモじゃねぇし、俺の持ちモンが互いにケツ掘りあってるのを見て楽しめるような性質でもねェ』だそうなので」
「……あっそ」
色合いの異なるため息を吐き出す黒歌。だが無意識に変わったその色に気付く前に、
そして次に目が開いた時、その表情から言葉まで、雰囲気の一切合切が豹変していた。
「わかったなら、いい加減その
「く、黒ちゃん?ええっと……わかった、にゃん……サナナ」
うんうんと頷く
なんとなく釈然としなくはあったが、しかしやがて、黒歌はサナナのあまりの適合っぷりに深く考えることをやめた。彼女を拒んだマスターの気持ちがわからなくなってくるくらい、もう完全にメスにしか見えない彼女であれば、ゴブリンの巣を探すという目的には全く問題ないだろう。であればもうそれでいい。
その結論を証明するかのように、近くの草場が鳴ったのはそれからすぐ後のことだった。
狼煙のように立ち上らせた煙、そして黒歌とサナナの声やにおいに引き寄せられたゴブリンは、ずっと探し求めていた人型のメス二匹を見つけ、歓喜のまま、粗雑な荒縄を手に飛び掛かった。そして一方の黒歌とサナナも、大した抵抗もせずにそれに囚われる。例えば年長のゴブリンであればそれが奇妙なこと、何の変哲もない荒縄で悪魔を捕まえられたことに疑問くらいは持ったかもしれないが、しかし年若い彼はそんなことなど考えもせず、初めての大戦果を自慢したい気持ちを逸らせ、汚らしい腰巻のふくらみを押さえながら早足に自らの巣へと歩を進めた。
そしてたどり着く。小さな岩山の麓、草木やツタ類で隠された洞窟の中に、彼女たちは足を踏み入れた。
「うわぁ……ほんとに、そこらじゅうでヤりまくってるにゃん……」
湿気のこもる内部を目にするや否や、思わずといったふうに黒歌の口から零れ出た。
極広い間隔でしか置かれない松明の薄ぼんやりした灯りの下に何匹ものゴブリンと、そして攫われてきた家畜たちがひしめいている。ぐちゃぐちゃという水っぽい音と下ひた笑い声、多少は異なるが生臭い臭いと合わせて考えれば何をしているのかは考えるまでもなく、黒歌は縛られた両手を持ち上げて汗の滲む頬を拭った。
粗末な手錠に続く縄を握る若者ゴブリンも汗に濡れ、そしてその眼も興奮に血走っているがしかし、膨らむ股間をぎゅっと握り締めて耐え、どうにか洞窟の奥へと足を向けている。そんな我慢で意識はいっぱいいっぱいらしく、黒歌の呟きも、そして続くサナナのドヤ顔も、彼には全く聞こえていないらしかった。
「あれは下級ゴブリンね。ゴブリンにも階級制度、下級から最上級までランクがあって、下の階級ほどエッチなことを我慢できないの。黒ちゃん知らなかったでしょ?だからみんな、家畜一匹にあんなに群がってるのよ。……まあ、階級制度を作ったのはオルゴランなんだけど」
「……ふぅん。じゃあ羨ましそうに見てるあたり、このゴブリンも下級?私と同じ階級かぁ……」
転生したばかり故に、黒歌は階級的には下級悪魔。反して実力のみなら中級どころか上級まで手が届いているなんて言われているために、ぼやきながらも黒歌の口調に不満はない。
むしろそれは、汗を拭く身体と同じく熱を帯びていた。そしてそのことに、黒歌は気付いていない。
「……やっぱり、変ね」
だから唯一、平然と蠱惑的に首をかしげることができるサナナが、それに気付くことができた。
熱も併せて同性だというのに喉を鳴らしてしまった黒歌が、瞬きしてそれを誤魔化しつつ、「え、何が?」と意味を尋ねる。サナナは小生意気に鼻を鳴らし、呆れたふうな眼を黒歌に向けた。
「へぇ……黒ちゃんやっぱり気付いてないんだ。慣れすぎちゃったからなのかなぁ?」
「……よくわからないけど、私もしかして馬鹿にされてる?そういうのいいから、異常があるならさっさと教えるにゃん。お仕事に関わるかもしれないならなおさらよ」
周囲で盛るゴブリンたちが撒き散らしている、と言うには上気しすぎている黒歌の頬を見つめながら、サナナはそのピンク色の空気感の異常を言った。
「濃すぎるの。淫気、エッチな空気が」
それはただの雰囲気ではなく、悪魔の使う魔力や天使たちの使う光力と同じ類の、れっきとした“力”の一つだ。
「あたしたち淫魔の糧だからよくわかるけど、ゴブリンのコロニーだとしても普通はここまでの濃度にはならないはずだもん。……呼吸一回する度におっきなハンバーグがお口の中に入ってくる、くらいの濃さ。ね、あり得ないでしょ?」
「は、ハンバーグ……?」
「そ。黒ちゃんも周りのゴブリンも、ハンバーグに飯テロされて、身体が“エッチしたい~”ってなってるの!」
その例えは黒歌にとって今一つ理解し難くあったが、しかし言われて自身の身体を認識した。奥、下腹の小さな疼き。それは確かに、つい数時間前、奉仕の仕事だとマスターの執務室へ向かっていた時のものと同じ。
と、そこまで考えて全身がほてる感覚を意識してしまう黒歌は、かぶりを振って思考の方向を本来の目的へと切り替えた。
「じゃ、じゃあさ、もしかしてオルゴランから連絡なかったのって、もしかして……」
「もしかしなくてもこれが原因よ。だって、ほら」
サナナが前を指さした。途端、むわぁっと漂ってくる空気。さらに強烈な淫気が、黒歌の胎内を甘く絞り上げる。
身を跳ねさせ、正面に戻った黒歌の意識に届くのはさっきと同じ水音と臭い、ではなく、より激しく濃く、そしてゴブリンの矮躯とはまるで違う剛毅を覗かせる、小山のような背中だった。
松明の灯りから赤が取れて薄紫ばかりが広がる奥の暗がりへと、黒歌たちをここまで連れてきた若者ゴブリンが金物のすれる耳障りな音で下品に舌なめずりをした。
「ギヒ……オレ、アクマノメス、ツカマエタ!ホカノゴブリン、デキナイコト、オレ、デキタ!ダカラオレ、サイジョーキューゴブリン!!アクマノメス、オカシテイイ!!ソレ、ヤクソク!!オルゴランサマ!!」
聞き取りづらいが言葉をしゃべったことに対する驚きもつかの間、小山、オルゴランの背中が、ゆっくりと黒歌たちに振り向いた。
腰を下ろしていても三メートルはありそうな巨漢。脂肪の類の一切ない、盛り上がった筋肉に覆われた肉体が、肌に流れる汗を煌めかせ回転する。
そうして見えた容貌を確かめるまでもなく、黒歌もサナナも、危惧の的中に気が付いた。
「グゴオオオォォォッッッ!!!」
獣のような風体も激怒のみを叫ぶ吠え声も、いつものような武人然とした雰囲気は一切が存在せず、そのすべてから正気は失われていた。
洞窟を反響し、物理的な衝撃すら感じるほどの咆哮。天井からパラパラと降ってくる石片は崩落すら想起させ、若者ゴブリンを震え上がらせるには十分だった。悲鳴すら上げられず、黒歌たちを戒める荒縄を落としてへたり込む。
しかし黒歌たちには吠え声としか認識できなかったがゴブリンには一応言葉として聞こえたらしく、コクコク頷き四つん這いのまま、再び荒縄を握り締めた。
ただし、サナナのものだけだ。
「ワ、ワカッタオルゴランサマ!!チッコイノ、ツレテク!!デッカイノ、ノコス!!オレモ、ホカノゴブリンモ、チカヅカナイ!!」
叫ぶなり、若者ゴブリンはなんとか立ち上がって洞窟を駆け戻り始めた。逃げるようだが腰が抜けており、何度も躓いては何度も転ぶ。
それを横目にするサナナは少し俯き思案した後、背を向け若者ゴブリンの後に続いた。
「オルゴランも主さまと同じであたしとするのは嫌みたい。というわけで黒ちゃん、後はよろしくね!」
「よろしくって……なにをどうすればいいのよこれ……」
「ヤりた過ぎておかしくなっちゃったんだから、すっきりさせれば戻るんじゃない?あたしはゴブリンたちをおとなしくさせてくるから!」
返された黒歌はオルゴランを見上げる。合致した目線に蛇に睨まれた蛙の気持ちを知った黒歌は、思わず後ずさりしてしまう。
けれど……けれどだ。黒歌は別にオルゴランの性処理をするのが初めてというわけではない。初日の眷属全員での輪姦を含め、他のメンバーより頻度は少ないがしかし何度か経験がある。体躯と同様巨大な肉棒だが、受け入れられるはずだ。
鬼もかくやといった迫力に当てられながら、黒歌は実績を頼りに身体から怯えを取り払った。
が、
「……辛いだろうけど、黒ちゃんなら大丈夫!頑張ってね!」
という言葉と共に、サナナから何かの術が黒歌へと飛ぶ。たちまち激増する身体の熱。初めての時に使われた、所謂“初めての痛みを和らげる術”に似た感覚に、黒歌は訝しげに眉を歪めた。
しかしもはやサナナにその疑問は届かず、そして間もなく、伸びたオルゴランの手が黒歌の身体を掴んだ。
オルゴランはその巨体に比例し、手もまた巨大だ。黒歌の腕ほどもある太い指が胴を締め上げ、全身を持ち上げて股間へと運ぶ。体格差の関係上、こうして、まるで黒歌をオナホールのように扱うのがオルガロンの性処理であるわけだ。
狂っていてもそこは普段通りで、黒歌はひとまずサナナの不可解な忠告は忘れることにした。服と下着を引き裂かれ空気に触れた膣口に、マスターに続く大きさの亀頭がめり込む衝撃を覚悟する。
多分に期待も含んで濡れたそこが、息を呑むと同時にぬちゃりと触れた。
そして、期待は瞬時に凍り付いた。
「……へ?」
感じる熱が、黒歌の知っているそれよりはるかに広い。淫裂だけでなく内ももまでもを柔らかく丸い感触が押していて、そのサイズはもう、大振りのメロンかスイカにでもまたがっているかのよう。
視線を股に持っていけば、黒歌は硬く反り返った肉塊の全容を目にしていよいよ震え上がることとなった。
「お……おっきすぎ、ない……?」
オルゴランの肉棒は、黒歌の知るそれ以上の怒直と化していた。
長さは、またがる黒歌の足が根元にも触れないほど。幹の太さも太ももほどもあり、座する亀頭は言わずもがな。もはや棒という大きさではなく、柱と称して差し支えない。
黒歌の知る限り、オルゴランの一物はそこまで巨大なものではなかったはずなのだ。それに竿自体ももっと柔らかかった。だというのに、そこにあるのはマスターをも優に超える化け物染みた巨根。
全体は既にぬらぬらと得体のしれない汁に覆われていたが、例え更なる潤滑油があったとしても到底中に入りそうにない肉柱に感じた恐怖が、見つめる黒歌の頬をピクピク痙攣させた。
だが――
(……これ、もし入ったら――)
どうなっちゃうんだろう。
期待が捻転してそんなふうな思いと化してしまったことを、黒歌は否定できない。
興奮は加速度的に増していく。黒歌を握るオルゴランの手に力が入り始めた。膣口の肉が潰され、開かれ、徐々に徐々に押し込まれていく。巨大な亀頭の先端が粘膜に触れて、あっという間に淫唇はボーの亀頭球をねじ込まれた時以上の広がりを見せた。
それで黒歌の膣口はいっぱいいっぱい。それ以上の拡張など不可能なほどピチピチに張り詰めていたが、それでも尚、進行は止まらない。悲鳴を上げる肉体。そしてオルゴランの身体、特に肉柱から立ち上る熱気と臭気が合わさって生まれる破滅的な期待感。目前に迫る味わったことのない未知の快楽に、唯一肉柱を拒める両脚すら宙ぶらりんのまま、黒歌は己の身が破壊されていく光景を欲情の顔で見つめていた。
そしてとうとう、オルゴランは低い唸り声と共に黒歌を最奥まで貫いた。
ごりゅりゅりゅりゅっ
という、骨や内臓が捻じれたり潰れたりしたような音が黒歌の体内で鳴り響き、納まりきらない質量が黒歌の腹を内側から押し上げた。
同時、
「あ゛――」
期待の眼がまとめて白目を剥き、全身から力が消えた。
オルゴランの指を掴んでいた手も滑り落ち、首もこてんと傾く。押し潰された膀胱からは小便が噴出して、拍子に四肢がびくりと跳ねた。
だがしかし、凡そ普通ではない腹ボコを強いられ、膣穴と腹がはち切れんばかりの有様となってしまった黒歌だが、失神の理由は決して苦痛故ではなく、ひたすらな快感。伴うはずの苦痛はサナナの術で余さず消し飛ばされ、残ったそれに脳を焼き切られてしまっていた。
だからすぐ、始まったオルガロンの抽送に、黒歌の意識は叩き起こされる。
ずろろろろっ
内臓ごと引き抜かれる悪寒が快感へ転化されて、たちまちに黒歌の目の奥にスパークを撒き散らした。
「ひっ――に゛ゃううぅぅッッ!!?」
意識を取り戻し、悲鳴とも嬌声ともつかない声を上げる黒歌。口の端から泡となった唾が零れ、次の瞬間、今度はまた肉柱に沈められる衝撃に、たまらず背を走った絶頂を叫ぶ。
「イ゛キ゛ッッ!!イ゛く゛っ!!おチンポッッ、コレ、ヤバいイ゛イ゛ィッッ!!」
上下に揺さぶられる道具のような扱いのピストンは、限界寸前まで中を広げる肉柱と相俟って、もはや膣壁をかきむしられるとかそういう次元ではない。イイところをまとめて諸共にすり潰されるかのようで、絶えず限界値の快感を打ち込まれる黒歌はなす術がなかった。
小便も潮も愛液も、あらゆる体液はびしゃびしゃに撒き散らされ、頭からは絶頂以外の一切が吹き飛び、当然口からは意味のない叫び声しか出て来ない。イきすぎて奇しくもオルガロンと同じように狂わされた黒歌は、オルゴランに
自身の肉柱を扱くオルゴランの手が早くなり、そして、
「ゴオオオォォォッッッ!!」
もう隙間などあるはずもない黒歌の中に、白濁の奔流を打ち放った。
「……ッッ!!!」
嬌声は鳴らなかった。肺の中の空気まで押し出されたからだ。代わりに反り返った喉をぶるぶる震わせ、射精に炸裂させられる性感の爆発を余さず受ける。
爆発の勢いは一分近く続いた。その間、吐精でさらに膨らんだ肉柱の栓のせいで黒歌の腹は膨らむばかりで、内臓の全てを犯される心地の顔はとろけきっていた。サナナの術のおかげで損傷はなかったが、術が無ければ皮膚の下で内臓と精液のミックスジュースが出来上がっていただろう。その事実がたまらなく黒歌の官能を刺激する。もはや廃人同然の思考をしてしまっていることに気付く余裕もなく、注がれる精液が止まるまで、黒歌は破滅に酔いしれるのだった。
やがてオルゴランは射精の余韻にも満足したのか、自分の肉柱から黒歌を引き抜いた。離れ難いとでも言わんばかりに肉柱に吸い付く膣肉を力任せに引きはがすと、黒歌が身を反る絶頂と共に、体内に溜まった精液が勢いよく噴き出してくる。
どぼびゅっ、びゅぼっ、ぼびゅびゅびゅっ、などという聞くに堪えない汚い音と共に零れる、黄色みがかった粘っこい塊の数々。嗅覚に染み込む吐き気がするほどの性の臭いを嗅ぎとった黒歌の嗅覚は、聴覚視覚と合わせてその頬をだらしなく緩ませた。
「……え、へへ……わたし、おマンコから、射精しちゃってるぅ……」
溶けていく圧迫感と合わせて、それは通常の男の射精と同じような快感だっただろう。浸るが、しかし逆噴射はさほど続かずに止まってしまった。未だ黒歌の腹は水風船のまま。詰め込まれた精液の大半は子宮の中で、その粘度のあまりに子宮口が詰まったのだ。
証拠に、広がったまま元に戻らない膣内には、ぴっちり引き延ばされたひだひだの僅かな溝に精液の残滓が残るのみで、ほとんど空っぽ。反して相対的に小さく見える子宮口は押し出されて乳首のような突起になり、堪えかねたように時折ぴゅっぴゅと射乳の如く少量の精液を漏らしている。
僅かなきっかけがあれば、たちまち詰まりは消し飛ぶだろう。黒歌もオルゴランも、同様にそれを望み、考えた。
ただし疑似射精の快楽を求めた黒歌に対して、オルゴランがそれを実行したのは歪に膨れた黒歌が持ちづらいという、それだけの苛立ちだ。故に次の瞬間、黒歌への配慮など一切なく、オルゴランは黒歌の身体を、その腕と指の筋肉で握り潰した。そしてその膂力は、何の問題もなく黒歌の腹のふくらみを平たく潰す。結果、
「――ひ、っき゛、ニ゛ャア゛ア゛ア゛ァァァッッッ!!?」
粘度など苦にもせず、クロカの体内の精液は絞り出された。
子宮口からすさまじい勢いで精液が発射され、ビリビリ震える敏感なそこを刺激される快感に、黒歌は再び白目を剥いて激しい絶頂に押しやられる。途中にモコッと、空っぽだった膣内に奇妙な感覚が走ったが意識もできず、黒歌はそのまま、一分かかって注がれた精液をものの数秒で排出しきり、オルゴランの手の中でビクビク身体を痙攣させることとなった。
そうして膣穴を解放された黒歌に、オルゴランはもちろん続きの準備を開始する。愛液と精液でコーティングされた彼の肉柱は、全く硬さを失っていなかった。
だが、そうしてオルゴランが再び黒歌を亀頭の上にセットしようとして、二人ともようやくそれに気が付いた。
まず黒歌。ねちゃっと淫靡な感触が、なぜだか淫唇でも広がった膣口でもなく、子宮口に直接感じてしまう。亀頭の先端とキスしてしまう感触に甘い絶頂が走るがそうではなく、明らかにおかしい。それにどうにも位置的に、なんだかそこが伸びてしまったような気さえする。
そして再度亀頭の上にまたがって、眼にした。亀頭の丸い肉の丘に沿って垂れ下がる、白く汚れたピンク色の肉の塊。茹ってもわぁっと湯気を発するそれは、ひんやりを感じる感覚からして、己の子宮、裏返った膣であるらしかった。
「にゃ……はは……うそ、にゃん……」
思わず呟くが、もちろんオルゴランは取り合ってくれない。むしろせっかく広げた膣穴が使えなくなったことにお冠のようで、不機嫌そうに歯を剥き唸る。
だから発散できない彼の性欲は、すぐさま次の穴に狙いを付けた。
少しずれてまたがる肉の頂点が肛門に。そしてすぐに力が加わり、今度は尻穴へと入り込む亀頭。
疲弊して力が入らなかった故に、己の肛門が最大直径を大きく更新して大口を開けさせられたことに気付いたころには時遅く、返しのカリ首までが腸内に呑み込まれていた。
「あ……あっ、だ、めぇ……!ケツマンコも、こわれ、ちゃうぅッ!」
ゾワゾワ泡立つ背のせいか、脂汗の代わりに湧き出た腸液に導かれてたちまちずぶっと突き刺さり、柔らかな矢じりは行き止まりの壁に突き刺さった。
所謂直腸。通常の尻穴セックスで使うのはここまでで、その先、S字結腸には普通は入れない。というか入れられない。九十度折れ曲がっているからだ。
だがそれまでのオナホール扱い、内臓をごちゃまぜにする暴力によって黒歌の腸は微妙にその形を変えていた。そしてサナナの術も相俟って、通常はあり得ない
「う、あ……ふ、ふか、くっ……まで、きて……ぇッ!」
直腸の天井をぐにゅりと滑り、亀頭が結腸に侵入した。そこから先には直腸のような感覚はないが、巨大さゆえの圧迫感がその存在を逐一黒歌に伝えて興奮に変える。順調に新たな場所を拓かれて、ずぶずぶ沈む身体はとうとう、オルゴランの全てを腸内に収めてしまった。
「は……ひ、いィ……」
肉柱の根元、陰毛が剥き出しの膣壁をチクチク刺して性感を引きずり出す。紐付けられ、圧迫感は本物の快楽に変わり、喉元まで貫かれていると錯覚してしまうほどのそれが、今度はゆっくり引き抜かれ始めた。
新たに生まれた性感帯をすり潰しながら、肉柱の圧迫感が下へ下へと降りていく。拘束もお構いなしにガクガクと、黒歌は尻を跳ねさせる。そしてオルゴランも、いよいよ巨大な亀頭が直腸に舞い戻ったその頃には初めて使う長大な穴の味わい方を知り、掌握してしまっていた。
勝手も知った黒歌の尻穴を、オルゴランは好き勝手に犯し始めた。
どぼぐちゅっ!
「お゛ッッ!?お゛お゛ッ!!?や、に゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛ッッッ!!!」
さっきまでの探るような手つきは一転し、まさに蹂躙。開拓されたとはいえ本来入るはずがない場所をボコボコに叩きのめし、無理矢理に形を変えさせて行ったり来たり。めくれ上がる肛門肉と押し潰される腸壁は抜いても入れても痺れるほどの快感を爆発させて、黒歌は全身にぶわっと脂汗を噴き出しながら絶頂に泣き狂った。
さらには飛び出した子宮がピストンの度にびちびち跳ねて、びたんびたんと亀頭を叩くのだからもうどうしようもない。ほとんど二本差しで、圧迫も相俟って尿道口からもぶしゃぶしゃ潮を吹く黒歌の意識は、もうとうの昔に黒煙を噴いて再起不能なまでに破壊されていた。
オルゴランの指に身体を締め上げられながら、黒歌は外と内からの二重の圧迫感に身を任せ、舌まで放り出して完膚なきまでのアヘ顔を晒していた。
そうしてぐちゃぶちゅと尻穴の奥の奥まで極太の掘削機に掘り返され、背骨をゴリゴリ削られるような深い絶頂を繰り返す黒歌に続き、オルゴランも限界を迎えた。黒歌が感じる内外の圧迫感がさらに強まる。ぶるぶると力んで耐え、限界まで黒歌で扱き続けるオルゴランは、しかし黒歌が潮を吹き内ももが強張ると、増す締め付けにとうとう我慢を決壊させた。
「ア゛ッ、イ、く゛う゛う゛う゛ぅぅぅッッ!!」
奥深くに突き込まれたまま噴火する亀頭。二度目の射精はしかし量も濃さも一切衰えず、ほんの一瞬で腸内をパンパンにした。大腸だけでなく小腸にも行き場がなくなり、さらにその先を目指し、精液の鉄砲水は駆け上る。
一番の肛悦に浸っていた黒歌が、感じ取り、蕩けた表情に入り混じって困惑のそれへと変えた。快楽の余韻で震える両手が口を覆うが、頬もすぐに容量の限界を越した。
「お、ごえええぇぇぇッ!!?」
肉柱から吐き捨てられた精液は、黒歌の消化器官を満たしてとうとう口まで逆流した。
覆った手も押しのけるほどの量が、ごぼっ、どぼっと溢れ出す。鼻からも噴き出すそれらは黒歌の顔を汚し、ぼとぼと肉柱の付け根に落ちる。黄色の混じった白色が陰毛の黒を覆い、そして肉柱と同じように巨大な、垂れ下がるタマと袋にまで流れた。
それを嫌がったのか、オルゴランは一つ唸ると黒歌を握る力を弱くした。そしてそっと、これ以上汚れないようゆっくりと引き抜く。隙間なく腸を押し広げるカリが下がると一緒に精液も下がり、それで逆流は治まった。
ただ黒歌の身体には腸壁を抉られる快感にも応えられないほどの消耗が残り、弱々しく咳き込むばかり。直腸まで抜け出た亀頭が括約筋に退出を咎められ、それをちゅぼんっと無理矢理引っこ抜かれたために尻穴までもが裏返ってガバガバの粘膜を晒した感触にも、一度びくりと身体を震わせただけだった。
「ごぼっ、あ゛、へ……ひ、っどいぃぃ……」
破壊された尻穴から詰まった精液をゆっくり排泄しつつ、黒歌は精一杯の非難を込めた甘ったるい眼で、己の腸でほかほかに温められて来た肉柱を見下ろした。実に汚い。一緒に香ってくるのは精液の青臭い臭いと、そして自分の腸液が混ざった悪臭。
オルゴランはそんな肉柱に、握る黒歌を近づけた。顔を亀頭に押し付けられる。飛び出したままの舌に、精液以上に淫らなその味が広がった。
「あ……おそうじ、する、にゃん……っ」
やむなく途中で止めた射精、その責任を取れという意味だと悟った黒歌は、弱った身体に鞭を打ってカリ首に両腕を伸ばした。その巨大さ故にフェラチオも手コキもできるはずもなく、となれば腕肉で扱くしかないと輪を作る。
舌で亀頭の表面を清めながら、抱き着くようにしてカリ首を上下にしごく。だが充血し、膨れ上がったその弾力に、力の入らない黒歌の奉仕は負けていた。ほとんど表面を撫ぜるだけの生殺しを続けられ、初めはそ入れでも我慢していたオルゴランだったが、理性の消えている彼からはすぐにその余裕が消え去った。
「グル、ゴルオオオォォォッッ!!」
「なん……にゃぶッッ!!?」
黒歌を握る指が外れた。かと思えば次の瞬間、黒歌は肉柱に叩きつけられた。
そして今度は肉柱ごとオルゴランの大きな手に握り締められた。全身が肉柱と、表面を覆う汚液に押し付けられる。ぬめりで乳房が左右にぶりゅんっと滑り、肉柱を挟みこんだ。
ああ、結局私は
今の彼にとって肉の暖かさは無用の長物。オークの本性を露にされたオルゴランの眼が見ているものに、頬を擦り付けながら見上げた黒歌はようやく気が付いた。
そして同時、オルゴランは自慰を再開する。
ぐちゅぐちゅと汚液を肌に擦り付けながら、黒歌の肉で肉柱を扱き始めた。激しく上下される中、黒歌も腕と、そして脚で肉柱を挟みこむ。放っておかれた豆粒も使って舐めしゃぶり、興奮と快感を嚥下した。
互いに互いを使って得る快楽。オルゴランも、我慢で半端に燻ったそれが弾けたのは早かった。
「わ……うらすじ、精液が上って……にゃんっ……!」
回した手と足が尿道を駆け上る灼熱の感触に気付き、そして直後、抱き着く肉柱がびくんと跳ねて噴き出した。高い粘度故に飛び散らず、塊が黒歌の頭に落ちて黒髪をべっとり染める。頭皮に染み込む大量の子種に黒歌が媚びへつらうような悲鳴を上げるが、さらに続く射精はそれだけに止まらず、次々に黒歌の身を彩っていった。
「にゃは……精液、重たぁい……。オルゴランったら、ほんとに、どれだけ出せば――」
全身を包む性の臭いによだれを垂らす黒歌。だがそれも半ばで止まる。顔に纏わりつく精液を拭って視界を取り戻せば、全身を使われて扱いていたはずの肉柱が下方向、再び股の下に亀頭が鎮座していた。
精液の膜を貫通し、残り汁をトロトロ零す先端が触れたのは、こっそりと怯えるように体内へ帰ろうとしていた子宮の唇。それを固くふんぞり返って手伝いつつ、オルゴランの眼はもうすでに四発目の射精に向いていた。
怯えもするだろう。子宮が飛び出してしまうほどの暴力的扱いを、黒歌の膣穴は再び受けねばならないのだ。
「こ、れ……わたし、今度こそ、死んじゃうかも……」
底の見えないオルゴランの精力を知らしめられた黒歌は、情欲の眼でそれに永劫を見出し、貫かれると同時に愛液と潮の涙をこぼした。
続きは比較的早くに投稿できる予定。
感想ください。