1匹は目が開いたもので、1匹にちょっかいをかける。
目の開かない1匹はなされるがままかと思えば、目が見えないものでバタバタと猛反撃して返り討ち。
人は成長すると経験が豊富になる物で常に考えられる範囲で最善手を打って来る。
逆に、経験が乏しくそれが分からないと逆に手が読めないもので。
まさかあんな事になろうとは…。
…遠く近く、和太鼓の音が聞こえる。
トン、トンカッ…トン…。
篠笛の音もする。これは…この曲は…そうだ、勧進帳だ。
俺は歌舞伎役者の様な大層な身なりに体を包んでいる。
何かの面を顔に被る。
何かがやって来る。獅子舞に似た何かだ。
中に2人入ってる様に見える。風呂敷が揺れ動く。
獅子の面がグッと上に伸びていく。背丈は俺の2倍ほどの高さになった。
怪物を装った人間が、怪物になった。そんな風に取れた。
俺は腰に差した刀を抜いた。神聖な雰囲気の意匠がしてある。
刃は青く鈍く、獲物を屠らんと輝いている。
奴は首だけ動かし、俺の出方を見ている。体を支えるものは演劇に見る黒子の様に見えるが、首から先がない。
俺は刀を抜いて刀を横に向けたまま動かない。
怪物との戦いに間合いはそれほど関係ない。体格差も関係ない。
この刀の刃は見える像を切る物でもなく、奴の歯は俺の体を噛み砕く物でもない。
縁。お互いの体に毛細血管の様に張り巡らされている、全ての物との繋がり。
それを切るためにお互いに対峙している。
「不浄の者、安寧の地に眠るがいい。ここに貴様の居場所はない」
俺はつぶやいた。
「何故忌み嫌う。要らなくなれば腕や足をも切り落とすのか」
虚を突いた。俺の斬撃にが奴の縁を断ち切る。
耳の内に、何かがプツプツと千切れる音が聞こえた。
パカッ…。
奴の獅子の面が真っ二つに縦に割れた。
遅れて奴の頭がゴトリと俺の目の前に落ちて来る。
その獅子の素顔は、まさに俺の顔だった。
視点が変わった。地面に落ちた怪物の視点が、俺だった人物を見上げる。
奴の仮面も真っ二つに縦に割れた。狐の面だった。
顔があるべき場所には、何もなかった。
俺は体を起こした。頭がぐわんぐわんとして、眩暈がする。
そうだ。確か昼寝したんだった。悪夢を見ていた気がする。
時間は16時になる。お腹が減った。
スマホを見るが、新着の通知はなかった。
「……何してんだよ俺」
旧道の屋根付きのベンチの上に寝ていた。
人通りが少ないとはいえ…。
…ガサッ。
草むらから音がした。俺はそっちに注目する。誰かいる…?
「NTR菊子…??」
何かが飛び出してきた。…野兎だった。
超早い。あんなフォルムであんなに早く走れるのかよ。
「脱兎の如くとは言うが、まさかこれほどとは」
俺は大きく背伸びをした。気分は少しだけ晴れた。
「さて、何て言って落とすかな。『俺にはお前しかいないんだ!』とか?…はは、ブサメンの言う事じゃないな。うーん…やっぱり自然体で挑もう。あの人には小細工は通用しないからな」
18時までまだ時間がある。俺は昼ご飯を食べに家に戻った。
今日は仕事が早く終わったのか、両親とも居間にいた。
俺の分の昼ごはんもあったのでそれをいただく。
「ねぇ、NTR菊子ちゃんだっけ?あれから上手くいってる?」
「まあ、そんな所だ」
「お前にはもったいないほどの美人だものな」
両親ともまだ俺達が付き合ってると思って囃し立てる。
説明するのも面倒くさいのでとりあえずそう言う事にしておいた。
結婚の話とかになると、俺はそそくさと食器を片付け部屋に戻った。
「…俺、変なんです」
助けられて以降、近所と言う事もあり時折遊びに来ては勉強の事を教えたり遊んだりしていた。
明るく元気な男の子だったが、その時の彼は様子が変だった。
酷く落ち込んでるというか…。
私は彼を家に上げると、いつも一緒に過ごす居間に向かった。
「いいよ。聞いてあげる。それで、どうしたの?」
もじもじしている。…可愛い。
「大丈夫、NTR太郎君。私は君を笑ったりしないから」
「本当?」
「本当よ。…その悩みは、君にとって恥ずかしい事なのね?」
彼は静かにうなずいた。
あー…、きっとそういう事なのかな?
ここは私の勇気で、彼の背中を後ろ押ししてあげよう。
「君はもうおねしょはしなくなった?」
「小学校に入る前には」
「…お姉さんはね、12歳になってやっとしなくなったの。それまで1か月に1、2回はやっちゃってね」
とても信じられないという顔をしている。本当は顔から火が出るほど恥ずかしい話なのだが、長年、表情が乏しいままだった私は自身の内心が他人に知られる事はほとんどない。おかげで職場で幾度となく頭痛と吐き気がひどい時でも誰にも感づいてもらえず大変だったが。
おねしょをするたびに母には叱られ、父には笑われた。
弟に指を差して笑われた時は、どう仕返ししてやろうか考えたものだ。
「修学旅行の時もやっちゃった。よせばいいのに、寝る前に喉が渇いちゃってね。あの時最初はは本当に死にたかった」
「うう…考えるだけでも恐ろしいです」
「でもね、私にとってはいい思い出なんだ」
彼は首を傾げた。それもそうだろう。旅行先でクラスメイトにおもらししたのを知られたのがいい思い出なんてね。その話には続きがあるのだ。
「皆、私を励ましてくれたんだ。茶化さないで。日頃は人をからかってるクラスのお調子者の男の子でさえ、その事については弄らなかった。…思えば本当にいいクラスメイトに恵まれたわ」
「そうなんだ…」
「大丈夫。私も茶化したり、からかったりしないよ」
「……実は、おねしょしたんです。それも白い。病気なんでしょうか…。NTR幸子姉さん、科学者なんですよね。教えてくださいお願いします」
夢精…。
私はちょっと次の言葉に詰まろうとしたが、繊細な時期の彼だ。下手に動揺を悟られては心に深い傷を負いかねない。
「大丈夫。それはね、君ぐらいの年になると誰もが経験する事なの。病気じゃないよ」
「良かった…。夢の中に、裸のNTR幸子姉さんがが出てきて…。その、とても…」
トマトの様に彼の顔が真っ赤になっていく。
はわわ、はわわわわ…。NTR太郎君の精通が、まさか私の裸の夢を見た事で体験してしまっただなんて…。
それに、もう精通は済んでると思ってた。
彼はもうそんな年には見えなかった。
いや、そうか。それこそ私と同じなんだ。彼はつい最近までそれを知らなくて、今日にそれを知ったのだ。
「ごめんなさい!…俺、そんなつもりじゃなくて…」
「夢だもの。仕方ないわ」
えっと…何でこうなったんだっけ。
確か人体の不思議とか、保健体育の話をしてたのを覚えてる。
その成り行きで、お互いに裸になってお風呂場にいた。
私はボディタオルで彼の体を洗う。
「…こんな事、誰にも言っちゃ駄目だからね?」
「はい、約束します」
ああ…、若くて弾力性があっていい。これが若さってやつなのね。まぶしい。
首回り、肩、腕…。胸、腹、足と洗っていく。
やがてそこにたどり着いた。
「あ、NTR幸子姉さんそこは駄目です。そこ…」
「何が駄目なの?」
「そ、それは…何か…んっ」
ボディタオルを置いて、手で彼の一物を皮ごと包んでごしごしと擦る。なれない快楽に身もだえ、喘ぐ。私はたまらなく興奮した。胸を押し当て、抱きしめながら後ろからしごく。
「な、何か来ます…何か…あっ…」
ビュッ、ビュルルッ。
白い飛沫が彼の鈴口から発射される。皮の中で納まりきれない精液がドロドロと飛び出た。
彼はぐったりと私にもたれかかってきた。
私はこれが何なのか説明する。保健体育の授業で既に習ってはいたようで、ただそれが自身の体の事と結びつかなかったらしい。
そして彼の体を軽く洗い流すと風呂に入ってもらった。
「…姉さんの体も洗わせてください」
「えっ?」
彼は私がしたように後ろに座ると、私の体を洗いだした。
ちょっと強引だった気もするが、私もやる事やってしまったし…。
ずいぶんご無沙汰だった私にそんなスキンシップされたら…。
タオルブラシで洗われる。どこを触っても敏感に反応してしまう。
「あっ、んんっ!NTR太郎君、ちょっと待って!わたし…んあっ」
「…俺と同じみたいな反応…。NTR幸子姉さんも、感じてるんですか?」
「あっ、それは…その、えっと。だって、ああ…、んいっ」
頭がぼーっとする。だって、そうだ。ここ最近は忙しくてずっとずっと…。
それなのに、性のいろはも知らない相手からこんなに無遠慮な事されたら…。
ズプン…にゅるる…。
私のあそこに中指が入ってきた。
「ちょ、なにし…あっ!やだ、そこ駄目だって!やだやだ…」
膣内がごつごつとした指でかき乱される。私は壊れた楽器の様にただ喘ぎ続ける。
もう片方の手では私の胸を揉んでくる。
欲望のまま動けば、知らなくてもそう言う事は分かってしまうのね…。
…初めてではない。経験はあった。
でも彼らは手慣れていて、いつも同じような動きで私を絶頂へ導こうとする。
NTR太郎の手の動きはたどたどしく、返ってそれが予想できない快感が押し寄せて来る。
「待って…、まっ…」
こんな、こんな攻めで…。
身体が火照ってしまう。
ああ、心がふわって…。
チョロ…チョロチョロ…ジョロロロロロ…。
「えっ?」
感じる排尿感。自分で自分が信じられない。あろう事か、私はお漏らししてしまった。
「あっ、嫌これは見ないで!NTR太郎君、あっち向いて!あっち!」
止められない。私は羞恥心で頭がどうにかなりそうだった。
NTR太郎君は私の言いつけを守らず私が漏らすところを眺め続けている。
そして、信じられないほどに勃起していた。
「もうやだ…こんな所見られて私…グスッ」
思わず泣いてしまった。NTR太郎君は黙ったまま私を後ろから抱きしめる。
「可愛かったですよ」
耳元で囁かれ、言葉が脳の思考力を鈍らせた。
私は絶頂後の余韻に浸りながら、彼の行為に期待してしまう自分を恥じた。
思えば私達の関係が今みたいになってしまったのは、この時が原因だったかもしれない。
三点リーダーを多用した回になったお。
読みづらくなってしまい、本当に申し訳ない(メタルマン感)
メモとか用意せずに勢いだけで書いてるので、矛盾の指摘されるとそれを修正するの難しそう。その時はとりあえず
おとなはウソつきではないのです。
まちがいをするだけなのです……
で切り抜けたいと思ふ←
ちなみに次回で最終回。もう書いてるから言えるけど読んだ人のうちかなり多くの人に困惑されそう。今は後日談書いてるけど、物語の整合性のチェックとかの都合で投稿は明日になりそう。
最終回は今日の昼頃に投稿するので、最後までお付き合いくだシキソクゼクゥ…