※この作品はR-18です。

黒歌の眷属性活   作:こくもつさん

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メイン:触手姦、蟲姦、出産


母は強し(ただし性的な意味で)

 黒歌はオルゴランの巨体にまたがり、腰を振りたくっていた。

 ぶちゅっぼちゅっという汚らしい水音と、それを纏って肌と肌とを打ち付け合う激しい性交の音。そこになまめかしい黒歌の嬌声が加われば、聴覚だけでいやがおうにも高まる興奮がオルゴランの射精欲求を引き上げて、上る血が黒歌の尻穴を擦る淫棒を膨らませた。

 

 が、今は膨らんでもマスターのモノと同程度、どうにか直腸内に収まる大きさだ。硬さも、暴走していた時とは比べるべくもなく柔らかい。目にも理性が戻り、牙の突き出た歯を食いしばって射精を堪えるオルゴランは、ギイギイ軋む大型ベッドに収まらない脚を床に突っ張りながら、苦しげな呻き声の半分をどうにか呑み込み、残りを心配と罪悪感に変えて黒歌に向けた。

 

「く、黒歌殿……!いったい、いつまで続けるつもりだ……!いくら何でもこう何度も……ボー殿も潰してしまったではないか!貴殿の身体に悪かろうに……!」

 

「あっ、ふっ……へぇ、んぅっ……!私にあんなぶっといの突っ込んでおいて、今更身体の心配してくれるの……?オルゴランったら、あんっ!優しいにゃん……!」

 

 それが皮肉であることは誰の目にも明らかで、熱っぽい笑顔で口にしながら黒歌の腰は一切止まらない。巨大な乳房を跳ねさせて快楽を貪り続ける黒歌に、オルゴランの罪悪感はその口を閉ざさせ、眼を逸らした。

 しかし逸らした先の絨毯の上、黒歌に絞り尽くされて真っ白に燃え尽きてしまったボーの姿を眼にし、後ろめたさを押しのけ前に出る。

 

「っ……そうだ、記憶はおぼろげだが、我は貴殿に酷い狼藉を働いたのだろう?それからまだ数日、目を覚ましてからは一日と経っておらぬのだ!調子の戻っておらぬ身体で無理をするな……っ!」

 

 ゴブリンの巣穴で獣欲に狂っていたオルゴランに黒歌が犯されたあの日、黒歌もまた疲労で記憶がおぼろげになっていたが、最終的には目的を完遂していた。とは言っても黒歌は穴を使われ続けただけで、その内ヤり疲れたのか勝手にオルゴランがダウンしただけなのだが、ともかく正気に返ってすぐに復活を果たしたオルゴランとは異なり、ボロ雑巾のようにされた黒歌は瀕死の状態。意識が戻らない状態が続いていたほどだった。

 

 だからこその罪悪感、それを無視してでも言葉にした心配だったが、黒歌は全く意に介さず、その意識は半ば以上が尻穴に向いたまま。抜け出て行こうとする竿と肉笠ぎゅっと締め付け、ゾクゾク震える絶頂に甘いため息を吐きながら首を振った。

 

「身体なら、私は全然だいじょーぶ。悪いと思ってるならそうじゃなくてさ、私がオナホールになった代わりに、今度はあんたがディルドになってよ。私、まだまだシ足りないんだから……にゃぁんっ!」

 

 黒歌は身体を後ろに傾けつつゆっくりと腰を上げ、そして思い切り振り下ろした。角度が変わって腹側、子宮を裏側から押されて零れる喘ぎ声。亀頭を乱暴に扱われる刺激を、オルゴランは反論の言葉と一緒に噛み潰した。

 

 しかし、鮮烈な快楽を求めて速度が上がる黒歌のピストンがそれを許さない。ますます膨れ、徐々に黒歌を壊した肉柱へと変貌していくそれを、黒歌は腸の奥を押し上げようとする圧迫感にえずきながら、興奮の眼で見下ろした。

 

「ほら、またおっきくなりかけてるっ!私とヤる時はずっと半立ちをキープしてたんでしょっ?本気チンポでまた私のケツマンコ、一番奥までガバガバにしちゃうつもりなのかにゃんっ!?……違うなら、出して楽になっちゃえ!イっちゃえ……っ!」

 

「ぐゥ……!クロカ、殿……ッッ!!」

 

 震えていた肉棒は、それでとうとう降伏した。膨張の力がそのまま射精の勢いに変わり、結腸を突破して中にまで注がれる。さっき搾り取ったボーの狼精液と混ざりあい、黒歌の腸壁を快楽で焼いた。

 

「にゃああっ……!すっごい、熱いぃ……っ!」

 

 尻穴を満たし、炙れた白濁はめくれ上がる腸肉の皺の隙間からぴゅるるっと噴き出してオルゴランの下腹部に広がる。身を震わせて絶頂する黒歌はやがてその波が落ち着くと荒く息を吐き、同じく疲弊した様子のオルゴランへ顔を寄せて硬い胸板に手を突き、蕩けた微笑で囁く。

 

「ふふ……そうやって、あんたは何も考えずに私のケツマンコ味わってればいいの。けど……さすがに精液の量、減ってきちゃったかにゃん?頑張ってよ、オルゴラン。オークなんだからボーよりはいっぱいできるでしょ……!」

 

「く、黒歌殿……っ!」

 

 と、黒歌はオルゴランと、そしてもちろん自分も息つく間もなく、未だ絶頂に跳ねる腰を持ち上げた。ずるっ、ずるるっと肉棒が抜け出て、溢れた精液が伝い滴る。そうして全体が白くコーティングされた屹立を、再び黒歌は犯そうとした。

 

 がその直前に黒歌の背後、この部屋、いつものヤリ部屋のドアノブが回る音がして、黒歌は弾かれたように振り向いた。この部屋を訪れる者の目的など一つしかなく、そしてその声は一番待ち望んだものだったのだ。

 

「おォ、オルゴラン……に、ボー、お前らもうヤってたか」

 

「……随分長くお楽しみだったようですね。掃除係のメイドに嫌味を言われたら、すぐに謝ることをお勧めしますよ黒歌様。彼女たちを怒らせると後が怖い」

 

 マスターとサナナ、もとい男性体のタキイだ。その精力はオルゴランに劣らない。タキイは淫魔であるし、マスターも言わずもがな。つまり、自分を犯してくれる特上の肉棒が新たに二本もやってきたのだ。へたり気味のオルゴランをどうやって長持ちさせようか考えていた黒歌にとって、その到来は待ち望んだものだった。

 

「にゃはっ……!ほらマスター、来たんなら早くヤるにゃん!ケツマンコは塞がってるけどこっちは開いてるから!」

 

 言い、尻穴の肉棒を軸にくるりと体勢を変えた黒歌はオルゴランに背を向け、身体を反ってしとどに濡れたメス穴をマスターに見せつける。片手でくぱぁっと広げて見せると、中で溜まった愛液がどろりと零れてオルゴランを加え込んだ尻穴にまで滴った。

 

 その光景にマスターは呆れるように頭を搔くと、しかしズボンのチャックを下ろした。

 

「ボーを潰しちまったくせにまだヤりたりねェってか。ったく……このスキモノがよォッ!」

 

 飛び出た雄々しい巨根が、躊躇なく黒歌の膣穴に突き入れられた。

 

「んにゃあああぁぁぁっ、んぅぅッッ……!!」

 

 一気に根元までが黒歌に埋まり、子宮がひしゃげる。背を走る電撃に黒歌の腰が抜け、次いでオルゴランの肉棒も再び尻穴に収まった。眷属内で一番目と二番目に大きなそれが二穴をパンパンにして、湧き出て来る多幸感のようなものに意識が飛びそうになる。

 

 黒歌は大喜びする犬みたいに短く呼吸を繰り返し、衝撃をやり過ごした。杭打ちされた腰はそのまま上半身だけ苦心してオルゴランの胸板から持ち上げて、そして直後、黒歌はまた歓喜の悲鳴を上げた。

 

 パァァァン、とマスターに尻を張られ、二本の肉棒を食い締めた。

 

「ひにゃぅッッ!?あっやだ、お尻叩かないでよぉ……っ!」

 

「ハッ!ヨガりながら何言ってやがる。嬲られんのは大好物だろうが、お前ェ。……オルゴランに散々ブチこまれて、メス穴も随分こなれてきやがったじゃねェか」

 

「ッ……。主殿……その件では主殿にも迷惑を――」

 

「あー、そりゃァまあ、あんま気にすんな。お前がその手の攻撃に弱ぇのは仕方のねェことだ。それに、コイツのいい調教にもなったしなァ」

 

「もう!調教ってそんな、人を馬か何かみたいに――にゃうんッ!」

 

「メスネコだろォが」

 

 文句を言おうとした黒歌だったが、やかましいと言わんばかりにマスターが子宮口を殴りつけ、黙らせる。代わりにポルチオ絶頂の喘ぎ声と性交の音が再び部屋を満たし、その中でマスターは黒歌の穴を耕しながら、まるで雑談でもするかのような軽い調子でオルゴランたちと会話を始めた。

 

「で、だ。オルゴラン、反省の類は必要ねェが……ひとまずもう一度、話せ。お前が理性飛ばしちまった経緯だ」

 

「……承知した。とはいっても先に話した通り、大したことは覚えておらん。ゴブリンの長をしている者に家畜誘拐の話を聞きに行き、彼らのしきたりに則り夜伽を受けたところで記憶は途切れている。次に覚えている光景は……我に無遠慮に犯され、性の海に沈んだ黒歌殿。それだけだ」

 

「付け加えるとすれば、失神する黒歌殿は幸せそうなアヘ顔だった、ということくらいでしょうか。写真も撮ってありますが、見ますか?」

 

「にゃっ!?んぅっ……!ちょ、ちょっとぉっ!」

 

 悦楽に揺さぶられる狭間でどうにか非難の声を上げる黒歌。しかし我関せずにタキイは続ける。

 

「ともかく、その話と合わせて考えれば今回の事件の原因、高濃度の淫気を撒き散らした犯人は……まあ恐らく、淫蟲でしょう」

 

「……淫蟲、とは……?」

 

 なんだ。聞いたことのない、しかし字面からなんとなく察せられるその正体に、オルゴランは黒歌の分まで首を傾げる。

 

 黒歌のGスポットをぐりぐり押しながら、マスターがそれに答えた。

 

「寄生生物の一種だ。淫魔と同じく淫気を糧とする、目に見えねぇくらいに小せェ魔生物。奴らは魔力で宿主と周囲を発情させる媚毒を生み出し、今回のゴブリンみてぇな乱交騒ぎを起こして分裂、粘膜接触を経て拡散すんだ。……普通はなァ」

 

「普通……ということは、今回はそうでない、と?」

 

「あァ。なにせオルゴラン、お前ェもう媚毒は抜けてんだろ?調べたが、ゴブリン共にももう影響されてる様子はねェ。要するにお前らの身体の淫蟲は死滅してる、あるいは出てったっつーことなんだが……」

 

 ずぶ、と、マスターの亀頭が一際強く、子宮口にめり込まんばかりに押しつけられた。

 

「普通は、そのどっちもありえねェ。薬か、それ専用の術式で除去しねぇェと、通常の淫蟲は宿主が枯れちまうまで寄生し続けんだ。だが現在、まだ淫蟲に寄生されてんのはコイツだけ」

 

 呟くように言い、マスターはぶるぶると絶頂で痙攣する黒歌の下腹に眼を落とした。当の黒歌は話題に出されたことに気付かず、会話の邪魔をしないようにと片手で嬌声を塞いでいる。その、焦点の合わない眼を正面から見つめるオルゴランは、少し心配そうに眉を歪めた。

 

「……黒歌殿の異様な性欲は、淫蟲のせいであったわけか。つくづく悪いことをしてしまった」

 

「だから、悦んでんだから構いやしねェって言ってんだろうがよ。それに淫蟲は性欲増大以外に特別害はねェ。媚薬代わりにする輩もいるんだぜ?」

 

「ですが主様がおっしゃったとおり、黒歌様に寄生している淫蟲は普通ではありません。彼女以外が寄生されていないというのもそうですし、皆様これだけ交合を続けているというのに拡散の気配もない。何をしようとしているのか、皆目見当もつかないような状態ですね」

 

「……であるのなら、さっさと虫下しをしてやるべきだろう。わからぬことが多いとはいえ治す手段があるのだから……なぜそれを使わぬ、主殿」

 

「馬鹿か。淫蟲のせいっつっても、単にそりゃぁ一番その可能性が高いってェだけだ。外れりゃ骨折り損どころか、下手すりゃ症状を悪化させちまう可能性もある。ヤりまくって症状を押さえつつ経過を見守る、ってェのがベストなんだよ」

 

「……なるほど……っく……!」

 

 マスターとタキイの説明に頷くも、オルゴランはどこか釈然としないといったふうに眉を寄せた。だが眉間の皺はすぐに別種、キュウキュウ締まる黒歌の尻穴に与えられる快楽に邪魔される。込み上げる射精衝動に震える腰がカクカク上下した。

 

 黒歌はその振動に膣穴と尻穴からの子宮のサンドイッチを味わって、たまらず塞いだ嬌声が懇願となって封を打ち破った。

 

「にゃんっ!もう、だめっ!出して!二人とも、私の中に、いっぱいぃっ!!」

 

 両方を刺激するように腰をグラインドさせる。黒歌の必死な腰ふりに、オルゴランだけでなくマスターの顔からも、さすがに余裕の色が消えた。腰を鷲掴みにし、乱暴に膣穴を穿つ。

 

「ま、こういうヤりたがりが俺好みっつぅ理由もねぇわけじゃねェけどな……!オラ黒歌ッ!お望みのザーメンだ!くれてやるから目いっぱいメス穴締めとけよォッ!!」

 

「黒歌殿ッ!我も、もう果てる!良いな……ッ!!」

 

「締めるからっ!イイからッ!!イく……私も、イくううぅぅぅっっ!!」

 

 ほとんど同時に黒歌の二穴を満たした熱水は、たちまち黒歌を悦楽の頂きまで押し上げた。声と一緒に我慢していたものを解き放たれた故にそれは重く、跳ねて悦ぶ身体に黒歌は思考も任せる他ない。膣穴と、そしてすっかり快楽を味わう機関と化してしまった尻穴の奥にまで熱が染みわたり、無数の精子が泳いで壁を突き刺す痛痒までもを感じてしまう。

 

 力が消えうせ、黒歌はオルゴランの上に倒れ伏した。硬く汗ばんだそこに背が落ち、自重で両乳房が波打ち左右に垂れる。荒く上下して揺れるそれらを抑え込み、黒歌は一つ熱い息を吐き出した。

 

 そして熱の消えない眼を、心地よさげな顔で自身を見下ろすマスターに向けた。

 

「……ねぇ、まだ、できるわよね……?」

 

 それから普段以上に自分本位な黒歌の眷属(性奴)としての仕事は、他の眷属たちをも巻き込み、やがて帰りの遅さを心配した白音がリハビリの身体を引きずりながら黒歌を探していることに気付くまで続いた。

 

 

 

 それから黒歌は、白音の面前でもなお消えない性欲を必死に抑え込みながら入浴と食事とを終え、床に就いた。そのはずだ。少なくともそう自覚していた。

 

 だからふとそれに気付いた黒歌は、明瞭としない思考の中で最初に、これは夢だろうと思った。

 

 屋敷の、いつものヤリ部屋に突っ立っている自分。格好も寝間着の浴衣一枚。しかし、すっかり掃除された巨大ベッドと絨毯が敷かれるだけの見慣れた空間が、ぼんやりしているうちにどんどん見慣れないものへと変化していくのだ。

 それはどう頭を捻っても“肉塊”という表現しか思いつけないような、グロテスクな赤い塊。それらがまるで部屋を侵食するように、徐々に徐々に広がっていく。最初に天井が肉に埋まり、次いでベッドが消えて壁へ。波及を追って後ろを見やると、唯一の出入り口であるドアが塞がれた。

 

 そこまではまだ、黒歌は夢現のままだった。だが、さらに広がる浸食が床に達し、そして絨毯も肉塊に変えて黒歌の足を包んだ瞬間、それも途切れる。突如感じた生暖かく気持ちの悪い弾力が悪寒となって背筋を駆け抜け、一瞬にして黒歌の眠気を吹き飛ばしてしまった。

 

「……ッ!?ひにゃあッッ!!?え、えッ!?なにこれ!?キモッ!!」

 

 思わず飛び上がってしまうが、床は既に全面が肉塊。むしろ思い切り踏みつけてしまい、余計に全身を鳥肌立せる。しかし度が過ぎた悪寒は一周回って脳味噌に冷静を取り戻させ、黒歌は恐る恐る、再び周囲を見回した。

 

 元のヤリ部屋の面影は全くなくなっていた。どこもかしこも一面が赤い肉の壁。まるで内臓の中にいるような心地になって、その瞬間、思わず強張るその身体を狙ったのか、背後の肉壁から飛び出した触手のようなものが黒歌の胴に巻き付いた。

 

「ひ……ッ!!」

 

 感触だけでなく動きまで生物的で、悲鳴も喉奥に消えるほどのパニックに陥る。黒歌は反射的に魔力で触手を焼き切ろうとしたが、魔力が発射されるよりも早く触手が巻き取られる。捕らえられた身体ごと後ろに引っ張られ、くの字に折られる勢いのせいで魔力は霧散。そのまま肉壁に叩きつけられた。

 

 肉壁の弾力で衝撃は皆無だったが、寝間着の背中全体を包むその感触に、黒歌の身体は完全に凍り付く。もはや抵抗すらできず、さらに四本、肉壁から飛び出し四肢を捕らえた肉触手は、そのまま同じように巻き取られて黒歌の手首と足首を肉壁の中に埋めてしまった。

 

 両手と足が背後の壁の中、身体だけを突き出したような恰好で磔にされた黒歌。あまりの気持ち悪さにそれから数秒呆然として、突き出た己の腹の下、ふと股間あたりの肉壁から生え出して浴衣の裾をかき分ける無数の細い触手がわさわさと揺れて持ち上がるのを見つめていた。

 それらはやがて背中伝いに上り、腰から胸の下までを這うように広がっていく。鎌首をもたげて浴衣を解くと、股間辺りにわだかまっていた触手たちがふと、揺らぐのをやめて一方をじっと見つめた。

 

 膣穴を犯そうと狙っていることに気が付いて、黒歌は再発する怖気に我を取り戻した。

 

「ちょ、それ、うそ――」

 

 だが意識が明確な言葉を作る前に、触手たちはひとまとまりになって黒歌へと殺到した。

 

「ひぃッ……にゃ、ぅ……ッ!?」

 

 無数の触手は黒歌の膣穴に入るや否や、再び散って膣壁に張り付いた。それからまたわさわさと、まるで膣壁のひだ一枚一枚をくすぐるかのように動き出す。

 

 覚えのない異様な感触。だがそれだけに止まらず、同じく動いて肌をくすぐる腹上の触手の上に、新たな戦慄がやってきた。

 

 ぼとり

 

 どこからともなく落下してきて触手に受け止められた、小さな体躯のその正体。

 

 蟲だった。

 

「っひゃああぁッ!!?」

 

 悲鳴を上げるしかない。粘液に濡れてつやつや煌めくキチン質の身体。小さなかぎづめの脚と小さなアゴの口を持つそれにいきなり身体の上に乗られ、肌を泡立てずに済む女などそうはいないだろう。辛うじて触手にはパニックを抑え込んだ黒歌だったがさすがにその摂理には抗えず、動かせない手足を必死に捩って身体を揺らし、蟲を振り落とそうとする。

 だが蟲は中々振り落とせず、それどころか触手にかぎづめを引っかけ悠々と肌を上り出した。纏う粘液の跡を残しながら鳩尾、そして抵抗で激しく揺れる乳房の丘まで登山して、たどり着いた頂上、汗ばんでぴんと立ち上がった乳首に、迷いなく咬みついた。

 

「ひあ……んぅっ!」

 

 アゴは見かけほど鋭くも硬くもなく、少し固めのブラシのようだった。痛みもなく、挟まれたという表現の方が近い。そんな左右の突起がぐりぐりと黒歌の突起をいじくっている。

 

 そしてその一匹はただの先発隊であったらしく、皮切りに次々蟲たちが降ってきた。甲虫のような見た目である以外は姿形は様々で、ぼたぼた降ってくる彼らはそれぞれ乳首を目指して咬みついた。着地に失敗した何匹かは股上の茂みに引っ掛かり、その少し下、嬲られる膣穴の上に鎮座する陰核で鬱憤を晴らし始め、それらも併せてたちまち黒歌の媚肉は覆い隠されてしまう。

 

「あっ、あッ……!ち、ちくびも、クリもっ、はみはみ……っ!なんでっ、どいつもこいつも……んにゃぅ……っ!」

 

 キチキチ蠢きキイキイ場所の取り合いをする彼ら。その蟲たちも触手たちも、普通であれば忌避以外の感情を抱かないであろう生物だ。しかも黒歌がマスターたちの肉棒や指や舌以外を性感帯に受け入れたのはこれが初めて。膣ひだだろうが乳首だろうが陰核だろうが、刺激されても快感など感じるはずがない。

 普通はそうだ。だがオルゴランに犯されてから、淫蟲に寄生されてしまったらしい身体は普通とは言い難い。彼らの責めは徐々に徐々に忌避感というストッパーを破壊し始め、黒歌の身体に快感を与えつつあった。

 

 それは黒歌にとって認め難く、しかし触手を伝って零れ出る愛液の感触は否定のできないもの。だがそれでもせめて、自身を弄る蟲たちのその必死な姿にかわいらしいという感想を抱きかけたことだけは否定すべく、黒歌は歯を食いしばって嫌悪の眼を作りながら蟲と触手たちを睨め付けた。

 

「うにゃ、あ……?」

 

 故に、視線を下げて凝視して、気が付いた。蟲たちが群がる乳首から、白い液体のようなものが染み出している。しかもさらに眼を下げて見れば、肉壁の拘束で身体を反らされ、見えていた身体の稜線、天辺だった臍が、妙に盛り上がっているように見えた。

 

 いや、どちらも気のせいでない。乳首は何か分泌しているし、腹も明らかに張っている。そしてその二つの事柄から想起される共通点、思い至るのも早かった。

 

「し……きゅう……?」

 

 “何か”が、いる。気付いた黒歌の心臓が跳ねる。だがその先は、腹に釘付けになったその視線を遮るかのように現れた一本の触手によって打ち切られた。

 

「にゃ、ん……?」

 

 肩幅ほどに広げられて固定された脚、内ももの間から、さっきまでとは段違いに大きい触手が顔を出していた。

 

 大容量のペットボトルほどもあるずんぐりとした図体。粘液を纏い、ぬるぬるすべすべしていそうな表面には無数の血管と、螺旋状に並んだイボが歪な凹凸を作り出しており、見てくれはまるで快楽だけを求めて作られた大人の玩具のよう。しかし内ももを滑り、下腹部から膨らむ腹の頂点まで這うように上ってくるその感触は酷く肉感的で、しなやか且つ強靭な筋肉の塊であるかのように黒歌は感じた。

 

 いや、そう。それへの恐らく最も適当な例えは、“勃起した陰茎”なのだろう。細い触手たちと蟲たちの半端な責めの前でぎりぎりの理性を保っていた黒歌にとって、そのあからさまな造形は劇薬に等しいものだった。

 

 嫌悪も、それに伴う不感も、すべてが一気にひっくり返った。

 

「……は、はっ、はぁっ……!触手、チンポ……ッ!ね、ねえ……それ、わたしに……ッ!」

 

 ちょうだいと、口からよだれをたらしながらもそこまで言葉にしなかったのは最後の躊躇いだ。ゴブリン然り、人でないものに犯されたいと望むほど、私はスキモノじゃない。そんな薄っぺらい、最後に残った黒歌の矜持。まだ生娘だった頃の羞恥心。

 

 イボ付き触手はあってないようなそんな思いなど気にかけるはずもなく、身を引き、糸を引きながら内ももの間に戻るや否や、同時に細触手たちが四方に引っ張り広げた膣穴の入り口へと、その大きな頭を突き入れた。

 

「あぐぅっ……!!に、に゛ゃあ゛あ゛ぁぁぁっっ!!?」

 

 ほぐれた膣穴を一息に最奥まで貫くや否や、イボ付き触手は黒歌が思いもしなかった動き方をした。ピストンしながらその身を回転させたのだ。

 

 普通の肉棒ではありえない動作。イボの段差も相俟ってドリルで膣穴を掘り返されているかのようだ。くすぐられて感度の上がったひだをひっかきまわされ、肉ごと持っていかれそうな勢いで次々抉り取られる媚肉に、黒歌は一瞬で絶頂した。

 

「にゃあっ!!にゃに、こりぇえぇっっ!!」

 

 呂律も回らず、ひとりでにガクガク跳ねる腰は容易く決壊して潮を撒き散らす。未知の動きゆえの未知の快楽を前にして今までの経験は役に立たず、随分と犯され慣れてきたはずの己がそんな痴態を晒していることに黒歌自身も驚愕し、イボ付き触手へと僅かな恐怖感を抱いた。

 

 が、そんなそんなものはまだ序の口であることを、次の瞬間に黒歌は思い知らされる。痺れて解け落ちそうなほどの快楽をわだかまらせる腰、そこから伸びる、黒歌が思うチャームポイントでもある二股の黒い尻尾の先に、突然何かがくっついたのだ。

 

「ひぅッ……!!」

 

 激しい快楽にはひはひ息を吐きながら、それでもついその感触に悲鳴を上げてしまう。見逃せないほど尻尾にくっついた何かは重く、そして明らかに生物だった。

 

 上ってくる。尻尾に鋭いものを引っかけ、触手たちと同じように粘液に濡れた大きな身体を、黒歌の腰へと引き上げてくる。身体は拘束と快楽に動かせず、尻尾の力で振り落とせるものでもなかったそれに、黒歌はそのまま、さほどもかからずに腰まで到達を許してしまった。

 

 その時に、肌の上に上陸したそれが尻たぶのほうへと移動してちょうど身体の陰から外れ、黒歌は初めてその姿を眼にすることとなった。

 

「いっ、いもむ……ひにゃああぁぁっ!」

 

 快楽に泣きながら黒歌が眼にしたのは、大きな芋虫の顔だった。昆虫なんかの幼虫に近いだろう。無数の小さな脚に、同じく小さな顔。アゴは乳首を食む蟲のものとよく似ていた。

 

 が、柔らかそうな大きな胴に何本も生えるごんぶとの舌のような触覚は、どう見ても性的な意味合いを持つものだった。震えて腰に、開発された雌穴のもう一方である尻穴にきゅっと力を入れてしまった黒歌の予感は正しく、芋虫は黒歌の顔を見ると身を翻し、尻たぶを歩いてその谷間に顔を突っ込んだ。

 そして穴の周囲を触覚でチロチロと舐められ、優しげなそれに、懲りない身体が穴の強張りを解いてしまう。案の定、その隙に芋虫は黒歌の尻穴を押し開いた。

 

「に゛ゃあっ……!だ、めっ!いま、ケツマンコまで、そんにゃ……いぎぃ……っ!」

 

 芋虫は身をよじり、粘液を尻穴にこすりつけて刺激と滑りをよくしながら徐々に直腸を埋めていく。括約筋は膣口と同じくらいに広げられ、必死の抵抗で追い出そうとする肛門肉も押し潰し、そしてとうとう、丸っこいその尻までもが、黒歌の尻穴に呑み込まれた。

 

 息をつき、粘液に塗れた尻穴の入り口はすぼまりを取り戻す。だがそれも一瞬のこと、次の瞬間には歪み、腸液の玉を吐いていた。

 

「あ゛……あああァァッッ!!お、おしりぃっ!!ケツマンコっっ!!こわれ、る゛ぅ゛っっ!!」

 

 芋虫は直腸の中で暴れ出した。首を振りたくったり触覚で膣壁をひっぱたいたり、あるいは中で向きを変えたり。パンパンにされた直腸が黒歌の意思の外、芋虫の動きに沿って直接蠢き、内臓ごとかき混ぜる。全体がぐりぐり動き、ひとりでに暴れる臓器という未知の感覚が生む冷や汗は、直腸の圧迫感をも巻き込んで、黒歌を訳の分からぬ快楽へと押し流すこととなった。

 

 全身からあらゆる汁を吹きながら、未知の連打に、初めてマスターたちに輪姦された時のように黒歌は余裕なく喘ぐしかない。だがそれでも唯一、幾度もオスを受け入れ、受け止めた黒歌の膣穴は、生殖器故のその兆候だけは本能的に悟り、見逃さなかった。

 

「はひっ!はっ……あ……っ!中でっ、ビクビクって……っ!出しちゃうのっ?私の中に、触手ザーメン……っ!」

 

 膣穴を掘り返すイボ付き触手のピストンと回転が、徐々に速くなってきていた。尻穴快楽に上り詰めさせられる身体が、期待と混じって膣穴へと移り変わり、中の触手を食い締めてしまう。そんなぎゅうぎゅうの締め付けにも負けずにますます激しくなっていく触手の責めは、ごりごり膣壁を苛み、とうとう黒歌に懇願を叫ばせた。

 

 うっすらと頭の中にあった、その確信と共に。

 

「出して……っ!触手のばけものせーしっ!私の子宮の中に、あなたの赤ちゃん(・・・・・・・・)にっ、ぶちまけてぇっ!」

 

 応えるように、膣奥を殴る触手の先端が変形した。鈴口からさらに管のようなものが伸び、とがった口がピストンの勢いで子宮口と熱裂なキスをする。

 ポルチオ性感で降伏させたそこにねじ込むと同時に、膨れた触手は一際大きく脈動した。

 

「あっ、あ、出て、私の、子宮……イ、くううぅぅぅ……っ!」

 

 びゅるびゅると中に直接熱い液体を注がれる感覚は、異種の精を注がれるという背徳感にも似た興奮と共に脳内を満たし、黒歌はたまらず背をのけぞって絶頂した。肉壁に拘束された腕も脚も強張って反り返り、ガクガク震えて重たい絶頂を一身に受け止める。尻穴は芋虫の動きすら止めてしまうほどぎちぎちに締まり、乳首からは白い雫、母乳が押し出され、白いシャワーとなって群がる蟲たちの身体を濡らした。

 

 そしてやはり、胎はますます膨れていた。子宮に注がれた分を差し引いても尚大きく、しかも明らかにボコボコと波打っている。

 

 その様子を快楽で霞がかる眼で見つめる黒歌は、熱の放出でいくらか冷めた意識に改めて確信を抱いた。

 

(私のお腹……やっぱり、赤ちゃんが……っ!)

 

 それはこの触手や蟲たち、淫蟲の子共なのだろう。黒歌をイかせるのは淫蟲の糧のためでも黒歌のためでもなく、子を育むためのもの。マスターたちや淫蟲にイかされまくった黒歌がたっぷりと餌となる淫気を生み出したからこそ、こんなにも急激に成長したのだ。

 

 互いに同時の絶頂で切れ目が生じた快楽の中、黒歌がそう気づいた。その瞬間だった。

 

 ちょうど正面、絶頂の波を越えて脱力する黒歌が捕らえられた肉壁の反対側に、突如として縦一直線の亀裂が走った。気付いた黒歌が顔を上げれば見る見るうちに亀裂は広がり、崩れては解けるように消えていく肉壁の向こう、見覚えのある廊下の風景の中に、黒歌はその三人の姿を見つけた。

 

「……マス、ター……?」

 

「と、タキイにオルゴランだ。おいおい、目ェやられちまったのか?黒歌」

 

 マスターは、にやりと不敵な笑みでそう言った。

 

 のもつかの間、破れた肉壁の周囲から触手が何本も飛び出した。加えて蟲たちも出現して、その尽くは明らかな敵意を以って揺り籠への侵入者に襲い掛かった。

 

 腕組みしながら平然と佇むマスターにその凶刃を向けるが、しかしその前に出るオルゴラン。肉壁を断ち切った特大剣を傍に突き刺し、空いた拳で触手と蟲を叩き落とした。

 一撃だった。肉壁と同じように溶けて消えてしまうそれらだが、打ち止めではない。新たな触手たちが次々現れ、オルゴランたちを追い出そうと向かっていく。

 

 黒歌は思わず声を上げそうになった。しかしそれらは静止のそれではなく、

 

「――んにゃひィッッ!?」

 

 今まで通りの快楽に染まった嬌声として口から飛び出た。

 

 尻穴に収まっていた芋虫が子供への意識で緩んだ締め付けを感じ取り、閉じていた肛門の入り口を突き破ったのだ。

 ただし、もこっと盛り上がったすぼまりから出てきたのは頭だけ。再び大口を開けた状態で固定され、括約筋が痺れてひりひり痛む。しかしそれ以上に、ぎっしり詰め込まれていたものの半分もの質量を排泄した直腸が爽快感を叫んで、同じ排泄機関である尿道に肛悦の潮を吹かせた。

 

 突然の凶行と快感に身を震わせる黒歌はそれだけでもいっぱいいっぱいだった。が、快楽のために存在する芋虫は外の空気を吸いに来たわけではもちろんない。芋虫は自身の身体の柔軟性を操り、流動的に膨張と収縮を繰り返す。波のように流れて連続するその動きは、黒歌の尻穴に芋虫の身体をゆっくりとひり出させるものだ。

 

 だからつまり黒歌の括約筋は広げられたりすぼめられたりを繰り返される羽目になり、しかもいつまでたっても終わらない。延々続く尻穴拡張マッサージ。尚且つ、飛び出した芋虫の顔。その口も目的地にたどり着き、同じくもみほぐし始めた。

 

 尻尾の付け根だ。

 

「ぎにゃあッッ!!?そ、そこ、だめぇっっ!!」

 

 雷に打たれたような衝撃に尻尾が総毛だった。猫ゆえの性感帯は蟲に噛まれる乳首や陰核と変わりなく、しかも骨盤まで響くのでより一層尻穴の芋虫を意識してしまうという悪循環。相乗効果でどんどん悦楽が高まって、ほどなく黒歌は全身を痙攣させながら絶頂した。

 

 そうして立て続けに浴びせられる肌が泡立つ類の快楽は、峠を迎えると供に、黒歌の身体に再び熱を取り戻させた。尻穴や媚肉突起や尻尾はもちろん気持ちがいいが、しかしそれでも“足りない”という欲求が鎌首をもたげる。具体的には、膣穴が物足りない。

 

 子宮内に発射した反動か、すっかり萎えて柔らかくなってしまったイボ付き触手を膣内に感じて眉をハの字にしてしまう。その顔を、ニヤニヤ笑みを浮かべるマスターの目がすぐ近くで見上げていることに、黒歌は膨れた胎に隠れた下腹を見つめようとしてようやく気が付いた。

 

「物欲しげな顔しやがってよォ……そんなに蟲に犯されんのがイイのか?まったく、とんだスキモノになっちまったなァ、黒歌」

 

「だ……だれの、せいだと……っぉ!」

 

「おいおい、今度は俺に責任転嫁するつもりか?」

 

 犯されて、会話の途中にも喘ぐ黒歌を鼻で笑い、拘束されるその様を見やるマスターは、ふと黒歌の膣穴に突き刺さるイボ付き触手に手を伸ばした。指先が触れ、膣穴の入り口から零れて滴るピンクがかった粘液、子宮に出されたものの残滓と思われるそれを掬い取る。と同時、黒歌はイボ付き触手が膣内でビクンと大きく跳ね上がるのを感じた。

 

「あんっ……!えっ……?いま、なにか――」

 

 したのかと、黒歌は感じながらマスターを問い詰めようとするもその間もなく、イボ付き触手は一息で復活し、黒歌の膣肉を押し返すほどの硬さを取り戻した。

 

 そして同時にポルチオを穿った管の変形に続くかのように、螺旋のイボたちもまたむずむずと蠢いた。一つ一つが膨れ上がり、伸びる。毛のように長くなり、新たにそれらに覆われた触手はすぐさま、さっきまでのようなピストンと回転運動を開始した。

 

「し、にゃぁっっ!?ひ、ぜんぶはっ、だめぇっ!すぐイっちゃうぅっっ!!」

 

 肉の毛が膣ひだの一枚一枚を舐めしゃぶるように動き、ピストンと螺旋回転を合わせてさっきまでとは段違いの快楽を黒歌に叩きつけた。ドリルではなくブラシに磨き上げられるようで、尻穴を犯す芋虫共々期待以上を見せつけられた身体はさらに欲深に、もっともっとと両穴を締め付ける。

 

 それに押し出され、あるいはイボ付き触手改めブラシ触手に掻き出された潮や愛液はぶしゃぶしゃ噴き出しマスターを汚すが、しかし当の本人は気にすることなく掬い取った粘液にばかり眼を落とし、にちゃにちゃ弄びながら呟いた。

 

「なぁるほど、液体化した淫気かこりゃァ。ガキへの栄養剤ってわけか。黒歌からよくこれだけ搾り取ったもんだ」

 

 満足したのか、マスターは黒歌の胎をティッシュ代わりにして粘液を拭うと、今度はおもむろに傍の肉壁へ手を伸ばし、肉の中に突き込んだ。黒歌の手足を呑み込み、拘束している肉壁だ。それを容易く貫いたことに、黒歌はマスターへの畏敬と、そして頼もしさに安堵を抱く。

 

 だが肉壁に潜り込んだマスターの手が掴み、引き裂きながらも取り出したのは畏敬でも何でもなく、ただの椅子だった。ヤリ部屋に設置されていたはずの見覚えのあるそれを引いてきて、マスターは黒歌の斜め隣り、芋虫やブラシ触手が黒歌を犯すさまが見える位置に置き、椅子に腰かけてしまう。

 数秒、喘ぐ黒歌の息遣いだけに静まって、蕩けた顔で呆けるばかりの黒歌に、マスターはわざとらしく首をかしげてみせた。

 

「なんだよその面。心配しねェでも見ててやるから、さっさとガキひり出しちまえよ」

 

 見物の心積もりであるようだった。こころなしか触手や蟲たちもマスターが手を出してこないことに困惑しているようにも感じてしまう。黒歌は思わず、それを尋ねた。

 

「た……助けに来てくれたんじゃ、ないの……?」

 

「助けてほしいのか?お前ェは」

 

「ッ……んにゃぁっ……!」

 

 一言で黙らせられた。暴かれた興奮を突き付けられて身体が昂り、調子を取り戻した蟲たちの責めで黒歌は絶頂の寸前にまで押しやられる。

 

 とどめに、マスターが魔力で陰核に食らいつく蟲の一匹を掴み取り、無理矢理に引きはがした。

 

「まァあれだ。ここまで来たんだから、ネタばらしはしてやろォか。胎の中身が淫蟲のガキってこたァわかってるらしいが、結局どうしてそんなことになってるかなんぞ、お前、理解してねェだろ」

 

「ひにゃっ……!あぅ……っ!はっ……変異種、なんで、しょ……っ!」

 

 わかるはずがないと馬鹿にされているようで妙に悔しく、引きはがされる間際の抵抗で陰核を掻きむしられた黒歌は、絶頂でおぼろげな脳内から、さらにおぼろげな記憶を引っ張り出す。

 

 黒歌に寄生したらしい淫蟲はどうやら普通ではないようだという話。普通でないというのなら、極小の寄生生物がぶっとい触手や芋虫になることもあるだろう。

 黒歌はその意で以ってマスターを睨みつけたが、威嚇するにしてはその眼はあまりに蕩け過ぎで、マスターは一息分だけ噴き出し、摘み取った一匹の蟲を手で這わせながら笑った。

 

「はっ!ああ確かに、お前の胎に寄生したのは淫蟲だし、変異種だ。だが、惜しいなァ。それ以外、お前を犯してる触手や蟲や肉壁なんかも全部が淫蟲だと思ってるようだが……残念ながら違う。全部淫蟲そのものじゃぁねェ。淫蟲が魔力で作ったニセモンなんだよ」

 

 言いながら、マスターは手の蟲を握り潰した。驚く黒歌だったが、確かにどうにか意識して見てみれば、潰れた蟲の破片から崩れて消える気配は確かに魔力のそれであるとわかる。

 

 彼らはすべて、作り物の命であったわけだ。しかしだからこそ、同じ魔力で作られた彼らはある意味繋がっているらしい。無体な殺され方をした仲間に対する抗議か、それぞれの責めが一層激しくなる。

 

 狼藉を働いたのはマスターであるというのにお構いなし。不条理に啼く黒歌を、マスターは気にも留めずに続けて言う。

 

「これだけでも尋常じゃねェってのがよくわかる。お前に寄生した淫蟲は魔力の量と扱いがとてつもねぇ、いわば我らが魔王サマみてェなモンだ。淫蟲の超越者、とでも呼べばいいのか……ほら、そっちの面でも余念はねぇみてェだし」

 

 と、不意にマスターが何か気づいたような顔をして、黒歌の頭上を指さした。反射的に従い、黒歌が上を見上げてみると――

 

 落下してきた触手が、空いた黒歌の口に飛び込んできた。

 

「んもッッ!!?」

 

 咽喉まで貫き、慌てて吐き出そうとする黒歌だったが、手も使えない状況ではどうしようもなく、嘔吐感の中を突き進んだそれは胃の中にまで到達する。そして突然、何かの液体を吐き出した。

 

 どろりとした蜂蜜のような甘い液体。四口分ほど吐き出して抜け出ていく触手の先に味を感じた。その時に、黒歌は全身がカッと燃えたように熱くなる感覚に気が付いた。

 

 熱せられた皮膚の感覚がどんどん敏感に、鮮明になっていく。もうとうの昔に締まりを失った尿道口から絶頂を自覚する前に潮を吹いてしまったことで、黒歌は己に注がれた甘い粘液が媚毒であると遅れて悟ることとなった。

 

「……媚毒か。俺に余計なことをされる前に母体をイきまくらせて、っつぅことだ。モノ考える頭までできてるたァ、本当に恐れ入る」

 

「ん゛あ゛ッッ!!イ、く゛っ……ううぅーーっっ!!」

 

 びしゃしゃしゃっ

 

 まだまだ勢いよく噴き出し、釣られて震える、もうすっかり臨月くらいにまで大きく育った黒歌の胎を見やっていたマスターは、次いで絶頂のつかの間の下り坂で首を垂らした黒歌の顔を覗き込んだ。

 

「ともあれ極めて特殊な淫蟲なわけだ。変異種、もうほとんど別種といえるわけだし、俺もそれは認めるところなんだが――」

 

 開いた黒歌の眼とマスターの眼が合致する。

 

「生憎、新種じゃねェんだ。過去に一人、今のお前みてェになった女がいる。だがそいつの場合は産まれるまでに至らずでな。……だから俺はよ、黒歌、見てぇんだ、調べてェんだよ、お前の胎の中のガキを……!」

 

「にゃ……ッ!!」

 

 黒歌は合ったその眼に、いつものような性欲ではなく探求欲の色を見た。それもかなり病的な。

 

 黒歌は本気で怯えた。悪寒に引く血の気と性的興奮で沸騰する身体が混ざった奇妙な感覚に陥る。手足が自由であれば、胎を抱えて逃げていたかもしれないほどだった。

 

 だがそれはマスターの後方から、肉壁の触手や蟲たちとの攻防を制したらしいオルゴランを引き連れたタキイによって、すぐに霧散した。

 

「主様、下種野郎が悪化してオタク野郎になってしまっていますよ。そういうことが好きなのはウチでは貴方だけなので、寂しいのはわかりますが無暗に布教しないでください」

 

「……うるせェ。大体、下種野郎が悪化したらオタク野郎ってどういう意味だコラ。全国のオタク共に謝れ性悪」

 

 マスターは少し無表情に黙り込んだ後、そう吐き捨てた。前のめりになっていた身体を椅子に沈め直し、一つ息を吐いてから、性欲に戻った眼で再び黒歌に向き直った。

 

「で、まあともかくとして続けるが……つまるところあの時、淫蟲を『よくわからねェ』っつったのはほとんどが嘘だ。薬で下せねぇってのもな、さっき言った前例の女が胎ァ膨らまねェうちに堕ろしてる。んで、その胎児の調査結果ももちろん残ってるわけだ。資料によれば、それは未成熟な段階ですでに明らかに通常の淫蟲よりも大きく、たったの一匹。しかもいくつもの遺伝子情報……その女を犯した男どもと女自身、その前の宿主どものだな、を取り込んで肉体を形成してたらしい。別種っつったのはそういう意味で、無性生殖しかできないはずの生物が、全く別の種族の遺伝子で有性生殖しちまったとかいう、ミジンコもびっくりのトンデモ進化を遂げたのがお前の胎の中身なわけだ。

 ま、ソイツがどんだけ奇跡の産物なのか、希少さもなんとなくならわかんだろ?」 

 

 黒歌の胎を見やるマスターへ答えるのなら、“さっぱりわからない”だ。長いし、そもそも媚毒にまで侵され蕩けさせられている頭で難しいことなど理解できるはずもない。

 平時でも正直なところ怪しいが、黒歌はそのことからは眼を逸らして喘ぎ声に混ぜて「うンっ」と言っておいた。

 

 それを聞いてマスターは一応の満足を得たようで、ニヤニヤ笑みを取り戻した。しかし一方、もとより興味がなさそうなタキイはこっそりあくびまでしていたが、オルゴランが妙に焦り始めた。しばし口元押さえて考え込んだ後、意を決したように少しばかり裏返った声を発した。

 

「とッ……ところで主殿!先ほどの話から察するに、つまり黒歌殿の胎の子は黒歌殿の胎に精を注ぎ込んだ者の血を引いているということで……もしや、我の子でもあるという……!?」

 

「……そう言えなくもねェかもな。お前の子であり、且つ俺やタキイやボーなんかの他の眷属、もちろん黒歌の子でもある。この論調が通るなら、そこにゴブリンやら家畜やらペットやらも混じることになるんだが……まァ深くは考えんな」

 

「へひっ……!?こっ、こどもっ……!?私が、この子の――ッッ!!」

 

 驚愕が伝播して黒歌もその事実に気付いたが、それが困惑と諸々のトラウマに繋がるよりも早く、黒歌はその胎に今までにないほどの強い脈動を感じて、悟った。

 

 難しい話にかき混ぜられていた頭がピンク色に逆戻りして、且つ締め付けられるような温かさが黒歌の内を侵す。

 

「あひゅっ……ぃぃっ!触手チンポっ、また出して……!赤ちゃん、あばれ、てぇ……っ!」

 

「あァ?……ああ、淫気か。ってこたァ、もうそろそろか」

 

 マスターは長い身体を膨張収縮させて液状淫気を送り込むブラシ触手と、それが突き込まれる黒歌の膣穴からストロークの度溢れ出て来るピンクの粘液を見つめて呟いた。さらに上では歯を食いしばる黒歌の悲鳴の通り、大きく張った胎の表面が奇妙に盛り上がり、動いている様子がわかる。

 

 注がれた餌を食い、それを活力にして外へと出て行こうとする動き。その道を塞ぐブラシ触手が子宮内に注入し終えて動きを止め、ゆっくりと抜け出ていく。管を引く抜かれる子宮口が余韻に震えてぱくぱく開き、そして自然と閉じ行くその穴をまた広げるように内側から来る感覚を、黒歌はポルチオ快楽と一緒に味わわされた。

 

「しかし胎の大きさからみて……ガキの大きさは普通の赤子とそう変わらねェか。おいタキイ、お前――」

 

「助産の経験などありませんよ。淫魔にとって精液は食べ物ですし、そもそも性器に関しては子宮口の開閉も含めて自由自在な種族ですので」

 

 だが猫又の黒歌はそうもいかない。ゆっくりゆっくりと、中の赤子に子宮口を広げられるのを悶えながら待つしかない。

 抜け出るブラシ触手の長く伸びたイボが膣穴の入り口を擦りながらぶりゅんっと脱出し、次々その弾力で大陰唇を叩かれながら、黒歌は歯の隙間から何度も必死に呼吸して、中で動き回られ苦しいほどに震える子宮に耐えていた。

 

「ひっ、ひっ……ふ、にゃ、うぐぅ……っ!子宮っ、きもちいっ……!内側から、引っぱられてぇっ……!」

 

「きっ、気張れ、黒歌殿!我と主殿とタキイ殿もついているっ!」

 

「だから落ち着けってェの。お前の本気チンポが入れられてアヘるくらいだし、出産なんぞ問題ねェって……ってかそん時からだが、お前、黒歌相手だとキャラぶち壊れんのどうにかしとけよ、オルゴラン。気色悪くてしょうがねェ」

 

「哀れで罰を与える気も失せた、とおっしゃっていましたね、主様。ですがなかなか難しいと思いますよ。チンポだけじゃなく触手や蟲や出産でまでアヘるまでに調教してしまったのですから、下手に強制すると彼、後ろめたさで潰れかねません」

 

「うっ……ぜ、善処する……」

 

 などと繰り広げながら見物、あるいは見守るばかりの彼らの声を若干イラつきながら聞きつつ、黒歌は何時かに聞き覚えたラマーズ法で時が過ぎるのを待つ。

 

 甲斐あり、いつの間にか子宮口は十分なほどに広がっていたようで、子宮壁をポコポコ殴っていた赤子は不意に暴れるのをやめ、動き出した。

 

 子宮口を大きなものが通り抜けようとしている感覚が、黒歌の脳天を針のように鋭く突き刺した。

 

「ひ、に゛ゃ゛あ゛ぁッッ!!?しきゅうの、いりぐちッ!イく゛ッ!ひろげられてっ、イ゛ってるぅぅッッ!!」

 

 それは本来であれば痛みだっただろう。俗に鼻からスイカを出すようなとも例えられるほどのそれは、しかしライフワークと化している性奴業とオルゴランによるオナホール扱いですっかり変えられた身体、そして淫蟲の媚毒によってすべて快楽に変えられていた。命の危険があるという、その大きさだけはそのままに。

 

 ブラシ触手が完全に抜け、大口を開けていた黒歌の膣穴から、ピンクの液体と大量の愛液が噴出した。泡立ち白く濁ったメス汁は絶頂潮と合わさり勢いよく飛び散って、最高飛距離を容易く超えたそれに、だべっていた男たちは慌てて下がる。マスターだけは椅子に座っていたために逃げ遅れたが、開き直ってねっとり汚れた顔を拭った。

 

「後ろめたいもんかねェ。痛みで泣かせるよりよっぽどいいじゃねェか。……そら黒歌、気張っていきめ。もうちょいで出て来るぞ」

 

「い゛、われ、なくてもぉッッ……!!」

 

 快楽による身体の痙攣をひっくるめて黒歌は踏ん張る。子宮がビクビク跳ねているのが外からもわかるほど力を込めた。ままならない快楽漬けの身体の苦労はやがて報われ、ぐにゅっ、ごにゅっと子宮口を変形させながら出てきた赤子が膣道の性感帯を踏みしめ進み始めた。

 

 頤を晒して絶頂する黒歌の耳に、マスターの声が平然から興奮へと変わって告げた。

 

「おっ!ようやく出て来たぞ!おい黒歌、その腰ヘコちょっと抑えろ!ぶれてうまく観察できねェ!」

 

「主殿、そんなことを言っている場合ではない!黒歌殿はもう少しで……む……?顔を見せたもの、これは……尻尾か!?」

 

「逆子でしょうか?普通の出産に当てはめて考えても仕方ないとは思いますが……。しかし、尻尾はどうやら二股ですね。お母さん似のようですよ、黒歌様」

 

 続いて心配そうな焦り顔になるオルゴランと、呑気に黒歌の膣口を見やるタキイ。言葉の通り、様々な粘液を纏って出てきた毛並みは二股に分かれている。眼にし、熱に締め上げられる感覚を再び味わうが、しかしその正体を探るような余裕などなくひたすらいきむ。

 

 快楽と疲労で顔を真っ赤にしながら、そしてとうとう、一際大きな頭部らしき感覚が、黒歌の子宮から飛び出した。

 

「産ま、れ゛、る゛ぅぅッッ!!」

 

 弧に沿って子宮口が押し出した。そうすれば後は十分に拡張調教され磨かれた膣道の仕事。滑り降り、産まれた。

 

「うぉ、っと……!こりゃァ……!」

 

 腰を上げたマスターが取り上げる。そして手の中のその姿に目を剥いて、大仕事を終えてぐったりと肉壁の拘束に身を任せる黒歌へと持ち上げた。

 

「おい、黒歌。見てみろ、腰抜かすぞ」

 

 「いやもう抜けちまってるかァ」などといって低く笑う声に釣られ、黒歌は疲労に降りた瞼の帳を上げる。

 

「はぁ……ひぃ……。っあ……」

 

 子は、普通の赤子と変わらない姿をしていた。小さな身体には小さな手足、頭には目、鼻、口と揃い、天辺に三角耳が付いている。唯一尻尾が少し長く、こちらへと伸びてくるその動きが触手のようではあったが、それを除けば身体のつくりは、はるか昔に記憶する生まれたての白音とほぼ同じ。

 

 見つめていると、ずるりと不意に、肉壁に埋められていた足が解放された。地面に付き、次いで手も肉の中から追い出される。力が入らずへたり込む黒歌の腕に、触手尻尾の意思も併せてマスターは赤子を抱かせた。

 

「……抱いてると、まんま親子にしか見えねェな。はァ全く……何だって淫蟲がこんな姿で生まれんだ!?わけがわからな過ぎてウケるぜマジでよォ!!」

 

 興奮気味に笑うマスター。タキイと、そして感極まったように涙を浮かべるオルゴランに見守られながら、黒歌の腕の中の赤子はみゃうみゃうとかわいらしい鳴き声を上げ、もぞもぞ動いて未だ刺激され続ける黒歌の乳房に手を伸ばした。すると群がっていた蟲たちが一斉に道を開け、子は白い雫が滴るそこへ吸いついた。

 

「んぅ……!」

 

 それだけでなく、尻尾までもが伸びて黒歌の下半身、ひくひくとくたびれ果てた膣穴と、芋虫が巣くう尻穴へと伸びた。芋虫が身をよじって隙間を開け、二穴尻尾がそれぞれ侵入する。うっすら感じる感覚は、口と同じく中のメス汁を啜っているようだった。

 

 感じる快楽、それ以上の多幸感。黒歌はようやく、胸を締め付ける熱の正体に気が付いた。

 

 快感の抜けきらない顔が、ふにゃりと優しく笑みを作った。




話ごとにプレイ内容が異なる拙作なので、前書きにそれを示しておくことに決めました。普通はサブタイトルに付けるものなのでしょうけど、(ただし性的な意味で)とか既に付けてるもんで見栄えが悪いのです。
それはさておき宣言通りの爆速更新(もちごめさん基準)。頑張り過ぎてムラムラが底をついたので次の更新はまた間が開くと思われます。
それでも感想ください。
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