考えるという病がそうさせるんだ。
全ての物事に因果関係を求めたがる。
私は寝取られるのが好きだ。
どうして?幼少期のトラウマ?マゾだから?
そんな事は全然重要じゃない。
大事なのは私が寝取られる事に大変興奮するという事。
好きなんだそういうのが。ただそれだけ。
※本作の登場人物の殆どのメンタルがこの上なく荒んでいます。気分が悪くなった時は読むのをやめてください。また、病んだり気分が落ち込んでる場合も読まない事をお勧めします。
また、本作に出て来るそれっぽい情報はうろ覚えで書いてるソースを提示できない非常に信憑性に欠けるものです。
…ピチャッ、ピチャッ、ヌチャッ、ニュルッグニュッ……。
この水音は一体…。それになんだか気持ちいい。なんだ?
ニュルッニチュッヂュッ、ジュルル。
わかった、この快感は自信の一物から来る。
でもおかしい。電動オナホなんて買ってないし、寝る前に仕掛けた覚えもない。
目を開けて体を起こすと、NTR菊子がまた全裸で俺の一物を頬張っていた。
ようやく口から話すとにっこり笑う。
「おはよう」
そういえば昨日は結局一緒のベッドで寝たんだった。
「おはよう…じゃないよ何やってんだ朝から」
「おはようのフェ〇」
…同じ言語で会話をしているというのにまるで何言ってるか分からない。
俺はゴムハンマーで殴られたような感覚に陥る。
「朝起きたら勃ってたから…抜いてあげなきゃって思って」
「あのね、これは朝立ちと言ってだね。男の人の多くは朝に経験する生理的現象なの。トイレ行きたい時も勃つ事もあるの。男性器はね、必ずしも性的興奮で勃起するんじゃないんだよ」
「そうなんだ。ね、ね、もう30分ぐらい頑張ってるんだけど射精しないんだ。どうすれば男の人はイクの??」
会話のドッジボールだ…。30分も前から何やってんだ。
「顎が疲れたろう?またの機会に教えてあげるからもうやめよう?」
彼女はこくこくと頷いた。
まだ起床予定時間より30分もある。俺は早起きするよりはいいと2度寝する事にした。NTR菊子は俺の腕を枕代わりにして添い寝する。言いたい事は山ほどあるが今は我慢だ。
「こうしてると恋人みたいだね」
どこが???
「そうだな」
話の通じない相手に対する会話の基本はまず頭から否定しない事、話題を変える事、気に障る事は言わない事だ。俺は無難な応答に徹した。
ああ、そういえば今日は早めに支度してNTR花子を迎えに行かなければならないんだった。俺の元に迎えに来たNTR花子と揉めたりしては厄介だ。俺はやはり起きて着替え始める。
「けほ、けほ…」
NTR菊子が咳をしている。
「風邪ひいたのか?」
「そんな事…けほっ」
「朝からマッパでフェ○なんかするからだ。全く」
彼女は何も言い返さず着替える俺を眺めている。何が楽しいんだか。
どうせ返答は予想通りだろうが、聞いておかなければならない。
「家に帰るつもりはないか?」
「ここが私の帰る家」
ダメな様だ。制服もないから学校にも行けない。
ただ、俺が学校に行く事は異論はないらしい。変な奴。
「分かった、お前はここにいていい。だが約束はしてもらう。1つは俺の部屋を荒らさない事。この部屋は絶妙なバランスで物が配置されている。それを変えられるのはこの上なく不愉快だ。1つは親に一言連絡する事。お前の家庭事情に口出しはせんが、昨日お前の母親は取り乱しながらお前を心配していた」
「お母さんは…」
「最後に!…安静にしてる事だ。以上の事を守れないなら腕に物を言わせてでも連れて帰るぞ」
俺は凄んだ。NTR菊子はキュッと唇を噛んだが頷いてくれだ。俺は彼女のスマホを渡す。
「何かあったら連絡してくれ。出来る事なら力になる。ご飯は…冷蔵庫にある好きな物を食べててくれ。家族は出かけてて世話ができない。トイレの場所は昨日の浴室の隣だ」
そう言うとスクールバッグを持って部屋を出ようとドアノブに手をかけた。
「守るから!」
振り返った。
「約束守るから、行く前にキス…」
俺はスタスタとベッドに戻ると彼女の頬にキスをしてから部屋を出た。
今日はNTR太郎の方から私を迎えに来てくれるらしい。
一体どういう風の吹き回しなのか知らないが…。
全く、こういうのは5分ぐらい前に来るのが筋なんじゃないのか。
後2分で約束の時間になる。
腕時計を見ながらイライラしていると、ようやく向こうから姿が見えてきた。
「ごめん、待った?」
「待ち時間は僅かでも、想い人を待つとなると一秒が千秋にも感じる」
「近場のパフェ店に新しいメニューが出来たんだ。季節限定のヤツだよ。それでどう?」
「手打ちに致す」
私達は手をつないで登校する。
それにしても、朝から顔が浮かない。一体どうしたんだろう。
何だか心配になったので尋ねてみる事にした。
「どうしたの?何かあった??」
「NTR花子…。自室に他人がいるってのは…気のいいものかな」
「そりゃプライベートだもの。あまり踏み込まれていい気分じゃないわね。恋人とか、家族ならまだしも」
そうだよな、と呟いて俯いた。何故そんな事を??
しばらく経っても何も話してくれない。
「私に話せない事なの??」
「いや、君には特に話したい。でも踏ん切りがつかないんだ。その…とてもセンシティブな問題というか」
NTR太郎がこんなにおどおどしているのは珍しい。他人の前でこんな風な挙動を見せる事は少なくないが、私の前では滅多にない。私から背中を押さねば事実を聞き出すのは難しそうだ。
プライベートに踏み込む他者ね…。
「NTR菊子ちゃんの事?」
「実はそうなんだ」
それからこれまでの経緯について色々と話してくれた。不登校になってからも連絡を取り合い励ましていた事、昨日急に会いたいと言われあった事。連れて行った矢先、所持してたナイフで脅し性交を強要されかけた事。
あまりに荒唐無稽な話で私は初めはポカンとしていたが、その声色から嘘は少しも感じられなかった。精神的に疲弊している。
「俺の恋人は君だけだNTR花子。君だけを愛してる。その気持ちに嘘偽りはない。だけど、彼女を放っておけばきっとよくない事になる。…どうしたらいいか分からないんだ」
私は静かに抱きしめた。
「悩んでくれてありがとう。話してくれてありがとう。私は大丈夫。あなたが今、そうすべきだと思う事をやればいい。NTR菊子は私の友達なんだもの。助けてあげて欲しい。求められるのであれば、あなたが許容する範囲で応えてあげて欲しい」
「NTR花子……」
「さ、行こっか!これ以上、いちゃいちゃしてたら遅刻しちゃう」
「そうだな、少し急ごう」
私達は早歩きで学校に向かった。
…NTR太郎は今頃、内心で私をどう思っているだろう。今の言葉に感心してくれただろうか。
あるいはNTR菊子への下心を爆発させている頃だろうか。
まあ何でもいいというのが私の本音だが。
しかし、もうオンボロ雑巾みたいになったNTR菊子は使い物にならないとばかり思っていたが…どうやらまだ使えるようだ。
学校生活で肥大化した自尊心と言う心の支えを失い、むき出しになったお繊細なメンタルに強いダメージを負った彼女は次に心の支えになるものを求めた。それに都合が良かったのがNTR太郎だと言った所。
あの依存から来る強い執着、愛。あれは利用できる。
大五郎先輩にもNTR菊子にも寝取られる。
鴨が葱を背負って来る。
これは絶好のチャンス。何が何でも掴んで見せる。
よりこの計画を確かなものにするには自ら趣向を凝らして面白味を損なわなければならない。
今回の私の駒はやはりNTR菊子だ。だが、これまでの様に遠回しな事はしない。
ダイレクトに計画に加担してもらう。クク、ククク…クケケケケケ!!
こんなにテンションが上がった日には、浮足立って足元が疎かになりがちだ。
深呼吸をし、心を落ち着かせこれからの事に思考を巡らせた。
好きになる事は難しくても、嫌いになる事は容易い。
新しい畳でも叩けば埃が出る。完璧な人間はどこにもいない。
…心のどこかで嫌いになりたかったのかもしれない。自分の期待から大きく外れて失望できればいいって。
なのに、私の心は確かに1分1秒ごとに彼への愛で満たされていく。
本当に好きな事は、嫌いになる方が難しい。
それが無茶をやって来た今になって分かった事だ。
求めるばかりで与える事のできない未熟な愛。
思えば私が別れさせて来たカップルと言うのも、その程度の愛で結ばれていたのかもしれない。
私は窓から見える風景をぼんやり眺めていた。
外は曇っていて、雨が降りそうだった。
PRRRRRR…
電話だ。私はギョッとした。
着信に表示されてる名前はNTR花子。
私は喉を鳴らす。
「はい、もしもし」
『元気?私だよ、NTR花子』
彼女は嫌にテンションが高かった。想像とは違う。
金切り声で罵声を浴びせてくるものとばかり思っていた。
それにしても、仮にも不登校の私に対して一言目が元気か尋ねて来ると言うのは少し怖い。
「うん、久しぶり」
『今日はね…あー、昼休みが終わるまで時間がないし単刀直入に言わせてもらうね。NTR菊子ちゃんはNTR太郎の事が好きなんだね?』
「そうだよ」
前までは嘘だったが、今は本音からそう言える。
それに、彼らの関係が現在恋人であったとしても退くつもりはない。
『あはは、素直でよろしい。それでね、私は君らの関係を取り持って成就させようと思ってるんだ。君にとっても悪い話じゃないよね?』
ゾクッとした。…こいつは一体何を言ってるんだ??聞き間違いだと思った。
声のトーンはいつもの調子で言っているが、逆にそれが怖かった。
まるで他人事の様に、何を自分の恋人を差し出すような事を言い出すんだろう。
『君には分かんないだろうなぁ。でもいいよ。そう言うもんだと思ってもらえれば。あのね、そういう性癖なの。寝取られって言うね。好きなんだそういうのが』
被虐性の性癖の1つなんだろうか…。
罠なんじゃないかとも思うが、とにかく真意が伺えない。
私は黙って言葉の続きを待つしかできなかった。
『でもNTR太郎って見ての通り私にゾッコンでしょ?私の欲求を満たすには君が不可欠なんだ』
「な…何が目的なの。訳分かんない」
『あはは!あはは、あはははは!!分かんないだろうねえ、分っかんないだろうねえ!君は実にバカだな!はははははは!!…あー可笑しい。まあ、また連絡するよ。それまでに返答を考えておいてね。バーイ』
プツッ…。
電話が切れた。毛布の中にいるのに寒い。背筋が凍った。
あの笑い声、とても同じ人間とは思えないものだった。
事情はよく分からないが、あの女はとにかくイカレてる。
あんなの、NTR太郎の恋人であるべきじゃない。別れさせなきゃ。
NTR太郎君は私が守る。
…あの女の言っていた、寝取られという性癖。
彼が帰ってくるまでに少し調べておこう。
うちの畑から次の話が収穫できたので、お裾分けにここに投稿することにした。
自分の食べる分以上の作物を畑の肥やしにするの何だかもったいないので、はい。