資料室を出ると、俺はフォアフット走法で廊下を駆けた。
1分の猶予もならない。この気持ちが覚める前に家に辿り着かねばならない。
ありがとうNTR花子…ありがとうマウンテンゴリラ先輩…。
俺は胸に差したkonozamaで購入していた新兵器…ペン型カメラの録画ボタンを切った。
1秒でも早く、自宅のベッドに戻りセルフプレジャーを実行せねばならない。
「クォラNTR太郎ぉ!廊下は走るな!」
くそ、体育教師のMOB寺田だ。
貴様は喫煙スペース以外の所で煙草を吸っている副流煙教頭の相手でもしていろ!
「押し通る!」
俺はフェイントをかけて突破を図る。しかしフェイントを看破されてしまい奴と正面から向かい合う事になってしまった。
「小手先は通じん、指導してやる!」
「何のまだまだぁ!」
去年の夏休みに従弟から教わった、バックロールターンを決める。
俺はするりと先生を抜き去って行った。
残念だったな、教育指導で俺の性欲は止められはせん。
駆ける、駆ける駆ける。昇降口まで後ちょっとだ。
…ガラガラガラ
保健室から理科教師が出てきた。理科と言うより魔法を教えてそうな風貌の若い女教師のMOB高橋だ。生徒の間でファンクラブができるぐらいの人気を誇っている。
「NTR太郎君、良かった。ちょっとクロスワードパズルで解けない所があって…」
出会い頭の生徒に対していきなりクロスワードパズルの問題について相談するという相変わらずの不思議ちゃん先生だが、俺は今は不思議ちゃん先生にかまうより大事な事がある。俺はガン無視して走り抜けた。
「NTR太郎君ー!ちょっと一緒に考えてくれてもいいじゃんかー!」
パズルは自分の頭で考えて答えを導き出してこそだ。
そのカタルシスを得るための本質を他人に頼って損なってしまうのは愚の骨頂。
なお、先生が持ってた本の23ページ目は出題ミスざあるのでおそらく考えても正解しない模様。
下駄箱の靴を乱暴に玄関に下ろし、靴に足を通して駆ける。
スクールバッグの中にランニングシューズがある。校門さえ抜ければこっちのものだ。
後は家に帰るのみ!
体力を消費して来た。今までの走り方は先生たちを振り切るためだけの物。
ここからは長く走れるようにミッドフット走法に切り替えペースダウンしつつ自宅へ向かう。
周りの生徒からの視線が気になるが、今は自身のイメージを気にしている場合ではない。
人生の夢の3分の1が達成したのだ。なりふり構っていられない。
見慣れた道を駆け抜けようやく自宅が遠目に見えてきた。
情欲の熱は魔法瓶の中のお湯のごとくキープされている。
勝利は見えた。
そう思われた時だ。
最大の危機は、危機を回避し油断した時に訪れる。
俺の目の前にはNTR幸子が現れた。
「ええい、お呼びじゃないんだよ!!」
「NTR太郎君、釣り行こう!」
冗談じゃない!俺は彼女の脇を通って自宅に向かおうとする。
しかし、俺を上回る速度で、後ろ向きに走りながらついてくる。
近所のおっとりしたお姉さん。それ以外は特に分からないが、身体能力だけは非常に高い。
よもやこんな所で会う事になろうとは、恨むぞ神よ。
「連れないなぁ」
「退け!俺は貴様に根がかりしておれんのだ!!」
「はいフッキングー」
抱きとめられた。彼女の周りだけ慣性の法則が働いていないのか、俺の運動エネルギーがおっぱいに消されたのか、とにかく俺とぶつかっても一歩ものけ反らない。
何とか拘束を逃れたが、やはりNTR幸子はシンプルなパワー勝負で勝てる相手ではない。
まずの所はそれを認め、それを踏まえた上で突破する方法を考えねば。
「さあ、諦めて私と釣りに行きましょ…?」
何がこいつを釣りに駆り立てるんだ…。
いかん、俺の中の熱量が少しずつ下がってきているのを感じる。
こうしている1秒の時間が惜しい…!
正攻法ではとても勝てない。じゃあどうする…。
そうだ、戦意だ。奴から俺と一緒に釣りに行くという意欲を奪ってしまえばいい!
俺は正面からNTR幸子の方へ向かう。
「正面…。その心意気やよし!」
「ママ―!」
俺はNTR幸子に抱き着いて言った。意表を突かれ、酷く困惑するNTR幸子。
「ヴぇ!?」
今だ!!
俺は全速力で彼女の右わき側に駆け抜け自宅へ向かった。
「…見事にバラされた訳ね……」
勝った…、ついに勝ったぞ!
艱難辛苦の時を経て、俺はついに自宅に帰って来た!!
両親は仕事でいない。家に帰るとスクールバッグを乱暴に投げ捨て、
服を乱暴に脱ぎ捨てて部屋に向かう。
満願成就の時が来た!
自宅までは持ちこたえたが、もう辛抱ならん!!
俺は一物を利き手でしごきながら部屋に向かった。
ドアノブに手をかけ、回し、中へ入る。
「うおおおおおおおおおおおおお!!」
「びゃあああああああああ!!?」
何故かNTR菊子が俺のベッドで寝ていた。でも今はそんな事はいい。
重要なのは俺の股間のボルテージが最高潮に達しようとしていたと言う事だ。
俺は走馬灯の様に資料室の寝取りックスを思い出しながら叫んだ。
「NTR花子ォォオオオオオオ!!!」
「NTR菊子ですけど!?!」
ビュルルルルッビュオオッ!!!!
俺の魂の素が精巣圏から脱し、間欠泉の様に噴き出る。
高水圧ジェットの如き魂の奔流がNTR菊子の顔面に雪崩れ込む。
「ゴボボボボボ!ガボッゲホッゴボボボボボォ!」
俺の射精は一先ず落ち着いた。
「ただいま、NTR菊子」
「ただいまの前に言う事あるでしょ?!!」
「そこをどいてくれないか」
「ごめんなさいでしょ!」
人のプライベートに土足で踏み入りながら何を言うか。
NTR菊子はベッドから離れると、ティッシュで静液を拭く。
「ああもう、せーしでお洋服がベタベタだよぉ…」
「自分のベッドで耽るオ◯ニーは最高だぜ!」
「泣くぞ?我、泣くぞ?稚児の如く大音声で泣くぞ?千里の草木も腐らす怨嗟の声で喚き散らすぞ??」
チッ、うっせえ奴だなぁ。
「分かった分かった、どうすりゃ満足してくれるんだ」
NTR菊子は淫靡な笑みを浮かべると、スカートをたくし上げた。
「…しよ♡」
「お断りします」
NTR菊子は泣き出した。
百年の性欲も冷めてしまった。
こいつがいるんじゃ俺は集中して自慰ができない。
まあ1発射精できたので、そこだけは良しとしよう。
問題はその自慰を見られた事と1発の誤射が彼女ににかかってしまった事だ。
あまりの問題児っぷりに最近は素がでまくっていたが、さすがに一線を越えた。
タオルを持ってきて拭いてあげたが、少し不機嫌な様子で膨れていた。
今は成り行きで彼女を後ろから抱いたまま一緒にベッドで寝ている。
「…何でNTR菊子が俺の部屋にいたんだ」
「その解を得るにはまず哲学の話になる」
「じゃあいい」
学校から家まで走ってきたので、身体が熱い。
こうしてNTR菊子を抱いているとわずかに涼しい。
ちょっと眠たくなって来た。
「ねぇ、学校で何かあったの?」
「何で?」
「様子が普通じゃなかった」
昔から描いていた恋人を寝取られるというシチュエーションの願いが叶い、大変興奮したので一刻も早く自慰すべく全速力で帰ってきたなんて言えるわけない。
「その解を得るにはまず哲学的な話になる」
「いいよ。聞かせて」
せっかく上手い返しをしたとしたと思ったのに…。仕方がない。俺は狸寝入りを決める事にした。
寝たまま返事をしない俺に何度も質問をしてくるが、俺は無視する。
後は勝手に出ていくなり寝るなりするがいい。
PRRRR…。
電話が鳴った。俺のだ。
NTR菊子は机の上にある俺のスマホを勝手に受け取ると、勝手に出た。
どういう神経してるんだお前は。
彼女は通話のモードをスピーカーにする。
「はい、もしもし」
『もしも…NTR菊子?それ、NTR太郎のスマホだよね?』
その声は…NTR花子か。何用で電話して来たんだろう。
起きてスマホを取り上げ、通話に応じるべきか?
「ふあぁ…。うん。今出られないから代わりに私が応答したんだ」
『…話したい事があるんだ。今、NTR太郎はどこいる?』
「NTR太郎君なら私の隣で寝てるよ」
かなり誤解を生みそうな物言いだなそれ。
まあ今となってはどうでもいいが。
『え……そ、そう』
「あんたの寝取られ願望叶えてあげたよ。さっき顔射された」
顔射したのは紛れもない事実だが、何故か俺がNTR菊子に寝取られた事になってる。
それにしても涼しい顔で恐ろしい事言うもんだなこの子は。
NTR花子からの返事はない。通話は終了していないようだが。
「そゆ事で、私達はめでたく恋人になったからあんたは潔く諦めてよね」
『私が大五郎先輩に寝取られつつ、彼氏はNTR菊子に寝取られた訳か。願いは叶ったけど、期待と違って胸が苦しいばかりで思ったほど興奮しないな。…それじゃ、お幸せにね』
NTR花子はそう言って通話を切った。あいつ、寝取られ願望あったのか。
まあ、心の傷は大五郎先輩が埋めてくれる事だろう。
NTR菊子はスマホを置いて俺の方に向き合うようにして寝転がる。
「…ねえ、本当に寝てるの?」
「ああ。夢の中にいる」
彼女は笑った。眠いし、もうこのまま少し寝てしまおう。
俺は改めて恋人関係になったNTR菊子と一緒に眠った。
もし1週間ぐらい更新がなかったら、誰か続きを書いてくだしあ…